映画『アメリカン・スナイパー』の口コミ・レビュー(6ページ目)

アメリカン・スナイパー

[アメリカンスナイパー]
American Sniper
2014年上映時間:132分
平均点:6.94 / 10(Review 132人) (点数分布表示)
公開開始日(2015-02-21)
アクションドラマ戦争もの伝記もの小説の映画化
新規登録(2015-01-06)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2025-05-26)【M・R・サイケデリコン】さん
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監督クリント・イーストウッド
助監督ロバート・ロレンツ(第二班監督)
キャストブラッドリー・クーパー(男優)クリス・カイル
シエナ・ミラー(女優)タヤ・カイル
カイル・ガルナー(男優)ゴート=ウィンストン
マーネット・パターソン(女優)サラ
レナード・ロバーツ(男優)ロール教官
コリー・ハードリクト(男優)"D"/ダンドリッジ
ブライアン・ハリセイ(男優)ギレスピー海軍大佐
ジョナサン・グロフ〔男優〕(男優)
ロバート・クロットワーシー(男優)
桐本琢也クリス・カイル(日本語吹き替え版)
渋谷はるかタヤ・カイル(日本語吹き替え版)
宇垣秀成ロール教官(日本語吹き替え版)
阪口周平(日本語吹き替え版)
中博史(日本語吹き替え版)
魚建(日本語吹き替え版)
音楽エンニオ・モリコーネ(追加音楽)
作曲クリント・イーストウッド"Taya's theme"
撮影トム・スターン〔撮影・照明〕
製作クリント・イーストウッド
アンドリュー・ラザー
ブラッドリー・クーパー
ピーター・モーガン〔製作〕
ロバート・ロレンツ
製作総指揮ブルース・バーマン
配給ワーナー・ブラザース
特殊メイクマシュー・W・マングル
エド・フレンチ
特撮ムービング・ピクチャー・カンパニー(視覚効果)
美術ジェームズ・J・ムラカミ(プロダクション・デザイン)
衣装デボラ・ホッパー
編集ジョエル・コックス〔編集〕
ゲイリー・ローチ
録音ジョン・T・ライツ
グレッグ・ルドロフ
バブ・アズマン
アラン・ロバート・マレー
字幕翻訳松浦美奈
スタントリック・エイヴリー
あらすじ
テキサス州。クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、1998年に米大使館爆破事件をテレビで観て愛国心から海軍に志願する。シールズに配属され、私生活ではタヤ(シエナ・ミラー)と結婚して幸せな日々を送るが、2001年の同時多発テロ事件を契機にイラクへと派遣される。イラクで大きな戦果を挙げたカイルは仲間達から「レジェンド」と呼ばれるようになり、1000m級の射撃を行う元五輪選手のムスタファ(サミー・シーク)と遭遇し、何度も死闘を繰り広げる。任地での経験はカイルの心を蝕み、帰国する度に家族との溝は深まっていく。
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【口コミ・感想】

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32.大げさにせず淡々と描くのが良いですね。英雄は決して無傷ではなかった。そこに戦争の悲劇があるのでしょう。最後は事実だけを伝えて終わりですが、悪くないと思います。
東京ロッキーさん [映画館(字幕)] 7点(2015-03-05 16:50:44)
31.ネタバレ 日本人は、今起きている戦争と対面するためには、テレビのニュースやユーテューブでしかない。そもそも対面しようとする日本人が少ないと思う。そんな我々が今の戦争を論じるなんてちゃんちゃらおかしい。まして集団的自衛権だとか。
しかしこの映画を観ると、今起きている戦争の現場の様子が大音量で大画面で描かれるものだから、テレビやユーテューブで知ったつもりになっている自分が、井の中の蛙であることを暴かれた。シャレにならない殺戮と葛藤と緊張が、現場では毎日繰り広げられていると思うと、いてもたってもいられなくなった。けれども、特に何もしない。
no_the_warさん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-04 00:55:25)
30.所詮映像の世界と思っていたけど、自由と安穏に浸っている頭にも戦場の狂気は伝わってくる。
マンデーサイレンスさん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-03 17:21:55)
29.ネタバレ 先に言ってしまうと、本作のエンドクレジットは無音である。多分、鑑賞した人は皆同じ感慨に浸るのではないでしょうか?それは深く、重くのしかかってくるもの…。本作が、イーストウッド監督が伝えたかったもの、正解の無い、不確かな現実で生きた兵士の、戦争が生んだ後遺症の傷痕が残したもの。たかが(と言ってしまうのは大変失礼だが)映画のエンドクレジットでこれ程までの『重さ』を伝えてくるとは!それはオープニングからの演出が一気に観客を引き込んでしまったからだ。あの息も詰まる様な狙撃に至るまでの演出。クリス・カイル本人は原作に「人には分かってもらえない。」と書かなかったそうですが、イーストウッドはありのままを本作に映し込んだ。敵となるイラク兵達を「savages」と呼んだ事などもそう。まさに部外者が後から口出しするのは簡単だし、そんなのは偽善だと思う。まして「議論」が巻き起こるのは当然の事で、それは話題の裏返しに過ぎない。僕はいち観客としてこの映画を非常に興奮して観れました。映画らしい一流の狙撃手同士の戦い。昨今のそれに比べると派手さなど控えめかもしれませんが、その分狙撃シーンの迫真さが際立つ。ブラッドリー・クーパーは肉体改造もさることながら、相手の命を奪う事に対する正当性やその支えになる正義(本当にそうだったのかは僕には分かりませんが)を見出す苦悩と、帰国してからのクリスという二面をこなし、非常に繊細な演技で派手さが無いので普通に見過ごしてしまう様な、印象の薄い演技でしたが、見返す度にその『繊細さ・普通さ』がどれ程のものか、分かる時が来るでしょうか。またあのエンドクレジットの余韻に浸りたい。
mikiさん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-03 05:17:36)(良:1票)
28.ネタバレ ホーチミンの戦争証跡博物館で、ベトコンと誤認されて米兵に撃たれ道に倒れた少年を撮った写真のキャプションに、「そして上官は"Finish him"と言い捨てた」とあった。弟をいじめたガキ大将に馬乗りになってボコボコにするのもfinish、アルカイダを壊滅させるのもfinish。「悪を駆逐し自分と家族を守るためには容赦するな」という教えを、父親からも国家からも叩き込まれ続けた主人公。ベトナム戦争末期に生まれ、父親から銃の手ほどきを受けたクリスが、イラク戦争のさなかに生まれた息子にやがて銃を持たせる。結局、人間は戦争から何も学んでいないことを象徴するストーリーだと思います。凄惨ながらも淡々と進むタイムライン描写の中で主人公の心が蝕まれていく過程はわかりやすいのですが、仲間の「仇討ち」や、最後の葬儀パレードに象徴される主人公の「神格化」といったアメリカ人好みの要素は、それを決して鵜呑みにするなと、イーストウッドが無音のエンドロールでその意を観客に問うているように思うのです。映画化決定後に原作者が殺され、それから2年も経たないうちに完成、裁判の行われている最中に公開しちゃうのもすごいけれど、時を同じくしてISISの暴走がエスカレートし、人びとの憎しみが「戦争」でなく「敵」に向いてしまうことを危惧します。
kmさん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-03 00:15:07)(良:1票)
27.ネタバレ 「ブラックホーク・ダウン」や「ローンサバイバー」と同じく戦争そのものの是非は観客が考えろという映画だと思いますが、それらと明らかに異なるのは帰還後の苦悩をよく描いている事と、女子供を容赦なく撃った事だと思います。射撃やヘリの音が特に良かったです。帰国して冗談で下着を脱げと奥さんに銃を向けたりするところや、子供の近くで銃を置くところ等は下手なホラー映画よりもホラーしていて印象的でした。誰と戦っているかがよくわからなかったので、そろそろイスラエルやCIAがいわゆる「敵側」を訓練している場面が観たいです。
DAIMETALさん [映画館(字幕)] 7点(2015-03-02 22:22:31)
26.ネタバレ 相変わらずこの監督の作品は重い。日常と戦場の比較。そして徐々に音を立てずに崩れていく精神。劇中でも語られるように日常の生活をしているにとって所詮戦争は絵空事。エンドクレジットが流れれば日常に戻り何日後かにはそんな体験も薄くなって行く。そんな人たちに皮肉さをぶつけたかのような無音は心に重くのしかかる。
とまさん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-02 19:28:31)(良:1票)
25.ネタバレ オープニングの緊張感溢れるシークエンスから惹き込まれます。眼光鋭く友軍の通行場所を見張る主人公。対戦車グレネードを懐から取り出したイラクの少年を照準に定め殺すか殺さないか、という所で場面が急転換し初めての鹿狩りのシーンへ。その後にオープニングのシーンに戻り主人公は少年を射殺する。ここは主人公が狩りとして人を殺してしまったということなのでしょう。そこから彼は戦場という死が蔓延している世界に蝕まれていく。家に帰っても心休まる場所は無く、あらゆる場面でヒステリックな反応をしてしまう。戦争(に限りませんが)という異常な状況が人間性を破壊してしまい、その結果生じる孤独を抱えて苦悩する一人の男を丁寧に描いた良作だったと思いました。それでも終盤には退役兵としてPTSDにかかった兵士のリハビリに係ったり、家族との関係性も上手くいったと思った所で、主人公が殺害されてしまったのは本当に悲しかったです。
民朗さん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-01 21:59:49)(良:1票)
24.ネタバレ 映画館で観てきました。家族との日常のシーンを要所に入れ込むことによって戦場の悲惨さを表現できている気がしました。ここ数年でも色々な国で戦争があって、その度に死者が何人だったというニュースを見ますが、死なずに祖国に生還できた何千・何万という兵士たちも心に深い傷を負っているんだろうなって思いました。そういう人たちは祖国で家族や友人らと共に日常生活を送っているんだろうけど、ふとした時に戦場を思い出し苦悩もしていることでしょう。個々の戦争に勝利したとしても平和な日常の影でこのように苦悩している人たちがいるということを忘れてはいけないと思いました。
珈琲時間さん [映画館(字幕)] 7点(2015-03-01 18:42:01)
23.ネタバレ ラストに使われた映像は、実際の映像だったのでしょうかね?たぶんそうなんでしょう。とすると、主人公はUSでは英雄なのでしょう。いつものごとく、イーストウッドは映画に過度な主義主張を込めることはせず、ありのままを描こうとする。しかしそうすると、彼が国内で英雄とされていることもそのまま描かれることになり、見ようによってはアメリカ万歳のタカ派映画になってしまう。そんなつもりでないのはわかっているが。それにしても、評価の難しい映画です、これは。わたしの受けた印象は、イーストウッドは今回雇われ監督で、無難な仕事したぜ、というものでした。(実際がどうかは知りませんが)
Northwoodさん [映画館(字幕)] 6点(2015-02-28 21:44:48)
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22.ネタバレ 予想はしていたが冒頭からエンディングまで緊張の連続でぐったり疲れた。それにしてもアメリカは戦争のリハビリにも射撃や狩猟をするのか? 根本的な考え方の違いを感じた。日本も危なっかしいのが総理をやっているが、戦争するならお前から先に行けよ!と言っておきます。
kaaazさん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-28 21:18:33)
21.ネタバレ ブラッドリークーパーは良かったですね、奥さん役の人も美人だし、ただ、最後まで見て、なんだかな、この虚しさは、こんな気分になるために映画館に足を運んだんじゃない、とか思いました。
確かに、アメリカンスナイパー、彼が撃つのは悪魔、敵兵、政府公認だから、軍隊だしね、165人から、225人とか書いてありましたね。でも彼らが戦っているのは、アメリカ領土じゃないだろうし、石油の出そうな砂漠国ですか、、、、。アメリカは大きな国、白黒映画の時代から、広い国土で、追い剥ぎ、理不尽に襲われるシーンはよく映画になっていました。戦地から、なんとか生きて戻ったが、国内で、ジャンキー、戦争のPTSDとか言っているけど、アメリカ国内の方が怖い国なのだ、と今更ながら、思い知らされました。映画は素晴らしかったけど、それが事実となると、
すっきりはしませんよね、そして、事実としては、まだ裁判をしている、犯人は二億円の保釈金も払って、一時期シャバに出ているらしい、犯人は金持ちなのか、そして、裁判は、犯人に不利に動けば終身刑相当らしいが、英雄とその友人2人を殺して、意識喪失を狙っているらしいが、アメリカの裁判制度も何だろうね、という気がしました。素晴らしい映画でした、映画としては楽しめました。 映画公開中に犯人の審理も行われ、2時間で終身刑の評議が出たとの事、映画期間中でなければ、審判も違ったのかも、だがアメリカの英雄を、射殺したのだから、当然とも思えます。
yasutoさん [映画館(字幕)] 10点(2015-02-27 13:06:19)
20.ラスボスにもうちょっと粘ってほしかったかな。。。こんなコメントが不謹慎に感じてしまう、そんな映画。
マー君さん [映画館(字幕)] 7点(2015-02-26 23:53:59)
19.ネタバレ この作品にはあらゆる“一瞬”が積み重ねられていく。
TVに映る同時多発テロの様子、戦争で腕を失った少女、義足の青年、棺に刻まれた気休めの勲章。
その一瞬だけ映る筈だったものが、戦友たちにとって一生消えない傷として刻まれていく。隣で体を失った仲間が楽しげに喋っている痛々しさ。五体満足でいる自分が申し訳なく思ってしまう辛さ。
それに幾度も響くドリルの音。日常では工具のドリルが、戦場では風穴を開けて人を殺す武器に使われる。ドリルの音を聞く度にそれを思い出さなきゃならない。
そういった拭いきれない傷跡が幾重にも心に刻まれ、戦場から帰った後もクリスの心を蝕む。
狩りや射的、訓練とは違う。疑わしきは女子供だろうが殺らなきゃ殺られるのだから。
でもそれ以上にゾッとしたものがある。
いつ死ぬか解らないのに、肝心のアメリカは兵士を何度も日常と戦場を行き来させる遠征という名のピクニック気分。兵士にしてもいつ敵に出くわすか解らない戦場で家族に電話をかけるような腑抜けっぷり。アメリカの怠慢がここに描かれ...ってそれをクリスあんたがやんのかよっ!
気持ちは解るよ。でもまさか二度も嫁に電話かけるとは思わねえよ。しかも二度目は戦闘中にだぜ?爆音や悲鳴を生で聞かされる嫁の気持ちにもなってみろよこの野郎。
軍服の前と後ろにドクロのマーク付けた男がそんな事してんだもん。こりゃ敵もクリスの事を悪魔呼ばわりしたくもなるわ。
夕飯振舞ってくれた人たちが床下にとんでもないものを隠していたり、
黒頭巾の狙撃手との撃ち合い(携帯を使って無言で黒頭巾の男に情報を入れる黒服の女性もイカす)、
死んだ男から子供が武器を拝借して撃とうとするのを見て「頼むからやめてくれっ!」と言ってクリスが吐きそうになるシーンよりも戦慄したよ。
それでも狙撃者同士の戦いはやっぱ燃えますよ。見えざる敵をどちらが先に見つけるか、ソイツを“見つけた”瞬間の緊張と高揚!大将首ぶん奪っても終わらない壮絶な銃撃戦、砂埃で視界が利かない中での死闘。
クリスは戦場から帰っても、消えない心の傷が元でいつ犯罪を起こしてしまうか、その矛先を家族に向けてしまうのではないのかという恐怖にも苛まれる。
そんなクリスが子供たちと西部劇ごっこという命を奪う真似事で遊んでいる姿は微笑ましくもあるし、とても悲しい姿に見えた。クリスは死ぬまで銃を片手に過ごしていたのだろうか。
すかあふえいすさん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-26 14:17:15)(良:1票)
18. 見方の分かれる作品だと思います。
 撃つ側から描くか、撃たれる側から描くかで内容は全然違います。
 イーストウッドはかつて同じ戦争を「父親たちの星条旗」と「 硫黄島からの手紙」の2本の作品で表現しました。今回は一つの作品でこの戦争の意味を両面から考えてくれと言っているような気もします。
海牛大夫さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-25 21:07:30)
17.ネタバレ とんでもない映画でした。内容については他のレビュワーさんに任せるとして、私が最も衝撃を受けた場面について書こうと思います。私が何よりも衝撃を受けたのはエンドロールでした。最近のハリウッド映画で無音のエンドロールは記憶にありません。イーストウッドは作曲もこなす天才ですから、鑑賞後の観客にどのような音楽を聞かせるのかを理解しているはず。それなのに無音なのです。「観客に考えを促しているのだろうか」とも思いましたが、ひょっとしたらあれは「4分33秒」だったのかもしれないと思ったのです。エンドロール中の場内の雑音も映画の一部であると。そそくさと席を立つ人、時間を確認するためにスマートフォンを確認する人、じっとスクリーンを見つめる人。これだけ衝撃的な内容の映画を見て、あなたの周りの観客はどのような行動を取っているのかということまで踏まえた上で考えろ、とイーストウッドに言われたような気がします。ずっしり重い映画でした。二度と忘れられない映画体験をさせてもらいました。イーストウッドには1本でも多くの映画を残して欲しいです。齢84にして離婚理由が女性関係だったのですから、まだ大丈夫ですよね。
カニばさみさん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-25 19:53:36)(良:2票)
16.いい映画だとは思いますが、ものたりなさを感じてしまいました。、クリント・イーストウッド監督作は僕には合わないのかな。
naniwahitoさん [映画館(字幕)] 6点(2015-02-25 12:19:02)
15.クリス・カイルという人物の実人生の最終的な“事実”を知らぬまま、今作を観たので、映画のラスト、敢えて感情的な表現を排除して描かれた「顛末」に対して、虚をつかれた。
そして流れる「無音」のエンドクレジットを目の当たりにして、しばし呆然としてしまった。

このあまりに印象的なエンドクレジットにクリント・イーストウッドが込めた思いとは何だったのだろうか。
戦場の内外で命を落としたすべての人たちに対する鎮魂か、それとも戦争という愚かさの中で生き続ける全人類に対しての無言の怒りか。

いずれにしても、その「無音」の中に何を感じるかということを、この映画は観客に対して問うているように思えた。

この映画は、本国アメリカにおいて政治的な両極端の立場の人たちから、それぞれの思想において賞賛され、また批判されている。
それは両極の者たちが、あまりに利己的に自分の考えをこの映画に重ね合わせ、都合よく解釈している結果だろう。

ちゃんとこの映画を観た人ならば極めて容易に理解できることであると思うが、監督がこの映画に込めたものは、戦争の正当化や戦意の高揚でもなければ、安直な戦争批判でもない。

これは、現在のこの世界に生きる一人の男の「運命」の物語だ。
一人の男が、アメリカという国に生まれ、父親に育てられ、成長し、愛国という名の正義に盲進し、妻となる女性を愛し、戦場に立ち、子を授かり、また戦場に行き、人生に苦悩する話だ。

その一人の男の虚無的な瞳の中に如実にあらわれた戦争というものの真の様。
それは、正義も悪もなく、“それ”を起こした「世界」に対する罪と罰だと感じた。
「敵国」とされる側のスナイパーにも、主人公同様に家族がいるのだ。


この映画で描かれた「事件」が発生してから僅か2年、製作期間としては実質1年余り。
そのあまりに短い期間で、これほどのクオリティーの戦争映画を撮り上げてしまうクリント・イーストウッドという映画人は、その信念の強さもさることながら、やはり「映画」そのものに愛されていると思わずにはいられない。

そして、この映画の「現実」が今なお続くこの世界の“日常”だからこそ、完成を急いだ製作陣に賞賛を送りたい。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-24 23:30:15)(良:2票)
14.ネタバレ 戦争映画、特に9.11以降のアメリカと戦争を描いた映画としては意外なほどメッセージ色が表に出ていない作品でした。
1人のアメリカ兵狙撃手、クリス・カイルの4度にわたるイラクへの派遣と、その合間のアメリカでの日々を交互に挿入していく。

戦場の緊張感溢れる描写は勿論ですが、アメリカでのクリスの姿を追う緊張感のある描写。
隣家のバイクか車がエンジンをかける音。ちょっとした機械の音。
自分の運転する車の後ろを走るバン。ホームパーティーで娘と遊ぶ犬。
それらの1つ1つに過剰に反応するクリス。戦争が次第に彼の心を狂わせていく。

そして冒頭でイラクの母と子どもを狙撃したのがクリスなら、
自分が狙撃した男が持っていた武器を手にし、戦おうとした子どもをスコープ越しに見つめながら、
「頼むから武器を手放してくれ!」と呟き、子どもが武器を手放すと、狙撃しなくて済んだ安堵の表情を浮かべたのもクリス。

交互に描かれる戦場のイラクと日常のアメリカ。
1人の兵士の姿を追うその両方の描写を通して、戦争と人間を見事に描いた傑作だと思います。
無音のエンドロールの映画を見たのは久々でしたが、
哀愁漂うトランペットの音色に続く本作の無音のエンドロールは何とも言えない悲しみに満ちていました。
とらやさん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-24 22:58:44)
13.ネタバレ 近年稀にみる秀作だと思います。 もう、作品に入り込んでしまって、帰国のたびに文句を言うカイルの奥さんを鬱陶しく感じてしまいました。 最も揺さぶられたシーンは、終盤の医師との会話です。 人を殺したことよりも、仲間を救えなかったことに後悔を感じるなんて、当事者にしか言えない事だと思います。 このシーンだけでも、この映画を作った意義があるように思いました。 これはやっぱり、カイルの著作『アメリカン・スナイパー』を読まなきゃダメですね。 そして、読んでからまた観に行こうかと思いました。
ミスプロさん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-23 18:48:23)
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【点数情報】

Review人数 132人
平均点数 6.94点
000.00%
100.00%
221.52%
321.52%
421.52%
5139.85%
62418.18%
74030.30%
83526.52%
9118.33%
1032.27%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.25点 Review4人
2 ストーリー評価 7.11点 Review9人
3 鑑賞後の後味 7.33点 Review9人
4 音楽評価 7.00点 Review6人
5 感泣評価 6.42点 Review7人

【アカデミー賞 情報】

2014年 87回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ブラッドリー・クーパー候補(ノミネート) 
音響効果賞バブ・アズマン受賞(音響編集賞として)
音響賞アラン・ロバート・マレー受賞(音響編集賞として)
音響賞ジョン・T・ライツ候補(ノミネート) 
音響賞グレッグ・ルドロフ候補(ノミネート) 
脚色賞 候補(ノミネート) 
編集賞ジョエル・コックス〔編集〕候補(ノミネート) 
編集賞ゲイリー・ローチ候補(ノミネート) 

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