1.ネタバレ 世評としては主人公が荷物を置いたまま去ったことが話題になっていたようだが、個人的には上戸彩の父親が犬というCMを思い出す映画だった。脚本・監督は日本で活動するイギリス人だそうである。 まず題名のうち日本語の副題のような部分は変だ。曖昧な「誰か」ではなく特定の不審者であり、また「気がする」どころか明らかにつきまとわれている。話しかけたりせず逃げて警察に通報するのが適切だ。 【1】また内容的には結局何が言いたいのかわからない。監督インタビューに書いてあることがテーマとすると主人公の心の問題ということになるが、しかし主人公本人がこれまで何を思って生きてきたのか想像させる描写は特になく、今回の行動も単に本人の直情的な性格(または映画的な作為)によるものでしかないようで、見る側として共感するところが全くない。短い映画なら短いなりにちゃんと中身を詰めておかないとスカスカの印象になるという例かと思った。
【2】それとは別に、そもそも不審者がかつて日本を去った理由が不自然である。手紙の文章は多少変な日本語ではあるが、この程度書けるなら「美幸」くらいは問題なく書けるだろうと思うと、日本人としては男に対する不信感しか生じない。要はいい加減な理由をつけて一度は逃げたが、今回また来て嘘くさい演出で母子を欺こうとしているのではないかと思わされる。 実際の経過がどうだったのかを適当に考えると、例えば外国人は日本で女性に不自由しないとの噂(むかし言われた「イエローキャブ」)を聞いた男が英語講師とかの名目で来日し、避妊の配慮もなくやりまくったため子ができてしまい、それで一時は父親気分になったが結局逃げたということではないか。母親役の実年齢からすると、17年前は20歳になるかならないかだろうから恨みも深いと思われる。 今回また来た理由に関しては、題名の英語部分を信じるなら単純に会いたかったからということになるが、実は自国で行き詰ったか何かの事情があって、改めて母子を食い物にするため来日したとも考えられる。よくいえば、そういう不埒な目的で来る外国人を戒める映画と取れなくもないが、悪くいえば、日本人はこの程度で簡単に騙せる連中という表現のようでもある。 もしかすると日本人を相当舐めてかかった映画でないのかと思ったが、しかし点数は一応良心的に、上記【1】を想定した数字にしておく。 【かっぱ堰】さん [インターネット(邦画)] 2点(2025-05-17 20:58:22) |