《改行表示》 87.ネタバレ フェリーでみんなが起爆スイッチを押さなかったのは、「自分一人が悪者になるのは嫌だ」という利己的な理由からですよね。なにせ、無記名投票では「起爆スイッチを押す」という方に投票してる方が多いわけで。「自分で押すのは嫌だ。誰か押してくれないかな」と皆が思っているわけです。それなのにお互いのフェリーを爆破しないのを見てジョーカーが「がっかりだ」とか言ってるのは滑稽。ジョーカーさん、あんたの計画がまずいだけですよ。本気で市民に市民を殺させたいなら、誰が起爆したかわからないシステムにしなきゃダメでしょう。「笑っていいとも」の「お手元のスイッチ」みたいなのを配るとかして。大勢が見つめる中で起爆スイッチ押す人がいると思いますか? むしろ、自分一人が悪者になって、自分と同じ船に乗っている人たちの命だけでも救おうとしてスイッチを押す人が、もし仮にいたとすれば、その人こそ「ダークナイト」と呼ぶにふさわしい。英雄をねつ造するために罪を被ったバットマンや、その後事情が変わるかも知れないのに後先考えずに起爆スイッチを海に投げ捨てた黒人の「勘違いヒロイズム」には辟易。バットマンがやったことは「先生はこの国に必要な方ですから」と、収賄の罪を被る政治家秘書とあまり変わりません。まあ、何にしろ、はなっから「善」だとか「悪」だとかいうものを信じていない僕のような人間には、どうでもいい映画でした。 【コウモリ】さん [映画館(字幕)] 0点(2008-09-08 00:19:40)
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《改行表示》 86.ネタバレ かつてこれほど悲しく、重い内容のヒーロー映画があっただろうか。 原作も知らず、何の予備知識も持たずに観た私は、めでたくハッピーエンドで終わると思ったその次の瞬間始まった悲劇のエピローグに驚き、そして最後はやり切れない思いを胸にして映画館から出た。 ただヒーロー映画が全てスカッと明るく爽快でなければならないのか、ハッピーエンドでなければならないのかと言えばそうではないという事がこの映画によって知る事ができたし、興行成績やここでの評価がそれを証明している。(それにバットポッドの登場&走行シーンなんかは最高にドキドキさせられるエンターテイメントになっているし)最後にスカッとニッコリできる映画では決してないけれど、最初から最後まで緊張感張りつめた重厚なストーリー&演出、俳優陣の演技、音楽、SFX全てにおいて素晴らしい映画だ。 しかし、本当にやり切れない悲しい気持ちになったのは、ここのサイトを見てジョーカー役のヒース・レジャーが28歳の若さで既にこの世を去っている事を知った時だった。ニコルソンのあのジョーカーが大好きで、あれを超えるジョーカーなんて無いだろうと思っていた自分を見事に裏切ってくれたこの素晴らしい演技を次作ではもう観る事ができないなんて。これこそ悲しすぎる。自らの命を削って魅せてくれた最高の演技をありがとう、ヒース。 【野良狼】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-22 23:24:27)
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85.ネタバレ ヒースレジャーの怪演が評価されているが、そのほとんどは脚本によるところであって、ビジュアル面やら純粋な演技力で言えば1作目のジャック・ニコルソンには及んでいないような気がする。にもかかわらず本作のジョーカーが見るものに強烈な印象を与えるのは「狂気」の種類がニコルソン版ジョーカーとは全く違うからである、ニコルソンはただ単に自らの欲望に忠実に暴れまわっており、そこにはピカレスク・ロマンとまでは言わないが、ある種の「美学」が感じられ、エンタテイメントとしての爽快感すら存在したのだが、今回のジョーカーは狂気にあまりにも誠実であり、理性的ですらある、そもそもヒース版ジョーカーはデントの一件を見てもわかるように自分(だけ)を「特別」な人間として見ていない、つまりは人間と言うものは全て自分と同じ「狂気」を持っていると考えている、だとすれば彼の行為は全ての人間の(狂気への)開放であり、彼にとっては自己犠牲を伴った奉仕的な行動といえるのかもしれない、そういった考えは理解できないことはない、(もちろん同意はしないが)しかしそれはエンターテイメントではない、だから彼はひたすら不快で怖いのだ、彼を殺さないバッドマンにイライラする観客はまんまとジョーカーの策略に陥っているわけであり、そのことを理解することもまた不快である。同じような狂気を扱っていてもレクター博士には美学があったし、「バトルロワイアル」にはモラルを突き抜けたユーモアがあったが、この作品には何も無い、言うなれば「無償の悪意」を観客に投げかけてくる、金やら愛やら命やらといった具体的な欲求ではなく心の奥底に潜む「純粋な悪」の部分を直接刺激してくるのだ、誰もレクター博士になることはできない、しかしジョーカーにならなる(なってしまう)ことができる、だからこの作品は怖いのだと思う。 【るね】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-24 02:53:19)
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《改行表示》 84.確かにジョーカーはインパクトがあった。でも、ただそれだけ。 ストーリーは冗長で、だらだらと煮え切らない展開に終始モヤモヤする。 何故世間に高評価されているかまったくわからなかった。 【ブラック武藤】さん [DVD(字幕)] 2点(2009-10-03 09:58:43)
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《改行表示》 83.ネタバレ グロイ、ハード、ヘビー。爽快感ゼロ。 よくは出来てると思うが非常に不愉快きわまりない映画。個人的には絶賛はできない。 してはならないと思ってます。 ただスターウォーズのダークサイドに落ちるという意味がどういうことなのかはっきりわかる。光の騎士の復讐のすさまじさこそアナキンに欠けた要素だと思いました。 その点を考慮してもこの点数。 カメラアングルはビギンズと同じでなにやってんだかわからなくなるようなとこも。 ヒロインは美しくないので感情移入できませんでした。注目のヒース・レジャーの狂人演技はまずまずだが、レオンのゲイリー・オールドマン、 セブンのケビン・スペイシー、12モンキーズのブラピ 、ブルーベルベットのデニス・ホッパー 、そして羊達のアンソニーホプキンスなどなどのすごい演技には及ばないと思いました。 【うさぎ】さん [映画館(字幕)] 2点(2008-08-10 17:49:34)
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82.ネタバレ 面白い映画とはどんな映画か? それに対するひとつの答えが今作にある。ほとんどの映画はフィクションだ。だけど、そこにどれだけのリアリティを感じさせ、観る者の共感を得るかが全ての映画が持つ命題となる。このバットマンシリーズはヒーローコミックが元にあり、バットマンが出てくるだけでリアリティという部分で大きなビハインドを負う。ジョーカーの登場も巨大なハンディになって、ちょっと気を抜くだけですぐにお話が絵空事になってしまう。が、今作は最後まで緊迫した空気の中でストーリーから現実味が消えることは無かった。これは緻密な計算の結果だ。前作に比べてバットマンは微妙に弱く、時には雑魚敵に苦労する。満身創痍で自分で傷口を縫う。ヒロインに選んでもらえない。でも、選ばれたと云う哀しい思い込み。時間が経つと剥がれてくるジョーカーメイク。バットマンを「ならず者の自警団」として非難する声、等々。これらはすべて、映画をリアルへ引き戻すための演出です。この映画の設定自体が持ち合わせる大きなフィクションのベクトルを、脚本と演出の努力によってリアル方向へのベクトルで相殺する。結果、ヒーローアクションムービーならではの吸引力に硬質で奥深い説得力を加えることに成功している。これこそ面白い映画の見本である。ちょっとだけ残念だったのは、フェリーに仕掛けられた爆弾を囚人の親玉みたいな人が船外に投げ捨てたシーンだ。あそこだけは、ご都合色が顔を覗かせた。そこにマイナス1点。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-08-24 01:28:39)
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81.ネタバレ もし、“悪ふざけ”の対語として“悪まじめ”って言葉があるとしたら、さしずめこれなんかそう。アメリカ娯楽映画の偉大さは、野暮を排除するところにあったはずなのに、最近は平気で野暮する。かつては、娯楽として徹底させるなかで無意識に何らかのメッセージを忍ばせることはあっても、その手つきを誇示はしなかった。ところが最近は堂々と見せて、とうとう活劇映画の山場を善玉と悪玉の対話で済ますまでになった。悪まじめであろう。それをやっちゃあおしまいよ、だ。船の相互爆破のエピソードもつらかった。「やられる前にやれ」で始めたイラク戦争の自己批判のつもりなのかも知れないけど、あまりにメルヘンチック。ジョージ・ワシントンが「桜の木を切ったのは僕です」と名乗り出るところをそのまま映画化したらこうでもあろうかという恥ずかしさ。どうしてもその話を演出しなければならないのなら、ちょっと三枚目にひとこと言わせる場面を入れるなりして悪まじめにならないよう気配りするのが、かつてのアメリカ映画だった。照れるということを知っていた。今は堂々と野暮をやる。ジョーカーが出てくるときも、もうちょっと粋に登場してほしいのに、ヒョイと出てくる、あの顔で。別にファンファーレを鳴らせとは言わないけど、悪玉としてのツヤがなさすぎないか。これからの時代、思想を語りたいのなら語っても結構。ただ、悪ふざけにも悪まじめにも堕さなかった、かつてのアメリカ映画の栄光を忘れないでいてほしい。 【なんのかんの】さん [DVD(吹替)] 5点(2009-05-06 12:08:21)
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80.ゴッサムシティって最悪な街だな・・・俺だったら絶対移住してるわぁ。 【はりねずみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-14 16:09:44)
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《改行表示》 79.ネタバレ 何より脚本が素晴らしい。第一級のエンターテインメントでありながら重いテーマに繋がる流れには淀みがなく、完成されている。 ジョーカー対バットマンの人知を賭した戦いは目が離せず、理屈ぬきに面白かった。ジョーカーの病的なまでに狡猾な策と、バットマンの取る破天荒かつ大胆な手段との対決には、アクションの爽快さと頭脳戦のサスペンスの両方が盛り込まれている。意表を突いた展開の連続はよくできたミステリーのようだし、アクションシーンの凄まじさはハリウッド映画の真骨頂といっていいだろう。 ジョーカーというキャラクターの魅力はこれまでのどんな悪役も及ばない“わけのわからなさ”、予測不可能の狂いっぷりにあるように思う。カリスマ性であればレクター博士などにはもちろん劣るが、しかしバットマンに蹴りつけられながらけたたましく笑い転げるあの底知れない不気味さ、予測不可能の恐怖は前代未聞だ。いたずら好きの残酷な子どもをそのまま大きくしたような純粋な悪意と、実は相当に理性的な知性の同居。これが怖い。 バットマンに関していえば、今回“財力”という要素を特徴的に扱っている点がユニークだったと思う。とくにアリバイ作り、スカイフック作戦の下りはほとんど『おぼっちゃまくん』『富豪刑事』レベルで、ちょっと笑えた。 しかしこれまでのアメコミヒーローとの決定的な違いは、自らを“必要悪”として認識しているところだろう。初めから、本来なら自分はいない方がいい存在であると考えていて、あくまでも主役は司法、自らは補助役に回る。 人が怒りや憎しみ、恐怖を抜きにして正義を為すことの難しさを真正面から描いている点は、アメリカ映画としては稀に見る誠実な作品だと思う。同じ立場にあって、自分はトゥーフェイスではなくバットマンでいられる、と言い切れる人がどれだけいるだろう?(しかもそのバットマンも、愛する人に選ばれなかったという真実は知らない上での、強さなのである)。後味は重苦しいが、しっかりとテーマに向き合っているからこその結末だろう。 これだけの要素を盛り込みながら二時間半、中だるみは一切なし。少なくとも娯楽作に限っては、おそらく2008年のベストじゃないだろうか。 【no one】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-08-15 18:37:27)
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《改行表示》 78.ネタバレ “完璧”としか言いようがない作品に仕上がっている。 たったの2時間30分で本当にこれほどヴォリュームある内容を詰め込めことができるのかというほど充実したものとなっており、なおかつストーリーが無理なく流れている。 「悪者を懲らしめる」「地球の危機を救う」という単純なヒーローモノとは一線を画しているのが特徴。 「正義とは何か」「善と悪との表裏一体性」「復讐と正義」などを観客に真摯に問いかけている。 トゥーフェイスを通じて、高潔な人間でも簡単に悪に染まるという“人間の弱さ”を描き、一方で二つのフェリーに託された起爆装置やバットマンの姿を通して、自己を犠牲にしても厭わないという“人間の強さ”を描いている点を評価したい。 殺しあうのも人間の本能だが、他人を守ろうとするのも人間の本能ということか。 簡単に悪に染まりもするが、簡単に悪に染まらないのも人間ということを描きたかったのではないか。 また、バットマンもジョーカーも、確かに一歩間違えればやっていることは同じことなのかもしれない。善良な人間を無差別に危険に陥れるのがジョーカーならば、悪人を無差別に倒すのがバットマンともいえる。彼らの姿は表裏一体のところがある。 しかし、バットマンは怒りに任せてジョーカーを殺そうとはしていない。 正確には覚えていないが、劇中で誰も殺していないのかもしれない。 バットマン自身も愛する者を失ったにも関わらず、「復讐と正義」の一線を超えようとはしておらず、“ゴッサムシティを守るため”という大義名分を守り続けている。 バットマンの姿を通じて、「正義とは何か」を問いかけている。 復讐することは正義ではなく、復讐は暴力の連鎖しか生まないと訴えているようにも思える。 このシリーズのバットマンは影が薄いが、今回はジョーカーに完全に食われることなく、真の意味では主役であったと思う。 最後まで見れば、タイトルに込められた想いが深く噛み締められる。 ヒーローとして賞賛されることが真のヒーローではない。 悪に負けないこと、正義を守り抜くことがヒーローということを伝えようとしている。 ジョーカーはあくまでも人間の弱さの象徴であり、自分の弱さに付け込まれたマフィアや汚職警官たちが本当の意味での敵だったのかもしれない。 ただのヒーローモノというよりも、奥深いメッセージが込められた作品である。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-08-04 23:24:44)
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77.ネタバレ クリストファー・ノーラン監督の描く新生バットマンシリーズ第二章。ヒース・レジャーは最期の最期にとんでもないモノを残していきやがった!!ただ事ではない異様な緊張感がみちており、ジョーカーが次々と仕掛ける生と死、善と悪の究極の選択からなる連続するクライマックス、怒涛のアクション、畳み掛ける音楽に終始引きこまれる。ノーラン監督の下で全く妥協を許さない姿勢が本年度最高の大傑作を誕生させた!クリスチャン・ベールを初めとする実力重視の超豪華俳優陣の演技も見応えがある。だが何といっても本作最大のみどころはヒース・レジャーの最期の怪演!!知恵と力、強固な意志で常人を超越した存在となったバットマンに対し、全ての規律を捨て去る事で常軌を逸した怪人、ジョーカーを爆発的な存在感と悪のカリスマ性で演じきった。必見だ。彼の名演は間違いなく映画史に刻まれるだろう。この映画はもはや単なるアメコミの映画化作品ではない。本格クライムアクション映画でありながら、スタイルは違えど自身のやり方で正義を貫こうとする三人の男達のドラマでもある。前作「ビギンズ」からさらにゴッサムの闇が掘り下げられており、正義の追求、希望とは何かを考えさせられるストーリーも秀逸。腐敗を一掃することをゴッサムに誓い、闘った正義漢であったデントですら闇に堕ちる。どんな人間でも心の底には悪を抱えていることを証明したいジョーカーの勝利に見えたが、バットマンが無法者の自警市民として罪を被りジョーカーの勝利を打ち砕く事で、デントを信じたゴッサムの人々の希望を守った。希望を絶やさないためにデントが自身をバットマンだと言ってブルースをかばったように。偽ることが時に正義、希望へと繋がることもある。希望を信じ闘うブルース自身すら最愛のレイチェルがデントを選んだことを知らないのも深く考えさせられるところだ。三人の男が求めた正義とはどれほど大きな犠牲を払おうと、たとえ偽りを伝えようと、人々に希望をついえさせないようにすることではないだろうか。三人の関係は、デントの死で変わってしまったが、正義をもとめる姿勢は変わることはない。バットマンはたとえ無法者として警察に追われても、決して日の光があたることがなくても自分の正義を貫きゴッサムの平和のために死力を尽くし闘い続けるだろう。それこそが彼がダークナイトと呼ばれる由縁ではないだろうか。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-08-03 17:22:01)
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《改行表示》 76.ネタバレ ノーラン監督とヒース・レジャーは、徹底的にジョーカーをサイコパスとして描いた。アメコミ「ダークナイト・リターンズ」のフランク・ミラーのジョーカーからすると、その解釈は間違いではない。しかしリアリティを求めたことにより、ジョーカーの器の大きさを限定してしまい、旧シリーズのニコルソン、あるいはレクター博士のポプキンズの見せた「つい憧れてしまいそうになる恐怖」が希薄になってしまっているのは残念。はやくもオスカーの噂が出ているヒースの演技(故人)自体は、評判通りのものだった。ただし役者にとってサイコパスほど演じやすいものはない。身近な例では、日本のお笑い芸人である鳥居みゆき。 映画の印象は、「セブン」に似ている。だが本作の主人公であるブルースは、しっかりとした意志を持っている。少なくともマスクをかぶったときのバットマンには、心の葛藤というものがない。そうした強さこそが人間・バットマンの魅力である。 ふんだんなアクションシーンに加え、全体的にカット数が多く、スピード感がある。しかしどんなに楽しいジェットコースターでも、2時間半も乗り続ければ疲れる。カットするシーンがないと思えるほど緻密に作られているので、「短くしろ」と簡単には言える問題ではないのだが、このことからも「観客を選ぶ映画」になっている。前編、後編にわけるのも1つの手だったかもしれない。 本作でのバットマンの真の敵はジョーカーではない(そもそもジョーカーは狂犬であり、バットマンの眼中にはない)。ゴッサムという架空都市にはびこるマフィアたちであり、汚職であり、不正があたりまえのものだと思う市民の心なのだ。バットマンが信じるのは復讐や暴力的解決ではなく、あくまで司法だ。こうしたドラマは、これまでのアメコミ映画を期待した観客には重いと感じられるかもしれない。 脚本と演出は細かい一方、ずいしょに説明不足であったり乱暴であったりするところが見られる(2人の選択の件や、船の選択の件など)。しかしかつて黒澤明が「七人の侍」で時代劇を壊し、新しい時代劇を作ったように、本作がアメコミ映画の金字塔となることは間違いないのではないかと思う。 【DONG】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-03 15:17:33)
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《改行表示》 75.ネタバレ 実はバットマンの悪役は1人を除いて、全員が精神異常者。(犯罪紳士ペンギンだけは普通の刑務所行きだが、他の悪役は皆アーカムにぶちこまれる) で、その代表選手がジョーカー。 そして、ジョーカーは、バットマンを「仲間」だと思っている。同じ精神異常者だと。 つまり、ジョーカーとバットマンは表裏一体の存在。 トラウマから正義の使者となったバットマン。 トラウマから悪の権化となったジョーカー。 やり方が違うだけで、根っこは同じだろう、というわけ。 精神異常者であるジョーカーには、金も権力も名誉も、何も要らない。 ただ、同じ精神異常者であるバットマンを「同じ土俵」にあげたいだけ。 そして、バットマンはジョーカーと同じ精神異常者にならないために「最後の一線」として、けっして「殺さない」。 この展開が、1990年代以降のアニメとコミックでは主軸になっていた。 それをきっちり描ききって見せたのが『ダークナイト』。 でも、まさか、ここまでやりこむとは思わなかった。 信じられない。 最高な一本でした。 【伊達邦彦】さん [映画館(字幕)] 10点(2010-01-10 18:18:16)
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74.凄いですね。この作品の評価は。まさに大絶賛のオンパレードではないですか。だが、私はシリアス路線のバットマンなんて大嫌い。 そんなわけで自分が今、凄く怖いのは、今回のレジャー版をきっかけにされて、ティム・バートンの【1989】バットマン、及び、もっこりパンツの【1966】バットマンを冷やかし程度に〝後付けで〟見られる方が もしかして急増してしまうんじゃないかなって事が非常に心配なのです。 お願いですから、ダークナイトの余韻を持ってして1989&1966を見ないでください。特に1966見ないでください。笑えますけど小バカにしないでください。だってもっこりなんだもん。 【3737】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-11-09 22:46:20)
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73.ネタバレ バットマンは悩むふりをして、自分の自意識を愛している。偽善的な正義感をふりかざしている人を見ると、ジョーカーのように、「あなたはじつは偽善者なんですよ」と教えてやりたくなりませんか?私はムラムラする。この思いは私だけじゃないはずだ。あなたたちもだ。悪を自覚している人間よりも、それを自覚していない正義づらした偽善者を、人は憎むのです。もちろん自分のことを棚においてね。ヤクザより政治家が憎いと感じるのはそのせいだ。人間は毛皮を着た動物愛護団体の職員だ。自分の偽善にはまるで気がつかない。それをジョーカーは我々に気がつかせようと頑張っているのだ。じつは彼は性悪説の宣教師だったのです。知ってましたか?多くの人間が人殺しを行わないのは、神を恐れているからです。え?「ボクは無宗教」だって?それはあなた、嘘ですよ。初詣に行って何かに祈るように、すべての人間は見えない存在を信じ、そして恐れており、それが犯罪に対する抑止力になっている。それなのにマスコミは若者が無差別殺人を起こすと精神異常だという。それは違うのだ。信じていたものが存在しないと悟ったから本性を表しただけである。人間は虚無に陥れば何をするか分かったものじゃないんだ。絶望は簡単に人を変える。いや変わるのではなく本質をさらけ出す。善人だと言われている我々が、なぜ善人でいられるのかをジョーカーは教えてくれる。人間は広い。広すぎるくらいだ。私ならもっと縮めたい。私は私なりにジョーカーに返答したい。文句なしの0点です。 あなたと私は同類だ! 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 0点(2009-01-13 20:45:44)
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《改行表示》 72.ネタバレ まざまざと正義と悪の境界線の曖昧さを見せ付けられた。 …正義と悪とは何か? うン、正義と悪。 …「光と闇」 …「強き者と弱き者」 …「カッコいいとカッコ悪い」 …「快楽と苦痛」 …「美味しい物と不味い物」 …「薬と毒」 相対、いや対立するその因果関係。 正義とは?そして悪とは? そンな事を考えさせられる映画だった。 ヒーローでありつつ究極のダークサイドに位置するバットマン。 ヒールでありつつ究極のライトサイドに位置するジョーカー。 劇中で表現されたジョーカーという男を現す台詞。 奴は世界を終らせる火を放ち、それを見て嘲う男 だ…と。 確かにその言葉に相応しい狂気。 奴の行動は全て娯楽でしかない。 金品強奪、殺戮と破壊はゲーム…その結果には興味はなく… 報酬も自分の価値の測定で存在意味への確認。 途方も無く積み上げられた金に火を点けて笑う彼に正直シビレた。 そう、その瞬間…彼は悪のカリスマとなった。 例えるなら…幼少の頃、昆虫の足を捥いで観察してるような惨酷性。 人はその中で傷みを知り成長し、大人になっていくのだが… 彼はその幼少の惨酷性をそのままに、全ての狂気の根源としている。 バットマンは、最後に人殺しの濡れ衣を自ら背負う。 トゥーフェイスとなったデント検事を自ら殺めた事にする事でゴッサムの秩序を保つことを選んだ。 そして、その瞬間…彼は忌み嫌われる闇の騎士となった。 最も秩序であり正義にたったデント検事asトゥーフェイスだったのも興味深い。 使命感が過多で心の余裕無き故に、使命感という名の元…悪にも転化する。 彼のコインは善悪表裏一体。 しかしそのジャッジは危ういほど偶然と運が支配する。 バットマンに憧れた者がジョーカーによって悪として誕生した。 そんな善と悪、光と闇の間で翻弄されたトゥーフェイスが哀れでならなかった。 彼の善と悪に別れた顔… それはバットマンとジョーカーに翻弄された、悲しき光と陰の映し鏡。 【映画の奴隷】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-09-11 19:12:59)
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71.ネタバレ 善人が憎しみにより悪人に転落。フェリーでの市民の対応。最愛の人が殺されても復讐に走らないバットマン。など、極端な対応を行う構図で「正義とは何か?」を描いた作品。若干、悪に屈しすぎな面があり、警官志望者が減ってしまうんじゃないかと心配になるような場面も多々あります(笑)娯楽作品というよりは脚本家の犯罪社会観や人間観察が色濃くでているため、人を選ぶ作品だと思います。私自身は鑑賞後の後味が非常に悪かったので、今回の点数となっています。最後のほうで、もう少し、希望が見出せるシーンがあれば良かったのになあ・・。と思いました。 【らいおん】さん [映画館(字幕)] 3点(2008-08-09 16:47:26)
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《改行表示》 70.ネタバレ 今回バットマンの前に立ちはだかるのは純度100%の「悪」であるジョーカー。自分の過去さえも覚えてなく、まるで呼吸をするかのように人を殺す。しかも彼は狂っているだけでなく非常に計算高い。バットマンを内から外から追い詰めていきます。そしてバットマンの理解者であるデントが「悪」に染まり「トゥーフェイス」となるあたりから物語は加速度的に進んでいきます。 トゥーフェイスは自分を騙した者達への復讐を始めます。 そして、バットマンは常にジョーカーの後手後手に回ります。 ここまでのシナリオは間違いなくジョーカーが描いていたとおりの物でした。しかし、最後の最後、ジョーカーがゴッサム市民に提示したゲームがバットマンの、そしてデントの信念であり正義は無駄ではなかったと示す結果になります。 しかし、市民に根付いていたデントの「正義」はデント自身の中にはもう既になく、「悪」に染まっているという皮肉・・・。そして死ぬまでに結局デントは5人を殺害してしまいます。バットマンは市民の間に根付き始めた正義を摘み取る結果を恐れます。 バットマン自身も一歩間違えばデントと同じ。悪の道へ染まっていたかもしれない。 「だけれどもレイチェルが自分を選んだ!」という幻想だけで何とかバットマンをやっていけてるぎりぎりの状況。それにもかかわらずバットマンはデントの殺人の罪を被ります。 そしてバットマンはゴッサムシティを影から支えるまさに「ダークナイト(闇の騎士)」となるわけです。 次回作でバットマンは新たな闇に、そして自分自身に内包する闇に打ち勝つことが出来るのか。次回作に期待せずにはいられません! (追記) 2回目観賞しました。 ストーリーの隙の無さが際立ちますね。やっぱりジョーカーは素晴らしいのですが、1回目は正直ジョーカーに圧倒されてしまい他の役者たちの演技やストーリーラインをじっくりと観賞することが出来なかったので。脇を固める名優達が最高でした。そして、主人公役のクリスチャン・ベール。 彼のカッコよさが2回目は際立ってましたね。ラストのゴードンの「ダークナイトだ。」のくだりからドン!と「THE DARK KNIGHT」のタイトル。たまりませんね… 【bolody】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-08-03 23:25:28)
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《改行表示》 69.大傑作と名高い本作。 公開の翌年くらいに期待して観たわけですが、「ん?これただのバットマンじゃないの?しかもなんか暗いし」としか思えませんでした。 この映画の評でよく見かけるのが「正義と悪の相対化」、正義とはなんぞやと悩むあたりがスバラシイと評価されているようですが、そりゃ元が能天気なアメコミならそうでしょう。そんなことで悩むアメコミヒーローはそうそういませんから斬新だったのかもしれません。 しかし、残念ながら日本人は正義のあり方に悩むヒーロー像なんて普段から見慣れています。 日本には数十年におよぶ特撮や漫画、アニメのヒーローの歴史があるわけで、たとえばウルトラセブン(モロボシダン)が卓袱台はさんでメトロン星人とその手の議論を交わしたのはすでに50年近く前の事。 いまさらそんな中学生レベルの事で悩まれても「んーー、あんたその程度の覚悟でバットマンとかやってんの?」としか思えないわけですよ。 この映画は、アメリカでの記録的ヒットと比べて日本ではびっくりするほど稼げなかったわけですが、その理由は、日本人にとってはあまりにもいまさら感があるそのしょーもないテーマにあったんじゃないかと思います。 もちろん、日本人がバッドマンにほとんど思い入れがないってのもありますが。 あ、あとマギージレンホールがヒロインってのは容姿的にちょっとどうなんでしょうか…アメリカ人の美的センスはわかりません。 【あばれて万歳】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-11-05 10:55:01)
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68.あなたが船で起爆装置を持っていたら、どうしますか。と問いかけられる映画。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-08-05 20:36:37)
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