《改行表示》 4.ネタバレ 全く個人的な意見ですが、モンティを眺める父親の目に、ニューヨークを眺めるスパイク・リーの目を感じた。傷付き、誤った道を歩み、でも誰にも本気で止めてもらえなかった哀れな、けれど何よりも愛しい息子。それを後悔しても嘆いても、一度きりの人生なんだから、再生への希望を抱こう。最期は不覚にも感動してしまって、自分の住む街こんな風に愛せることに、うらやましさすら感じてしまった。そしてこの重くて暗い内容を、一流のエンターテイメントに仕上げた演出はさすが! ノートン、上手いんだな~ ナチュレルの心情も、いいんだな~ あんなにモンティを愛していて、足を洗ってほしいと思っているけど、贅沢に慣れた自分が、貧しくなってもモンティを愛せるのか不安で、そんな自分にちょっと嫌気がさしている感じが、とても良く出ていた。友人二人も上手いんだな~ 会話もいいんだな~ 英語が理解出来たら、もっと楽しかったんだろうな、残念。モンティがドイルに言う、「こいつを助けた事は、俺の人生の中でも 最も素晴らしい事だ。だからこいつの命に責任を持たなくてはいけない」みたいな台詞、ジ~ンと来ました。スパイク・リーの「未来」に期待。 【ともとも】さん 9点(2004-02-22 21:53:43)
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《改行表示》 3.ネタバレ 見る人の視点しだい。難しい映画だと思う。評価しずらい… オイラはE・ノートンが見たくていったけど、相変わらず凄まじい演技だった(圧巻)! 鏡の前でまくし立てるシーンはEMINEMを越えていた(笑) しかし、ラストに関しては賛否両論。でも何故かまた見たくなる映画かも…DVDはほしいな~。 【狛江人】さん 7点(2004-02-18 18:47:47)
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2.ネタバレ 監督との衝突など何かとトラブルが多いエドワード・ノートンだが、彼が「本気」を出して挑んだ作品というのはどれも凄い。そして本作もその例に漏れることはない。 真上から見下ろされたワールドトレードセンターの跡地。9.11が人々に与えた傷が今も深く根付いていることを痛感する。「全ては星条旗の名の下に」、民族、言語、宗教、多種多様な価値観が混在し、貧富の格差は増す一方の超大国アメリカ。響くのは主人公の行き場の無い激しい叫び。失意と怒りが漂うニューヨーク、これほどまで等身大にこの街を見せてくれる映画はそうは無かった。モンティの先に広がるのはやり直す事の許されない苦痛に溢れた未来。どんなに悔やもうが罪は消えず、未来を変えることはできない。だがしかし、ボロボロになってどん底から見上げたニューヨークには、それでも小さな光があったのだ。バスに乗っていた子供の笑顔に若干だが救われたような気さえした。父親が語る幻の未来、ささやかな幸福。どんなに堕ちようとも必ずやり直すことが出来る、そうボロボロの状態で拾われたドイルのように。ただの絵空事でしかないのかもしれないが、それでも自分は力強い希望と願いを感じたのである。 【紅蓮天国】さん 8点(2004-01-31 20:55:34)
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1.スパイク・リーがとうとうニューヨークをめった斬りにしましたね。この罵詈雑言は、愛情の裏返し。愛して愛してやまないからこそ、ここまでとことん言えるのです。スパイク・リーでなければ出来ないことです。その狂おしいまでの愛情を、演技者として全て背負ってのけたエドワード・ノートン、ブライアン・コックス、素晴らしいです。これまではコミュニティを通して人々を語ることの多かったスパイク・リーですが、今回はアイルランド系、ロシア系、ヒスパニック系と意図的に人種の坩堝を目指したように思います。NYをボロクソにこき下ろすシーンでは、さらにアジア系、アフリカ系など様々な人々が槍玉に挙げられます。その全てがジグゾーパズルのようにNYを作りあげている、その全てを憎んで憎んで、怒りの全てを吐き出している、これほど強い愛情を私はこれまでどの映画にも見たことがありません。この作品の主役はNYそのものではないかと思います。スパイク・リーはこれからもまだまだ傑作を撮るでしょうが、この作品を越えて行くことが彼自身にとっても試練になるのではないかと思いました。 【anemone】さん 9点(2004-01-27 00:28:36)
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