2.ネタバレ とてもヘンな西部劇、という評価もある映画ですけど、実際に観てみるとなかなか知的なコメディでした。「人間は自分に都合の良いように記憶を書き換える」と言われていますが、まさにそこを逆手に取ったような無法者グラハム・ドーシーの数奇な生涯をご覧あれ、というストーリーです。冒頭のブロンソンが見る夢のシークエンスからして「なんかヘンだな?」と心ざわつきますが、その後の筋書きは(特に後半)意表を突かれること間違いなしのぶっ飛び振りです。そして随所にぶち込まれる下ネタの嵐。ブロンソンがインポをジル・アイアランドに直してもらう展開というのも目を白黒させられますが、ジルと再会したブロンソンが本人確認のためにイチモツを見せて納得させるところなんか、もう唖然です。ここまでくればイタリア艶笑コメディの西部劇版じゃないですか。でも恥ずかしげもなくこんな痴態を見せちゃうなんて、この夫婦はほんとにラブラブだったんでしょうね。 こんなカルト映画ですが主題歌の"Hello and Goodbye"はそのメロディを聞けば「あっ、この曲聞いたことがる」と反応する人がきっといるんじゃないかと思う名曲です。
★1.ネタバレくだらなく下品で、良曲あり切なさあり、そして怖さと後味の悪さあり・・・なんとも変な西部劇でした。コメディと言われてもわかるし、パッケージに言うところの「幻の大傑作」といわれてもわかる、そんな作品。 時を経て神格化されたグラハム・ドーシーはもはや誰からも自分がグラハムであると認識されない。町の人はおろか自分を最も愛してくれたアマンダさえもグラハムがグラハムであることを認識しない。ようやく彼(下ネタ)が彼の彼であるとわかっても幻に取り憑かれたアマンダには声は届かない・・・その流れはコメディでもあり、恐怖でもあります。ラストの精神病棟?でグラハムさんだねと言われた時のグラハムの嬉しそうな顔といったら・・・。自分が存在しない恐ろしさ・・・切なく美しいエンドクレジットがより際立ちます。 作中再三流れるテーマ曲"Hello and Goodbye"がかなり好きです。