映画『告白(2010)』の口コミ・レビュー

告白(2010)

[コクハク]
Confessions
2010年上映時間:106分
平均点:7.04 / 10(Review 252人) (点数分布表示)
公開開始日(2010-06-05)
ドラマサスペンス犯罪ものミステリー青春もの学園もの小説の映画化バイオレンス
新規登録(2010-05-07)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2022-08-18)【イニシャルK】さん
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監督中島哲也
助監督滝本憲吾
キャスト松たか子(女優)森口悠子
木村佳乃(女優)下村優子(少年Bの母)
岡田将生(男優)ウェルテルこと寺田良輝
西井幸人(男優)渡辺修哉(少年A)
藤原薫(男優)下村直樹(少年B)
橋本愛〔1996年生〕(女優)北原美月(少女A)
井之脇海(男優)前川優真
刈谷友衣子(女優)三浦瑠菜
草川拓弥(男優)高橋弘輝
近藤真彩(女優)大谷梨紗
清水尚弥(男優)神崎唯
能年玲奈(女優)桐谷修花
野本ほたる(女優)松川早紀
三吉彩花(女優)土田綾香
山谷花純(女優)内藤由香里
新井浩文(男優)渡辺修哉の父
山口馬木也(男優)桜宮正義
芦田愛菜(女優)森口愛美
山田キヌヲ(女優)修哉の継母
高橋努(男優)戸倉
金井勇太(男優)教授の教え子
野村信次(男優)
三浦由衣(女優)
新木優子(女優)(ノンクレジット)
山野井仁テレビの声
出演AKB48(劇中ビデオ映像)
原作湊かなえ「告白」(双葉社刊)
脚本中島哲也
作詞秋元康「RIVER」
主題歌レディオヘッド「Last Flowers」
挿入曲AKB48「RIVER」
撮影阿藤正一
製作島谷能成
東宝(「告白」製作委員会:製作プロダクション 東宝映像制作部)
博報堂DYメディアパートナーズ(「告白」製作委員会)
双葉社(「告白」製作委員会)
山内章弘(「告白」製作委員会)
中島かずき(「告白」製作委員会)(名義「中島一基」)
企画川村元気
プロデューサー市川南〔製作〕(エグゼクティブプロデューサー)
配給東宝
美術桑島十和子
西尾共未(装飾)
編集小池義幸
あらすじ
ある中学校の終業式の日、一人の女性教師が、担任するクラスで衝撃的な告白を始める。それは、事故死したはずの彼女の一人娘が、実はそのクラスの2人の生徒に殺されたというものだった。しかし、告白はそれだけにとどまらず、より深く恐ろしいものとなっていく。彼女の復讐劇が幕を開けたのだ。 本屋大賞に輝いた湊かなえの原作を「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督が映像化。
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💬口コミ一覧(9点検索) [全部]

46.ネタバレ 原作は未読ですので映画版のみの感想になります。まず冒頭からひたすら続く松たか子演ずる先生の人間味の感じられない語りの間に入る断片的回想エピソードの羅列にびっくり・・一歩間違えれば単調になりがちなのに絶妙な見せ方で興味を引かせたと思ったら行き成り、核心を突く事を言うので『うわっ何だこりゃ』と教室の生徒のように唖然とました。その後も各キャラクターの主観告白展開が続き静かに物語を盛り上がらせる所は上手いなぁと思いますし、中島監督お得意のCG取り入れた描写も上手く生かされ素直に感心しました。まぁ、描かれるキャラクターやエピソードがどうかと思うくらい極端に誇張されて描かれるので若干、『?』な部分も感じました(全く何も分かってない善意の押し付けウェルテル先生はもう完全に道化のコメディキャラで笑ってしまいましたが)。ただこの映画の世界観はリアルな今の現実と完全イコールという訳ではなく『独自に純化されたフィクション世界』が強調されているのであのキャラ描写やエピソードがその世界観に合って、さほど違和感なく見せられているのも上手いと思いました。単純に子供を殺された親の復讐物語という訳でも、現代社会の病理、少年法の甘さを訴えたような押し付けがましさもなく、そこでエモーショナルな展開に至るかと思えば簡単にバッサリ切捨て『はいっ後はそちら(観客)に任せます』という一面もあり結論が簡単に出せない所も好感持ちました。主役の松たか子の先生や他の主要キャラクターに感情移入が安易に出来ないので、どっか俯瞰した感じで淡々とこの出来事を見せられている感じもあり、『傍観者』気分にさせられてハッとする事もあります。気になった所は前半でエイズ患者の夫の血を生徒の牛乳に混ぜたとされますけど・・これって相手に傷害させる意図があったという事で普通、生徒が松たか子先生を通報して警察に事情聴取されるのでは?あとこれは、個人の好みなんですけど若干、何箇所か音楽の使い方がうるさいとは思いました、もう少し静寂感があった方が良かったような・・。言いたい部分もありますが大仰な問題提起の押し付けがましさなど感じず、重くならず、展開の巧みさに引き込まれ、絶望的に暗い話にも関わらず単純にエンターテイメントとして『面白い』作品に仕上がっているのは見事だと思いました。
まりんさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-06 22:41:50)
👍 1
45.ネタバレ この原作を中島哲也氏が監督すると知った時は強い期待を抱いたけれど、「松子」や「パコ」で見せられた極彩色の世界がこの話にマッチするとは到底思えず不安も抱いた。観終わった後に思うことは、そんな不安は杞憂だったどころか、過去の記憶に無いほど小説の世界を損なわずに映像化されているということだ。色彩に関して云うと、すでにスクリーンに色があったことが思い出せない。心象はグレーの一色だけだ。森口先生(松たか子)の告白に語られる「少年Aと少年B」は、それに続く話の内容で特定の生徒を指していることが呆気なく明らかになる。この作品を象徴する非倫理的な違和感がざわめく教室を黙らせて行く。おだやか口調とは裏腹な内容を孕んだ森口の告白はエンディングに至るストーリーを完全に支配していて、作品を冷え切った印象でまとめ上げる。会話ではなく独白の連鎖で綴られる物語を絵的に飽きさせることもなく、至福の時間を提供してもらった。原作にも言えることだが、それぞれの登場人物が持つエピソードは、リアルかと云うとちょっと違う。例えば、アニメーションが人のピュアな感情を抽出するように、本作の中島監督の演出は人のネガティブな感情だけを選り分けて抽出し尖らせて見せる。それは肉体ではなく心を痛めつける残酷なショーを客席から傍観するエンターテイメントだ。これに見応えを感じることに罪悪と背徳的なカタルシスを覚える。剥き出しのエゴや悪意や復讐が人を引きつけて止まないエレメントであることも再認識させられる。観る側の心に危険な開放感を与える映画。問題作かもしれないが、傑作であることは疑う余地なし。
アンドレ・タカシさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-07 22:43:57)
👍 2
44.ネタバレ 本屋大賞を受賞した原作は未読。本作について“語る”のは非常に難しい作品である。「とりあえず観てみろ」という言葉しか出てこない作品だ。
観る者によって感想はマチマチだろう。「人間の命の重さを説いたヒューマンドラマ」と捉えることもできる、「ガキたちに復讐する爽快なエンターテイメント作品」と捉えることもできる。解釈度が“自由”であり、観る人それぞれの心に何かを刻み付けた中島哲也監督の自在な手腕が発揮された傑作といえる。
「人間の命は脆くて軽いが非常に重いもの」「人を殺す際には、その人を愛する誰かがいることを考えてみろ」ということを教えるための森口先生による授業だったのではないかと感じたが、『なんてね』という言葉一つで引っくり返している。
結局「ガキたちと同類ではないか」とも感じてしまう一言だ。
確かに大人だろうが、子どもだろうが、人間である以上、変わりはないのかもしれない。クラスメートでも恋人でも母親でも誰かに自分を認めて欲しいという衝動、暇つぶしに誰かを傷つけたくなる衝動、復讐なんてしたくないけど復讐せざるを得ないという衝動、そういう短絡的で自己中心的な感情に支配され、人間は愚かな行動を走ってしまうものかもしれない。人間はバカで単純で弱くて脆いもの、悲しいけどそれが人間ということをも感じさせてくれる。人間というものの本質を感じさせてくれる点を評価したい。しかし、松たか子が泣くシーンを描くことで、罪の意識を感じ、人の心の痛みを知らないガキとは根本的に違うということだけは分かるようになっている。それでも溢れる感情を止めることはできないのだろう。
「パコと~」の際には、各キャラクターに感情移入できない点が気に入らなかった。本作も同様に感情移入することはできないが、感情移入できないことにより、本作には面白い効果を生んでいると思う。得たいの知れないという不気味な恐怖を感じるとともに、客観的な傍観者としてこの復讐劇をエンターテイメント感覚で楽しむことができる。中島監督が計算したかどうかは分からないが、非常に巧妙な仕掛けとなっている。
本作は問題作ではあるが、“人間の命の重さ”を真正面から捉えるよりも、本作のような切り口で語った方が反面教師的な役割を担えると思われる。R15指定作品だが、逆に子どもたちに見せてもよいのではないか。“何か”を感じ取ってくれることへの期待や希望はあるはずだ。
六本木ソルジャーさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-07 22:52:29)
👍 1
43.凄い映画だ。
下妻からパコまで、どれも大変気に入っていたが、全てを「どっか~ん」とぶっ飛ばすほど、この作品はいい!
いままでが予行練習だったかのような、色、動き、話、演技。1シーンに入ってる情報量が多くて、途中、時計を見て1時間経ってないのにびっくり、これはつまらなくて長く感じたのではなく、これだけの時間でこれだけ表現してるのかという事に驚愕した。
教室で蠢く悪魔のようなガキ共、バカ熱血教師、子供を制御できないアホ親、そして教師森口。当然私の立ち位置は森口講師側に居る訳だし現代の子供達の現実をメディアでしか知らない私は少なからずこのような生き物であろうと思ってもいる。
R-15などと言わずに子供達に見てほしい、こんな風に思われていることを。実際高校生風の2,3人が数組観ていたが、皆、押し黙って映画館を後にしていた。
100分ちょっとでこの満足感、すばらしい!
カーヴさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-09 11:53:48)
42.ネタバレ 全く笑えない状況なのに、優雅なBGM、美麗な映像が異様。正直、この演出はグロい。
気持ち悪い。今までに「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」とゴテゴテとしたポップカラーで演出力の高いインパクトのある映画を撮ってきた中島哲也監督、本作では演出センスはそのままに、しかし、楽しげな演出を180度ひっくり返して、完璧なまでの不快感を存分に与えてくれる。
この気持ちよいくらいの不快感(矛盾)は、パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」等の復讐三部作に近いものがある。
個人的には、この映画で描かれているリアリティだとか、社会性だとかはこの際どうでもいい。人間ひとりひとりは、割といそうな感じではあるが、(悠子先生除く)展開は容赦なく、ありえなく豪快。
悲劇性、不快感は高いけれども、やはりこれは、ひねくれた一流エンターテイメント作品のように僕には見えた。余りにもぶち切れた展開と、異様な演出は、この世のものとは思えず魔界の住人を描いたもののように見えてしまって、僕には特に考えさせられたとか、心を動かされたなんて部分は正直全くなかった。
しかし、それでも傑作だと言いたいだけの力がこの映画にはあった。
こんな褒め方をしたくなった映画は初めてかも。
すべからさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-12 00:24:41)
👍 2
41.ネタバレ すごい映画だ。原作が良いのか映画化が上手いのか。原作は未読だが賞も獲っているし、両方いいのだろう。いろんな意味で登場人物が皆こんなに残酷でエゴイスティックな映画は初めてだ。好き嫌いが分かれる映画かも。ただ、傑作であることは間違いない。最初は登場人物の行動が理解できないが、告白が進むにつれその理由が怖いくらいにクリアになっていく。その演出がうまい。一見モノクロといってもいいくらいの彩度の低さだが、これを通常の彩度にすると血の色が鮮烈過ぎて、登場人物の告白に対する集中がかけてしまうに違いない。だからこの色合いは正解だと思う。また、深刻な内容に一見合わなそうなBGMの選択が恐ろしくいい。あと個人的には木村佳乃の演技が良かった。
MASSさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-12 17:58:38)
40.ネタバレ この悪意満載の映画には正直、興奮した。結末どころか中身が全部わかっている以上、映画になったときに期待するのはどの辺まで小説のアイデアを拝借してまるで違うものが作られているかということだが、ここまで同じ話なのにここまで面白く、映像や音の威力というものの神髄を見たかのようだった。

後味が悪いことや、倫理観が壊れてしまうような感覚、自分が知っている子供世界との差異へのたじろぎのような不快感は、すでに全く同じような原作の感想を方々で見ている。この作品が持つ不快感というのは明らかに作り込まれた不愉快であり、人造であるが、自然と作品の主張であるかのように存在感がある。

人工物であるという、隙のようなものがある種の箱庭感、安心感を醸すのだがこの作品に神経を逆なでされた人たちは、策略に乗せられても現実世界をもう一度認識することで強い不快感を顕わにする。それはこの作品の中で広がるいやな世界を否定することで現実世界の安心感を確かめたということだと思う。

しかし、これほどの不快感を人に与える暴力的なお話であるというところに私は何とも言えない魅力を感じてしまう。原作のもつ人に煩累を植え付ける暴力性を否定する書評やレビューが自然と、その嫌悪感の虜になった人たちの評価を浮き上がらせる。なんというか巧妙な心理操作がたまらない。心地よささえ感じてしまった。

松たか子がなぜかすんごい美人に見えて、吸い込まれるように感情移入してしまう。言い逃れする余地を存分に残し、最後には仕返しのためなら無差別に殺してみせる。実行犯を仕立て上げておきながらなお、すべてを失っている彼女は、真実が露見したら自殺するから良いもんね位の軽い薄ら笑いを浮かべた。「私が命の重さとか言っちゃって面白かった?ケケケ」的な確信的な薄ら笑い。が、なぜかすんごい爽快感だった。なんだこのザマーミロという爽快感。

なんかオレ変なんだろうなきっと。
黒猫クックさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-13 01:09:44)
39.人と人となんてのは分かりあえる生き物ではなく、そもそも誰しも本当の自分なんて他人に分かって欲しいとも思っちゃいない。心のすれ違いという言葉では生ぬるい、もっとドロドロとした沼底みたいな見通しの悪さが社会にはある筈で、そこにエゴという黒い汚染が混入してしまうと仮初めの秩序はいとも簡単に乱れる。みんなそれに気づいてはいるんだけれどもあえて知らないふりをしていて。そんな当たり前のことをこの映画は深く抉ってつきつけてくるから、不快だ、怖い、ナンセンスだと思いつつも目が釘付けになる。決してまた見たいと思う作品ではないので1点減点はしたが、正直面白かった。それにしても松たか子はすごい。抑える演技をしつつも、突如内側からものすごい輝きを放つ瞬間を見せたり、次の瞬間にはオーラをかき消したり。主演の割に彼女の出番が少なかったのが一番残念。
Mum,theSanChrysさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-19 23:45:05)
38.教師の知り合いが何人かいるが、彼らに見せてあげたい!
no_the_warさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-22 21:06:10)
37.良かったです。
Kさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-28 16:58:01)
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36.ネタバレ これは久々に邦画が当たりましたね。シナリオもさることながら、映画としての作りも素晴らしい。目の離せない手法で、画面に釘付けでした。地味ながら淡々と語る松たか子にKYな岡田将生と配役はバッチリです。岡田将生演じた先生は実際に居そうですね。主演二人の子供達は、今時の子供の性格が出ていて、なかなかリアル。虐めのやり方は、自分の昔を思い出しましたね・・・。虐めるほうは、楽しくてやめられない感覚は、理解できます。終始、どんでん返しの繰り返しで、洋画に対抗できる数少ない邦画でしょう。頂けないのはリアリティ感をガックリ下げてしまうCGの使用ですね。こういう地味な映画には、不要です。余談ですが、やたらAKBを大きく映していたので、宣伝費としてお金を貰ってそうですね。オススメです☆
マーク・ハントさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-29 23:55:19)
35.ネタバレ 何人かの告白で綴られる一本の作品。
エヴァのTV版のラスト近くの話や、アモーレスペロスに近い手法なのかなぁと思います。
重いテーマをテンポ良く進めて全く飽きなかったです。
あのクラスメイト達、ホントにクズの集まりでしたね。あの歌とダンスは何だったのかわからなかった。
松たか子さんの最後の台詞、涙、表情。あの意味がまだわからないけどもう一度観て考えたいと思います。
面白かったです。
まさかどさん [映画館(邦画)] 9点(2010-07-01 23:13:27)
34.ベストセラー作品の映像化に見事成功した稀有な作品。
tonaoさん [映画館(邦画)] 9点(2010-07-04 11:15:09)
👍 1
33.ネタバレ 個人的には2010年上半期№1の衝撃作。原作は未読。エンドロールが終わっても、しばらくの間だれも席を立つ客はいなかった。教育、家族、恋愛、友情、命といった、これまで世間で「是なるもの」として築き上げられてきた価値観が完全に崩れ去っている中学校。表層の一体感に終始し、人間関係はすでにその根幹を失っている。自分一人で世界観を築き上げる危険性や、集団になった途端に一種の思考が停止する脆弱性の中で、各人が有する愛情はその対外的なバランスを失い、対象を(ときに偏執的なまでに)特化していく。主人公の森口をとってもそれは例外ではない。彼女は教師でありながらその愛情は娘に集中的に注がれ、娘を殺した生徒に徹底的なまでの復讐を仕掛けていく。(個人的にはラストの「な~んてね。」も狂言とは思えなかった。彼女に少しでも教育者としての自覚が残っているのならば、辞職までして復讐に集中する事は無いように思える。)ただ一人、自らの二面性に気づき、悩み、また恋愛し、人間の「善」なる部分を信じようとした美月が無残に殺されるストーリーが何とも救いがない。現代社会が抱える問題を潜在的に映し出す物語にradioheadの音楽が絶妙に重なり、作品としての力をいっそう増しているように感じられた。
woodさん [映画館(邦画)] 9点(2010-07-09 18:49:08)
👍 1
32.非常におもしろかった。でも何度もは見たくない。多くの人は憎たらしい中学生をボコボコに吊るし上げたいという黒い感情を自認せざるを得ないだろう。自分も期待通りの展開にひたすら爽快感を得た。一方で、理性は「大人」としての後ろめたさもちょっと感じてた。結果、「おもしろかった」と大雑把な感想しか口にせず何食わぬ顔で劇場を後にした。素晴らしく悪趣味なエンターテイメント映画だ。でも映画館で一回、レンタルで一回くらいでとどめておこうと思った。
cassandreさん [映画館(邦画)] 9点(2010-07-11 09:43:51)
31.長い間忘れていたけど、中学生くらいの時は確かにクラスの中にああいう集団の残酷さや、未熟さゆえの悪意といったものがあったと思う。実際は楽しいことも多くあんな殺伐とはしていなかったけど。でもこの映画で描かれてるような感覚は確かに実際あったと感じるところが怖いところです。毒にも薬にもならない映画が多い昨今、この映画はまるで毒のてんこもりです。紛れも無い久々の衝撃作でした。お見事。
54dayoさん [DVD(字幕)] 9点(2010-07-14 00:01:21)
30.ネタバレ 原作未読です。
もし、この映画が毒にも薬にもならない映画だったならば
「絶対松たか子は最後に『なーんてね』と言うだろうな」
と思いながら見たと思います。
が、この映画は毒にも薬にもなる強烈な映画だったので、
そんなことを思うことも忘れ最後まで見てしまい、
あまつさえ松嶋奈々子の『なーんてね』に不快感すら感じてしまいました。
つまりは、完全にこの映画にのめり込んでしまった訳です。
(ほんとに最後に『なーんてね』と言うのかどうか、鑑賞後にわざわざ本屋で
原作の最後のページを確認してしまいました)
ここまでのめりこむことは最近の映画では稀だったので、
とても有意義な106分でした。
また、ここまで自由でしかも計算された構成を
構築できる才能は素直にすごいと思います。
めっくさん [映画館(邦画)] 9点(2010-07-21 00:25:01)
29.久しぶりに凄い邦画を見た。もう映画の中にどっぷりつかり、眼球が乾燥しちゃいましたよ。ほんと。
ぬーとんさん [映画館(邦画)] 9点(2010-07-27 01:12:33)
28.ネタバレ 久しぶりに2時間釘付けになった作品。ここで判断するのは早いが、おそらく今年の映画ベストではなかろうか。

■本作は徹底して「人間の負の側面」を描き出す。それも、悔いや良心の呵責を感じながらでもなく、またクラスの生徒たちのようにエンターテイメントと変換してしまうわけでもなく、まさに「何事でもない」かのように悪がなされていく。これは、殺人を自己顕示のための道具として利用した少年Aにしても、少年Aに勝つために少女をプールに落とした少年Bにしても、そして報復する松たか子にしても。「善悪」という基準が解体された先には、「強弱」、要するに頭のよいもの、相手を出し抜いたものを肯定するしかなくなる。

■もう一つ、本作は告白の真偽が最後まで伏せられる。最後に少年Aの告白(回想シーン)が偽であることが明かされたように、本作中の一人称の語りは確実なものとは言えない。例えばラスト、爆弾について「回線を切った」との松たか子の発言と、大学での爆発は矛盾している。ひょっとすると、本当に母親が海外旅行から帰ってきて、息子を覚えていたかどうかさえ真偽は不明である。

■ここでカギになるのは、告白者とは別のナレーター、美月の存在である。告白シーンにときどき告白者と関係ない内容が滑り込んでいた(例えば少年Bの母親の告白部分で、学校の様子が映し出されていた)のは、ナレーターの視点が並行して含まれているからである。ここを軸にして話を再構成してみる必要もあるかも。

■途中のナレーターの恋愛、そして死亡。殺されたのは、美月=ルナシー(追従者ではなく本人と解釈した方が恐らく興味深い)として、少年Aの栄光を奪った者への復讐なのか?ある意味で美月はAの母を補完する役割を果たしていたのだから、代替的な母殺しになるのだろうか?

■ちなみに、冒頭の「ミルクと血」というのは赤ん坊の時に母親から与えられる二つの重要なもの。そこに「毒」が入っていたというのは本作(母親の問題が少年の暴走の遠因である)という点をシンボライズしているのだろう。二人とも「母親殺し」をさせる点でこれも符合する。ただその場合、美月の死だけが浮いてしまう。

■解釈をいろいろ書いたので最後に。メッセージ性というより「見て自分で考える映画」だと思う。ある意味でこの作品は、自分自身の心を映し出す鏡でもある。何を信じ、何を信じられないかという。
θさん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-29 00:51:30)
27.ネタバレ 見た後で色々と考えさせられる映画だが掛け値なしで面白かった。
ストーリーと複線を再構築すると色々な仕掛けがあることがわかる。
2度見ると1度目とはまた違った解釈で正反対の感想を持つ方が多くいると思います。
そういう意味でやはりこの映画はミステリーに分類されるべきなのだろう。

【若さゆえの狂気】
日常の中の些細な不満はゆるやかに狂気へと加速してゆきやがて集団狂気へと昇華する。
そしてその中で生きろと強制している学級制度がさらなる悲劇を生む。
若さが老いを見て見ぬ振りをするように、狂気もまた懺悔する事は無い。
そして若さは狂気と表裏一体。

【人生半ばゆえの倫理観】
純粋無垢な少女も、少年法で守られている中学生達も、教師も親も同じ人間。
いつか通った道でありいつか行く道である。
教師として母としてやりたい事と出来る事は違う。
願えども適わず、されど人間として願わずにはいられない。
社会システムと個の感情との狭間で出した答えが「復習」だった。
そして達観していた主人公が最後にたどり着いた涙と笑顔の境地とは?

【総評】
トータルは9点。その内訳が、ダークな学園ドラマとしては8点、
ミステリーとしては9点、ストーリーテリングの手法が10点、
生徒のキャスティングが6点、松たか子が10点、映像と音楽が7点で、
良輝がゲーテのウェルテルのように純粋に良くがんばったので平均点に+1点。
映像はその世代毎に持つ怠惰的な虚無感や偽善的な日常感や暴力的な透明感に溢れており、
すばらしいのですが若干疲れます。
しかし登場人物に感情移入し過ぎない程度の時間と視点が絶妙。
特に事件の発端となる少女の描き方が必要最小限である事とその告白が無いことにより、
見る者は逆に絶対的な弱者である少女に対する必要十分なだけの儚さと悲しみを覚え、
その存在感を印象付けている点は特筆すべきだろう。
霧の中に見える細い糸を手繰り寄せるとひとつの真実が現れては
また次の糸が現れるように、1つの事件に関係する者が交互に告白する度に
事件の全貌が明らかになり、そしてまた新たな悲劇が生まれる。
しかしその告白の中には観客をミスリードする嘘も織り交ぜられているから少し厄介だ。
真実と嘘が交錯し、何処までが真実で何処からが嘘なのか?
最後にあえて問いたい、先生そんなことして無いですよね?嘘ですよね?
・・・なーんてね。
はいぷさん [映画館(邦画)] 9点(2010-08-02 11:03:32)
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【点数情報】

Review人数 252人
平均点数 7.04点
051.98%
172.78%
231.19%
393.57%
441.59%
5249.52%
6218.33%
75019.84%
86124.21%
94618.25%
10228.73%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.43点 Review23人
2 ストーリー評価 7.45点 Review31人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review34人
4 音楽評価 7.35点 Review28人
5 感泣評価 4.85点 Review20人

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