《改行表示》 19.ネタバレ オールタイム・ベスト格の映画なので、これは譲れません。って、評価低いですね。奇抜な世界観、怒涛の展開、超能力バトル、そして世界の創造と、これが100分足らずで起こったことかと思えるSF映画史上の奇跡。これって「マトリックス」が3部作かけてやった内容ですからね。 そして愛は記憶を超えうるのかという裏テーマもナイス。ジェニファー・コネリーは究極の奥さん女優であることは「ビューティフル・マインド」で世界が認めましたけど、この映画で私はずっと前から知ってましたよ。ルーファス・シーウェルが超能力でガラスを割り、ジェニファー・コネリーとキスするシーンは映画史上もっとも美しいシーンです。そしてキーファー・サザーランド演じるドクター・シュレイバーにも男泣き。この映画でもっとも感情移入してしまうのがドクター・シュレイバーです。人間でありながらストレンジャーに加担する彼は、冒頭での登場以来どう見ても狂気の科学者なのですが、実はストレンジャーから自分の記憶を消すことを強要された悲劇の男だったんです。支配の側で身の安全を図る現状と、一方で同胞を裏切っているというジレンマに悩む彼は、ラストで突然変異のマードックを救世主に変えます。そのほか、何もしないのにかっこいいウィリアム・ハートもナイス!考えてみれば、この映画ってのはマードック以外の誰が主役でも話が成立するし、そうすればそれぞれに印象の違う作品になりそうです。それほど構成がしっかりしているということ。ミステリーから幕をあけしだいにテンポをあげていき、世界の果てが露になるにつけ怒涛の展開に。そしてラスト、マードックはダークシティに光をもたらし、住民の記憶にだけ存在した海を作り上げます。そして神にさえなれた彼は、ただのひとりの男として再び妻との出会いから始めます。愛は記憶を超えたんです。そういえば、冒頭のナレーションは謎の半分をしゃべってるんで不要だとよく言われるけど(DVDの解説では、監督自身もあのシーンは無駄だと言っていました)、いま見返せば映画の雰囲気をよく伝えており、あながち悪いとも言えません。ちなみにDVDの吹き替えは出来がすごくいいので、ドラマがさらに盛り上がります。 【ザ・チャンバラ】さん 10点(2004-06-12 10:33:58)
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《改行表示》 18.ネタバレ どこかで見たような映画なのですがうまいことできてる(笑) まず冒頭のストリーテラーから「宇宙戦争」に代表とされる語りだし。 この手法は旧約聖書とかの史劇モノで必ず使われます。 主人公は記憶喪失でバスタブから脱出するシーンは「SAW」。 連続殺人事件の犯人は誰? 徐々に記憶を取り戻すかのような主人公と異星から侵略しにきたかのような連中。 ここは地球のとある古い時代の街で宇宙から地球人をさらいに来たか、 それともここはニセの街で宇宙人がそこに地球人を飼育実験にしているのか? 街の外はどうなっているのか? 夜中の12時に針が重なると街中が止まるのはなぜ? 記憶の入れ刷みをされたのは誰?? 面白い・・ こういったテンポの速い難解SFって好きなんですよ。 しかも絵が暗いから「レディ・キラーズ」のようなブラック・ファンタジーみたい。 運河の向こうにある夢の島にはどうして行けないのか? 閉鎖感いっぱいの演出は前に観てうろ覚えの「トゥールーマン・ショー」みたい。 あの作られた世界は外はああだったんですがこれは見事。 超難解だった「惑星ソラリス」のラストの答えがここにあると思いました。 そして「CUBE」とそっくりな演出もあります。 CUBEで一番好きな高さがわかる怖さ部屋が動く怖さがここに・・ というと・・まるで娯楽SFのおいしいとこどりごった煮なのですが、 これに「マトリックス」の世界を入れたような感じで、 よくまあ100分に詰め込んだものだと感心。 どうせアメコミのような作品だろうと期待はしていなかったのですが、 ラストまで飽きることもないし何しろ最初から飛んだSFと見ていたので面白い。 暗い画面や記憶を植えられた話や悪魔団体のような集団・・ 苦手な方にはお勧めできませんが好きなら楽しめます。 主人公が中途半端にヘタレのくせに無敵なので、 これは感情移入はできかねるなぁと思うのだけれど、 どの登場人物が主役でも成立すると監督が特典で説明していました。 ああそうかそれはありうると感心。 博士に妻役に異星人のボスに刑事に・・誰の目で観ても見られます。 この作品の主役はこの世界らしいから(街ということで) 期待していなかったアメコミ格闘系SFと思っていたのに、 なかなか哲学的で暗いのに娯楽SFとなっています。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 13:12:58)
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《改行表示》 17.ネタバレ SFがすぎるSF。これは好みが分かれそうな作品ですね。 タイトルが『ダークシティ』なのだから、暗くて当然なんですけど、それにしても暗い。そして閉塞感が凄い。 このタイプの映画にしては、説明があまりに大雑把。ちょっと不親切ではないでしょーか。そのうえで、あまりにとりとめのない話が続くので、流石に途中ちょっとダレます。 はっきり言って導入から序盤は、ホラーテイストだし、ミステリーだし、なんか不思議空間だし、それはもう興味津々で見れたんですけど、中盤くらいになって、『もしかしてこれって何でもアリ的な展開になるんじゃね?』って思ったら、まさにそうなっちゃいました。 『チューン』とやらの力で、海と太陽まで作っちゃうとは・・・。本当に何でもアリ。 それでいて超能力合戦の締めくくりはナイフとばして、跳ね返して、ブスッて・・。何でもできるのに超地味な決着。このバランス感覚が何とも・・。 いや、それを言うなら、最早この世界を作っていらっしゃる方々なのに、ジョン・マードックの行方を追う方法は地道な聞き込みって。 この作品は確かに『マトリックス』系列ですし、舞台設定は『トゥルーマンショー』にそっくりです。ただ世界感は『未来世紀ブラジル』を思いだします。リアリティと共存するSFは凄い盛り上がれるのですけど、はじめからすべてがかりそめの舞台設定では、何をされても盛り上がることができません。残念です。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-06-12 04:02:55)
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16.ネタバレ とにかく画面が暗くて、明るい場面が皆無。体調が悪いときは寝ちゃうこと必至。実際中盤辺りは退屈気味で眠くなった(でも寝てませんよ!)。しかしそんな憂鬱さを最後の青い海が吹っ飛ばしてくれましたね、いやー明るい場面が目に沁みますなぁ(笑)。とても独特の世界観は面白く、興味深い。それだけになにか地味な印象で終わってしまってるのがちょっと勿体ない、キャスティングも関係してるかな?とも思ったりして。そんな印象でゴザイマス 【Kaname】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-03-08 09:10:04)
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《改行表示》 15.レトロフューチャー的な画作り。 ティム・バートンやテリー・ギリアムがやるような、敢えてチープに作った映像が、視覚的な遊びにとどまらず後々の展開にも生きてくる。 ストーリー自体はSFではよくある超古典的なパターンで、正直言って真相も読めてしまう。これが小説なら「うわー……」といったところだが、それもレトロなセットとマッチさせるために意図したものなのだろうか。このへんは判断が付かないけれど、様式美のような謎をいつまでも引っ張り続けるキーファー・サザーランドのセリフまわしにはちょっと苦笑した。 総じて言えば映像を楽しむ映画。もうちょい短くてもよかった。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-03-27 15:26:33)
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14.あー、こういう世界観大好きです。『マトリックス』だったり時間泥棒『モモ』を彷彿させます。最後の超能力合戦もいい。 【noji】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-02-03 14:38:15)
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《改行表示》 13.ネタバレ この設定は好き嫌いが激しくわかれそう。 好きならそこそこ面白いんじゃないかな。 あれだけ世界を変えれるなら、とりあえずヒロインのまゆ毛を直してください。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-10-16 12:59:37)
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《改行表示》 12.ネタバレ 『支配者により管理された世界』『主人公だけが敵同様超能力者』等、今だと結構良く見る設定だが、制作された年代を考えると中々先進的だと思う。 特に『断片的で曖昧な記憶』『昼が来ない世界』等はホラー的でとても良いスパイスになっていた。 だがそう言った謎の大半をスターウォーズの冒頭シーンみたいな演出で全部バラしちゃうのはかなりもったいないと思った。 他にも後半、敵の手先と思われていた博士が実は小さい頃から主人公を見守っていた味方だったと言う内容も悪くは無いが唐突過ぎ、もうチョイ伏線張っても良かった気がする。 あとラストの超能力バトルがいささかダサい。超能力を使う時に額から螺旋状の衝撃は見たいのを出すがあまり格好良いモノではなく、このシーンに関してはつくづく大友先生の『球体状に広がる超能力空間』と言う演出がいかに素晴らしいものなのかを再認識させてくれた。 冒頭とラストの唐突ぶっちゃけ演出は頂けないが、設定にはキラリと光るものがある惜作。 せめて120分位にすればもっと丁寧に出来た気もするので本当に惜しい。 【ムラン】さん [DVD(吹替)] 6点(2011-07-22 22:27:29)
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11.先の読めない話と斬新な映像に引き込まれた。ちゃんとテーマを消化したマトリックスというところですね(こっちの方が先ですが)。卑屈なキーファー・サザーランドにビックリ。 【次郎丸三郎】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2010-11-24 23:14:50)
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《改行表示》 10.なぜ5点。それは主役の俳優さんに納得がいかないから。 イギリスの俳優さんだというが、これだけ濃い顔なのに、オーラがゼロだ。そして髪型がヘンなうえ、顔に似合わずけっこうずんぐりした体型。ゲイリー・シニーズに似ているにもかかわらず、シニーズのような品もスター感もなし。100分間中一度も魅力を感じなかった。そのうえ名前を知らなかった(覚える気なし。)ジェニファーやウィリアム・ハートと比べると、そのオーラの無さが目立つなあ。 というわけで主役の俳優さんが好みじゃないという下世話な理由により、終始ついていけなかった。けっこうおもしろい話なのに。でもずっと夜なので疲れた。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-07-23 01:05:58)
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《改行表示》 9.ネタバレ 雰囲気や世界観とかはよく出来てた感じ、タイトルがベストマッチング。 ただ後半、キーファー・サザーランドが口頭で怒涛のネタバレをする。 そして、短い尺のせいか結構終盤が強引。 超能力での戦闘シーンはかなり画的に面白くない。 一口にB級と捨て置けない微妙なクオリティー、AとBの狭間。 でも、全編パロディーに溢れてるのでそこら辺を加味するとやっぱりB級ですね。 サザーランドの使い方も含めて、勿体なさが匂い立つ。 主人公が神にも似た存在となり、敵を一掃し、街を組み直す・・そして、愛する妻と。 だが、記憶を超えた愛を見せられてもどうにもスカッとしない。 【HIGEニズム】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-06-01 10:08:27)
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《改行表示》 8.焦点を何処に絞っているのか不明瞭で、散漫な印象を受けるが、その散漫さが真っ黒なガラクタを散らかした感じがして逆に、可笑しな妄想癖のある私の心を見事に捉えてしまった。 テーマやメッセージ性なんか、この作品にはどうでも良い事かもしれない。コントラストの高く暗い、幻惑的世界の美しさは、その世界観を密かに好む人間にとっては至極素晴らしい映像美だと思う。この作品は其れだけで大半を成り立たせている。残る印象が「暗い」と言うのが証拠。 次々と展開して行く、記憶の錯綜。主人公を阻んで行く様に動く“張りぼて”の街並み。次に絡んでくるこの要素は見る側を更に混乱させて、ある種観客の淘汰をしている様だ。まるで「さぁ、僕の世界観についてこられるかな?」と試しているんじゃないかと思ってしまう程だ。 エンターテイメントとしての映画ではなく、アート感覚のイメージを持ちながら、この暴力的静寂を楽しませてもらった。 全体から微少に滲み出て来る、子供の持つ独特の不気味さに似た不安感…これにファンタジックな影を感じて思わずニヤリ..。 【MAZE】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2005-08-01 22:14:39)
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《改行表示》 7.ストーリーや設定、世界観も独創的で素晴らしいが、こちらに分かるようにやってもらわないとちょっときついね。 なんとなく監督の一人よがりになってないかなという気がする。 色々なことがやりたくて、全てが置き去りになってしまっていると思われる。 冒頭の連続殺人から始まり、記憶を失った者の「自分は何者なのか?」という自分探しや人間の個性とは、思い出とは何か?という人間性を描きたいのかと思いきや超能力対決になってしまうし、最後も太陽とか海とかなあ、しまいにはラヴストーリーだし。 舞台は面白いからもっと絞って描けば、なかなかの傑作になり得た可能性もあったんだが。
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《改行表示》 6.ネタバレ SF+サスペンス+アクション=中途半端、の典型的な作品。「自分達の信じていた世界が作り物かも知れない」という、ありがちな世界観に加え、なんと導入で「異星人が人間の記憶やら何やらを改変している」というオチをバラしてしまうという太っ腹(笑)。そのため「記憶喪失」とか「死体」という、せっかくのミステリアスな伏線が無意味になっている。 そもそもこの異星人は何がやりたいのか分からない。「人間にはそれぞれに魂があるが、我々はひとつの魂を共有している」という、無理やりな心身二元論が当然のように前提になっているのも疑問。 人間を理解するのにあんな大掛かりで手間隙のかかる作業をする必要があるのだろうか。仮に理解したとして、どうするつもりだったのか?ラストで主人公の魂とひとつになる、みたいな部分も、「記憶」と「魂」をごっちゃにしていて実にいい加減(第一、それまでは主人公を殺そうとしてたんじゃなかったっけ?)。 それに突っ込み所として、「記憶」を薬で他者に移植することは原理的に無理。ひとりひとり、脳の神経回路の構造が違うんだから、ある人の記憶を物理的に取り出せたとしても、移植先の人間がまったく同じ構成の脳内神経回路を持たない限り、その記憶はまったく意味を成さない。 超能力の設定も空を飛んだり人を眠らせたり、好きな所に「どこでもドア」を作れたりと、何でもありなので、逆につまらない。この手の設定は、ある程度制約があるからこそ、色々と工夫や駆け引きが生まれて面白くなるもの。何でも出来たら、それはご都合主義ってだけでしょ。 人間達の普段の生活サイクルや、記憶改竄の必然性、宇宙空間との仕切がただのコンクリートの壁一枚だけとか(主人公も飛んでった刑事を超能力で助けてやれよ!)、世界観の細部が練りこまれておらず、突っ込み出したらキリが無い。 ラストの超能力バトルもアクション演出にセンスが無い上に、今までの世界観にまるで合っていないし、この手のバトルは実写にすると途端に安っぽくなる。 全体の作り自体は丁寧で好感が持てるが、とにかく設定が悪い意味でB級で中途半端過ぎる。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2004-06-19 16:54:40)
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5.よく出来た作品。宇宙人達がヘルレイザーのキャラと似てるような気もしますが??(^^;) 【gyu_yan】さん 9点(2004-04-13 22:17:45)
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《改行表示》 4.これ作った監督さん夜が好きなんですかね。クロウもたしか夜のシーンばかりでしたっけ。 この映画息が詰まります。夜ばかりで見ているこっちが陽の光が欲しくなる。随所随所の海の記憶は息抜きポイントとでも言うべきでしょうか。 映像美は素晴らしいものがあると思います。CGの使い方も好きですね。リアルに対するアンチテーゼが見えかくれするような気がします。この映画の好きな所は、主人公が最後に立て直したものは所詮はささやかな故郷の姿と陽の光だったってことでしょうか。人間らしいじゃないですか、世界を作り返るような大仰な事ではないく個人が求めうるささやかな望み。だけどささやかなハズの望みが間違い無く世界を塗り替えてる所です。最後太陽に街が照らされるシーン好きですね。絵はありがちだけど。 【マンダム】さん 6点(2004-03-29 11:00:21)
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3.「ロスト・チルドレン」と類似するダーク・ファンタジー的な映像に「マトリックス」と同系列に位置するようなテーマ性。監督の妄想を具現化した世界観。私も似たようなことをよく考えていたパラノイアな子供だったので(てゆうか大人になった今でも)、うん、うん、そうかもねえ~この世は全て絵空事かもねえ~、などど同調したりはした。どこか病的なルーファス・シーウェルの眼差しと妄想迷宮的な物語、ゴシックな景観と野暮ったい美女という雰囲気のジェニファー・コネリーが何だか妙にマッチする。 【ひのと】さん 6点(2003-12-27 21:55:23)
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2.映画を素直に観たい私、評論家ではない私、映画を作ろうと思った事の無い私には理解できない。暗すぎ。ストーリー意味不明。CGヘタクソ。変なコメントすると映画通に馬鹿にされそうなので・・ここまで。 【かまるひ】さん 1点(2003-11-13 21:39:39)
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1.ネタバレ 「ダークシティ」という題名通り、あまり日の目をみない作品ですが、そのダークな街の雰囲気にしろ、セットや衣装にしろ、B級なのによく作ったなぁと関心します。吹き出るスモッグ、チカチカと点滅する街灯、レトロな街並と、後半の宇宙船との対比、異星人の風貌など、それまでのSF作品のギミックを幅広く影響受けているのが見て取れるのですが、この作品の一種独特な感覚というのは、おそらくテンポにあるのではないかと思います。ちょっとこう、駆け足気味といいますか、全体的に一つ一つのショットが短くて、疾走感のある味わいになってる。まぁ、これは良くも悪くもなんですが。建物が変形したり、ビルが動いて迫ってきたりといったシーンは「インセプション」を思わせる。ビーチの壁を壊したら向こうは宇宙空間であったという、そして街は宇宙船であったというそのコペルニクス的転換な展開はSFらしくて面白いのだが、この異星人はずいぶんとまためんどくさいことをやっているなというか、設定に疑問を感じなくもない(笑)。まぁとにかく、異彩を放ったカルト的秀作であることは事実だと思う。 【あろえりーな】さん [DVD(吹替)] 6点(2003-01-25 23:48:44)
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