4.てっきりサイコ野郎VS生徒達という構図の話だと、思ったので前置き長いなぁ~~、とか思いながら見ていましたが、蓮見が自分に都合の悪い人間を裏で淡々と殺して行ったり、弱みを握って行ったりしていく様は、なかなかのホラーな出来で、逆にクライマックスの大量殺戮の方が間延びしてしまった。原作未読なので、この辺のバランスが映画と小説は違うのだろうけど、もう少し生徒役にも抵抗するシーンがあった方が見応えはあったと思う。といってもショットガンに対し丸腰では、どうにもしようがないが。それだけにあのアーチェリー少年がやけに印象に個人的に残ってしまった。それにしても「to be continue」は強引だろ。あれをどう続けるつもりなんだろうか?
3.ネタバレ これの文庫本のあとがきを三池監督が書いてるんだけど、そこでハスミンのさらなる活躍を見たいと続編を要望している。で、この映画の最後に「to be continued」って。これも貴志祐介へのメッセージなんだろうな。おもろいなあ。さて、映画。最初、ハスミンを伊藤英明ってどうよ、と思ってたんだけど納得。傍目には良い先生であることのエピソードをいちいち描かなくてもこれまで善良な役しか演ってないというこちらの固定概念も含めて「顔」ひとつで表現しちゃってる。エクセレント!原作から何人かの登場人物、いくつかのエピソードをバッサリ切り捨てているのも潔い。要は生徒を殺しまくるクライマックスさえ見せればよい、そこにいくまでの最低限の辻褄さえ合えばよい、そんな感じ。ニューヨーク時代を夢で回想するシーンが全く要らないのだけど、ここは既に売られている「悪の教典 序章」DVDへと誘うために必要なシーンなのでしょう。ある程度商売に徹した作品なのは三池のわりにはえぐくない殺しのシーンを見ても解かる。それでも残酷なシーンになればなるほど活き活きとしているのは三池ならでは。もう端折って端折って実に小気味良い。何故皆殺しなのか。原作では心の声が説明するのだが映画では生徒が尋ねても何も語らずただ淡々と殺しまくる。そしてそのときのハスミンはどこかセクシー。三池のハスミンへの偏愛を感じた。