映画『教皇選挙』の口コミ・レビュー

教皇選挙

[キョウコウセンキョ]
Conclave
2024年上映時間:120分
平均点:7.25 / 10(Review 12人) (点数分布表示)
公開開始日(2025-03-20) (公開中)
ドラマサスペンスミステリー政治もの小説の映画化
新規登録(2025-03-31)【Yuki2Invy】さん
タイトル情報更新(2025-04-06)【Cinecdocke】さん
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監督エドワード・ベルガー
キャストレイフ・ファインズ(男優)ローレンス枢機卿
スタンリー・トゥッチ(男優)ベリーニ枢機卿
ジョン・リスゴー(男優)トランブレ枢機卿
セルジオ・カステリット(男優)テデスコ枢機卿
イザベラ・ロッセリーニ(女優)シスター・アグネス
脚本ピーター・ストローハン
音楽フォルカー・ベルテルマン
製作総指揮エドワード・ベルガー
レイフ・ファインズ
ピーター・ストローハン
トーマス・アルフレッドソン
配給キノフィルムズ
衣装リジー・クリストル
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💬口コミ一覧(9点検索) [全部]

《改行表示》
1.疑念と確信。人間の歴史、そして信仰の歴史は、常にその狭間で揺れ動き、人間はその“揺らぎ”から抜け出すすべも無く右往左往し続ける。 教皇選挙、すなわち“コンクラーベ”を描き出した本作が表したものは、そういう人間の「本質」だったと思う。  奇しくも、2025年4月に現実世界のローマ教皇フランシスコが亡くなられた。 しきたりに沿って行われるコンクラーベの状況が、国際ニュースで伝えられる中、「これは観なければならない」と思い、公開中だった本作を観るために隣町の映画館に足を伸ばした。  無宗教の日本人にとっては、教皇選挙も、ローマ教皇の存在自体も、遠い世界、縁遠い文化のものであるという感覚は否定できない。 ローマ教皇という存在とその言動が、世界各国の人々の思考や行動に影響をもたらすものであるということは理解してはいたけれど、教皇を頂点とするカトリック教会という組織の全体像と、それがこの世界の仕組みに対してどのように影響し、歴史的背景を孕んでいるのか、よく分かっていなかった。  本作を鑑賞したからといって、そういったカトリック教会自体の歴史的背景や、現実の国際社会における影響力の実態を、理解できるわけではない。 でも、フィクションとはいえ、その組織の本質的な性格を象徴する教皇選挙の“裏側”をつぶさに描き出した本作は、カトリック教会自体が孕んでいる功罪、その価値と過ち、そして「懺悔」を、雄弁に物語っていた。 その映画世界は、「宗教」に縁遠い者にとっても、とても興味深く、ある意味エキサイティングだった。  人種も国籍も異なる百数十人の枢機卿が集まり、様々な価値観、思惑がせめぎあい、入り乱れる様は、愚かしくも見えるが、まさにこの世界の縮図のようにも見える。 ある者は他者を陥れ、ある者は他者を利用し、ある者は野心を抱き、ある者は秘めた真相を貫く。 カトリック教会の枢機卿という、一つの確固たる信仰の頂点に存在する集団でさえ、この様相なのだから、無数の価値観の人間が“巣食う”この世界が混沌とすることは、そりゃあ必然なのだろう。   劇中の台詞にもあった通り、信仰は常に“疑念”と“確信”の間に存在し、苦悩と共に漂うように揺れ動く。 きっとそれは、必ずしも「信仰」という概念に限ったことではないだろう。人間の存在と社会そのものが、疑念と確信の狭間で苦悩し続けていることは、今この瞬間の混迷極まる世界を観ても明らかだ。  “コンクラーベ”は、ラテン語で「鍵がかった」という意味を持つ言葉らしい。 閉鎖された薄暗い“部屋”の中で、世界の方向性を左右しかねない物事を決めるには、もはやこの多様性に溢れる世界は広く複雑になりすぎている。 ときに“鍵”は必要かもしれないけれど、行き詰まり、息が詰まるのならば、“窓”を開けて、風と光を通さなければ、人間は疑念と確信の狭間で、埋もれて、潰れてしまうのではないか。  本作のクライマックスで映し出された幾つかの描写とその帰結は、そんな全世界の人間たちに向けたメッセージを孕んでいた。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2025-05-18 14:46:56)★《更新》★
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【点数情報】

Review人数 12人
平均点数 7.25点
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【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 7.50点 Review2人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

2024年 97回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞レイフ・ファインズ候補(ノミネート) 
助演女優賞イザベラ・ロッセリーニ候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)フォルカー・ベルテルマン候補(ノミネート) 
美術賞 候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞リジー・クリストル候補(ノミネート) 
脚色賞ピーター・ストローハン受賞 
編集賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2024年 82回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)レイフ・ファインズ候補(ノミネート) 
助演女優賞イザベラ・ロッセリーニ候補(ノミネート) 
監督賞エドワード・ベルガー候補(ノミネート) 
脚本賞ピーター・ストローハン受賞 
作曲賞フォルカー・ベルテルマン候補(ノミネート) 

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