2.ネタバレ 私はドキュメンタリーに啓蒙的要素を求めるひねくれ者。であるからして、「才能がショウビジネスの闇に潰される」という没落セレブに良くありがちな題材だし、内容も想像の範疇内なので作品の評価はこんなもん。彼女の生涯最後のワールドツアーである、さいたまでの2010年2月ライブを見ている。たまたまファンの友人(彼は1988年のライブを両親と鑑賞しそのスケールとテクニック、まさに「天下を掴む」直前の彼女を見て大感激したのだそうだ)と同行。ライブ終了後、友人の表情に漂う「見なきゃよかった」感は忘れられない。彼女はMCで語ってた。「ステージが久しぶり過ぎて、ドキドキものなのよ」観客はわかってた、緊張でなく限界だったこと。但自分、このライブには満足というか、感動した。何というのかこのツアーにカムバックをかけ、声が出なくとも必死にステージをこなそうとしてる彼女にテクニックとかスケールとかを越えた、一途さを感じたのだ。あの頃には戻れない、だけど酸いも甘いも味わった彼女には新しい魅力・未来があるのではと。でこの映画だよ。歌が喜び/幸せを表すものではなく、苦役/義務となった事、自分の幸せよりも愛情を与えてくれた周りに恩恵を施すことを生きがいとしてしまった事。(だから夫のボビーもこの映画目線でいえば、悪人ではない気がする。個人的だが)たぶん私がステージで見たのは、彼女が歌の喜びを取り戻そうとするリハビリの一環だったのだ。(その後彼女の体調不良は次のツアー場所:ヨーロッパで顕著になり、結局ツアーは中止、生涯最後のものとなる)そんな感想をこの映画を鑑賞してつれずれに書いてみた。長文ですが気障に終わらせます。ありあした。And if, by chance, that special placeThat you've been dreaming ofLeeds you to a lonely placeFind your strength in love