4.今後、これ以上の映画が登場するのかと不安になるほどの出来です。通常の映画2本分の長さでありながらダレる間がなく、見終わった後の達成感もひっくるめて見ている側も旅に参加したような気分になれます。「ナルニア国物語」の完成度と比較すればわかりますが、予算がかかっている、技術レベルが高いなどの理由だけでこれほどのものは到底作れるわけがなく、ピーター・ジャクソンという監督の采配あっての完成度です。ひとつひとつのシーン、ひとりひとりのキャラクターを監督が愛情をもってきめ細かに描いている密度があるからこそ、これほど上映時間が長くても見る者の目を離させることなく、自然と集中して見られたのだと思います。セリフのあるキャラクターの心情をじっくり伝えるだけでなく、軍勢をなすオークやトロルの一体一体までに個体差があり、彼らが痛がったり怖がったりする様子までさりげなくも几帳面に描かれているという仕事の細かさはまさに驚異的。このおかげで合戦の連続のこの第3部もただド派手で大味な作品にならずに済んだのだと思います。ストップモーションのキャラクターに個性を与えたハリーハウゼンの仕事をCGの時代にやったのが本作の功績のひとつでしょう。またこの映画の大きな功績だと思うのが、文章のイマジネーションに実写が負けていた部分を相当革新させたことです。例えばトロルやオリファントが軍勢を蹴散らし、ドラゴンが空から襲ってくる様子。文章においては表現されてきたこれらの光景も映像としては実写どころかアニメですら再現されておらず、作り手のイマジネーションが文章に至っていなかったひとつの例だと言えますが、ピーター・ジャクソンという人物は今までできなかったこの映像を十分に説得力ある形で見せてしまっています。また箱庭のような狭っ苦しい印象しか残らなかった実写ファンタジーの世界観を映画史上はじめて覆し、どこまでも広がるような世界を再現、エルフの高貴さや指輪の邪悪さという実在しないものまで十分な説得力をもって表現しているのは驚くべきことです。これがなければフロドの旅の過酷さやゴンドールが挑む戦いの絶望は伝わらず、困難に挑む登場人物たちの苦悩やそれに打ち勝つ勇気という指輪物語のテーマの表現はできなかったでしょう。そんなわけで、世界でピーター・ジャクソンでなければ作れなかった、これ以上の完成度は考えられない映画史上の金字塔と言えます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 10点(2006-11-12 21:46:38)
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3.ネタバレ 原作にある、最後のホビット庄でのサルマン&蛇の舌VSホビットカルテットの対決がはしょられていたのがやや不満ではありますが、三部作の締め、それもSEE版とくれば10点献上せざるを得ません。 【丸に梅鉢】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-30 22:31:13)
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2.いやぁー凄いですね!SEEの3作を何日かに分けて見たけど、どれも面白いです。3作のSEEを全て見ると11時間半位なるけど、そんなに長い時間を感じないし、追加された場面も結構貴重だと思います。サルマンの最期なんかカットしちゃいけなかった気がします。こんなにすばらしい場面をカットするくらいなら、3部作ではなく、4部作にしてもらって、映画館で見て見たかった。なかなか難しいのでしょうけど。王の帰還で終わってしまうのが惜しいくらいです。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-05-25 12:39:12)
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1.おもしろかった。これは遠い昔に本当にあった、神話のドキュメンタリー映画ですね。 【よしふみ】さん 8点(2005-03-01 09:30:08)
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