23.11歳位の頃から、この映画は私にとって特別な映画だ。当時は少年たちに自分を重ねて観ていた。でも20代の今は、むしろ大人になった主人公に自分を重ねる。今までの人生の中で、何十回も繰り返し観た。ビデオが劣化し、DVDも買った。卑怯な位、いい映画だ。長い映画の歴史の中で、稀にこんな映画がある。映画自体の出来プラス、別の何か不思議な力が加わって、観客に映画本来の出来以上の評価をさせる、ちょっとした奇跡のような映画が。この映画がその1つだ。その、不思議な力というのは、人のある種の感傷を掻き立てる付加価値の事だ。その不思議な付加価値に感応しなかった人は、「どうしてこんなに評価されるのか分からない」と言う。それも事実だ。確かにこの映画は、少年たちの死体探しの冒険譚に過ぎない。しかし、その不思議な力に捕まってしまった者にとってこの映画は、自己投影となる。主人公もしくは少年たちに、自分を見るのだ。思い出は遠ければ遠いほど美しい。過去は、ただ過去というだけで、絶対的に美化される。人の、過去に対する郷愁を利用して、この映画は至高の一本として存在する。人が、失われたものに感傷を抱き続ける限り、この映画はその存在を守られる。その意味で、とても卑怯な映画だ。映画の神様に守られた、とても卑怯な映画だ。 【ひのと】さん 10点(2003-12-11 16:05:03) (良:5票) |
22.映画が何か大事なものを教えてくれる、という段階に来たのは、たぶん中学2年の終わりのことだったと思う。 私の母校の中学では、毎年、卒業記念の映画上映会というのがあって、どんな映画を上映するかは既に選出されている次期生徒会役員の2年生が選ぶ習慣があった。 当時、生徒会長に選出されたばかりの私が強く押したのは「スタンド・バイ・ミー」。 その映画をその時、まだ観たことはなかったけれど、これはかなり直感的に観てみたいと強く思った。なぜか。 子供の頃、直感でアニメ「白鳥の湖」に失敗した私だが、「スタンド・バイ・ミー」は大正解だった。 卒業を前にした上映会にふさわしい、ノスタルジックな青春もの。 今でこそノスタルジックと言えるのだが、当時は、リアルタイムに映画の中の登場人物にかぶってくる年頃。いずれ、これをノスタルジックという想いを持って眺めるようになるに違いないという予感が切ないのだ。 今まさに、この瞬間がノスタルジーの対象となることを自覚しながら、もっと高くへ、もっと遠くへ、と少しずつ踏み切り台に向かう中学生だった私達。 この映画セレクトは、生徒にも先生にも大好評だった。 今でも同級生と話題にすることがあるけれど、この映画を当時の全校生徒と共有できたという事実に幸せを感じる。 【よしの】さん 10点(2003-11-22 16:07:17) (良:3票) |
21.映画の中の彼らと同年代のころ観たときはたいした感慨もなく、ただこういう冒険て楽しそうだな~、くらいの感想しか持たなかった。あと、大人になるにつれこの4人が疎遠になっていくというのも寂しいし「なんで?」と思ったのを覚えている。でも最近になって再見したら、なんてスバラシイ映画なんだろうと思いました。4人のキャラ、演技力、風景、音楽、セリフの一つ一つ、その全てが絶妙で、過不足ないという感じ。とくにクリスの男気ある真っ直ぐなキャラが大好き。クリスを演じるリバーが大好き!「お前には才能がある、作家になれ」「お前の親は何もわかってない。俺がお前の親だったら…」ってゴーディを励ますところ、「I just wish I could go to some place where nobody knows me.」「俺って女々しいよな?」って泣くところで心をわしづかみにされてしまいました。ラストシーンでゴーディがワープロで打ち出す言葉も心に沁みるし、「ああ、作家になったのね…」と深い感慨に浸りました。ホントに大好きな映画です。 【ROMY】さん 10点(2004-07-22 10:29:39) (良:2票) |
20.淡々とした毎日の中の一つの大きな刺激と衝撃。なんてことない夏休みに彼らは死体探しという冒険に出かけ、お互いその道中で何を思ったのだろう。そうそう、この4人がむちゃくちゃ強い友情に縛られてるように見えないのがまた良いんだな。彼ら「全員」がこの二日間の出来事を一生の思い出として抱き続けたようにも見えないし。「特別でもない」、だからこそ、このゴーディが見た少年時代に我々が共鳴してしまうのでは。そこがよくある少年少女青春映画と違うところ。そしてこの真夏のむし暑そうな雰囲気が、彼らの心情と重なりあってよけいに画面に魅入ってしまう。 青春時代と限らなくても、ゴーディみたいになんてことない日常の中に一生モノの思い出を作りたい。それが幸せなものでも切ないものでも、大人になってふとしたことで振り返れるような自分だけの秘密を持てたらいいなあ。 |
19.原作と映画の比較はどうしてもしてしまう。私の場合、先に見た(読んだ)ほうが評価が高くなる。原作を先に読むと、想像により画面が印象付けられ、後に見る映画とマッチしないとつまらなくなってしまう。逆に、映画を先に見ると、視覚の印象とせりふが文章と一致せず違和感を覚えるのだ。しかし、この映画だけは別である。どちらも甲乙付け難い。原作を先に読んだが、読書後のイメージと映画が一致した数少ない作品である。もちろん彼らの体験と私の少年時代は似ているとは言えないが。その日暮らしの子供ではなくなり、自分の立場を意識しだし、漠然と将来のことも気になりだしたあの頃。遊び友達の関係が友情になり、大人の自分がもうすぐそこまで迫ってきたような感覚。今でも思い出すと、懐かしさと切なさがこみ上げてくる。あの時の友達は今なにをしているのだろう。自分は今まで何をしてきたのだろう。名作です。 【パセリセージ】さん 10点(2004-01-20 00:33:31) (良:2票) |
18.クリスの言葉の数々は、大人になった今だからこそ、意味のあるものに思える。「かけがえのない日々」を送った12歳の少年たち。あの頃のような友達をもつことはもう二度とできないかもしれないけれど、いまを生きているこの一日一日もまた「かけがえのない日々」のひとつなのだと気づかされた。もうちょっと背筋を伸ばして生きてみよう。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-06 22:55:52) (良:1票) |
17.死体探しに向かうまでの、ワクワク感と楽しそうな雰囲気が、いまから思い出すととても切ないです。あの後四人が離れ離れになっちゃうの、寂しいけど、なんとなく分かる気がします。友達って、いくら仲が良くて大切でも、ずっと一緒にいられるわけじゃない。上手く言えないけど、きっとああいうのが本当なんだと思います。 ただ、ラストシーンからエンドロールへの入り方と、「スタンド・バイ・ミー」の使い方は完全に反則です。おまけに歌詞の日本語訳を見せるなんて……こっちの目を腫れさす気か 【深々】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-07-31 22:14:03) (良:1票) |
16.小さい頃は、家の近所の森や街に行くのも冒険だったなー。冒険の終わったあとの雰囲気もこの映画とダブったりするなぁ。 【ホットチョコレート】さん [地上波(吹替)] 10点(2006-04-23 01:34:54) (良:1票) |
15.クリスかっこいい!何回見ても泣ける。 【ベルガー】さん 10点(2004-08-06 16:12:06) (良:1票) |
14.全編を通してとても素晴らしい映画なんですが、一番強く感じ入ったのが最後の別れのシーン。あれだけの冒険をしてきたのに、自分の小さな田舎の町に帰ってくると「それじゃまた」と学校帰りみたいに何気なく別れていって、道端に落ちているペニー硬貨を拾ったりしながら日常の世界に戻っていく。町の姿はちっとも変わっていないんです、100年前からそのままだったみたいに。だけどでも本人たちはあの体験を通して確実に変わっている。ちっとも自覚していないけれど。それが何かは本人にもわからないんです。だけどその何かがある者を町から離れさせ、ある者はは町に残る生き方を選ばせる。どっちが偉いとか劣っているとかではなくて、その人の人生の原型が強烈な体験とともにあの冒険の中で作り上げられたのだと思います。それは良い悪いを超えているしその判断は本人にすらできないしましてや他人の評価なんて無意味。自分で選んでいくことそのものが人生なんだ悟らせる。だけどそれをわかっていながら同じ体験をした友人の訃報を聞いたときにはあふれる感情を抑えられないんです。この映画の素晴らしさは歳をとらないと分からないような気がします。 【たろさ】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-04-03 20:02:24) (良:1票) |
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13.この映画は、今まで主題歌くらいしか知らず、映画の方はほとんどノータッチに近かった。でも、【ピルグリム】さんがすごく勧めるので見た。そして見た後、この映画の素晴らしさに心底感動し、満足した。青春とは、友情とは本当に素晴らしい。その事がこの映画を見て改めて分かった様な気がする。4人の、争い事を何度も起こし、危険に何度も足を踏み入れ、また時には涙も見せる冒険に、自分もグイグイ引き込まれて、1時間28分があっと言う間に過ぎていく。あまりにも短い。さらにラストの主題歌『スタンド・バイ・ミー』の音楽は、見ている者の涙を誘う。本当に素晴らしいと思った。この音楽のおかげで今までエンドロールになるとビデオを止めていた私が、初めてエンドロールを最後まで見た。12歳というのは、大人が思う以上に大人で、また大人が思う以上に純粋なんですよね。クリスやゴーディと同い年だから分かるんだけど、今の年齢は、こういう冒険心とか、周囲の人々に対する反発心とかが、かなり強くなってくるんです。だから共感出来る。とにかく、この映画は本当に見てよかったと思います。クリスたちと同じ12歳のこの時期にこの映画を見る事が出来て、自分は本当に幸せだと思う。 |
12.好きな映画を10本選べ、と言われたら、必ず選ぶ作品。リバー・フェニックスの繊細な演技が光っています。今でも、見るたびになんとも言えない切ない気持ちにさせられます。私はあまりに好きすぎる作品なので、逆に何度も見ないようにしています。何年かに一度そっと出してきて、新鮮な気持ちで感動に浸ります。この映画に出会えて本当によかった! 【ジャスミン】さん 10点(2003-11-30 01:51:33) (良:1票) |
11.受験戦争に敗れ、第2志望校に入学した俺に母は「次は頑張らなきゃダメよ」と塾通いを課した。見えない未来だけを目標にしなければいけなくなった俺は高校に通わなくなった。そんな時友人が一本のビデオを見せてくれた。死体を見つけるなどという不純な動機にも関わらず、目的を持った彼らの瞳は直視できないほどまぶしかった。30を越えた現在でも、俺が今を見つめて生きていられるのは、この時の8つの輝く瞳のおかげだ。 【恭人】さん 10点(2003-11-23 22:56:40) (良:1票) |
10.今うちが通っとる進学塾の、いつも陽気で自由気ままな先生が1番最近にみせてくれた映画。観る前までは、「何これっおもしくなさそ~」とかしか思ってなかったけど、それはうちが今まで観てきたどんな映画よりも、心に残るモノになった。ただ金持ちになりたいって一心で、行方不明の死体を探しに行った。それだけの、たった2日間だけの旅。それはあの少年たちにとって、一生忘れられない、大切な思い出になった。かけがえのない仲間達との、かけがえのない、12歳の夏の日の思い出。うちは今中2で、あの頃の4人よりも2年も多く生きているけど、今までの人生を振り返ってみても、あの映画のような冒険は1度だって体験した事はない。ついこの間までは、できるワケないって思ってた。でも、違ってた。ホントは、チャンスはいつだってすぐそこにある。うちらはそれを見逃してるだけ。それを気付かせてくれたのが、この映画だった。だから、これから先何十年生きられるか分かんないこの短い人生を、あの少年たちのような心に残る冒険でいっっっぱいにしていこうって思った。 【amf】さん 10点(2003-05-10 11:50:38) (良:1票) |
9.なんつーか・・・宝箱みたいな作品だと思います。しかもその宝箱は、ほとんどの人達が持っていて、誰もが胸の奥に大事に隠してる。ラストの方の、「テディやバーンとはクラスが別になり、そのうち学校で顔を合わすだけの関係になった。よくあることだ。」っていう台詞に、共感するとともに切なくなりました。子供の頃が人生で一番楽しくて、そんな楽しい時は二度とおとずれないっていう言葉には、うなずくしかありませんでしたね。それで、今の自分やこれからの自分の人生になんとなくむなしくなってるところに、エンディングに流れる「スタンド・バイ・ミー」が憎いほど響く。思い出は、そのまま、現在の自分をつくる要素となってるんだし、苦しい時や辛い時にはいつでも力になってくれる。大人になって作家になったゴーディが、その思い出を筆にしてるのには、そういった意味があるんだと、俺は勝手に解釈してます。でも、まさか先生があんなことを・・・。 【津田】さん 10点(2003-04-27 19:06:36) (良:1票) |
8.ここの多くの方はリヴァーの事ばかりしか書かないのはナゼ?彼は確かにカッコいいのは認めるが、この映画で一番大事なのはウイル・ウイートンなのだ!誰一人として彼のことを書かない。リヴァーひいきはやめようぜ! 【ダンディ坂田】さん 10点(2003-04-21 22:25:28) (良:1票) |
7.大好きな映画。何度見ても何か心に切なく染みわたる感じ。最初は若いとき見てそれ程思わなかったのだが、30を過ぎ、子供も生まれてまた見たら、自分の小さな頃の事とかいろいろ思い出してきました。二度と戻ってこない子供の頃、そして友達。ゴーディもテディもバーンもそしてクリスもみんな良かった。最後、クリスが手を振って消えていくシーンは、リバーの人生と重なって涙が出た。我が息子と娘にもいい思い出と友達を作って輝かしい人生を送ってもらいたい。 【fujico】さん 10点(2003-04-16 21:58:39) (良:1票) |
6.これはある意味【R-15】な作品だと思う。というのもこの映画で出てるリヴァー・フェニックス(当時、実際は高校生)ぐらいの12歳くらいの子が見る感覚と、昔を振り返って見る大人の感覚とでは違うからである。今、12歳くらいな子どもでも感動できるが、大人になってからの方が感動できるからだ。子どもの頃を振り返れるからだ。キング独特の原作タッチは4人の仲間のうち3人が死ぬという残酷なものだが、この映画はそういう形にはしなかった。だから、いい映画となった。この映画をDVDで見ると特典映像でメーキングが見れる。現在の3人のゴードン、テディ、バーンの俳優の現在が見れた。全員、昔の感じを残しつつも大人の俳優になっていた。しかし・・・リヴァーはでていなかった・・・。そう彼は93年に麻薬絡みといわれる死でもうこの世にはいない・・・大人になったテディはこう言った「彼を助けらなかったこと悔やんでるよ。」監督のロブ・ライナーも同じことを言っていた。見てる私は胸が痛くなり、涙が止まらなくなった。いつまでも映画のなかにはリヴァー・フェニックスという優しい少年がいることを信じてReviewを終える。 |
5.僕は様々な青春映画を見てきましたが、未だに本作を超える青春映画には出会っていません。また個人的にスティーヴン・キング原作の小説(ゴーディ以外の3人の少年は死んでしまうという映画とは全く違う残酷な内容)よりも、この映画の方が切なさが心に響くので絶対に良いと思います!ちなみに本作が良い映画になった理由を個人的な判断&分析で3つ挙げたいと思います。 ①俳優のための監督 ロブ・ライナーの力・・・俳優&コメディアンでもあるロブ・ライナーは「俳優の監督」と言われるほど、『俳優の持っている才能をすべて引きだす方法』を知っている数少ない名監督です。もし監督がロブ以外だったら、間違いなく、ここまでの傑作の映画にはなっていなかった事だと思います。 ②「奇跡」とも言える最高の俳優陣・・・家庭に問題を抱えた4人の少年が本当に原作に忠実で素晴らしい。特に小説家志望のゴードン(ウィル・ウィートン)と、たくましくもナイーヴな面があるクリス(リヴァー・フェニックス)の演技力には本当に脱帽しました。あとゴードンの優しくも頼れる兄貴(ジョン・キューザック)&町一番のワルのエース(キーファー・サザーランド)の2人もまた完璧で言葉が出ない!キーファーに関してはアカデミー賞を挙げたいくらいですね。 ③懐かしくも切ない50年代のオールディーズ音楽・・・特にラストに流れるベン・E・キングの♪Stand By Meは何回聴いても泣ける。この曲聴きたさにサントラも買いました。ちなみに他の♪ロリポップや♪火の玉ロックなどの曲もまた素晴らしくて、映画をワンランク上の物にしてます。 【ピルグリム】さん 10点(2003-01-20 23:19:54) (良:1票) |
4.我が心のオアシス。 【タケ】さん 10点(2001-07-11 00:40:06) (良:1票) |