4.後のSF作品に多大な影響を及ぼしたと言われる本作品の世界観は背景や設定・美術等全てを含めて独自の路線を確立したと言える。それもこれもリドリー・スコットの銀シャリ映像が成せる業。2019年・・・今が2005年とすると14年後の世界であるが流石にここまでの世界にはなってはいないと思うが82年当時の感覚からすると21世紀はこのぐらいの進歩(?)を遂げていて当然と思われていたのだろう。寧ろ現代の状況を鑑みれば科学の進歩はある意味停滞(低速)気味だ。「人は記憶でのみ人と足り得る」人とレプリカント(サイボーグ)を分ける重要なキーポイントとして押井守監督作品【GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊】の人形遣いがこの言葉を上げていた。正に本作のレイチェルやロイもこれに相当する。人より並外れた頭脳と体力を持ちながら寿命は4年。劇中タイレル博士のロイに言った言葉「美しい火は早く燃え尽きる」これは彼らにとって死の宣告以外の何者でもない。この時のロイの心情は癌宣告を受けた患者以上の失望感と絶望感と屈辱に苛まされた事だろう。そして彼等に対する生きる目的は何なのか?という問い掛けはもはや愚問に近い。生きるだけに足掻くことが唯一、生きる目的なのだと。