4.不思議な映画の魔力を秘めている作品、それが鑑賞直後の印象。ベタで先が読める展開が「つまらない」ではなく、「だからこそ良かった」と素直に受け止められる。初見なのに「こういう映画好きなんだよなあ、もう1回見よう!」と思いながら見ている気分。まさに録画していたスポーツの勝ちゲームを見ている気分なのだ。ストーリーに翻弄されないから、映像や演技をしっかり堪能できる「余裕」や「安心感」を与えてくれるのだ。イタリアの美しい風景や50年前の恋人探しのクレアの少女のような美しさ、それを手伝うソフィのナチュラルな可愛さを感動できるのはまさにこのシンプルなストーリーのおかげなのだ。さらに感動を高めているのは、実際にヴェローナで「ジュリエットの秘書」たちによって行われている「ジュリエットレター」というなんともロマンチックなやり取りにすでに心打たれているからだ。おそらく今は亡きゲイリー・ウィニック監督やプロデューサーのエレン・バーキンもこの事実に相当ほれ込んだに違いない。それにしてもヴァネッサ・レッドグレーブが素敵過ぎる!あのブルーアイズの美しさは最近の洋画界でも特筆もの。彼女の瞳が50年をすべてあらわしているのだ。普通に考えれば、夫が亡くなって初恋探しをすることに後ろめたさを感じる可能性も無いわけではないが、彼女の立ち振る舞いと美しさはその夫としっかり愛情ある夫婦生活を送ってきた自負と威厳がある。おそらく亡くなった夫もあの世から応援しているかもしれない、とまで思えてしまう。一方ソフィも二人の男性の間で揺れ動くと思いがちであるが、すでにすれ違いはニューヨーク時代にさりげなく披露されており、別れは時間の問題であったことが伺える。ご都合主義、出来すぎと思いながらも、納得できてしまうのはそんな出演者の演技と演出によるものと感じずにはいられない。本来なら8点かもしれないが、震災以降の自分にとっては亡き監督と出演者への感謝の気持ちと、自分のメンタリティが映画によって救われるという「映画の魔力」を再認識させてくれた意味でプラス1点。 【やしき】さん [試写会(字幕)] 9点(2011-05-17 10:00:08)
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3.アリタリアの株は買いそびれましたがその後本当に上がったのかもしれませんね。輝かんばかりの美しさ、アマンダとヴァネッサの二人とも品があってようございました。プロボノで活躍している弁護士には見えないチャーリーになぜ引かれていったのか、旅をして気づく愛もあれば、旅をして愛していないと気づく瞬間もある、旅って大切ですね。ありきたりの音楽とエンディングでなければもう少しよかったのですが、あ、景色が息を呑むほど美しかったのも言い添えておきましょう。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-12-29 10:49:30)
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2.展開としてはありがちな映画だが、テンポよく進み、ベタベタの恋愛ものというよりも、ロードムービー的要素が強いので、男性でも飽きずに見ることができる映画だと思いました。ロミオとジュリエット?っと聞いただけで、いかにもな恋愛ものを想像してしまうのですが、それはあくまでロケ地としての舞台なだけで、全く知らない人でも十分楽しめます。個人的にはクレア役のヴァネッサ・レッドグレイヴが結構いい歳なのに、すごく綺麗でキラキラしていて、さすがは女優と思いました。ストーリー的には若干、自己中な感じに受け取れなくもないのですが、まあ、それが恋愛映画ですからね。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 7点(2014-08-07 15:29:23)
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1.ご都合主義、先が読める、んなわけねーだろ、上等! 映画を見る愉しみを思い出させてくれる一本。二時間、別の世界にトリップ出来て、終わった後に何か温かなものが残る。この映画が残してくれたのは、食べきれない食料も、着きれないドレスも要らない。愛する大切な人とお気に入りの場所で寄り添って過ごせたら、何よりも幸福だということ。でも、それが変化を求め、欲望に囚われた人間という生き物は、そんな風に美しくはなれない。だからこそこれは映画であって、心を打つ。風景も老若二人の女優も素晴らしい。納得がいかないことがひとつ。存在自体が芸術と言っても過言ではない名優、ガエルガルシアベルナルが、なんだってこんな役やっているんだろう・・・・ 【ともとも】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-21 15:04:56)
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