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タイトル名 |
メイン・テーマ |
レビュワー |
ひと3さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2011-03-03 10:02:12 |
変更日時 |
2014-04-12 22:40:51 |
レビュー内容 |
80年代の瑞々しい軽み映画の良さが、今やまったく感じ取られないだろうな。私は最初映画館で観た後ビデオで何回も見た、ほんとうに素晴らしかった。ハードな名作『家族ゲーム』の翌年に撮られたのだし、軽いだけの作品のはずがない。80年代の「戯れ」ものよろしく、あり得ない仕掛けを満載させるべく主役の男は手品師という設定だが、しかし裏に或る哀しみがある。80年代の「戯れ」ものの上質なものには上質な哀しみがある。それは世界の仕組みにけっして働きかけることのない戯れ=透明人間の自由に起因する。そう考えれば森田芳光がなぜ次に『それから』を撮ったかがきわめて明瞭で、そこでは「高等遊民」の主人公が社会的にはまったく無力であることを曝け出す。
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