映画『ドッグヴィル』の口コミ・レビュー(2ページ目)

ドッグヴィル

[ドッグヴィル]
Dogville
2003年デンマーク上映時間:177分
平均点:6.53 / 10(Review 185人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-02-21)
ドラマサスペンス
新規登録(2003-12-08)【おっさんさんさん】さん
タイトル情報更新(2025-02-24)【イニシャルK】さん
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監督ラース・フォン・トリアー
キャストニコール・キッドマン(女優)グレース
ハリエット・アンデルセン(女優)グロリア
ローレン・バコール(女優)ジンジャー夫人
ジャン=マルク・バール(男優)大きい帽子を被った男
ポール・ベタニー(男優)トム・エディソン・ジュニア
ブレア・ブラウン(女優)ヘンソン夫人
ジェームズ・カーン(男優)大きな男
パトリシア・クラークソン(女優)ヴェラ
ジェレミー・デイビス(男優)ビル・ヘンソン
ベン・ギャザラ(男優)ジャック・マッケイ
フィリップ・ベイカー・ホール(男優)トム・エディソン
ウド・キア(男優)コートを羽織った男
クロエ・セヴィニー(女優)リズ・ヘンソン
ステラン・スカルスガルド(男優)チャック
ジェリコ・イヴァネク(男優)ベン
トム・ホフマン(男優)ギャング
シオバン・ファロン・ホーガン(女優)マーサ
ジョン・ハートナレーター
湯屋敦子グレース(日本語吹き替え版)
楠大典トム・エディソン・ジュニア(日本語吹き替え版)
木村雅史大きな男/ナレーター(日本語吹き替え版)
佐々木睦ジャック・マッケイ(日本語吹き替え版)
諸角憲一チャック(日本語吹き替え版)
浦山迅トム・エディソン(日本語吹き替え版)
脚本ラース・フォン・トリアー
作曲アントニオ・ヴィヴァルディ”Cum dederit”
撮影アンソニー・ドッド・マントル(撮影監督)
ラース・フォン・トリアー(カメラ・オペレーター)
製作総指揮ラーシュ・ヨンソン(共同製作総指揮)
配給ギャガ・コミュニケーションズ
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
「ドッグヴィル」はアメリカの辺境にある村の人口が23人という小さくて貧しい村だ。ある日ドッグヴィルに住むトムは銃声を耳にする。そしてその日の夜、グレースと名乗る美しい女性が「ドッグヴィル」の村に姿を現すのだが・・・。
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💬口コミ一覧(9点検索) [全部]

6.ネタバレ 集団の中で人は人を助け、受け入れ、許して生きていくべきなのだろう。が、保身という本能から他者との間に壁を作り、弱者を虐げる事で自分を守ろうとする。弱者をみつけ、その弱みをみつけ、そこにつけこんで住民達が欲望を満たしていく様はまさに犬のようである。実際には存在しない壁をそこにあるかのように振る舞う住民達が生活するあのセットは人間の本質を表しているようにも見えた。俳優陣の演技、絶妙のストーリーテリング、深いメッセージ性に魅せられる、必見の人間ドラマである。
サムサッカー・サムさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-01-23 23:55:17)
👍 1
5.なかなかに衝撃的な映画。約3時間という長丁場ながら物語風なナレーターと章別にわける手法とテンポの良さ、脚本の良さで飽きることはありません。また、セットもほぼ全てハリボテで舞台風になっているのも新鮮でした。
ストーリーと役者だけで勝負してますね。前半の和やかさと中盤から後半の胸糞悪くなる酷い展開と、最後に笑ってしまうような恐ろしいクライマックス。
釈然としない気分は残りますが、すげぇ映画だと思います。不愉快な気分になるのは間違いないですが一見の価値ありです。
すべからさん [DVD(字幕)] 9点(2008-06-30 16:58:28)
4.ネタバレ アメリカ、ロッキー山脈の寂れた高山地帯にある小さな村、ドッグヴィル。15人の住民と7人の子供たちが暮らすこの質素な村にある日、ギャングに追われた美しい女性グレースが逃げ込んでくる。村のリーダーを自認する倫理観の強い青年トムは、行き場がないという彼女を匿い、しばらく村に滞在してもいいと提案するのだった。次の日、村の集会場でトムは、集まった住民たちに多数決をとる。どこの馬の骨か分からない女に当初は難色を示した住民たちも渋々トムの提案を受け入れ、満場一致でグレースを受け入れることに――。そうして始まったグレースと村人たちの共同生活。戸惑いつつも次第にお互いのいいところを見つけ、少しずつ心を許してゆく彼ら。和気藹々と平和的に暮らしていた住民たちだったが、ちょっとした些細な出来事をきっかけにそんな平和な日々が歪み始める。村人たちは自らも自覚していないような悪意の目をグレースに向け始め、やがて村は悪夢のような世界へと変貌を遂げるのだった……。数々の問題作を撮り続けるデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアーがニコール・キッドマンをはじめとする実力派の役者陣をそろえて描き出すそんな地獄のような寓話劇。体育館のような閉鎖的な空間に白線を引いただけのセットに役者たちを閉じ込めて描き出された3時間を超える物語は、その長さを全く感じさせない濃密なものでした。とにかく脚本が素晴らしい。最初はみな純朴で優しくて善良な人のように見える人たちが、後半、その心の奥底に隠していただろう嫉妬や憎しみ、欲望といった醜い悪意を弱い立場のグレースに向け始める。この展開に少しも無理がなく、人間なんてこんなもの、そればかりか同じような立場に立たされたら自分すらこうなってしまうかもと思わせるところが見事としか言いようがない。トリアーさんはやはり人間が嫌いなんでしょうね(笑)。ニコール・キッドマン演じるグレースが村の人たちにいいように利用され、男たちは暇さえあればレイプするようになり、女たちは嫉妬心から蔑みの対象にする。大人たちに感化された子供たちまでグレースを物のように扱い始める。逃げ出そうとしたグレースを連れ戻した住民たちは、2度と逃亡しないように首輪を嵌め村に縛り付ける。もはやグレースは犬と変わらない。それを誰もが正しいことをしていると信じて疑わないところが怖い。まさに、地獄。そんな悪夢のような世界を唐突に終わらせるラストのカタストロフ。「どうだい、スカッとしただろう。クソみたいな人間は殺して当然なんて思っている君たちも結局、他人から見ればこのドッグヴィルの住民と大して変わらないんだぜ」とまるで画面の裏側でほくそ笑んでいるような監督の悪意……。人間の愚かさをこれでもかと見せつけてくるラース・フォン・トリアーの傑作でした。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-03 15:33:06)
3.ネタバレ 演劇のような映画で、こういう作品は初めて。
作り手の挑戦的な姿勢には好感が持てる。
ニコール・キッドマンのこの作品での美しさは、思わず見とれてしまうほど。
それと対比的に、天使に甘えて牙を剥き、エゴの捌け口にしていく人間の醜悪さに不快感が募っていく。
集団で一人のよそ者という弱者を奴隷化していく過程が見事に描かれる。
理不尽な行為を正当化して善人を装う人々に虫唾が走る思い。

力を持たない者に対して露呈した傲慢な残虐さ。
その捌け口になった弱者が実はマフィアの父という恐るべき力を持っていた。
圧倒的な暴力によって報いを受けるラストは、なるべくしてなったもののようにも感じる。
同監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」もそうだが、人間のダークな部分をえぐり出すのが実に巧み。
3時間の長尺で、前半は少し退屈で先が思いやられるが、村人たちのエゴがさらけ出される後半は引き込まれて時間が短く感じる。
ニコール・キッドマンが妙にハマっていて、他の女優だとここまでうまくいかなかったような気がする。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 9点(2014-05-10 22:57:04)
👍 1
2.ネタバレ 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は余りの嫌悪感に殺してやろうかと思っていたトリアーだが、この映画は素晴らしい。

3時間近い長尺だが、不思議と退屈せずに惹き付けられた。
ベルトルト・ブレヒトの「三文オペラ」に触発されたと語るトリアー。
舞台のような場所に線を引き、観客には丸見え、登場人物たちには塀や窓といった“壁”が見えている。或るいは、本当は見えているのに見て見ぬフリをしているだけなのかも知れない。
10の章に別れたこの作品。
“犬”の街と言われたこの街で、一人の女性が文字通り飼い犬にされていく残酷な話だ。
逃げる女、それを追う黒服の謎の男達。
女は何者で、何処から来たのか解らない。怪しい見た目とは逆に、彼女は何処までも受動的だ。
ゲーム感覚で住人に認めてもらえるようある賭けを提案するトム。
彼はミステリアスなグレースの虜だ。
他の男達も、次第にグレースに欲情していく。
女達も、受けいれては徐々に彼女に嫉妬と怒りをぶつけていく。
彼女は住人に認めてもらおうと涙を呑んで耐えて耐えて耐えた。
舞台劇のような作りで残虐な演出は無いが、精神面はナイフでえぐられるようだ。修羅場怖いよ。
線だけで区切られた“家”の中で犯される女。
住人には見えていない。観客だけがこの真実を知るのだ。
大体ジェイソン一家のせい。
唯一残念な事と言えば、グレースが来るまで男達を虜にしていたリズの裸が見たか(ry
街の住民も酷いが、グレースの“無自覚”さも本当罪な女だよ。
グレースは優しいね。
今まで“世話”になった恩をしこたまお返しするクライマックスの壮絶さ!
後味は悪いが、妙にスッキリするものを感じたのは俺だけ?
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-31 21:42:56)
1.ネタバレ いろんな意味で、これはとんでもない映画であります。ストーリー展開や後味の悪さときたら、『ファニーゲーム』を凌駕しているんじゃないでしょうか。 床に線を引いただけでのドッグヴィルの集落は、演劇では昔から良く使われている表現でさほど驚きはしません。そして開幕から70分過ぎるあたりまではある意味イイ話で、何も知らずに観ている人はハートウォーミングな映画だと勘違いしてもおかしくはないでしょう。独立記念日の会食が過ぎたあたりから住民の本性が表出してきてお話しはだんだん身も蓋もない方向になって行きますが、住民の中でも最悪なキャラはやはりトムでしょうね。生まれ故郷のホワイトトラッシュの吹き溜まりで燻っているニートのくせに、自分は優秀だと勘違いして愚かな住民相手に牧師気取りで偉そうに説教までする、もう最悪です。こういうちょっと勉強ができるバカほど始末に負えない奴はいません。父親の金をくすねてグレースに罪を擦り付けてからのこいつの言動には反吐が出そうです。 物語が始まってからしばらくは登場キャラ全員に好感が持てたのに、終わってみればだれ一人として感情移入できなくなっている(もちろんグレースもね)ところがこの映画の脚本の凄いところです。また、ストーリーテリングの緩急の付け方は絶妙で、ラース・フォン・トリアーの脚本家としての技巧は大したものだと認めざるを得ません(腹立ちますがね)。グレースがドッグヴィルを抹殺する気になるところなんて、その数分前には想像もつかない展開じゃないですか。実の娘に銃をぶっ放すような危険な男ですけど、「住民への懲罰として犬を殺して壁に打ち付けておこう」なんて(グレースに比べれば)ぬるいこと言ううぐらいで、終わってみればジェームズ・カーンが唯一感情移入できるキャラだったのかも… この映画のテーマはやはり「傲慢」ということになるんでしょうか。母親の前で一人ずつ子供を射殺させるのはもちろんのこと、いくらクズの集まりとは言っても住人を全員抹殺させるグレースこそが傲慢の極致なのかもしれません。でもあの殺戮の場面で、嫌悪よりも快哉やカタルシスを感じてしまうこと(自分もです)に気づいて愕然とする人も多いでしょう。悔しいけどこれこそがラース・フォン・トリアーの意図するところで、闇の中から奴の笑い声が聞こえてきそうです。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-02-29 22:12:31)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 185人
平均点数 6.53点
094.86%
131.62%
294.86%
321.08%
473.78%
5179.19%
62815.14%
73217.30%
83921.08%
92614.05%
10137.03%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.20点 Review15人
2 ストーリー評価 7.35点 Review28人
3 鑑賞後の後味 4.89点 Review29人
4 音楽評価 7.10点 Review20人
5 感泣評価 4.58点 Review12人

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