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キューブリックに魅せられた男 - S&Sさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 キューブリックに魅せられた男
レビュワー S&Sさん
点数 8点
投稿日時 2020-10-19 22:02:53
変更日時 2020-10-19 22:02:53
レビュー内容
「レオンは蛾だ、火に魅入られて自ら羽根を燃やしてしまう蛾。キューブリックはまぶしく輝く光だった。その強い誘惑に抗えずレオンは己が身を燃やしてしまった。」これは冒頭を飾るナレーションで、稀代の天才スタンリー・キューブリックに人生を捧げた男の物語です。 主人公はレオン・ヴィタリ、もとは俳優で『バリー・リンドン』でマリサ・ベレンソンの息子ブリンドン子爵を演じた人です。実はこれが初のキューブリック映画出演で、それまでの俳優としてのキャリアを捨てて撮影後にキューブリックのスタッフに志願しました。彼のパスポートに自ら記した職業は原題でもある“Film Worker”つまり“映画仕事人”で、25年間キューブリックのもとで編集・照明・キャスティングなどすべての製作業務で助手を勤め、出演者への演技指導まで任されていました。あの暴君で知られるキューブリックですからその仕事の過酷さは推して知るべし、キューブリックと同じ屋敷で過ごして24時間一週間休みなし、普通の人ならすぐに逃げ出すこと間違いなしです。でもそのおかげでキューブリック作品に関してはDNAレベルと言っても過言ではないほど精通し、キューブリックの急死後ポスト・プロダクションが残っていた『アイズ・ワイド・シャット』を彼の意図通りに完成させました。 これは天才に魅了されるとその人の人生がどの様に変貌してしまうのかという驚異の物語です。そして『バリー・リンドン』以降のキューブリック映画製作の舞台裏が垣間見れるところも貴重です。キューブリックと言えばポスターやパブリッシングについてもうるさく口を出すことで有名ですが、実は彼の意を汲んだレオンの仕事だったというのはちょっとサプライズでした。逆にキューブリックが映画会社やプロデューサーへ本人の承諾を得ずにレオンの名前で抗議や苦情の書簡を送っていたというのは、笑えないですがいかにもキューブリックらしい話しです。そういう汚れ役も引き受けていたので業界ではレオンはけっこう嫌われていたそうで、キューブリックの回顧展が開催されたときは企画にはノータッチでレセプションにも招待すらされなかったというのには同情してしまいます。 レオン・ヴィタリという人は、資金さえあればそれこそ一人で製作・監督・撮影・編集などをこなせるスキルの持ち主なのに、キューブリックの死後も映画製作は手掛けずにまるでキューブリック博物館の学芸員みたいに彼の偉業の数々をメンテナンスし守っているのには、もう崇敬するしかありません。人格には問題あり、と言われているキューブリックですが、一人でもこのような理解者を育てることができたというのは幸せだったんじゃないでしょうか。
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