みんなのシネマレビュー
ヒア アフター - やましんの巻さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 ヒア アフター
レビュワー やましんの巻さん
点数 10点
投稿日時 2011-02-22 17:57:45
変更日時 2011-02-22 18:08:06
レビュー内容
思えば、イーストウッドが監督した西部劇は、常に「地獄」を描出するものだった。『荒野のストレンジャー』で、主人公の幽霊ガンマンが街を真っ赤に塗り“HELL(地獄)”と名づけて以来、彼自身が演じるガンマンは“一度死んだ者”として復讐すべき相手の前に現れ、この世界は地獄に他ならないことを体現してきたのだった。・・・そして1990年代半ば以降のイーストウッド作品は、そんな「地獄」を、現代劇のなかにも描き出す試みだったのではあるまいか。そこでは、そういった「地獄」を主人公たちが受け入れることでしか“救済”などありえない(でもそれは、もっと深い“絶望”を意味するのだ)。そんな苛酷な、あまりにも苛酷な〈叙事詩〉的作品こそが「イーストウッド映画」なのだった。

だが、この本作において、たぶんはじめてイーストウッドは「天国」について語ろうとした。それは、実際に“天国の光景[ヴィジョン]”が描かれたから、というだけじゃない。確かにマット・デイモン演じる霊媒の才能をもった男も、フランス人の女性ジャーナリストも「来世」を“見た”し、それをぼくたち観客も“目撃”した。しかしイーストウッドは、ここでそれを決して「天国」だと言ってはいない(あのモノクローム風に描かれた「来世」は、むしろ「冥府」のようではないか)。

・・・この映画に登場する、3人の一度“死んだ”者たち。その体験ゆえに彼らは、それぞれ「死の意味」を求める苛酷な日々を送ることになってしまう。この世にありながら「来世[ヒアアフター]」を追い求め、あるいは逃れようとする彼らにとって、もはやこの世界こそが「地獄」に他ならない。

だが、それぞれ長い“「地獄」巡り”を経て、3人は運命的(まさに「ディケンズ」の小説のように!)に巡り会う。その後で、映画は“2つの抱擁”を描くだろう。ひとつはとある施設の殺風景な1室で、もうひとつは何でもない雑踏のなかでの抱擁。しかも雑踏でのそれは、男がはじめて「来世」とは別に“見た”「この世」のヴィジョンなのである。

・・・彼とフランス人のヒロインが(もうひとりの主人公である少年の、天使[キューピッド]的な計らいによって)出会い交わす、抱擁とキス。その“幻視”の後、ふたりは雑踏のカフェに席をとり、親しげに語らう。このラストシーンこそ、イーストウッドがはじめて描いた「天国」だ。その何という穏やかさと、美しさ。
やましんの巻 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-05-18ワンダーウーマン 1984105.92点
ワンダーウーマン106.52点
2016-03-29アメリカン・スナイパー106.94点
2014-10-29マネーボール106.86点
2014-10-28ホワイトハウス・ダウン106.58点
2014-10-22カウボーイ&エイリアン74.74点
2014-04-05ラッシュ/プライドと友情107.45点
2014-04-02ゼロ・グラビティ67.63点
2013-11-22ペコロスの母に会いに行く106.76点
2013-11-20三姉妹~雲南の子107.75点
ヒア アフターのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS