1.ネタバレ 嫌われ者だったビル・マーレイが衆人環視の中で賞賛の拍手を受ける。感動の場面といいたいところだが、逆にその安易さに萎える。大観衆による拍手喝采のカタルシスという、いわゆる感動ドラマの毎度のパターンだ。せめて、本人をその場から除かせるとか、理解者をラストのテーブルの面々だけに絞るとか出来なかったものか。結局は万人向けの道徳的な話に落ち着く訳だ。脳卒中とリハビリのくだりも、演技賞狙いの設定かと邪推してしまいそうになる。この種のコンビものなら山ほどあるだろうが、キャラクター性といい、競馬のシチュエーションといいまずは北野武『菊次郎の夏』が浮かぶが、その語り口のナイーヴさにおいて似て非なるものである。気取った選曲の数々もどこかキャメロン・クロウっぽいと思えば、ラストは「Shelter From The Storm」できた。