《改行表示》 87.ネタバレ なかなか良く出来たオマージュ作品。「もっと話し合いましょうよ」という2号。「陪審員て難しいですね(笑)」とおどける8号。ランダムに集められた素人の慣れない話し合い。日本人が制度を真似て、かの映画をも真似た結果はこんなもんさという皮肉にも感じるグダグダな陪審員たち。 そこから、一人の話し合いたい人物2号の熱意によって、自然と議論が白熱していくのだが、正当防衛とか殺意の有無とか、法律家でもない一般人がケンカ腰に繰り広げる議論はデコボコで、みんなが二転三転と有罪無罪に転がる。再び決を取れば、有罪とも無罪とも聞こえるように「むー罪」とか言っっちゃうところ、笑った。 日本人は優柔不断で優しい。被告人に同情したり、逆に個人的な感情を発動して被害者(死亡)を侮辱したり、結局自分の意見で他人を裁く事への重圧から回避するために理由をつけているようにも取れる発言が続く。まったく論理的でない。 そこで、傷害致死罪(殺意無し)で有罪にしたら執行猶予も付くしちょうど良いんじゃないかという「妥協案」が出たりするのだが、何かが違う、と言って無罪を譲らないおじさん4号とおばさん10号に加担したチンピラ風の豊悦11号は弁護士だという。 この「弁護士」の登場からは一気に議論が論理的になっていった。殺意の立証としてのピザの大きさ、目撃者の証言は「ジンジャーエール」、トラック運転手のクラクション、きっと信号が赤だったんだ、被害者は自殺だったんじゃないかとまで可能性の領域が広がっていく。 決を取れば2号以外が無罪を主張し、また振出しに戻ったのだが、これはまったく同じ振出しじゃない。話し合いの結果の1対11だ。話し合ってみるもんだなあ、何があったかなんて誰にも分らない。信念とは自分の意見を貫く事ではないし、人の意見を聞かないという事でもない。 そして最後まで話し合いを求め有罪を主張し「十二人の怒れる男」におけるヘンリーフォンダの立ち位置であると思われていた2号は、実は女房に逃げられて最も私情をはさんでいたというオチが素晴らしく人間臭く日本人ぽくて良かった。 満場一致で無罪。一人ひとり陪審員票を返却して去るところも、オリジナルに負けないくらい清々しかった。弁護士とか歯医者とか、表の立場なんて関係のないところで繰り広げられるのが、純粋な議論だ。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2025-05-09 15:56:59)
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《改行表示》 86.よくできた映画。 冒頭の何気ない飲み物の注文シーンから、各キャラの特徴を表して、 緻密に練られた感がある。 ところどころに散りばめられた「小ボケ」にリアクション・ツッコミをするキャラがおらず、 スルーされるのがシュールだったが、元が舞台みたいなので、それならば納得がいく。 議論が進むにつれて、有罪派・無罪派の形勢や、 各キャラへの心象も変わっていったので、 その点も楽しめた。 【2年で12キロ】さん [DVD(邦画)] 8点(2023-01-22 09:46:37)
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85.ネタバレ よく練られた脚本に台本読合せを入念に行ったであろうリハーサル、その努力伝わりました、楽しめました高得点。 いや~~ 実に白熱しましたね。 縁もゆかりもない、この場限りだけの他人同士であること。思えば、この一期一会こそが「議論」することのあるべき理想の姿かもしれませんね。だって、親族集会や会社の会議じゃあ、こうはいかんもの。特に会社の会議なんて、明日からの立場を考えたら、上司に面と向かって「あなたの意見はまちがっています」なんて言えんわい! (笑) ・・・で、結局は被告の女性が登場すらしないあたり、真実うんぬんは本作の焦点ではないように思われました。 そして確かに優しい日本人たちでしたが、あのメガネくんだけは例外。むしろ彼こそ、ストーカー殺人とかやりそうなタイプ。次は彼自身が陪審審理の対象になるかもね~。 最後の解散していくオチは素敵ですよね、あの後味の良さでみなさんの好感度と映画の点数上がります、まちがいなく。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-08-27 17:58:55)
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《改行表示》 84.密室劇は面白いのだけど、時代もあったというか、今の人たちがやったらもう少し論理的に話が進みそうな気もします。 そこでリアリティが得られるかでしょうか。 【Donatello】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-07-22 07:32:05)
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《改行表示》 83.ネタバレ 話が二転三転していくだけでなく、主役級も入れ替わるのはちょっと新鮮。 何気ない伏線が回収されていくのは映画の醍醐味。 それがこの映画では無理なく鮮やかに決まり感心させられる。 登場人物のキャラも立っていて、12人いてもすぐ把握できる。 舞台ものを映画でもあえてそのままやったのだろうが、珍しいので面白く感じた一方、映画館で高い料金払って観るのならシンプル過ぎで回想シーンとか欲しいと思った。 【たんたかたん】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-02-19 21:17:30)
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《改行表示》 82.脚本が本当によく出来ている。コメディや謎解きも交えながら人物描写も素晴らしい。 あり得ないが自然な展開。とても面白い作品だと思う。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-07-09 15:02:12)
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81.発想が面白いです。物語の内容もとてもよかったです。三谷幸喜脚本・監督でさらにコメディ調の「12人のちゃらんぽらんなイタリア人」とかも見てみたいですね。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-08-23 19:01:31)
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80.三谷幸喜で唯一じゃないかな?これは面白いし、大好きな作品です。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-06-21 17:16:44)
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79.ネタバレ ちょいと登場人物にわざとらしさがあるものの、しばらくすると気にならなくなる程面白い。オリジナルがあれだけよく出来ているので、どうしても比較されてしまうけど、これはこれでいいですよね。ある意味オリジナルよりひねりが効いていて、「そぅきたか~~」と感心してしまいました。もう一つのリメイクのロシア版もいつか観てみたいですハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-13 10:39:57)
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78.『12人の怒れる男』って、これ日本だったら、ってついつい考えつつ見てしまう。三谷さんもそうだったんだろうな、と凄く腑に落ちた。その感想文をドラマにしたような本作は、単なるパロディではなく、日本人論として良く出来ている。①まず情から入ってくること。被告に同情するか否かが、ポイントになる。②個人より団体戦になる。チームが出来てしまい、無罪派は有罪派に負けるなっ、で気勢が上がる。③傷害致死で妥協しようと、落としどころを探る。ここらへん、いちいち笑ったが、日本社会のいろんな場面で目にしていることばかりで、そうそう笑っててもいられない。④休憩時間で雑談っぽくなると、みなけっこう喋りだすのもリアル。一番分身のように感じたのは上田耕一で、議論とか会議とかは向いてないんです、と逃げ腰。議論がほとんど喧嘩として神経を傷めつけてくる。でも何か役に立たなくちゃと思い、有罪・無罪と書かれた専用の投票用紙をせっせと作ってる。「縁の下の役割りなら一生懸命手伝います、そっちやりますから議論は勘弁して」というスタンス。これ分っかるなあ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-17 09:55:48)
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77.ネタバレ オリジナルの尊敬を感じづつそれを超えてやろうって部分も見え隠れしていて非常にいい作品です。ただやはり運命なのか比較あっての作品となってしまうのでオリジナルを二度見の感覚もちらほら。 【とま】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-01 21:29:05)
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《改行表示》 76.三谷作品なので、もっとパロディ化してオリジナルからかけ離れているのかと思いきや、意外や意外、オリジナルをかなりの部分で踏襲していました。 もちろんそこはうまくオリジナルも裏切っており、鑑賞後十分な満足感を得られました。 【たかくん】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-11-09 20:16:36)
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75.オリジナルに敬意を表さないわけにはいかないが、私はコメディの要素の強いこっちの方が好き。日本人だし親しみやすいというせいもあるが、全員一致だから間違いないだろうという根本を「いやまてよ、もしかして」という素直な疑問から入るところが良い。あちらが「怒れる」に対し、こちらは「優しい」というのがまた良く、人間愛というものが感じられる。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-01-30 17:53:15)
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《改行表示》 74.ネタバレ 「十二人の怒れる男」にさらにもう一ひねり加えていて、本家を観ていても十分楽しめた。 ちょっとふざけすぎな気もするけど、コメディ映画なので気にする必要なし。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-01-15 19:34:17)
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73.ネタバレ 居酒屋で「ジンジャーエール」を注文するたんびに(←自分下戸です)この映画の事を思い出します。確かにそう聴こえるし。試しに今度、店員さんに面と向かって「死んじゃえ~♪」って言ったら、ちゃんと注文聞きとってくれるかな?忘年会で試してみよっと(←ウソ。海○蔵氏みたくボコボコにされそう)日本でも、陪審員制度ならぬ裁判員制度、ようやくスタートしましたもんね。感無量。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-12-12 11:09:46)
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72.ネタバレ この映画の最も好きなところは、最後の最後の廊下のシーンです。「自分は人を職業で判断したりしない」と思っていたけれど、この映画のエンドロールで、意外とそうとは言い切れない自分に気づかされました。劇中で段々と登場人物たちの職業や私生活の状態などが見えてくるのですが、長い審議が終わって部屋を出て行く登場人物たちを映すエンディングで「実は○○やってます」と本当の職業を明かす人物が数名。エンドロールにさえ、まだサプライズをサービスしてくれるのは、なかなかの作り込みだなーと感じました。「本当は有罪なんだけど、死刑にするのは気が重いから無罪」といった感覚からスタートする『12人の優しい日本人』ですが、本当にこの人たちの優しさというか暖かさを感じるのも、廊下を歩き去っていくエンディングにこそあると思います。お笑いとおふざけがてんこ盛りのパロディなんですが、エンディングの心地よさはオリジナルよりもこっちが好きです。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-31 05:18:23)
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71.ネタバレ 日本に陪審員制度があったらという仮定のもと、名作「十二人の怒れる男」のパロディーであると共に、陪審員制度(現裁判員制度)導入に警告を鳴らした作品のように感じます。内容はかなりハチャメチャで、見方によれば「十二人の怒れる男」の冒涜と取られかねないが、個人的にはうまくパロディーにしていると思います。形勢が「十二人の怒れる男」の全く逆になっているし、と思いきや最後はひねりがきいているし・・・ただ、陪審員があまりにもやる気なく不真面目なところや、ジンジャエールのくだりはやりすぎかなとも思います。まあ導入したら、いっぱい問題出てきますよというメッセージを込めているとしたら、これくらい大袈裟な演出がちょうどよかったのかも。 【きーとん】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-07-19 18:58:09)
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《改行表示》 70.ネタバレ すでに見たがもう一度見てみた。改めて良くできている。制作費はほとんどかかっていないであろう、シナリオの勝利。「12人の怒れる男」のオマージュというかパロディというかパクリであるのだが、さすがに数十年の時を経て作られてるだけあって、元作よりも圧倒的に出来がいい。 最初は全員無罪だったところから、どんどん有罪に転じ、有罪で一致かと思いきや、最後は無罪で決まるというドラマチックさは素晴らしい。12人の陪審員も個性豊かに描けている。序盤にほとんど発言できず、また雄弁で論理的な人間にただ圧倒されるだけだった人間が後半になって事件解決に重要なきっかけを発言していくのが、なかなか痛快である。「むーざい」など、随所にちょっとした笑いもあり、見ていて楽しい。 もっとも、ミステリーの謎解きとしては少々物足りなさはある。面白いギミックだと思えたのはジンジャーエールのくだりだけで、それ以外では特に面白いと思える要素はなかった。 とはいうものの、お話としては非常に良くできている。 【椎名みかん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-22 10:44:29)
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69.ネタバレ めちゃくちゃ低コストな映画ですね。でもあんな教室みたいな部屋しか出てこないのに、観てたらゾクッとしました。すごいですね。サスペンスとしても面白いし、裁判員制度の曖昧さを認識させるための映画としても評価されてしかるべき映画だと思います。そして、登場人物がいちいち本気でうざかったです。もー黙れよ、と何度思った事か。まるでNHKの「真剣10代しゃべり場」を見てるような気分でした。まぁ、そのうざさが「進まない議論」感を作りだしてたんだと思うんですけどね。 【メリーさん】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-10-09 00:42:58)
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68.ネタバレ 何回笑っただろう。分からないくらいたくさん笑えました。日本人でこういう人、いるいる!って思っちゃうようなキャラクターばかり。しかも、見たことあるけど名前まで分からないな~っていう微妙な役者を起用していて、それも演技力抜群の役者ばかり。この監督さんは全然知らないけど、三谷幸喜なら知ってるので、「三谷幸喜らしいコメディだなぁ~」と感心しました。見るのは2度目だけど、恐らく3度目も4度目も面白いと思っちゃうだろうな~。 【VNTS】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-26 20:53:33)
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