《改行表示》 2.ネタバレ 【彊屍先生】《キョウシ(硬直した死体)を操る師匠》みたいな意味でしょうか?“霊幻道士”“キョンシー”どっちも映画公開に合わせて東宝東和が創った言葉でしょうけど、言葉に魂が宿ってます。 公開当時、ユーモラスな動きのキョンシーと、異文化を感じさせる道士の戦闘方法が斬新で、一気に国内に浸透して滅茶苦茶流行りました。記憶では“幽玄道士”がテレビ放送されてからのブームだった気がします。気が付いたら流行ってた状態。どっちも観てなかった私にしたら『スイカ頭が爆死した』なんて話題は他人事でした。 ただ『子供向けの幽玄、大人向けの霊幻』って棲み分けだったので、ブームの後年(中学くらいかな?)、本作“霊幻”だけ観ました。凄く面白かった。家族の前でティン=売春婦ネタで笑いを堪えるの大変でした。 振り返ると香港映画ってあまり観なくなっていました。ジャッキー・チェンのカンフー映画が、ゆるい昔話からガチな現代劇ばかりになって以降、私の興味が湧かなくなったのかな。本作の舞台が“古き良き中国の昔話”なのが、とってもゆるふわで柔らかい印象を与えてくれます。外国人にサムライ映画がウケるのと同じ感覚なんでしょうかね?こんな楽しい映画を世に送り出してくれた香港映画の懐の深さも大好きでした。 久しぶりに再視聴。吹き替えでも観たかったけど、残念ながらDVDに入ってなかった。 本作がキョンシー映画の元祖なのに、初っ端からクドクド説明もなく始まるのも良いですね。当時はキョンシー・ブームの下地があるから、何で死体が動くのか?とか道士がどう戦うのか?とか、本当にこれが最初なのか?って思うくらい説明が無い。女幽霊なんかも唐突だけど、ほんわかした作風とマッチしていて、良い具合のスパイスに感じました。 道士が使う道具なんかは観てりゃ解るけど、弟弟子とキョンシー隊なんて、もっと説明必要な気がする(本作の前に)けど、このサッパリ具合は学ぶところを感じました。そして再登場はかなりムネアツ。頑張れキョンシー隊!ってなるもんなぁ。幸せな気持ちになれる97分でした。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 8点(2025-05-31 08:05:36) ★《新規》★
|