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映画小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 313
性別 男性
年齢 63歳
自己紹介 映画は生もの。リアルタイムで見るのが一番だけど、古い名画はどうしようもない。TVでしか観れないのなら、電気を消して電話を切って、誰も来ない夜に、なるべく劇場と同じシチュエーションで見るように努めています。(お酒を飲みながらはありますが)観る側、つまり自分も生ものですので、その時の体調、精神状態では見方も変わります。B級がA級に見えたり、恋愛映画がアクション映画に見えたり、でもそれはそれで面白いと思います。
と、勝手な事をのたまう40才の映画好きな親父です。

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1.  フラガール 《ネタバレ》 
泣ける映画だ、とは聞いていました。しかし、そんな予備知識を軽く凌駕する涙が頬を流れ落ちます。もうナイアガラ状態。早苗が父親に殴られて、それを知った先生が男湯にどなりこんでいくくだりから、胸に熱いものが込み上げてきて。そこからです、画面が滲んで滲んで大変でした。フラガール達の一途な思い、家族を、炭坑を、そして踊る自分自身を思う真摯な姿勢にもうくらくらです。また、紀美子の母親がストーブを集める場面でのセリフがいいです。「木枯らしくれえであの子たちの夢をつぶさせちゃなんねえ。ストーブ貸してくんちぇ」と頭を下げるところなどは、もう、その方言の切なさ、愛おしさと相まって、観ているこちらの心がぐわんぐわんと揺れます。小百合も「先生踊らしてくんちぇ」と泣きながら言う場面がありますが、ここもイイです。なんかツボにはまってしまい、もう全員大好きみたいな、そんな気分になります。そしてラスト、完成したハワイアンセンターでのフラガール達の踊りは、最初から泣きっぱなしで、出演者達の涙とこちらの涙が合わさって、興奮というのか、何というのか、エンドロール後に拍手しまくっている自分がいました。最高です。発散でもなく、解消でもない、本当に清々しいものに包まれた、そんな魔法のような映画です。販売していたパンフレットも素敵でした。掲載されている写真も古めかしく懐かしくまとめられていて、久々に買って良かったと納得できるものでした。ああ!万歳!フラガール!この言葉が自分の表現できる全てのような気がします。
[映画館(邦画)] 10点(2006-10-02 17:49:06)(良:1票)
2.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
予告編で東京にやって来た六子が工事中の東京タワーを車の中から見上げるシーンがあり、それだけでこの映画は絶対見なくちゃだめなんだと、何かに憑かれるように劇場に足を運びました。邦画を初日に見るなんて行為はここ何十年の中でもなかったことでした。そして見終った後、予告編で決意したことは少しも間違っていませんでした。昭和という言葉自体に、既にノスタルジーを感じてしまいますが、それは物であったり、風景であったり、また世相を表す文化や風俗に対して抱いてきたこと。この映画を見る限り、それらはあくまでも視覚の手段に過ぎず、それらのものよりも人間自身、その時代を生きている人々全てに何か暖かい、優しい昭和を猛烈に感じます。緻密に再現されたセットとCGの中で、実に生き生きと役者さん達が演じている様が、演技を通り越して、まるで古いアルバムの中でしゃべっているようなそんな錯覚を覚えました。東京生まれではないし、33年に生きていた訳でもありません。しかし、懐かしい、ホントに懐かしい時間を、この映画はもたらしてくれます。日本人が日本人であった頃、面白い事や悲しいことがみんなの共有物であった頃、そして何よりも人が確かに見えない何かでつながっていたことが、よく描かれています。ラストに人々が見つめる夕日のなんと美しいこと。あの頃の人々と比べて、今の自分、今の人達はどう変わったんだろう。あの頃に思い描いていた未来とは少し違っているかも知れません。でも、この映画を作った人達、そしてこの映画に感動した人達には昭和の、あの夕日町三丁目の人々の思いはちゃんと伝わっているんだと思います。映画が終っても席を立てずに、ただただ、涙していました。また、愛すべき映画がひとつ増えました。なんだかありがとうと言いたくなる素晴らしい映画でした。
[映画館(字幕)] 10点(2005-11-07 10:32:46)(良:3票)
3.  香港国際警察/NEW POLICE STORY 《ネタバレ》 
我が愛するジャツキー・チェンの久々の快作です。ハリウッドでの作品群は確かに悪くはないものもあるけれど、あの香港映画にある「匂い」がないんですね。機械的というか、人間の手でこしらえてないというか、技術先にありき、みたいな作り手の「生々しさ」がどうにも希薄な感じがして大好きとまではいかなかったです。でも、この作品は今までのジャッキー作品の中でも、トップに位置する程、良かったです。確かに歳を重ねれば、絶頂期のアクションを再現するなんて難しいもの。若々しい肉体で突っ走るジャッキーはもうたくさん観てきました。だからこそ、年相応の存在感ある今回の役所はまさにツボ。警部になり、部下を、仲間を大切にする自信たっぷりのリーダーとして、画面の中で輝いています。そして、人間的な面でも苦悩を演じる立派な役者になっています。自分が観たかったのはこういうジャッキーなのです。だからといって、アクションにも手を抜かないのが凄いところ。今回は、涙を誘う場面もいくつかあり(恋人との爆弾をはさんでの会話や、留置所を抜け出す際の仲間達の見て見ぬ振りのリアクション、ニコラス・ツェー君の過去など)アクションへの流れというか、動と静のバランスがお見事。ベタでもいいんです。こんな場面の連続こそが香港の「匂い」。作り手の楽しませてやろう、という意気込みこそ大事。だからこそ、NG集が生きてくるのであり、ますますジャッキーが好きになるのであります。
[DVD(字幕)] 10点(2005-09-26 19:17:50)(良:2票)
4.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 《ネタバレ》 
やられました。見事にやられました。「大人帝国」に続き、またもや泣かされました。(涙の質は違えど心揺さぶられる感情は同じ)戦国時代の描き方の緻密なこと、その時代の人の暮らし方の情感のあること。果してこれは子供のアニメなのか、と目を疑うばかりの出来。うーん、凄い。姫と侍の秘めたる恋模様。はじらいやいじらしさ。日本人が忘れかけているものを、やさしく描いてくれています。しんちゃんとおじさんの「男と男の約束」なんて言葉、最近では全く聞かなくなりました。相手が子供でもちゃんと接する所が、侍が侍たるスタイルでもあり、感動します。最後は悲劇になるのですが。ラスト、姫がそっとつぶやく「青空侍」の台詞で涙腺はもう破壊の極み。まさにドドドと涙がこぼれました。2回目になると、もう侍のおじさんが出てきただけでだめです。泣けます。
10点(2004-06-05 14:03:28)
5.  東京ゴッドファーザーズ 《ネタバレ》 
日本のアニメーションというのは、なんとも凄いものだなあ。言葉が悪いですが、実写の映画よりも「映画」しているのが、その感覚、その描写に見事に現わされています。オープニングタイトルとそれに続くスタッフの紹介なんて、もろ自分好みです。はい。 看板やのぼり、ネオンサインに脚本家の名前や監督の名前なんて、東京という箱庭の中でしっかり自分達の遊びを実現しているみたいです。いいセンスだなあ。そして、お話も、「そんなことはないだろう」なのですが、存在感のある三人のホームレスのお陰で納得できてしまうのですね。声優に俳優を起用するという点で見事プラスになっています。あと、冬の年末の東京の描写が物凄い。雪との対比。町中の壁や灯りまで、よく書き込まれているなあ、という次元を越えて、ずかずかと見ている者の目の中に入り込んでくる臨場感があります。この美術だけでも堪能できます。捨て子の親を探す、東京ロードムービーの趣の中、見せてくれるのは「奇跡」。離れた肉親との絆、苦い過去を持つ者の弱さ、はかなさ。清子を中心に描かれる三人の人間模様は決して明るくはありません。でも、力強い。社会の底辺だろうがなんだろうが、どっこい生きている。そんな逞しさがあるからこそ、清子を救うという行動に出るのだろうし、きっと神様もそんないじらしい努力を重ねる三人に「奇跡」を与えたのだと思います。こんな愛すべき奇跡があるのですね。心の一番深い所で泣いてしまいました。良かったです。素晴らしく良かったです。
10点(2004-05-31 18:25:53)(良:3票)
6.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
映画関係の雑誌でこの映画のタイトル、そして少しの内容説明だけで、観たくて観たくてたまらなくなった作品です。GW公開と聞いて前売り券も購入。そしてついに初日。朝一番で劇場に駆けつけました。パラマウント映画のロゴマーク出現、そしてオープニングタイトルまでまさに「ロック」してます。カッコいいです。 ロックに魅せられ、ロックそのものの主人公が名門学校の臨時教員となって、生徒の心の箍をはずし、コンプレックスをなくし、共に熱くなるという展開は、過去にも多くの作品あり。「今を生きる」「陽のあたる教室」「ミュージック・オブ・ハート」など。しかし、今作品がそれらと一線を画するのは、ジャック・ブラックのキャラクターの濃さと、むしろ反社会的なロックという音楽。確かに生徒、親御さん、頭の固い教師との和解などはあまりにも予定調和です。それでも見せてしまう、観てしまうこの勢いとこのテンポ。ロックの魂を心底感じさせるこの高揚感は一体何?ラストのロックバンドのコンテストシーンでは、涙、涙、涙。一途に、馬鹿に、必死にやっている人間ほどかっこいいものはない!デブでさえない主人公がもう素敵に見えてくるんだから。思わず拍手してしまいました。笑いもふんだんにあり、ロックの歴史も勉強できて、そしてエンドクレジットまでたっぷり楽しませてもらって、いやあ最高!宝物になる愛すべき映画。 最近、楽しいことないっていう人、見たらきっと幸せになるよ。 
10点(2004-04-30 12:02:31)(良:3票)
7.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
この映画を初めて観た時は、とても辛かったのを覚えています。体調ではなく、故淀川長治先生の本の中で「チャップリンが命をかけた映画」という内容のものがあって、観るべきか、果して観たとしても冷静でいられるものだろうかと。非常に悩み苦しんだ思い出が「辛い」ものとして残っているんですね。しかし、再見すると、中学生に観た頃とは違って、誤解を承知で言うなら清々しいものが自分に残ったのです。あのパントマイムで人を笑わせ、泣かせ、感動を与えてきたチャップリンがどうしても伝えなければならないことを、ラストの演説でしゃべります。これでもかというくらいにしゃべります。あのチャップリンが。初見の時はこのシーンが長く、重く、戦争批判の最たるものとしか映らなくて辛かったのです。しかし今では、いや、チャップリンは希望を持っている。このメッセージを託すべき人間になんら失望もしていないし、人をあきらめたわけじゃない。人を信じているからこそ、伝えようとしているんだ、と理解できて。うれしかったです。戦争はいけないことだ、と台詞に込めるのではなく、人が人として生きていける世界をつくろうみたいな、そんな素敵なメッセージに聞こえてくるのです。やはり偉大な人です。
10点(2004-03-25 17:47:01)(良:2票)
8.  ザッツ・エンタテインメントPART2 《ネタバレ》 
親父と観に行きました。懐かしい場面の連続で、終始にこやかな顔で画面を見つめていました。自分には全てが新しく、「PART1」と同じく、昔の華やかな作りに驚きの声とため息が交互に出てくるばかり。今作の特筆すべきところは、何といってもタイトルロール。様々な俳優の名前が、様々なアイテム、景色などの中に自然と出てくるのです。その粋で、スマートで、お洒落なことと言ったら。親父の青春がいきいきと躍動するのと同時に、自分が年とった際にこうして振り返ることのできる映画が果して何本あるのやら、そして、こんなにも楽しい思い出としてスクリーンに映し出されるのかしら、としばし考える事も。でも、フィルムに残った映画と自分との思い出。それは、かけがえのないもの。懐かしい時間に迷い込む幸せを、この作品は教えてくれました。
10点(2004-03-25 12:37:47)(良:1票)
9.  ローマの休日
「永遠」というフレーズがこの1作で全世界が認めるものとなったオードリーの大名作。TVで初めて観た時は、子供心にキュートな笑顔にやられました。白黒なのに黄金色に輝くその女性の存在に見事にノックダウンなのです。年を重ねて、再見するもその魅力はフィルムに閉じ込められたまま。一切の輝きを失わず、変わりない美しさを観ている者にふりまきます。女優として、物凄く幸せなことですし、幸せな作品です。そして、映画っていうのは決して年をとらない好きな人を、そのまま出逢わせてくれる素敵な物だということを改めて認識させてくれます。
10点(2004-03-25 12:24:10)
10.  大脱走 《ネタバレ》 
「荒野の七人」のメンバーが大勢出ている点と同じ監督さんということでTVの前でワクワクしながら観た子供の頃。DVDで再見してもワクワク度は全く色褪せもせず、むしろ倍増している程です。 脱走のための作戦とその実行場面が面白く、戦争物ジャンルとは思えずゲームのような、丁度子供の頃空き地でした探検ごっこや穴を掘って段ボールで隠れ家をつくる、そんな感情が甦ってきます。脱走する男達の友情や信頼関係もしっかり描かれているのですが、自分には「男の子」のやんちゃな時代の香りのする映画にも思えます。囚われの身でありながら誰よりも自由であった男達。脱走にかける情熱に憧れ、実行する結束の固さに惚れ、失敗してもあきらめない姿にしびれ、およそ男が魅力的に見える全ての要素が詰まったカッコイイ映画です。中でもマックィーンは最高!
10点(2004-03-24 10:33:53)
11.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
故淀川長治先生は「ドリームズ・カム・トゥルーだね」とおっしゃってた。その意味は映画の最後、父親との時代を越えて、世界も越えたキャッチボールに集約されている。親父と17で別れ、ちっとも冒険的な人生を歩まなかった。平凡といえば平凡。親父が死んでも帰らなかった。最後まで親父とは和解できなかった。そんな男がトウモロコシ畑で声を聞く。これはきっと神の声。野球場をつくれという。本気になれば実現することがある。自分を信じてやり通せば叶わぬことなどない。例えそれが死んでしまった者との再会でも。ファンタジーです。実際には起こり得ないことです。でも、この親子の再会に(途中にも昔の選手達のいいエピソードがあります)泣かぬ人はいないでしょう。噂を聞き付けた人達がアメリカ中から車を飛ばして駆け付けてくるラストの光の行列。「夢」を信じたい。「夢」に出会いたい人の多さを見せながら静かに終わります。出来るなら自分もあの行列に加わりたい。そして、あの木のベンチに座って「夢」を観戦したいと思いました。
10点(2004-03-23 11:49:16)
12.  モダン・タイムス 《ネタバレ》 
進み過ぎた文明への警告。機械化社会における人間性の喪失。この映画のメッセージは、チャップリン映画の中でも「厳しい」目を持って描かれています。しかし、声を荒げて非難するのではなく、ドタバタのアクションの中で、実に上手に笑いとともに見せています。でも、その笑いは自分を「笑う」のと同じなのですね。便利になることは悪いことではありません。しかし、過剰にまで進み過ぎるオートメーション化がもたらすものが何なのか、チャップリンは自動食事マシーンで見せてくれています。機械のペースで進む食事。会話のない時間。美味しさを楽しむ暇もなければ、余韻もない。今でさえ、食事マシーンなるものは存在しないですが、食事に対しての姿勢や考え方はオートメーション化になっているのでは?と思ってしまいます。その予見に驚くと同時に、それを目で見せて伝える凄さに唸らされます。この映画では、画面の端々にまで、機械に対峙する人間の生き方や考え方について私達に宿題を出しているように感じられます。「心」は大切なもの。「感情」は大事なもの。失うことは、人間をやめることと同じ。そうならないために、時代を越えて存在するものがある、それがこの映画「モダン・タイムス」だと思います。
10点(2004-03-18 13:47:04)(良:1票)
13.  キッド(1921) 《ネタバレ》 
目で見せる。サイレントの特性は、常に映画の基本精神に成り立っているところです。チャップリンの映画は、そのほとんどが目で見て分る、おじいちゃんやお母さんや子供も、偉いさんもそうでない人も見たらわかる、姿勢を貫いています。この映画もそうです。自分の子供ではない。だけど捨て子といって放っとく訳にはいかない。自分の食事だけでも危ういのに、何とか助けようとする。まずしいながらも、2人で組んでのガラス売り。警察官との丁々発止。コミカルに描きながら、台詞はなくとも、たくましく育てている「愛」がこちらに伝わってきます。そう、貧しいという「苦しみ」を「生きる喜び」に変え、それを感じさせるたくましい精神を子供に教えているのです。「お前を愛してる」なんて言葉は交わしません。ただ、一緒にいたい。離れたくない。一途な気持ちだけが全て。実の親子よりも「愛」を感じること。その精神のなんと幸せなこと。チャップリンの、誰にでも「愛」で通じ合うものがあるというメッセージが強く伝わってきます。昔になりますが、12月24日に亡くなられて、TVの「月曜ロードショー」において、この映画を放映していました。故荻昌弘氏が解説を担当していたのですが、荻氏が泣きながらチャップリンの偉大さを、そしてこの作品の偉大さを伝えていました。自分も亡くなった哀しみと合わせて、この素晴らしい解説に涙が止まりませんでした。今でも「キッド」を見ると、そのことが思い出となって甦ります。
10点(2004-03-18 12:58:08)(良:2票)
14.  街の灯(1931) 《ネタバレ》 
自分ごときがチャップリンの映画を評するなんて。なぜならチャップリンの映画は、チャップリンの人生そのもの。しかも、その人生(=映画)が、どれだけ全世界のひとに「夢」「愛」「希望」「幸福」を与えてきたことか。リアルタイムで観ることなど不可能な自分に、故淀川長治先生は講演で、あらゆる著作でこの人物を、生き様を教えてくださいました。あたかも、目の前にいるかのような臨場感をもって。その時受けた感銘は、映画そのものをビデオやDVDで観ても決して薄れることなく、観る度にたまらない感動を伴って自分を包み込むのです。だから、冷静なレビューなど到底難しく、この映画の神様に対しては、どの作品も最高の評価になります。思い出として語るのを許されるのならば「街の灯」は、ビバ!チャップリンシリーズで上映された頃、満員の映画館で観ました。盲目の少女のために、その手術代を用意しようと奮闘します。自分は貧しくとも他人の不幸はみていられない。一生懸命なチャップリン。最後、目が見えて、2人が見つめあう。「あなただったのね」と分るシーン。チャップリンの少し申し訳なさそうな、それでいてうれしいような表情で映画は終わります。涙がこれでもかと流れます。この1本で一生分の涙を流すような、止まらない感動が両目からあふれます。横のおばさんが 「ええ人やねえ」と言っては、ハンカチを目にあてていました。ロビーでは、若い人がベンチに座りながらおいおい泣いていました。人が何の見返りも期待せず純粋に相手のことを思い、何かをしてあげること。「善意」を越えた「愛」をふり注ぐこと。この映画では、その大切さをしっかりしっかり伝えています。ちなみにハンカチをもってなかった自分だったので、パンフレットが濡れて大変でした。でも、それもまた思い出なので。
10点(2004-03-11 10:11:46)(良:5票)
15.  リバー・ランズ・スルー・イット 《ネタバレ》 
現時点でロバート・レッドフォード監督作品の中でもナンバーワンです。もう愛すべき映画。果てしなく愛すべき映画になってしまいました。もし無人島に行くとしたら、どのDVDを1本もって行くかと聞かれたら、迷わずコレ!にするくらい惚れてしまいました。好きなものに理由などありませぬ。生理的にも、経験的にも、今までに生きて来た自分の歴史はこの作品に出会う為とさえ思う映画です。好みが別れるのは合点承知。自分だけが認めた、自分だけが擁護できる、そんな作品があってもいいのでは。勝手な感想ですみません。
10点(2004-03-10 17:12:34)
16.  ベニスに死す 《ネタバレ》 
「美」なんて絵画の世界だけかと思っていた少年を、カナヅチでたたきのめした、なんとも妖しく美しい映画。この作品の前では映像で見せる美しさなんて、雄大な自然や特撮効果、大掛かりなセットだけぐらいと、自分の見識の浅さを、見事に露呈してしまいます。人間の中にある「美」を求める「心」を、この映画は見せてくれます。感じさせてくれます。少年を追いかける、恥じらいをわすれた初老の男。かなわぬ願いの結末を知っているのに、追わずにはいられない「美」への愛。朽ちていく自分にはない生命の輝かしい波動。受けるには遅すぎた。あまりにも遅すぎた出会い。最後、蜃気楼のような海辺で死んでいく男。何事もなかったように、流れる風。時間。絵画は止まった「美」。しかし、この映画には脈打つ、心臓の鼓動と同じ、動く「美」が存在する。それは退廃していく者と生まれ来て、生きる者との出会いに求めた刹那の「美」。ああ、ためいきが出る程素晴らしい映画です。
10点(2004-03-08 17:50:20)(良:1票)
17.  ドクトル・ジバゴ(1965) 《ネタバレ》 
これは恋愛映画なのですが、同時に大きな歴史のうねりの前にあっては、個人の力や常識など「無」にひとしくなる、そのはかなさや危うさを謳った映画でもあります。その中に希望を見い出そうとする、人間としての欲求、それがラ-ラという女性への「愛」だったのですが。雄大なロシアの自然を舞台に、これでもかという逆境に遭遇し、乗り越えるジバゴ。一途に追い求めるが故、離されていく距離もひろがる2人。最後、ラ-ラを街中で見かけて、追いかけるも、命つきてしまうジバゴには、哀れな男の終焉を見た気がします。しかし、2人の間に生まれた新たな命が、ラストの「バラライカがうまいのか。遺伝だな」の言葉で、祝福される時、歴史の変貌の中でも確実に芽となり、育まれたものがある、それが人間の「愛」だと静かに訴えて来ます。やはり名作というものはどこか違うんだと、深くうなずく自分がいるのでした。
10点(2004-03-08 12:38:50)
18.  ブレイブハート 《ネタバレ》 
独立や革命を謳い、立ち上がる者には、ある種のカリスマが必要です。「アラビアのロレンス」や「ガンジー」にしても、同じ志をもった人々を決起させるには、主軸となる人物に、何か人を惹き付けてやまない不思議な魅力が大切であることを示しています。この作品では、「自由」のために声を荒げ、力を鼓舞するウォレスがそう。映画の初めに、信頼していた国からの裏切りを見せつけられて、一念発起かと思いきや、意外にも、成人になり村に戻り、愛する人と結ばれる非常に美しい平和な様子が描かれます。ここまでの進行は絵画を観賞しているかのように、静かで牧歌的で、争いなど微塵も感じさせません。しかし、奥さんが殺されると、急転直下。刀を隠して、村に戻ってくるウォレスをスローで見せ、(この頃の観客の心理状態も、いてまえ!やっつけたれ!となっている)まるで、東映仁侠映画の殴り込みのような展開です。それからは、争いばかりの世界になるのですが、この戦争シーンが史実に基づいて再現されたというだけに、なかなかのリアリティで圧倒的です。剣は切るのではなく刺す、斧はたたき割るために、盾は矢を防ぐために、それぞれの描かれ方が良く分ります。側近というか、右腕というか、常に側にいる2人の表情もよく、ウォレスを信じることを最後までやめなかった誇りがラストで表現されています。「フリーダム!」と叫び死んでいったウォレス。血で汚れた形見の布を手に、まだ闘う、まだ「自由」を求める戦士達。カリスマの有無が、この最後の布に込められて、感動を誘います。空に投げた剣が地面に刺さり、ナレーションがかぶさるシーンは、やはり名場面。メル・ギブスンが、情熱をもって描きたかった男の映画です。名作です。
10点(2004-03-04 13:44:22)(良:2票)
19.  ルパン三世 カリオストロの城 《ネタバレ》 
セル画から飛び出したかのように、もの凄く立体的なアクション。活劇としても一級品。お話もお姫様を救うロマンチックなものだし、どことなく中世の騎士的ルパンがいいですね。いい場面が多く有り、皆さんが書かれている通り名作中の名作です。声優さんたちの演技(声技?)もいい。
10点(2004-03-04 12:00:27)
20.  銀河鉄道999 《ネタバレ》 
数在るアニメ映画の中でも、これはダントツ!少年が大人になる、その成長を描いて、しかも、舞台は宇宙とくれば、ファンタジーのるつぼ。面白くないわけがない。鉄道という響きもよく、しかもSLなんて。夢あふれまくり。ゴダイゴの曲を聴いて、涙するというコメントもありましたが、私も同じです。40才の今もラジオから流れると泣きますね。見事に。鼻水も出るくらいに。機械の体を求めて、旅にでる鉄郎。母の仇を討つことも目的だが、テーマは母からの思い出の旅立ちともとれる。メーテルに母の面影を感じて、恋をしてしまうなんて、異性への目覚めですね。おっと、その前に男としても目覚めるんだ。ハ-ロックやトチローによってね。何とも言えん、男の子からの脱皮。友情や絆、約束や信頼、人間だからこそ感じ取れる血の通いあう熱いものに、こちらの涙腺はゆるみぱっなし。ラストは、列車を追いかける鉄郎の姿で終わりますが、あの曲がかかり鉄郎が再び走りだす と、いけません、もうゾクゾクきます。だから、「さよなら」は作って欲しくなかった。
10点(2004-03-03 18:30:39)
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