《改行表示》 24.ネタバレ 今までレビューしてなかったのか、驚き。 んー、南アフリカだからとか人種差別とか関係ないと監督は言ってたと思うけど、 確実に南アフリカ出身でなければこの映画は撮れなかったでしょう、と。 設定は前半見ればわかりますが、宇宙船が南アフリカ・ヨハネスブルク上空に現れるが いつまで経っても宇宙人は出てこない、しびれを切らした地球人は宇宙船に入ってみることに。 すると、なんということでしょう、宇宙人たちは餓死寸前だったのです。 支配する賢い側が死に絶え、奴隷(エイリアン)だけが残っていた状況。 以後、ヨハネスブルクの一区画に宇宙人を押し込めて生活させていました。 そして、主人公、むなくそ悪い性格のエイリアン対策課職員のヴィカスは 第9地区で立ち退きの交渉を行っている際にエイリアンが持っていた液体を浴びてしまう。 以後、体に変化はあるわ、さらに地球人側から狙われるわという状態。 最終的には液体を作っていた紳士的エイリアン、クリストファーと共に宇宙船を動かそうということに、 というのが物語のあらすじ。 ネタバレありありで書きますと、最終的にヴィカスはエイリアンと全く同じ見た目になりますし、 宇宙船は「3年後に戻る」と言い残して飛び立ってしまった状態。 ザ・フライにも通じるというかザ・フライまんまと言っていい「変身もの」と ヨハネスブルクという歴史的状況、 なぜか宇宙船がニューヨークやペキンやヨーロッパや日本ではなくヨハネスブルクに来るという面白さ、 ちょっと冗長だがめくらましには最適のアクションシーン、 恐らく南アフリカの日常を切り取った、ザコエイリアンの性格の悪さ、地球人の性格の悪さなど パーツパーツはどこかで見たことがあってもその組み合わせが非常に美しいです。 ゴリゴリのハードSFに南アフリカ政治情勢、いかにもハリウッド的要素、妻への愛、3年待つという切なさ、 この内容を奇跡のバランスで描いてます。 この映画の前に作られたプロット的動画が、多分Youtubeなどで見られると思います。 南アフリカ上空に宇宙船が来た、という数分程度の内容だったと思うが、 この作品を面白いと思ったらぜひそちらもチェックしてみてください。 この数分からこの映画までよく広げたなぁと思わせる。 で、次回作の「エリジウム」は敬意を表して予約買いしたがつまらなかった。 その次に「チャッピー」という作品があって、それはエリジウムよりはやや高評価のようだから サブスクであとで見ることにします。 【にんじん】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-10-15 00:59:36)
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《改行表示》 23.ネタバレ “恐怖”という意味では、作り物とハッキリ解ってしまうCGよりも生々しいアニマトロニクスの方が何百倍も怖い「エイリアン」の方が上だが、技術を抜きにしたドラマ面ではこの「第9地区」に軍配を挙げたい(そんな好きじゃないけど)。 何よりリドリー・スコットの「エイリアン」と共通する部分があるのが面白い。 スコットに出てくるエイリアンは、たった一人でリプリーたちに戦いを挑んだ。リプリーたちにとっては恐怖の対象でしかない“敵”だが、エイリアンにとっては住処を荒らしに来た侵略者(エイリアン)にしか映らない。 「第9地区」は主人公そのものがエイリアンになってしまい、人間の時は侵略者か見世物小屋でも見るように感情の移入なんて有り得なかっただろう。 そんな男が徐々に異星人に変貌していく。当然人間たちからは疎外され、その中途半端な容姿は異星人にも奇異に見られる。 スコットの「エイリアン」もまた、仲間となる存在がなく常に孤独だった。更にはその凶暴性を人間側に利用されてすらいた。 しかし、「第9地区」は奇跡的に異星人の親子と意志のコンタクトを取る事が出来た。人間だった時に失ったものを、異星人になって少し取り戻せたのは皮肉なものだ。 例え利害関係の一致で一時的な事だったとしても、異星人の子供との絆は確かなものだ。 そしてエイリアンになって初めて知った人間の凶暴さ。彼らは害虫駆除くらいにしか思わないのだろう。「何かされてからでは 遅い!!」という恐怖が人間に牙を剥かせる。 男は何者として戦ったのだろうか。人間としてか。異星人としてか。どちらにせよ、彼は“彼”でしか無い。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 16:23:04)
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22.ネタバレ エイリアンと地球人の言葉は何故通じるとか、何故エイリアンは反撃しないとか、そもそも宇宙船の燃料を浴びたら何故エイリアンになる?とか、設定がおかしいところは山ほどあるが、そんなことはどうでも良くなるほどおもしろい 人間目線からいつのまにかエイリアン目線に移行するところが非常にスムーズ 最後のパワードスーツ戦は見た事が無いぐらいすごい 特に司令船を狙ったミサイルを掴みとるところはカタルシス爆発だ そそり立つパワードスーツの背景に浮かぶ巨大マザーシップとかグラフィック演出も抜群 エビと主人公とのバディ感は海猿以上 手が同じだと言う理由だけでなつくエイリアンの子供がかわいい でも、グロシーンはいいとしても エイリアン汚すぎ ゲロシーン多すぎ でも世間がいうほど人種差別がどうこうとかは余り感じないかな 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-01-02 16:23:14)
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《改行表示》 21.ネタバレ うわっ!レビューの数、スゴイですね。すっかり遅れを取ってしまいました。全員のレビュー読み切れずに書くので、カブったらゴメンなさいです。 監督もプロデューサーも社会派作品であることを半分否定しているけれど、これは紛れもなく社会派作品ですね。舞台も製作も南アってのでそのまんま表現しちゃってますが、このエイリアンの扱い、出て来る隣国人の扱い、そして強者である側が人種混合されてるところ、そのくせ主要なポジションは白人が占めてるところ等等、どこを取っても人種問題、人権問題をストレートに伝えて来てますって。 そういう視点で見ても十分に見応え、メッセージ性ともに備えてますが、一番納得したのは、ほぼオールキャスト、現地の役者さん(?)で固めてるところ。ストーリー、臨場感、ビジュアル面など、あらゆる部分でそこらのB級、C級作品には間違っても期待できないクオリティを確保出来たのは、キャスティング部分に予算を費やさず、純粋に制作費を制作そのものに注ぎ込んだからこそ、ってな気がします。3千万ドルという費用は決して安くはないけれど、これをハリウッド式の超大作に仕上げたら、一体いくらかかることやら…。 アイディア勝負、見た目は多少グロイですが、好感の持てる1本です。2回見ると結構小ネタも利いてますよ。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-04-03 15:48:46)
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《改行表示》 20.ネタバレ 出だしの、ルポ風インタビューが手持ちのカメラで続いたときには「あれ?こんなに語らせると碌な 映画ではないのか?」と思っていました。しかし、全てを見終わった後には、そのヴィクスの小役人 的な雰囲気を伝える為の手段とわかり、実に新鮮な構成であったのだと思いました。それやこれやで 今までの映画にはなかった新鮮な驚きの連続で、皆様の種々の評価の高さの基になったことが 理解できました。▼あの、特殊地区の特殊な雰囲気は、他の映画でみたような(ブラック・ダイヤモンド? 他の映画?)記憶は確かにありました。しかし、どのようなスラムにも極悪はいるものでナイジエリア人の 車椅子に乗った「オビサンジュ」は、自身の体の為か、エイリアンの肉体に憧れていたようで妙に親しみ (?)が沸きました。それにしても「ヴィカス」の体の変化をエイリアンとまぐわった為と疑い、かなり 卑猥な質問を浴びせていて、くすくす笑いを誘いました。▼エイリアンの科学者の名が「クリストファー・ジョンソン」 とは!クルストファーとは「クリスト=キリスト」ではないですか!!なんというユーモァ。吃驚しました。 ▼それにしても追い込まれ、不安で悲しみの極致に突き落とされたためでしょうか、「ヴィクス」の 頭には、500円硬貨より大きな円形脱毛症が2個もあったのには、演出の細かさに驚嘆しました。 極めつけは、最後に人間の体に戻れる希望は殆ど無い(?)と思われる程、完全にエイリアン化して しまった「ヴィクス」が、妻のために青いブリキでバラの造花を作っている場面で、思わず落涙して しまいました。 【亜酒藍】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-10-11 16:46:12)
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《改行表示》 19.ネタバレ なんかへんてこな映画だった。あんだけの科学技術をお持ちなのだから、気持ちよくずばずば人類を虐殺してしまえばいいのに。 差別意識を浮き彫りにすることに成功していたと思う。恋人との電話のやりとりはまるで男がエイズになったときのやりとりにおきかえらえる。異星人の武器も爽快。
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《改行表示》 18.ネタバレ 久しぶりに面白いSF映画を見たって感じです。ドキュメンタリー風な演出も良かったですが、後半のギャングや傭兵達との三つ巴の戦いも大作並みの迫力がありましたね! 見終わった後もクリストファー・ジョンソンは無事に帰れたんだろうか?本当に戻って来るんだろうか?とかいろいろ想像しちゃいますね。SF映画史に残る1本だと思います。 【Typhon】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-25 01:38:48)
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17.ネタバレ 序盤は、スラム街の住民達にスポットを当てたドキュメンタリー映画仕立て。しかし途中でれっきとしたSF映画に変身します。主人公が駄目すぎて全く期待できないので、たとえ彼がピンチに陥ったとしてもそんなにハラハラせずに見られます。別に死んでもいいかなって。まぁ死なないんですけどね。登場する人間は全員、馬鹿すぎて救えないので、いちいちムカつくのはやめました。エイリアンよりよっぽど野蛮です。後半はずっと銃撃戦で、あのパンパン破裂する音が苦手な私は苦痛でした。そこで出てきたのが例のスーツ。大逆転のチャンス!と思ったのもつかの間、主人公は駄目男だという事実が改めて突きつけられる結果に。彼は特別な訓練を受けたわけでも、エイリアンを救うという使命に燃えているわけでもありません。彼が持つのは、ただただ、自分が助かりたいということだけ。まぁ、駄目男らしい選択だよなー。と思っていたら、最後ばかりは駄目じゃなかったみたいです。それにしても、メディアや自分の周りの意見ばかりに流され、実際に目で見て確かめないというのは恐ろしいことですね。私を含め、世界中の人間のほぼ全員が、そのような不確定な情報を基に差別心を生み出していると考えると、この映画って本当にリアリティに溢れていると思うんですよ。 【ウィマ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-23 00:39:14)
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16.ネタバレ 現実世界には起きそうにない特異な状況を設定することで、逆に現実世界に起きている人種差別問題などの残酷な状況を比喩的に描いているという点で、王道のサイエンスフィクション映画だと感じた。伝えたいテーマと描きたいビジュアルの両方が高いレベルで成立している傑作。エイリアン文明の機械を動かすための燃料を地球人が浴びると、DNAが変化してエイリアン化してしまうことなどをはじめ、細かい部分を詳細に突っ込み出すとキリがないが、そういった複数の点を補って余りあるほどの様々な演出手法やエンタテインメントが詰まっている。エイリアン側の主人公に対して地球人達がいい加減につけていた通称名が「Christopher Johnson」であることと、地球人側の主人公がエイリアンに頼らざるを得ない状況に追い込まれた時に、絶望しながら本当に小さな声で「Oh, Christ… (おぉ、神よ…)」と呟くことは、それまで見下していた者と見下されていた者の立場の劇的な変化を描くという意味で、とても象徴的だった。地中に埋められていたエイリアンの司令船のフォルムが十字架の形に類似していることと、それが天上のエイリアン母船からの光によって地上から引っ張り上げられていくシーンの描き方、エイリアン側の主人公が「一度去るが、必ず帰ってくる」と地球人側の主人公に約束した際の期日が「3」年であったことなども、深い絶望があった時につい神の存在や宗教にすがってしまう、地球人の文明の脆弱さを皮肉っていると考えることが出来るかも知れない。何度も視点を変えて鑑賞したくなる作品。 【zerry】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2010-08-20 13:19:50)
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《改行表示》 15.ネタバレ 最近の映画ではダントツに面白い。着眼点、脚本、演出、どれをとっても素晴らしい。 あんなでかい宇宙船を20年も調査しないでいるのは不自然だと思うかもしれないが、編集でカットされた部分にチャンと表現されていて「何人ものエイリアンを再度中へ送り込んで操縦させようとしたが誰も出来なかった」とある。この部分はレンタル商品にも収録されてるのだが、出来れば本編中に挿入しといてほしかった。それにしても続編「第10地区」は作られるのだろうか。作ってしまうと在り来たりな話になりそうだけど、それはそれで観てみたい気もする。 【へろへろ】さん [ブルーレイ(吹替)] 9点(2010-08-16 00:50:03)
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14.ネタバレ 怒涛の展開と、情報量!いかにも21世紀の映画というオーラがあり、個人的には久々大ヒット。設定の巧さを土台に、どう展開するのか予測の出来ないストーリーにワクワクしました。結局エビに感情移入させられてしまい、この辺はアバターと同様。ツボだったのはやっぱりパワードスーツの大暴れ。対人間でのリアルな戦闘は、トランスフォーマーなんぞより数十倍も迫力があった。この監督の次回作は期待できるなー。バーホーベンの様に反骨魂を忘れない監督になる事を祈ってます。
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《改行表示》 13.ネタバレ 鑑賞し始めて、あまりのグロさに失敗したかも、と思いきや、途中からどんどん引き込まれる内容に展開。自分がエビの立場になった主人公の心の変化とあわせて、考えさせられることが沢山ある映画でした。 見終わって、ああ良かったね、おもしろかったね、というのではなく、数週間はジワジワと、あれはどうだったのかなど、差別/隔離政策/偏見/異星人間の友情などについて深く考えさせられるテーマが余韻としてのこりました。 一緒に母星に行けなかった点は残念です。ラスト、異星人から同類(味方)と見なされて攻撃されなかったところは、グッときました。Welcomeという感じです。 今後は、完全には同化せず、人間と異星人の狭間の状態を保って、何らかの橋渡し的な役目を担うのでしょうか。。続編が作られるとのことですので楽しみにしています。 【ursla】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-23 12:00:46)
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《改行表示》 12.ネタバレ いや~面白い。最近の中では逸脱したレベルで面白いSF映画でした。 インデペンデンス・デイに始まり、ザ・フライ、逃亡者、スターシップ・トゥルーパーズ、第五惑星、エイリアン2、ガンダム、マクロス・・・などこの映画の要素を挙げていくときりがないですが、それらをうまく消化している監督の腕は本物です。 主人公含む登場する人間が全員気持ちいいくらいの糞っぷりで、エビ親子の方に段々と感情移入していきました。 笑いあり、サスペンスあり、アクションあり、そして最後に感動ありと飽きさせることがなく、予想を裏切っていく2時間でしたが、謎な点が多いこともあるのでこの点数をつけさせてもらいます。 【eureka】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-12 19:15:09)
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《改行表示》 11.ネタバレ 予告編も見ずに行ったのもあるけど、不思議な映画。 冒頭からよく分からない。だけれども引込まれる。 意外にグロいなー、と思いつつも展開から目が離せない。ありがちといえばそうなのだけど、憎いラストシーンの数秒。 シリアスさとコメディーっぽい部分とチープなCGがうまく融合して、分類不能な物語になっている。この絶妙な配合具合は(おそらく)狙ってできるものではない。 なので、この作品を差別がどーのとか書いている人を見るとなんか違う気がする。 あえて言うならば全てに対する愛です、愛。 【小塚】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-11 19:49:40)
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10.ネタバレ SF・アクション・サスペンス・ヒューマンドラマ・社会問題をすべてぶちこんで、「南アフリカの難民キャンプに収容された宇宙人」という驚異のアイディアでまとめて、娯楽として成立させてしまった手腕がすばらしい。役者もいい。さらに、UFOの造形やストーリーなども、B級感漂うありきたりのものなのにもかかわらず、全体を通してみれば、なぜだか今までにない新しいものを観た、という感じすらもする。その理由はたぶん、そういう「全部入り」映画の新味に加えて、差別をテーマにした今までの映画との違いもあるように思える。というのは、従来の映画が、実際にあった差別・真実をドキュメンタリーに提示し、だから、ややもすれば歴史的な背景を知らなければ理解できなかったりしたのに対し、この映画で描かれた「差別」(?)は、まったく想像上のできごとだから、それゆえに、「差別」というコンセプトが、シンプルかつダイレクトな形に整理されていると感じたのだ。もっといえば、「差別」というテーマは、そこまでこなれていて、ありきたりで、記号化されたものだ、ということが、同じようにありきたりなUFOやロボットやストーリーと並列に提示されることで、明らかにされた、というべきかも知れない。一応断っておくが、私は「差別なんてテーマは、ありきたりのものだからとるに足らない」などと言うつもりはない。むしろその逆である。部分の「新しさ」より、全体のそれが重要だ。「ありきたりの寄せ集め」映画でも、私たちは感動したり面白いと感じることができる、そういうことをこの映画は示した、と言いたいのだ。ところで、レビューをみると、この映画と「アバター」との共通点を指摘する方が多い。実は「アバター」をみていない私が言及するのも気が引けるけれど、まさに「部分」である3Dをメイン売りとし、差別をオーソドックスに扱う「アバター」と、どこがいいのか答えに困り、差別をマンガ的記号とする「第9地区」では、そういう点で決定的に違うもののように思えるのだが(アバターが悪いと言ってるわけじゃない。映画として異なるアプローチということ。念のため)
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《改行表示》 9.ネタバレ エビ宇宙人の血肉が巻き散る気持ち悪い駄作と一蹴しても良いし、人種差別をはじめとした人間の醜さを巧みに表現した傑作と評しても良い。 これだけ人の見方によって映画が見せてくれる顔が変わる作品も珍しい、とても懐の深い作品です。 若干クリストファーが良心的すぎるという気はしなくもありませんが、上層部のエビである彼が持つ他人を信じる心が、人間以上に発展したエビ文明を自滅から救ったものであるなら、納得できる気がします。 なにはともあれ一見の価値あり。傑作です。 【njld】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-05 01:22:22)
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8.ネタバレ 終始、人間という生き物の醜さを表現している映画。また、中国の武器販売方法やアメリカ兵の捕虜虐待など、今現代での国際問題を宇宙人を使って、表現しています。それに、ここまで宇宙人の方に感情移入できる映画は今まで観たことない。この映画を観ていると、「ザ・フライ」「インデペンデンス・デイ」「アバター」「エイリアン4」「スターシップ・トゥルーパーズ 」等、様々な映画が頭に浮かんできます。映像はグロいというより、気持ち悪いという感じで、たいしてヌルヌルしたシーンはない。リアルなスプラッターシーンも少なく、「ブレイド」シリーズのように血が蒸発するような感じです。宇宙人言語を字幕で翻訳しており、妙に生活観のある暮らしをしています。「プレデター」もこの映画のような作りにすれば、違った娯楽作品に仕上がるかもしれないですね。中盤の逃走劇は少々、退屈でしたが、終盤の反撃は非常に楽しめました。最期まで、何が起こるか分からない、どんでん返しの繰り返しで目が話せなかったです。ラストは少々、切ない終わり方ですが、「第10地区」が製作されるなら必ず、劇場へ見に行きます。 【マーク・ハント】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-04 23:27:09)
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7.ネタバレ 「アバター」なんぞ相手にもならない、あえて比べるとしたら「クローバー・フィールド」か?しかしアイデアをエンターテイメントまで昇華しきれず、悲劇として幕を下ろすしかなかったクローバー・フィールドに対し、本作は1級のエンターテイメントとして成立し、更に笑いと(信じられないことに)叙情性まで持ち合わせている、グロ表現を嫌悪するか笑えるかで、この作品を楽しめるかどうかが分かれると思うが、楽しめればかの名作「ギャラクシークエスト」を超える作品となるかもしれない、難点として視聴中は、あからさまにID4をパクった母船や、どう見ても70年代デザインの指令船や、もはや記号と化してしまった感のあるパワードスーツなどが気になったが、今思えばワザとそうしているような気がする、それぐらい見慣れたものでないと観客が着いてこれないと判断したのではないだろうか?それくらいこの作品はセンス・オブ・ワンダーに溢れているのだ。 【るね】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-04-23 19:36:57)
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6.ネタバレ 最初は、気持ち悪かった宇宙人が、途中でかわいそうになり、最後に脱出できたときは思わずガッツポーズになってしまった。完全にやられました。あの、装甲スーツでRPGをつかんだときは、本当にかっこよかった。アバターに似てたんですか。そういえばそうだな、ってあとで思いました。 【木村一号】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-04-19 22:18:06)
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《改行表示》 5.ネタバレ 大傑作である。マイナス1点とした理由は前半と後半が分裂しすぎて後味がバラけたのが明白であることのみ。ここまでされては、まいったと言わざるを得ない。 【以下激ネタバレかつ長文注意】 かつて映画で見たことのあるような形をしたやたらでかい宇宙船が、今いる市街の上にぽっこりと浮かんでいる滑稽さ。さらにヒトより頭一つもでかく、ジャンプ力や膂力にもすぐれ、かつ文明や科学力もはるかに人類より進んでいるはずの宇宙人たちをただの野蛮な野良エビ扱いし、上から目線で特別区に住まわせるという設定のありえなさ。それについて弁明をはさまぬどころか、ゴミ漁りに人との諍いといった規準の宇宙人像とはかけ離れた姿をたたみかけてくる映像。ここまでやられれば、観客はこの映画は冗談で作られているのだということに気付き、苦笑せずにいられないだろう。人と変わらぬスラム街の有り様の中、強制立ち退きのためエビのサインを求め歩く主人公の小役人ぶり、さらにはキャットフードにゲロに立ち小便とギャグ連発。ただここで勢いあまったか、エビの卵を引っこ抜き中絶だと嘲笑しかつ焼却処分する(しかもパチンパチンという音付きで)という、黒すぎるギャグを映し出してしまったことが後半の展開と激しく矛盾することとなり、すっきりした後味とはならなかった遠因になったわけだが、まー向こうの人は神経が太いからなんとも思っていないのかもしれん。 宇宙船はなぜニューヨークでもシカゴでもなくヨハネスブルクに降りたのか。その理由は明白だ。したがってあちらの観客は、こんな馬鹿げた映画はないと大笑いしながら見るんだろうけれども、と同時に、作者がこのエビに見立てているやつらというのはこんなにも野卑な、異星人並みの連中なんだろうかという不安をそっと感じ、背筋を凍らせる、そういう仕掛けになっている。 (続きは私のブログでどうぞ。ただしちょっと書きすぎてますので、未見の方は絶対読まないでください) 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-04-17 22:10:36)
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