映画『道(1954)』の口コミ・レビュー(4ページ目)

道(1954)

[ミチ]
The Road
(La Strada)
1954年上映時間:104分
平均点:7.92 / 10(Review 209人) (点数分布表示)
公開開始日(1957-05-25)
ドラマモノクロ映画ロードムービー
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タイトル情報更新(2024-07-26)【にじばぶ】さん
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監督フェデリコ・フェリーニ
キャストジュリエッタ・マシーナ(女優)ジェルソミーナ
アンソニー・クイン(男優)ザンパノ
リチャード・ベースハート(男優)キ印
アーノルド・フォアザンパノ(ノンクレジット)
市原悦子ジェルソミーナ(日本語吹き替え版【NHK】)
小松方正ザンパノ(日本語吹き替え版【NHK】)
愛川欽也キ印(日本語吹き替え版【NHK】)
原作フェデリコ・フェリーニ(脚本原案)
トゥリオ・ピネッリ(脚本原案)
脚本フェデリコ・フェリーニ
トゥリオ・ピネッリ(脚本/ダイアローグ)
エンニオ・フライアーノ
音楽ニーノ・ロータ
撮影オテッロ・マルテッリ
カルロ・カルリーニ(ノンクレジット)
ロベルト・ジェラルディ(カメラ・オペレーター)
製作ディノ・デ・ラウレンティス
カルロ・ポンティ
配給イタリフィルム
ニッポンシネマコーポレーション
美術ブルネッロ・ロンディ
ハーマン・G・ウェインバーグ(タイトル・デザイン:英題)(英語版にクレジット)
あらすじ
子沢山の貧しい家に生まれた頭の弱い娘ジェルソミーナは、剛力の鎖切り芸人ザンパノに1万リラで売られてしまう。粗野で乱暴なザンパノは彼女をロバのようにこき使い、夜は力ずくで我がものにし、他の女と遊ぶ時には平気で放り出す。ある日、2人はローマでサーカスの一団に身を寄せるが、そこにはザンパノと昔馴染みで、犬猿の仲の綱渡り芸人、キ印がいた。彼はジェルソミーナと気が合い、ザンパノから逃げられず、生きる意味も見出せずにいる彼女を励まし、去って行く。その後、ジェルソミーナは自分の意志でザンパノについて行くが…。
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💬口コミ一覧(10点検索) [全部]

5.28歳にして見た作品。
なぜ今まで見なかったのか・・・

でも見るタイミングとしては良かった。

名作に名曲あり。

ニーノ・ロータの曲がなんとも切ない。

ナラタージュさん [DVD(字幕)] 10点(2010-11-23 01:08:05)
4.古い映画は展開やセリフ回しが肌に合わない自分だが、この映画にはそれがなかった。
主演二人の演技と全体に漂うムード、映像美、すべてが良かった。
ジュリエッタ・マシーナの表情が忘れられない。
レイブンのかなづちさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2018-03-04 09:44:52)
3.ネタバレ 好く練り込まれた脚本で展開に無駄が無いのも見事だが、何処か寓話的なシナリオが描き出すテーマは単純乍らも非常に深い。己の存在がこの世界でどんな意味を持つのかという根源的な問い、人が人に寄り添う・支え合うという意味でのひとつの愛のかたち、それを失った絶望的な孤独。こういったものを極めて自然に描き出す俳優の見事な演技に心打たれる(特にアンソニー・クインの最後の場面は、個人的に一番好きな映画のラストシーンの一つ)。

ネオレアリズモ的な観点からも、貧しく荒廃したイタリアの情景は(物語の雰囲気上も重要乍ら)ひとつの時代を切取った映画としての価値をも、本作に付与している様に思われる。フェリーニには本作以降も、この様な本質的でかつシンプルなヒューマニズムを表現し続けて欲しかった。魂を揺さぶられる傑作。
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 10点(2019-11-17 00:18:54)
2.ネタバレ この映画は何度か見ている。子どもの頃に初めて見たときは、なにやらよくわからなかった。青年期に見たときは、まったくわからないということはなかったけど、理屈で見ていたような気がする。そして、老いというものが近づいてきた今、改めて見直して、胸に迫るものの大きさに激しく心を揺さぶられ、ラストはザンパノとともに嗚咽をこらえられなかった。

いったい、どうしてこんなに激しく心揺さぶられるのか、自分でも精密には分析できないのだけれど、ひとつ言えるのは、自分がたどってきた「道」と知らず知らずのうちに照らし合わせて見ているということだ。ザンパノは私であり、ジェルソミーナは私の周りの人間、とりわけ家人にほかならない。ザンパノとジェルソミーナの道行きは私と妻の道行きであり、ザンパノとジェルソミーナの心模様は私と妻の心の風景なのである。それをこのように見せつけられると、涙なしに見られようか。

それにしても、と思う。ジェルソミーナの人生。こういうものにしたのは映画制作者としてはプロというほかないのだが、他方、ひとつの人生として追うとき、いろんな思いが湧き上がってくる(なればこそ、プロの手腕ということなのだろうが)。彼女は幸せだったのだろうか。常識的表面的には幸せだったはずはないのだが、人間とは深いものなので単純には決めつけられまい。そこを思いつつ考えると「わからない」という答えしかない。

ザンパノに捨てられたのち、どうやらジェルソミーナは誰にも心を開かなかったようである。決して粗末な扱いばかりだったわけではないようなのに、心を閉じたまま一人死んでいったのだ。表面的物質的にはザンパノと暮らしていたときとは比べものにならないくらいの豊かさを享受できる機会もあったはずなのに。

映画のところどころで「神」という概念が想起されるシーンが出現するが、物語が神や宗教に回収されることはない。そのこともまた心に残った。なぜなら、この映画はキリスト教の大本山ともいうべきイタリアの映画なのだから。

諺に「破れ鍋に綴蓋」というのがあるが、案外深い深い意味があるのかもしれないという気がした。生あるうちに、せいぜい妻を大事にしなければ。
delft-Qさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2020-09-17 15:53:39)
👍 1
1.ネタバレ 「道」は60数年もの時を超えてなお変わらぬ輝きを放っている。この作品の普遍的価値と魅力は枚挙にいとまがないだろうが、自分が引き込まれた理由の一つは人間と人生についての深い洞察にある。理屈では説明しきれない屈折した心理、人生の岐路において先を見とおせないままに誤って不幸に向かう道を選択し、混沌を突き進み、間違いに気付いても後戻りはできない、そんな復路のない人生の非情さ厳しさを俯瞰させてくれる。重苦しい内容だが芸術的な映像と全体を包み込む叙情的トーン、女主人公の心洗われる素朴さに救われる。矛盾や不条理を突き詰めることなく解釈は観客に委ねるが如く淡々とストーリーは展開する。それゆえ見る側の人生経験によって受け止め方も違ってくる。それがこの映画の奥の深さではないだろうか。主な登場人物それぞれが矛盾を抱えている。ジェルソミーナは自分を虐げるザンパノから逃れ再起可能のチャンスを何度か得たにも拘らず男の元へとどまる。それは無知な従順でも一途な愛でもなくイル・マットとの出会いで自分の存在意義を悟ったからであろう。逆に相手に精神的に依存していたのは女を突き放す言動しか取れない男の方であったかもしれない。ザンパノとは対照的に彼女に理解と思いやりを示しあの珠玉のセリフを語ったイル・マットは英知と善の象徴かと思いきや彼の意味不明の挑発的からかいがザンパノの憎悪を募らせて悲劇的結末を招いてしまう。ザンパノは倫理観の欠落した野蛮人であるがジェルソミーナを捨てる場面では人間性の片りんをみせる。彼なりに苦渋の選択であった。ラストシーンは自分の喪失体験と重なった。当時私は母を亡くして間もなかったので滂沱の涙。砂に突っ伏し慟哭するザンパノの姿は私自身であった。かけがえのない存在を失った時の喪失感、孤独、絶望、後悔、自責(母が大好きだったのに私はわがままだった)一筋の救いの光もない暗黒の海辺に私も置き去りにされた様に感じた。永遠に取り返しがつかないことがあることの認識それが報いだ。うずくまった状態から立ち上がり報いを背負ったまま残りの道を歩き始めるまで数年を要した。そのプロセスにおいてこのラストシーンはカタルシスの役目を担ってくれた。
hitomiさん [DVD(字幕)] 10点(2021-03-09 18:34:16)
👍 1
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【点数情報】

Review人数 209人
平均点数 7.92点
000.00%
110.48%
210.48%
3115.26%
4104.78%
552.39%
6136.22%
73416.27%
83315.79%
93617.22%
106531.10%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.93点 Review16人
2 ストーリー評価 8.64点 Review17人
3 鑑賞後の後味 8.58点 Review17人
4 音楽評価 8.84点 Review19人
5 感泣評価 8.61点 Review13人

【アカデミー賞 情報】

1956年 29回
脚本賞フェデリコ・フェリーニ候補(ノミネート) 
脚本賞トゥリオ・ピネッリ候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞 

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