5.こういう映画は映画館の中で居眠りしたとしても、意義ある居眠りというか、スクリーンとの楽しい同調ということになろう。充実した足し算の回想。 【ひと3】さん [映画館(字幕)] 8点(2025-05-29 18:10:10) ★《更新》★
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4.ネタバレ 北イタリアのアドリア海沿岸の町リミニで生まれ育ったフェリーニが、自分の少年時代の思い出を虚実取り交ぜていわゆるフェリーニ・ワールドに仕立てた映画ですね。彼は1920年生まれですから、その当時はもろにムッソリーニ・ファシスト政権時代となります。「この映画はファシスト政権時代を賛美している、けしからん!」とイデオロギーの眼鏡をかけてしか映画を語れない評論家が当時いましたが、こういう程度の低い映画評論家が昔はゴロゴロいましたよ。とはいっても初見の時は「なんか退屈な映画だな、これがアカデミー賞をとるなんてどうなんだろう?」というのが自分の正直な感想でしたが、時がたって観直してみるとこの映画の不思議な魅力に気づけるようになりました。 全体の構成は10分ぐらいのエピソードの積み重ねで、たぶんフェリーニの少年時代的な存在チッタとその家族が主人公となるでしょう。この家庭は父親は建設業で家政婦を雇えるぐらいでそこそこ裕福、でも彼はファシスト政権には批判的でそのせいで酷い目に遭ったりもする。チッタは町のミューズであるグラディスカ(素性は高級娼婦か?)と豊満なタバコ屋のおかみさんに妄想を抱くがグラディスカには相手にされず、おかみさんとはあと少しというところまでいくが、当たり前だが下手過ぎて愛想をつかされて初体験は成就できなかった。このおかみさん女優こそがフェリーニの巨漢女ごのみが具現化したような存在で、数あるフェリーニのフィルモグラフィ中でもっとも強烈な印象を与えてくれるキャラです。ファシスト党のパレードやアラブの王族のエピソードなんかは「これぞフェリーニ!」という感じで、ファンには嬉しくなるところです。チッタの祖父や精神病院に入院している叔父はもちろん、町の様々な住人たちも個性豊かで引き付けられますね。 春の訪れを告げる綿毛の飛翔から始まって母の死とグラディスカの結婚で終わる約1年間の物語でしたが、主人公の成長のような教訓じみた要素はなく、自由奔放に生きる人々の姿に古き時代へのノスタルジーを濃厚に感じさせてくれる味のある一編でした。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2025-05-12 20:50:31)
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《改行表示》 3.ネタバレ GYAOの無料動画で視聴。このニーノ・ロータの曲は好んで聴いてたけど、映画を観たのは初めて。予備知識なく見始めて、最後まで何の話なのか分からないまま、ワケワカランと思いつつも面白いので見てしまいましたが、要するに家族とご近所のエピソードを綴った回想録なんですね。「春の火まつり」「教室の悪戯」「食卓の喧嘩」「教会の懺悔」「ファシストの拷問」「国王のホラ話」「木登り叔父さん」「アメリカの客船」「霧の朝」「煙草屋の女」「大雪の日」「母の死」「グラディスカの結婚式」…と、およそ2時間で全13話くらいのエピソードが描かれてるので、一話につき10分くらいの「サザエさん」的な笑話集だといえます。ノスタルジックではあるものの、1930年代の北イタリアを描いたこちらの映画は、1960年代の東京を描いたサザエさんに比べて一つ一つのエピソードがかなり過激で下品で濃厚ですけど(笑)。 平均点は低いだろうかと思いきや、すごい高評価なのにびっくり!たしかに、すごく映画らしい映画だと思います。このレビューサイトはスピルバーグ好きが多いという印象だったけど、こんなにフェリーニ好きが多かったとは新たな発見です。 【まいか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-04-20 23:01:26)
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2.ネタバレ これは楽しい映画。いつものフェリーニ節で、子供時代、海辺、そして巨尻の女性。子供時代の楽しい思い出。はくびは、教師達の描写。どこから連れてきたのだろう。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-02 18:23:37)
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1.まず最初に出てくる言葉は「美しい」これに尽きる。そして、美しさの中に見え隠れする刹那さ、哀愁とでも言うべきフェリーニ監督独自の映像、ノスタルジーと言えば確かにその通りではあるが、単なるノスタルジー映画ではないものを感じさせるのは作品全体に付いてまわる暗い影のせいかもしれない。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-09-02 20:24:22)
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