映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の口コミ・レビュー(2ページ目)

ストレンジャー・ザン・パラダイス

[ストレンジャーザンパラダイス]
Stranger Than Paradise
1984年西独上映時間:89分
平均点:7.13 / 10(Review 84人) (点数分布表示)
ドラマモノクロ映画青春もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2011-11-08)【S&S】さん
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監督ジム・ジャームッシュ
キャストジョン・ルーリー(男優)ウィリー
リチャード・エドソン(男優)エディ
エスター・バリント(女優)エヴァ
サラ・ドライヴァー(女優)帽子をかぶった娘
脚本ジム・ジャームッシュ
音楽ジョン・ルーリー
撮影トム・ディチロ
製作サラ・ドライヴァー
配給フランス映画社
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💬口コミ一覧(8点検索) [全部]

4.ジャームッシュ初期の作品ですが、変わることの無い彼らしいテンポと空気がある作品です。
1つ1つの台詞が短い。そして微妙な沈黙という間が繰り返される。
行間と隙間だらけの作品ですが、その行間を読み取らなければならないという小難しさも無い。
その微妙な間、行間に漂う空気に独特の可笑しさがあるジャームッシュ流コメディ。
例えば、ウィリーがエヴァにジョークを披露する。そのジョーク自体は別に面白くも無い、短いシーン。
しかし、ジョークを披露するウィリーとそれを聞くエヴァ、そこに流れる微妙な空気の可笑しさがいい。
些細なきっかけで3人がそれぞれの思いとは裏腹にバラバラになってしまう、あっけないラストも印象的。
同じく3人組がそれぞれの意思をもって別れ行く次作「ダウン・バイ・ロー」とはまた異なる余韻を残します。
とらやさん [DVD(字幕)] 8点(2020-04-26 13:53:54)
3.ネタバレ 極めて少人数の編成、かつ基本的に普通の室内・車内ばかりで展開される会話劇で(数少ない屋外のシーンも人気の無いそこら辺が殆ど、という)、見るからに低予算である。その会話にしても、内容的にも文字数的にもこれもホントに何の変哲・含蓄も無いというか、何とも省エネな映画だと思う。

しかし、そんな中に慎み深くも表出される登場人物の感情の錯綜が率直に非常に面白い。出色は何と言ってもエヴァで、自分が「可愛い」ことを骨の髄まで知り尽くしているが為、自分が男に対しては絶対的に優位に立てることを完全に理解している、という謂わば「猫」。やはり本作、まずドレスの件が実に味わい深く感じられるし、あと面白かったのが4人が居並んだ映画館のシーン。「その並びなの?」しかしエディとウィリーは明らかにそのつもりなので、これは必然なのである。誰もなにも喋らないが、その頭上に垣間見える火花が出るほどの感情の錯綜がこれも面白い(エヴァは多分なんも考えてないだろうけど)。終盤はテンポが上がってかなりドタバタしているが、ここも笑えた(「予感」の話とかもとても好み)。

様々な無駄を削ぎ落すことで旨味だけを際立たせた様な、真に監督の力量が知れる映画だと思う。一級品の上質なコメディ。
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 8点(2020-06-08 00:43:10)
2.ネタバレ “オフ・ビートの貴公子”ジム・ジャームッシュ作品の中でも、ジョン・ルーリーやトム・ウェイツが常連だった初期が自分は大好きです。その中でも本作はオフ・ビート感では最高で、短いシークエンスを繋ぐ暗転の多いことと言ったら、いくら5秒ぐらいでもこれだけあると上映時間の3%ぐらいにはなるんじゃないかな。全編モノクロで撮影されていることから来る印象だけでなく、とてもアメリカが舞台とは思えない風景ばかりが映されるところも狙っていますね。NYはともかくとしてもクリーブランドやフロリダにしてもとてもご当地とは思えない風景、「これがエリー湖だよ」とエヴァが案内するシーンがありますが、ただの白い雪原を見せているだけの感じで、「ほんとにエリー湖なの?」と疑いたくもなります。低予算だし、実はNY周辺の“なんちゃってロケ”で済ましてたりね(笑)。三人の登場キャラの会話は少ないまでは言わないにしても一文が極端に短く、この映画でいちばんしゃべってたのは、ハンガリー語しか話さないクリーブランドのおばさんでしょ(笑)。いちおうこの映画は三部構成、“序・破・急”というか三題噺みたいになっていて、とくにラストはまるで落語のオチですよ。だいたいフロリダの田舎空港からブダペストに直行する航空便なんてあるわけないじゃん(笑)。 とくに何も起こらないけど尺も丁度良い感じで不思議と退屈せずに引き込まれてしまいます。ロード・ムーヴィーならぬ“ロード散文詩”という感じでしょうか。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-15 23:27:20)
👍 1
1.ネタバレ 音楽に耳を傾けることから全てを受け取って欲しい、ということらしく、その昔買ったクロノス・クァルテットのアルバム「冬は厳しく(WINTER WAS HARD)」にはライナーノーツが無く(日本のレコード会社は何が何でもクラシック音楽のCDにはライナーノーツを付けたがるにも関わらず)、とは言っても著名な作曲家の曲が多いので(かつ、かなり有名な曲もいくつかあるので)、得体の知れないアルバムなどということは無いのですが、そんな中、6曲目のBELLA BY BARLIGHTという曲を書いたジョン・ルーリーって人は、一体誰なんだろう。
と、当初は誰だか分らなかったのですが、それが実は、この映画の主演のヒト。そして、映画冒頭に流れるのがその、BELLA BY BARLIGHT。
得体が知れないと言えば、こんなに得体の知れない映画も無くって、映像を見る限り、いつの時代のどこの国の映画だか、まったく不明。50年代のヨーロッパとかならまだしも、まかり間違っても80年代のアメリカには、到底見えない。。。
という無国籍な雰囲気。アメリカも切り出し方によっては、こう見える、ってことなんですかね。安く撮れば風景も安く見える、という訳でもないのでしょうが、ザラついたモノクロ映像に映し出されるアメリカは、独特の雰囲気。エヴァが両手にカバンを提げて歩く姿を移動カメラが追いかけていくシーン、その背景に映るのもまた、アメリカの町なんだなあ、と、かえって斬新に見えます。クリーヴランドの街も、雪と氷に包まれたエリー湖の景色として描かれたりして。
ストーリーは、あって無いような、というより、「無い」と言っちゃった方がスッキリするかもしれません。もちろん見る側も、この見るからにストーリーの無さそうな映画に対してそちら方面の期待は持たないので、雰囲気と、ちょっとした出来事や事件を、楽しむ。
私は映画を撮ったことも無いし撮れるとも思わないけれど、これから映画を撮ろうという人の気持ちを想像すれば、おそらく、演出の真似事の第一歩として試しにやってみたいこととしては、カット繋ぎ、ということになるんじゃないか、と思ったりもするのですが、この作品ではそんな事には関心が無いのか、それともおカネが無さ過ぎてそんな余裕も無かったのか。ワンカットごとに暗転して映像は途切れ、ここまでそれが徹底されると苦笑してしまいますが、暗転中も音が映画を繋いでいたりして、意外に違和感が無い(というか、無くなる)のがまた、面白いところ。
それにしても、主人公3人が小金を手にして、結局はバラバラになってしまう、というラスト。商業映画第1作にしてすでに、ビンボーをこじらせているような。
鱗歌さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-05-01 15:04:43)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 84人
平均点数 7.13点
000.00%
100.00%
222.38%
333.57%
400.00%
5910.71%
61315.48%
71619.05%
82428.57%
91113.10%
1067.14%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review2人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 5.00点 Review1人

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