《改行表示》 13.ネタバレ ・・・何だかさんざん比較されているようだけれど、たとえば、この『ホワイトハウス・ダウン』にあって『ダイ・ハード』にないもの、それは〈愛〉だといったら、“エメリッヒ嘲笑派”の面々に、それこそ嘲笑どころか失笑・爆笑されるだろうか。 しかし、本作の主人公ケイルを対テロリストとの闘争に駆り立てるもの、それが「娘への愛情」以外にないことを映画は繰り返し語る。そもそも、映画の冒頭でジョンが大統領護衛のシークレット・サービスとなるべく面接を受けたのも、11歳の娘エイミーの愛情と尊敬を取り戻すためだった。離婚した妻に引き取られた彼女は、大統領ソイヤーを崇拝していたからだ。 もちろん『ダイ・ハード』でも、主人公のマクレーン警部がテロ一味と戦ったのは、妻が人質のひとりとなったからだ。けれど、あそこでの彼の行動原理は、「警官」としての職務をあくまで遂行することにあったのではなかっただろうか? 事実、マクレーンが活躍すればするほど、妻を含む人質たちは身の危険が増すのだから。だがそれでも、敵相手に西部劇のヒーローを気取るマクレーンは、“ツイてねぇ”とボヤきながらテロリスト掃討に邁進し続けるのだ。 「昔は、パパ! と抱きついてくれたのに、今では相手もしてくれない」と、大統領相手に嘆く主人公ケイル。「そんな娘にまたハグしてもらえるなら、どんなことだってする」と。そして映画は、彼女がそういった父親の愛情を受けるにふさわしい、もはやケイルや大統領以上に魅力的な“真の主人公”として描き出すのである。実際、ジョーイ・キングが演じるエイミーの健気さとその“小さな「大ヒロイン」”ぶりには、いくらエメリッヒや本作の否定派でも認めざるを得ないのではあるまいか。もし、真のクライマックスともいうべき彼女によるあの感動的な「旗振り」を、いかにもベタな“伏線”の回収としか考えられないならば、そんなシニシズムこそ「映画の敵」に他ならない! 少なくとも監督のエメリッヒは、この父親の必死さと、それに値するどこまでも健気な娘というドラマツルギーを、ここできっちりとおさえている。だからこそ、ケイルがどれだけ“不死身[ダイ・ハード]”の活躍を繰り広げようと、ぼくは最後まで手に汗握り、ナミダとともに見守ることになるのだ。・・・エメリッヒ、俺は感動したよ。心からこの映画を愛するよ! 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2014-10-28 14:51:18)
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《改行表示》 12.ネタバレ 「エンドオブホワイトハウス」との対比で話題になった本映画ですが、全く遊び要素がなくバカスカ人を殺しまくるあちらと違いこちらは極めて「ダイハード」的な娯楽映画。主人公は離婚してて子供とも確執のあるパッとしない他所の議会警察官。だからホワイトハウス内部は全く知らない上に能力不足。という事で大統領とのバディ物的な要素も生じてきます。「沈黙」的スーパーマンが主役の「エンドオブホワイトハウス」の親友感とはまた違う雰囲気。 「旗振り」等の細かいネタを散りばめ黒幕は副大統領だろう…と客に思わせておいてもう一回ひっくり返す脚本はわりとよく練られていると思います。各種突っ込みどころは「娯楽作」として割り切ったんでしょう。多分。 とりあえず「エンドオブホワイトハウス」と両方みたおかげで「下院議長」の立ち居地がよく理解できました。 キャスティングで言えば、大統領に貫禄がなくどうにも「大統領」に見えないのは結構致命的。どう見てもただの学生です。それから「ダークナイト」でぱっとしないヒロインを演じていたマギージレンホールはこの映画でも見事なまでの中年女性に見えるわけですが、しかしこの映画時点でまだ35歳、なんでこんなに老けて見えるのか…と思ってよく観たらほうれい線が深すぎるんですよね。ほうれい線大事! むしろ若く見えるエンドオブホワイトハウスのシークレットサービス長官の女性なんか55歳ですよ、どういう事… 【あばれて万歳】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-02 12:33:42)
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11.これはもう、ダイハードとの共通点を数えるよりも、異なる点を数えた方が手っ取り早いですかね(例えば「腕時計」か「懐中時計」かの違い、だとか…?)。というのはさすがに大げさにしても、これだけ共通点があるのは意識的なものなのでしょう。ただ、ダイハードにおいては、装甲車をロケットランチャーで迎え撃つシーンや、ビルの谷間をヘリが飛んでくるシーンなどは、いかにも「街中が戦場と化す」という象徴的なシーンで、一気にボルテージが上がるというか、スイッチが入るというか、そういう印象深さがあるのですが、本作では、ソックリなシーンをとりあげていながら、はるかに印象が薄く、まるで他のアクションシーンに紛れ込ませるようにサラリと挿入している感じ。こういうメリハリの無さが、エメリッヒ監督の好みでもあるのでしょうか。『インデペンデンス・デイ』などでは、7月2、3、4日と、日を区切ることである種のメリハリをつけていましたが、むしろアチラの方が例外的だったか、とも思えます。と言う訳で、ここぞという盛り上がりがわかり易く提示されてはおらず、ゴチャゴチャとしたアクションが雑多に盛り込まれた感じの作品ではありますが、それでも楽しめるのはやはり、各登場人物がその混沌の中で自分の役柄を一生懸命全うしているからでしょう。主人公の娘は、ホワイトハウスマニアの立場を全うし、案内係もまた負けじと、ホワイトハウスマニアたる本領を貫く。この二人に比べると主人公と大統領はやや影が薄いのですが(笑)、主人公は、大統領を守ることこそ娘を守ること、と一途に張り切り、一方の大統領もまたあくまで大統領であることに忠実であり、安易に感情を露わにはしない。ジェームズ・ウッズは体型こそ丸くなったけど、その分、貫禄をもって、冷徹な狂気を演じている。結局のところ、一途でないヤツが一番悪い、という、そんなオハナシ。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-04-20 08:50:41)
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《改行表示》 10.はっきり言って「サイコー」だった。まずそれを断言したい。 久しぶりにローランド・エメリッヒ監督らしい大仰でどストレートな娯楽映画を心から堪能出来たことに、満足感を超えて幸福感すら覚える。 1996年公開の「インデペンデンス・デイ」を観て以来、誰が何と言おうと僕はこのドイツ人映画監督のファンだ。そのことを再確認出来たこともまた嬉しかった。 ホワイトハウスがテロリストに襲われ、そこに偶然居合わせた主人公が現職大統領とタッグを組みつつ絶体絶命の危機に挑むというプロット。実際に描かれるストーリーの大筋にそれ以上のひねりなどは正直無い。おそらく大抵の人が容易に予想できる大団円を迎えて映画は終幕する。 だが、「サイコー」なのだから仕方ない。ストーリーの顛末が読めようが予想通りだろうが、それでも面白いのだから何の問題もない。 僕が長らくこの大味なエンターテイメント映画ばかりを作り続ける監督が好きなのはまさにその部分で、「娯楽」の王道を貫き通した愛すべきベタ映画を見せてくれるからに他ならない。 それは言い換えれば、「俺たちが観たいアメリカ映画」を見せてくれるということだとも思う。 「インデペンデンス・デイ」と同様に、今作も紛れもない“アメリカ万歳”映画である。 自国が発端で巻き起こった世界的な危機を、世界中の誰が見ても“分かりやすい”崇高なる意地とプライドで挑み、駆逐する。 「どうだい、やっぱりこの国は凄いだろう!?最高だろう!?」と極めて直接的に訴えてくる。 その工夫の無い娯楽性、あまりに現実的ではない映画世界に対して、現実の世界情勢などを引き合いに出しつつ否定し嫌悪感すら覚える人も多々いることは理解できる。 ただし、そういう否定的感情と同時に、それでも世界中の人々がこの超大国に対して多大な“あこがれ”を抱いていることも事実。 映画を観て、空想と現実の狭間で揶揄しつつも、心の中では「こういうアメリカであってほしい」「アメリカはこうでなくちゃ」という感情が少なからず存在するのだと思う。 このドイツ人映画監督が長いフィルモグラフィーを通じて、“アメリカ万歳”の娯楽映画をひたすらに作り続けている意味は、まさにそういうことだと思える。 ともかく、小難しい感情は一旦抜き去って、馬鹿らしいアクション映画の世界にただ浸ることが、この映画に対しての正しい在り方だ。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-03-22 01:53:46)
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《改行表示》 9.ネタバレ さすがエメリッヒ監督。十八番のディザスターものではないが、アクション映画の王道をいく安定感のある作り。主人公が偶然閉鎖的空間でのテロに出くわす事。家族が人質にとられる事。敵の目的が終盤まではっきりわからない事など、プロットはもろに「ダイハード」なのだが、なかなかどうしていい勝負をしている。またどうしても「エンド・オブ~」とも比較してしまうが、こちらの方が数段面白い。こうした作品では敵にも大義があった方がリアリティがあって良いが、中東和平を嫌う軍需産業という使い古された構図とはいえ、こちらの方が一定の説得力をもっている。またあちらは大統領が早々と拘束されてしまうが、こちらは主人公と共に動く分、活躍の場が増している。特に本作は大統領警護官志望の主人公と、「我が家」を知悉している「大統領」がバディになるところに独特の面白さが生まれている。シナリオもしっかりしているし、ウィットが効いていてところどころ笑える。大統領がハウス内を駆け巡る際、革靴では大変だなーと思っていていたら、ちゃんとエアジョーダンに履き替える場面があったり‥。ただ一点、娘の最後の「旗振り」はちょっとあざとかったかな(実際のパイロットは独断で任務を中止したりはしない)。あそこは普通に核ミサイルが発射されなかったことを確認できて「任務中止命令」で良かったと思うが‥。それにしても娘が犯人の動画をネットにアップロードするところとか、結構今という時代性も取り入れられており、ホワイトハウス内の細かいガジェットも手抜きがみられず、久しぶりに見終わって満足できるアクション映画だった。 【田吾作】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-10 11:34:09)
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8.ネタバレ これだけのことが朝ご飯食べたあとに始まって、晩飯前にはケリがつくってのがスゴい。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-12-06 21:18:10)
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《改行表示》 7.ネタバレ 長い前振りで上手にホワイトハウスの内部を説明し、警護の厳重さをアピールしまくってから、一気にそれをぶっ潰す。どこか悪に肩入れしたくなるほどの手際の良さで簡単にホワイトハウス陥落(ダウン)です。 あとはダイハード。一人の無職の男がお国のため、娘のために死ぬほど頑張ります。そりゃもう凄い頑張りようです。 だけど世界TOPの国が崩れ始め、どんどん状況は最悪の事態へまっしぐら。上手く行きそうな事が全部上手く行きません。ヘリは墜落するし、爆発は何度もします。戦車も粉々。ミニガンだって出てきます。最高です。 そして刻々と迫る第三次世界大戦の秒読みに見てくこっちも「やべぇよ…やべえ…」という具合に焦りまくり、そしてそれをひっくり返す最後のカタルシス。 最後、なぜかこんなアホ映画なのに涙が…「よかった…本当によかった…」 主人公も無事就職出来ましたし、本当に良かったです。久しぶりにこんなにドキドキした映画を見ました。 【えすえふ】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-01-03 19:45:07)
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6.ネタバレ エンターテイメント性重視というより、リアリティ排除な脚本。“懐中時計が弾丸を受け止めた”なんて、思わず何時の時代のギミックだよとツッコミたくなりますが、これは“ファンタジー宣言”と捉えるのが自然な気がします。つまりホワイトハウスがテロリストに占拠されることも、戦闘機のパイロットが自己判断で爆撃を中止するなんて甘い話も、ハナから“絶対に有り得ない”ということ。命を賭して和平協定を結ぼうとする大統領も、やっぱり現実には居ないのでしょう。意外と皮肉が効いているような。皆さんご指摘のように、“Foxドラマ『24』+『ダイハード』-ジャック・バウワーの凄味-ブルース・ウィリスの味わい+娘の旗振り”という理解で間違いないかと思います。面白かったです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-09 20:28:18)
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《改行表示》 5.ネタバレ いいっすね。大統領がコロコロ変わるところの淡々としたテンポが妙に気に入りました。 フィクションでも飛行機は落とさないでほしい、乗るときホントに怖いのです。 こうゆう政治策略の話って、たいてい内部の上層部が裏切るパターンが多くないですか? とばっちり受ける下っ端のみなさんがかわいそうすぎますよ。 【たかしろ】さん [映画館(字幕)] 6点(2014-04-14 18:28:39)
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4.ネタバレ ローランド・エメリッヒにしては思ったよりも地味 同時期の「エンド・オブ・ ホワイトハウス」よりはおもしろかった 主人公、大統領、主人公の娘、3人のヒーローが活躍する話になっている いかにもエメリッヒらしい全員にヒーローらしい見所をあたえて、普通なら気恥ずかしい演出だと思うが直球でわかりやすい 大統領と主人公とのバディ感は似た様な設定の作品の中では随一ではなかろうか イメージ的にはやはりエンド・オブ・ ホワイトハウスと同じくダイハードの1に近い この作品ひねくれた人には絶対評判が悪いだろうな、直球でくさい演出満載 でも私は好きだ 冒頭、偶然に会った主人公の娘のブログ出演に大サービスの大統領に思わず引き込まれた、うまい演出だ こういう過剰演出の積み重ねが鼻につく人は見ていられないだろう ラストも3人でヘリに乗って判りやすいヒーロートークで終わるのもダメな人にとっては絶対にダメだろう 爽快であればイイじゃん的な演出は私的には大好物だった 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-02-24 15:48:10)
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3.おもしれ!これ、おもしれ!ダイ・ハード1の舞台のビルがホワイトハウスに変わっただけの期待通りの王道的展開だけど、まー、それ以外に何を期待するの?って感じだから、これでいいのだ。だから、そーいう人には、普通におもしろいです。大統領との連携と、主人公の娘のエミリーがいいスパイスになっていて、なんだかジーンとしました。娘のヒーローはやっぱ父親じゃなきゃね! 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-01-10 15:15:07)
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2.ネタバレ ここ数作、興行的にイマイチだったせいか、エメリッヒ作品にしてはいろいろ控えめ。爆破CGも、ホワイトハウス全体をぶっ放すのではなく、ホワイトハウスの庭の倉庫が爆発とかそういう感じで、2013年の映画としては明らかに見劣りする。ただ、それが功を奏したのか、ワシントン観光した帰りの飛行機で見たというタイミングがよかったのか、それなりに楽しめた。首太すぎてスーツが似合わず途中から白シャツで本領発揮するチャニング・テイタムとアクションに不器用な大統領ジェイミー・フォックスのコンビは、バディものアクションの楽しさを久々に味合わせてくれた。あと、この手の映画だと子役が子ども特有の論理で動いて足をひっぱって、全体のテンポを損ねる場合も多いのだが、この映画では娘役が意外な活躍を見せてなかなか爽快。もちろん、エメリッヒだから、ツッコミどころは多い。そもそも正式な合衆国大統領があの下院議長になった時点で、ソイヤー大統領には核ミサイルボタンを解除することはできないはず(任期を終えた元大統領が核ミサイル解除が可能になってしまう)。まあ、そういう細かいこと云う前に、敵の目的が本末転倒すぎで、中途半端に政治ミステリーの要素を入れてしまったのが、そもそもの失敗かもしれない。まあ、そこは目をつむって、過度に期待せずに見れば意外と面白いかも、という程度の作品。 【ころりさん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2013-12-08 03:55:42)
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1.ネタバレ ◆『エンド・オブ・ホワイトハウス』の記憶が薄まりつつある9月、この作品を鑑賞した。◆ぶっちゃけて言えば、作品としてはこちらの方が数段上だと思う。もちろん、ツッコミどころ満載なのは折り込み済としてだが。◆まず、各々のキャストが、みんな「それらしく見える」事。名前を言わなくても、にじみ出る「悪役臭」で、コイツ悪っ!と分かるのが何とも爽快。テロリストの切り込み隊長なんか、いかにも『悪いです』って顔に書いている感じだし。人物像も、洋画を見慣れている人なら、こんな悪役いるいる状態ではなかったかと。副大統領や下院議長や国防長官も、みんな何となく含みがあっておもしろい。黒幕臭もかなりなもんだ。◆でも、ストーリーの根底には、うっすらと家族愛や愛国心を隠し味程度に入れてみたりして、見た後のめでたしめでたし感は決して悪いモノではなかった。◆ただ、テロ行為の目的が復讐なのか、利権なのかが少し交錯してしまったところが惜しい。見せ方次第ではサスペンス色も加えられたかもしれないが、下手にいじって壊すよりはずっとまとまりよく出来上がったので、これはこれでアリかな。◆最後に、娘役の存在がストーリーを引っ張る力になっていたのが良かった。このような映画の場合、悪役とヒーローだけではどうも濃すぎるので、その調整として機能するヒロインは不可欠。そのような視点でも、他人の息子より実の娘のストーリーにした本作の方が良かった。◆エメリッヒ監督の意外な一面を見せられたような佳作。次回作は、できるかな? 【ばびぃ】さん [映画館(吹替)] 7点(2013-09-18 10:58:54)
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