1.ネタバレ ひとつ間違うとコメディになってしまいそうなシチュエーション。もっとも、多様性が常識化した今の時代に、これをコメディにしたらさぞかし怒られるでしょうけれど。
男性による出産という設定は、SFの世界では既視感がないこともないような。ただ、本作では出産願望のある男性が実はゲイであるというひとひねりがあります。そして、突然訪れたお腹の子の父親には彼なりの苦しみがある。決して単純な話にはならない変化球的展開が新しく、物語に厚みを持たせてくれてます。
現実問題として、人工子宮による男性の出産って、倫理的な問題とかいろいろ障壁があるでしょうけれど実現可能なように思えてしまいます。現状では、出産そのものは女性に限られたお話(勿論原因は男性にもあることは承知していますが)、という前提があってこその不妊治療だったりする訳で、もし本作のように男性による出産が前提条件に加わったならば、当事者の思いは一体どうなることやら。決してコメディにはなり得ない深刻な問題ですね。
短編だからこその問題提起。結末までは示されない中、考えさせられるものはありました。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 6点(2025-05-28 09:36:50) 《更新》
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