映画『小早川家の秋』の口コミ・レビュー

小早川家の秋

[コハヤガワケノアキ]
The End of Summer
1961年上映時間:103分
平均点:7.17 / 10(Review 30人) (点数分布表示)
公開開始日(1961-10-29)
ドラマコメディ
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タイトル情報更新(2024-03-18)【イニシャルK】さん
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監督小津安二郎
キャスト原節子(女優)小早川秋子
中村鴈治郎(二代目)(男優)小早川万兵衛
司葉子(女優)小早川紀子
新珠三千代(女優)小早川文子
小林桂樹(男優)小早川久夫
島津雅彦(男優)小早川正夫
森繁久彌(男優)磯村英一郎
加東大介(男優)北川弥之助
杉村春子(女優)加藤しげ
宝田明(男優)寺本忠
団令子(女優)佐々木百合子
浪花千栄子(女優)佐々木つね
山茶花究(男優)山口信吉
白川由美(女優)中西多佳子
藤木悠(男優)丸山六太郎
東郷晴子(女優)北川照子
遠藤辰雄(男優)林清造
笠智衆(男優)農夫
望月優子(女優)農夫の妻
内田朝雄(男優)医者
環三千世(女優)ホステス
脚本小津安二郎
野田高梧
音楽黛敏郎
撮影中井朝一
製作藤本真澄
金子正且
宝塚映画
配給東宝
美術下河原友雄
編集岩下広一
録音中川浩一
下永尚(整音)
照明石井長四郎
その他東京現像所(現像所)
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7.こうやって映画の感想文を書きこむ時、最初の方は話のマクラとして作品の内容とあまり関係ないことを書き連ねてしまう悪いクセがある。という自覚はあるのですが、今回もそのパターン。いや、マクラだけで終わるかも。。。 関西が舞台の注目すべき小津作品、ではあるのですがこれまで見る機会がなく、昨日ようやく見ました。酒蔵が並ぶ街並みは、伏見が舞台なんでしょう。嵐山も今や観光客が爆増しているとはいえ趣きは変わりません。ところで映画の中盤、孫とのかくれんぼをすっぽかして鴈治郎が競輪場に言っちゃう場面ですが、京都にも向日町競輪があるけれど、直前に「西大寺道」という石碑が映るので、これは大和西大寺にある奈良競輪ですな。ところが、私も出身は奈良ではないとは言え、かれこれ約20年、この大和西大寺に住んでいるのですが、どうもこの石碑を近所で見た覚えがない・・・。 しかし、「西大寺道」の石碑についてネットで調べてみると、ちゃんとブログで取り上げてくれている人がいたりして、有難いもんです。ああ、あそこにある石碑が実はそうだったのか、と見当をつけて自転車に飛び乗り、早速、写真を撮ってまいりました。と言っても、ここには載せられませんが。。。 大和西大寺駅の東に広がる平城旧跡、その北西の角のあたりの交差点のところに島状のエリアがあって祠が立っており、その横に立っている石碑が実はソレなのでありました(何度となく通ってきた場所ながら、近くに寄って見たのは初めて)。石碑の下部は道に埋まっているし、周囲もコンクリで覆われてちょっと見づらいけど、石碑の南面には映画と同じ「西大寺道」の文字。裏の北面には「元禄十二年己卯六月朔日」とあるので、1699年ですね。まあ、古墳だらけのこの辺りにしてみれば、この石碑はまだ新しい方かも(笑)。 それにしても、この映画に出てくる光景を思うと、なんとまあ、この大和西大寺エリアの光景が変貌したことか。一方で、あの街の規模でまだあれだけの風情を残す古都ライバルの京都。さすがと言わねばなりませぬ。  さて、話を戻して、本作ですが(笑)、小津作品ながら、東宝系の作品ということで、なかなかに濃いメンツが集結。さらには原節子、笠智衆、杉村春子といった人たちも顔を出し、さらにさらに小早川家の中心たるクソジジイ役には、大映から中村鴈治郎(『浮草』なども思い起こさせ違和感ナシ)。こんだけ登場人物多かったらもうワケわからんでしょ、というくらい登場して、なかなかにややこしい人物相関関係。小早川家とそれを取り巻く面々の壮大なる一大叙事詩、であります。いや、あくまでホームドラマなんですけど。 でも、普通のホームドラマのイメージだと、爺さん婆さんがいて、その子供たちが家庭を持っていて、それぞれが孫を連れてきて賑やかに・・・というピラミッド型の年齢構成になるのですが、どうもこの小早川家はそんな雰囲気じゃない。祖父の代から孫の代まで、揃ってはいるけれど、年齢がまんべんなく散っていて、そうすると何となく平均年齢が高めの印象になってきます。不幸もあったようですが、甲斐性無しのジジイにも大きな責任があるような。 タイトルは『小早川家の秋』ですが、作品全体は夏の暑さが描かれます。だけどそれでも、秋、あるいは斜陽、といったものを感じさせます。ジジイだって昔からジジイだった訳じゃなくって、おそらくは若い頃からテキトーなことばかりやってきて、気が付いたらジジイになってしまっているけれど、相変わらずテキトーなことばかりやっている。そういう人生なんだから、生きてる限りテキトーだし、死んだらそのテキトーさもおしまい。斜陽と言えば斜陽だけど、残された者は残された者で、次の世代の物語を紡いでいく。なんだか、「川」が登場することがこれだけしっくりくる映画、というのも、なかなかありません。 古都の風情と、きらびやかな都会のネオンサインとの、対比。 煙突の映像か挿入されると、これもいつもなら工場の煙突を思い浮かべるのですが、ここでは火葬場の煙突。周囲にはカラスの姿があちこちに見られ、えらく不気味でもあります。そこに佇む笠智衆のやかな表情、しかし、ほぼ死神ですよ、これは。  音楽は黛敏郎。オープニングは普通に(自制して?)小津映画調の穏やかな音楽か、、、と思いきや、早くも対位法を利かせた怪しげな曲調になってきます。ラストでは重苦しさすら感じさる音楽となって、いよいよ本性むき出しか。
鱗歌さん [インターネット(邦画)] 9点(2025-05-18 07:37:01)
6.ネタバレ 小津安二郎のラス前作なのですが、『秋刀魚の味』よりよっぽど遺作っぽい不思議な作品です。まず、原節子、『秋刀魚の味』には出てないのでこれが最後の小津映画。『東京物語』と似た設定の未亡人なんだけど、本作では『東京物語』での役柄とは違ってなんか凄味まで感じさせられるたくましい女性だと思います。お見合い相手の森繁久彌を翻弄しちゃうところなんか、この役は性格が悪い設定なのかなと思ってしまいました。小津映画の特徴である登場人物たちのアンサンブルは円熟の域に達していますが、やはり新珠三千代がとくにいい演技を見せていますね。 この映画のテーマは、中村鴈治郎が演じる道楽旦那が天寿を全うするまでの数カ月の出来事なんですが、小津安二郎の“死”に対する恐れと無常観が痛いほど伝わってきます。とくに鴈治郎と19年ぶりに再会して、結局その死を看取ることになった浪花千栄子とその娘団令子、この二人のキャラクターは個人的には不気味に感じました。まるで死期が近づいた鴈治郎を黄泉の国からお迎えに来た物の怪じゃないかと思えるぐらいで、とくに死んだ鴈治郎を前にした二人の会話は凄くシュールじゃないですか。笠智衆が出てくるシーンも本筋には関係なくてちょっと変だし、この辺りで流れる音楽がまた突然暗くなってきてなんか不気味です。 よく「脚本に全然無駄がない」という褒め言葉を聞きますが、小津映画、とくに本作は不思議なほど無駄なところや隙がある。それでも名匠の手にかかると傑作になる、映画とは実に不思議なものです。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-07-24 21:58:49)
5.人物、静物の配置の納まり具合には相変わらず惚れ惚れとする。二人が同時にしゃがむ、時間差でしゃがむ。複数が同時に動いた時の静止位置、ビール瓶、グラスの位置。精緻な計算による美学。路地や玄関、廊下、縁側に差し込む残暑の強烈な光線が生み出す光と影のコントラスト。縁側、川べりの原と司のツーショットの誘惑。この二人のしゃがむ位置が法事と葬儀とでは左右反対になっているところを見ると逆転の普遍性を語っているようにも思えてくる。孫とかくれんぼをしていた中村鴈治郎が鬼から逃げる方、「もーいいかい」から「もーいいよ」に反転しているように、死者を見送る生者もいつかは見送られる死者に反転する。火葬場の煙突がフレームの真ん中に位置する左右反転可能なシンメトリーな構図はそういうことではなかろうか。ラストのカラスも左右に二匹である。
彦馬さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2006-12-12 22:39:59)
4.ネタバレ いつもの小津組に東宝のスター達も出演してる豪華キャスト作品で新鮮だった。内容も関西が舞台だからかコメディタッチで面白い。中村鴈治郎・浪花千栄子・山茶花究辺りは流石の演技。小津作品で森繁はちょっとどうなのかとは思ったけど。あと気になるのは家族関係がややこしい。途中まで何で原節子だけ標準語?とか思ってたし。杉村春子・遠藤辰雄・加東大介はどういう親戚なのかわかんないしw それとラストのカラスがなんか不気味だった。
バカ王子さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2006-05-31 23:33:03)
3.中村雁治郎氏が出演されていると、小津映画でも軽快さが加わってなかなかとっつきやすい。雁治郎氏は歩くだけで、どこかユーモラスで味わい深い。笠さんはどこに出演しているのだろうと思っていたらラストの方にしっかり出演されていた。ほんのちょっとの農夫の役だったが、素晴らしかった。
柴田洋子さん 9点(2004-02-07 09:21:30)
2.小津作品は(当然だが)若い頃はあんまり好きじゃなかった。淡々としてうねるようなドラマティックな展開もカタルシスも皆無。コレで一体何を楽しめと?てな感じw。中年になって改めて観ると実に味わい深い逸品であることに気付かされる。本作の場合、松竹蒲田の撮影所を出て珍しく東宝で製作されたことで数ある小津作品の中でも極めて特異な位置を占める。特に森繁がイイ。50~60年代の彼は全くもって上手過ぎる。特に加東大介との飲み屋での遣り取りはケッサク!あ、鴈治郎(二代目)の上手さは勿論云うまでも無いけどね。浪花千栄子の愛人も杉村春子の娘も各々溜め息が出る上手さ。こんな名脇役にも二度と出会えまい。ところで本作を通して小津が描きたかったモノ、実のところは彼のみぞ知る…なんだろうけど、個人的には戦後米軍占領下で根こそぎ否定された戦前の家父長(戸主)制へのオマージュではないかと思う。戦後民主主義によって次々と失われつつある戦前の日本の風習、コレを完全に消滅する前にフィルムに込めて残したい。そういう屈折したエコロジカルな視点が散見される。その意味で小津は(右翼などとは違った)真性の保守派であると言えよう。※因みに本作の読みは「こはやがわけのあき」であって「こばやかわ」ではないので、お間違えなきように…。
へちょちょさん 9点(2004-01-07 14:42:08)
👍 2
1.中村雁治郎氏の息子さんがお父さんそっくりなんです。この間息子さんの写真を見て、中村雁治郎さん、いまだご健在かと一瞬思ってしまいました。
ロイ・ニアリーさん 9点(2003-12-12 12:19:23)
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【点数情報】

Review人数 30人
平均点数 7.17点
000.00%
100.00%
213.33%
300.00%
413.33%
513.33%
6413.33%
71136.67%
8516.67%
9723.33%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

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