映画『肉弾(1968)』の口コミ・レビュー

肉弾(1968)

[ニクダン]
1968年上映時間:116分
平均点:6.80 / 10(Review 20人) (点数分布表示)
公開開始日(1968-10-22)
ドラマコメディ戦争ものモノクロ映画青春もの
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タイトル情報更新(2023-06-22)【イニシャルK】さん
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監督岡本喜八
キャスト寺田農(男優)あいつ
大谷直子(女優)少女
伊藤雄之助(男優)オワイ船の船長
小沢昭一(男優)軍曹
田中邦衛(男優)区隊長
笠智衆(男優)古本屋のお爺さん
北林谷栄(女優)古本屋のお婆さん
中谷一郎(男優)憲兵
高橋悦史(男優)ひげの下士官
頭師佳孝(男優)少年・兄
雷門ケン坊(男優)少年・弟
天本英世(男優)
阿知波信介(男優)候補生
春川ますみ(女優)前掛の小母さん
菅井きん(女優)軍曹のオカミサン
今福正雄(男優)学校長閣下
園田裕久(男優)教師
長谷川弘(男優)中隊長
三戸部スエ(女優)モンペのオバサン
富永美沙子(女優)
仲代達矢ナレーション
脚本岡本喜八
音楽佐藤勝
撮影村井博
製作馬場和夫
ATG
配給ATG
美術阿久根巌
録音渡会伸
照明村井博
その他阿久根巌(スチール)
キヌタ・ラボラトリー(現像)
土屋テル子(記録)
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💬口コミ一覧(8点検索) [全部]

8.ネタバレ 岡本喜八監督による戦争映画でありながらもコメディの要素も含めたこれは面白くて、最後はほんの少しではあるけど感動の秀作です。この作品の主人公、あいつを演じた寺田農の演技が素晴らしく、またその他の出演者も良いです。あっ!そうそう、仲代達矢のナレーションも良い。笑ってしまうのが、素っ裸の寺田農を見て他の軍隊の奴らが「あいつの○○○○」でけえなあ!て言うそのバックで流れる仲代達矢の「大したことはない」ていうのには思わず大爆笑です。この映画はどんな苦しい環境にあっても生きるということの素晴らしさを描いていて主人公のあいつじゃないけど、死んでしまったら立ちションベンも出来ないし、それはともかく間違いなく岡本喜八監督の代表作のひとつであると言っていい作品だと思います。
青観さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-20 14:57:52)
👍 1
7.ネタバレ 喜八映画が大好きだ。その魅力は何か、と問われれば「わくわく感/男の童心回帰」と「重苦しさ/体制への鬱屈・反抗心」その二面性がごっちゃになっている処を挙げよう。彼の映画はまるで子供がお気に入りの玩具を使って遊んでいるような軽やかさがある。そしてその反面そんな童心が抑えられて悶々としている重さもあるのだ。青春期を戦争による徴兵で過ごした彼は歪んだ価値観を大人に押し付けられどんな想いを過ごして来たか、詳しくは分らないけどその節々は感じられる。この映画はその「鬱屈たる想い」が溢れた彼の最高傑作。普通の人々が巻き込まれる「戦争」の馬鹿馬鹿しさを彼なりのユーモアで包み込んだ喜悲劇というべきか。あと役者。思春期を迎えた青年少女の雰囲気を見事にだした「あいつ」寺田農(ムスカだけじゃないぞ、ムスカだけじゃ)・大谷直子共に好演。
Nbu2さん [映画館(邦画)] 8点(2007-11-24 23:40:55)
👍 1
6.ネタバレ 喜八節のユーモアも今作では重くなりすぎないようにとの配慮程度で、全体としてはジトっとした戦争映画。主人公は取り立てて活躍することもない地味な一般兵。戦争末期の諦念が常に漂っていて、すべてはそんなもんだと投げやり。戦争での絶望ではなく失望を描ききった名作。あんな静かで寂しい最後をおくった特攻がいたなら、カミカゼは華やかなだけまだマシかもな、なんて思ってしまいました。流石の切り口。
すべからさん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-12 02:06:18)
5.ネタバレ いわゆる一千万映画だが、原爆や空襲被害の描写は、音響処理やスチルやカッティングを効果的に使って不利を感じさせない。

逆に土砂降りの雨降らしや女郎街のセット、広大な砂丘のロケーションなど、あくまで映画的手段を以てスケールアップを図らんとする。

雨に海に小水と、水に満ちた映画でありながら、同時に灼熱の砂丘の乾きも強く感覚に訴えてくる。

「日本のいちばん長い日」を以て終戦なのではない。痛烈なカウンターである。
ユーカラさん [DVD(邦画)] 8点(2015-11-15 23:56:18)
4.ネタバレ コミカルな、しかし軽薄ではない映画。とはいえ、笑いを取り入れることによって生まれる「軽み」が、シリアスな部分を強調して全体を引き締めています。ちょっと中盤ダレて少々長いかと思わせましたが、最後まで見るとそう長いとも感じない。ラストに現代に漂着するあたりがたいへん辛口で、「苦さ」よりも「辛さ」があとに残る作でした。
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-12-25 20:06:51)
3.ネタバレ この映画ほど反戦の気持ちが心に響いた映画は初めてだった。
ユーモラスな雰囲気を漂わせながらも、岡本監督の戦争や特攻隊に対する気持ちが伝わってくる。骸骨から戦死した方々の声が聞こえてくるようで、のほほんと生きていることが胸が痛むような申し訳ないような気持ちになった。
「あいつ」と呼ばれる主人公の普通の青年等、登場人物から多くのシーンで伝わってくる切なさ以上に、戦時中にはもっともっとそんな気持ちになっている人々がたくさんいたことは、現代を生きる私にはまさに想像を絶することだろうと感じた。
さわきさん [地上波(邦画)] 8点(2016-09-12 18:35:27)
2.ネタバレ ○反戦をここまでコミカルに描いた作品もそう巡りあうことはない。○画面のほとんどを寺田農が占めていたが、目が離せないほどの熱演だった。○軍国主義を否定していた主人公だったが、彼もそれに教育された人間だった。結局彼にとって戦争は最終的に仲間のためだったのだから。○ドラム缶の中で知らぬ間に終戦を迎え、そのままそこで最期を迎えるなんて。○寿命の話から本題に入るオープニングは見事だった。
TOSHIさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:51:12)
1.ネタバレ 岡本喜八が予備士官学校生徒で終戦を迎えた実経験をカリカチュアしたいわば私小説的映画であるが、これが『日本のいちばん長い日』の翌年に撮った作品であることには重い意味が込められていると思います。岡本喜八作品は“反戦と明治維新の否定”をモットーとしているが、前年に国家体制の視点で太平洋戦争の敗北を描いただけに、どうしても同じ敗戦をミニマムな個人の体験視線で表現したかったんじゃないだろうか。東宝で最高給の監督にまだ位置していたのに、わざわざ自宅を抵当に入れた私費を投じてまで製作した情念には脱帽です。でもオフビートな喜八節は健在、というより彼のフィルモグラフィ中でもっとも作家性が色濃く出ている作品じゃないでしょうか。彼の人徳のなせる業かとてもATG映画の予算規模じゃ不可能な豪華なわき役陣の顔ぶれもさることながら、やたらと全裸演技が印象に残る寺田農とこれが18歳のデビュー作で瑞々しいヌードまで披露してくれた大谷直子の演技は光っていました。物語自体は終戦間際の昭和20年7月から8月あたりの設定みたいで、海岸が近いということから岡本喜八が在籍した予備士官学校があった豊橋が舞台想定なのかと思います。しかしそんな時空間や設定を吹っ飛ばしたメルヘンチックな異世界のファンタジーの様な世界観には、思わず引き込まれてしまいます。のんびりと飄々とした仲代達矢のナレーションにも味がありました。魚雷に乗って漂流するシークエンスはさすがに冗長感があり、もっと短くしてラストに繋げた方がインパクトがあったんじゃないかとも思います。でもラストのショットには、初見のときは自分も衝撃を受けました。あの幕の閉め方は、『火垂るの墓』のラスト・カットに影響を与えたんじゃないかという気がしてなりません。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2025-05-03 21:47:51)
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【点数情報】

Review人数 20人
平均点数 6.80点
000.00%
100.00%
215.00%
315.00%
400.00%
5210.00%
6315.00%
7315.00%
8840.00%
9210.00%
1000.00%

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