4.少年の成長物語としてはオーソドックス。逆らえない運命の中で生と死が繰り返されるという普遍的なテーマ。ラストシーンはやや演出過剰な気もしないでもないが、悪くはなかったかな。
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3.雪・桜・蛍とくれば、ディスカバージャパン的な定型の情景が連続するんではないかと心配していたが、そこは避けてある。雪はボタ雪と違い湿り気のないサラサラしたもので清潔。桜もそれらしい観賞用のカットはなく、自転車の車輪に貼りついた花びらがカラカラと宙を回転している。色も白・黒・赤という日本の伝統的な美意識に通じる三色の配置がしばしば使われるが、白い雪に黒い学生服、そこに赤い血や赤い傘が飛び込んでくるというような感じで、驚きのある新鮮な使用法。とても日本的な気分にあふれている物語を、情緒に流れないようにと監督は細心の注意を払って進めている。奈良岡朋子のエピソードなども、十分に溜めてから激情を爆発させるので、ジメジメしない。こういった演出上の抑制が、まわりの善意に溺れまいとしている少年の爽やかさと重なった。ただラストの蛍のシーンでの合成音は安っぽかった。赤い傘につけた鈴の音の効果などが素晴らしかっただけに残念。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-08-26 09:47:01)
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2.進学・家庭の問題、親友・父の死、異性への憧れ、性への目覚め、思春期の少年の心の葛藤と描いた作品。沢田玉恵ちゃんは今は何をしてるんでしょうか、結構好きだったなあ。富山を舞台にしていながら立山連峰の景色がまるで写っていなかったような覚えがある。 【亜流派 十五郎】さん 4点(2004-11-16 18:39:02)
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1.原作を見事に、見事に映画化していますね。関根くんのエピソードなどの削ってしまうか不安になるようなシーンまでちゃんとおさえてあって、好感が持てました。しかし、最後のシーンはちょっとメルヘンですね。蛍が、ちょっと恐ろしいような、壮言な雰囲気を出してくれたらよかったんですが、これは個人の読み取り方しだいの面も大きいので、監督と僕の希望が違ったということでしょう。気になったのは、それと主役の少年のたどたどしさ。これも無理にとも言えないところですが・・・。 【fero】さん 6点(2004-01-14 13:34:46)
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