61. がんばっていきまっしょい(1998)
たぶんどんな人にでも、輝く一瞬があるんだなぁと思いながら見た。しかもその一瞬を、誰かと共有できるのは、本当に幸せなことだ。田中麗奈をはじめとして登場人物がみなナチュラルに風景に溶け込んでいて、ドラマ版にはなかった彼女たちの世界の「匂い」のようなものが伝わってくる佳作。 [DVD(邦画)] 7点(2006-04-15 20:51:52) |
62. ドッジボール
膨大な時間と労力をかけて、こんなくっだらない映画を作ってしまうアメリカ人、ひいては人間がもつ「余裕」というのは素晴らしいものだと、この映画を見ながら思った。基本的にお下劣コメディーなわけだが、スポーツが題材というだけで爽やかな味があって、そのへんのバランスが絶妙。時間を忘れて楽しめた。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-01 18:05:00)(良:1票) |
63. オペラ座の怪人(2004)
全編ろうそくのオレンジ色で統一された幻想的な映像が綺麗だった。オーソドックスなつくりで、速い展開に慣れた目には若干退屈だったが、後半は盛り上がってなかなか。舞台の上でクリスティーヌとファントムが歌う、the point of no returnの歌(タイトルはわからん)はお下劣な内容で、ちと興奮(笑)。要するにファントムはただのストーカーだとは思ったが、その気持ちがわからなくもない自分が。。。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-31 16:56:33) |
64. シンデレラマン
タイトルからハートウォーミングな映画を想像していて、ラッセル・クロウにその手の映画は難しいのではないかと思っていたのだが、むしろ主人公は無口で不器用な役柄でラッセルが違和感なく演じていた。大恐慌を背景にした(アメリカ人ってこの時代の話が好きだよなあ)コテコテのセカンドチャンス物語に鼻白む部分がなかったといえば嘘になるが、それでもタイトルマッチの15Rでは涙が止まらなかった・・・。仕事帰りでビール片手に酔った頭にも、何かに賭けて生きることの尊さをストレートに訴えてくる、わかりやすさ満点の佳作。 [映画館(字幕)] 7点(2005-10-23 16:36:48) |
65. 奥さまは魔女(2005)
何をいまさら「奥さまは魔女」だろう・・・と思っていたが、想像していたものとは違いオリジナリティーのある設定で、なかなか楽しめた。小さなエピソードがまったくなく大きなストーリーがあるだけなので、2時間の映画としてはもの足りない感じもしたが、ニコールのナチュラルな存在感はそれを補ってあまりあるものだった。「ザ・インタープリター」のようなシャープなニコールももちろんよいが、「ステップフォード・ワイフ」や今回のようなキュートなニコールもたまらんなぁ・・・。結局この映画を見た一番の感想は、ウィル・フェレルというの?、あんな腹のたるんだ男とニコールがくっつくなんて許せん!、というおっさん感想(笑)。 [映画館(字幕)] 7点(2005-09-04 00:03:30) |
66. 藍色夏恋
最近この手の青春映画が好きなのだが、それはたぶん俺がすでに違う世界に住んでいて、安心して遠くからその世界を眺められるようになったからだろう。主人公の揺れる思いを心から感じることはできなかった。それでも、そんなこともあったかもしれないという記憶のはじっこに触れてくる感覚があって、見ていて飽きなかった。「あと一言が足りなくてもどかしい」、そんな映画が好きな方におすすめの1本。 [DVD(字幕)] 7点(2005-06-19 20:18:42) |
67. ロボコン
「本気でやるかどうか」なんてことが自分にとってとても重要だった頃を思い出させる、恥ずかしい映画。恥ずかしい一方、お金とか名誉とか、そんなこととは無関係に何かに打ち込んだことがあった気がするなぁと、懐かしくも思った。小さいが、爽やかな感動が残る佳作。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-06-05 17:09:36) |
68. スパニッシュ・アパートメント
主人公のグザヴィエは官僚を目指してしまうエリートのわりに、よく言えばおおらか、悪く言えばいいかげんなキャラクターで、時と場所と人によって違う顔を見せてしまう人物。ハリウッド映画を見慣れてしまうと、場面場面で違う顔を見せる主人公に違和感を感じるが、でも自分たちが住む世界を考えれば、人間、そんなものなのかもしれない。まさに、アイデンティティの共存。なにか高尚なものを与えてくれる映画では決してないが、リアルな世界をうつした映画であると言える。 [DVD(字幕)] 7点(2005-05-29 11:22:25)(良:2票) |
69. ユー・ガット・メール
日々の雑務に疲れてきて、「あー、俺はこのまま死んでいくのか」などと思い始めたときに、突然見たくなる一本(笑)。まさに大人のファンタジーで、見てると幸せな気分になれる。とてもシンプルなストーリーなのだけれど、恋愛の展開だけでなく、2人の思いや戸惑い(「こんな自分じゃ・・」とか「本当は自分は・・」とか)が丁寧に描かれているのが素敵だと思う。エンディングの「Anyone at All」で歌われる、「I'm so glad it was you」という言葉はまさにこの映画にぴったり。いつかそんな風に思ってみたいものだ。。。(笑) 7点(2004-07-25 13:19:25) |
70. ラスト サムライ
なかなか楽しめる映画だった。思い切ってシンプルなストーリーにしているのが、かえって迫力のある戦いの映像や重みのある会話を際立たせていて、のめりこめた。史実的にどうのとか考証がどうのとか、言えばきりないけど、そういうのはどうでもいいと思えるぐらいに「見せる」映画だと思う。 7点(2004-06-26 15:01:59) |
71. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 それぞれのキャラクターがはっきりしていて、「いるいるこういうやつ」とか思いながら、なかなか楽しめた。けど、ハッピーエンドに至る「延長戦」の展開では、猟奇的な彼女のキャラクターがどうでもよくなってしまっていて、なんだかなーという感じだった。もったいない。 7点(2004-03-23 18:15:30) |
72. アメリ
いいなあ、これ。どってことないストーリーなんだけど、ストーリーのなさが逆にアメリのゆれている気持ちをクローズアップさせていて、すごくよく伝わってくる。幸せになるには、傷つくことを覚悟で勇気出さないといけないのね、って、アメリと一緒になって乙女のようにドキドキしてしまった(笑)。 7点(2004-02-07 23:08:13) |
73. シービスケット
《ネタバレ》 大河ドラマ風に50時間かけてやるぐらいの内容なので、2時間半に詰め込むことには無理があった。あまりに説明的過ぎる。特にはじめの1時間は、まるで後半のための予習時間のようだった。また、不況に苦しみながらも、夢と希望に満ちている古き良きアメリカを描いた映画の視線は、「フォレスト・ガンプ」のそれと同じで、アメリカで生まれ育っていない我々が見ても鼻白む思いを禁じえない。そんな批判をいくらでもしようと思えば出来るのだが、それでもこの映画には、形容しがたい力を感じる。それも、映画と同じくらい競馬を愛している自分のような人にとっては、特に。競馬にはドラマがある。馬はただひたすらに走るだけだが、彼らの走る姿にはまるで人生のようなドラマが凝縮されているのだ。そのことを知っている人にとっては、3人のストーリーと一頭のストーリーとを重ね合わせながら人生を語ったこの映画は、なんとも力強く、魅力的な映画だ。けど、それが競馬を知らない人たちに伝わっているのかどうかは、私には正直わからなかった。もし、伝わっていたならば、私のつけた点数以上に、この映画は名作だといえるかもしれない。 7点(2004-01-25 20:04:19) |
74. 彼女が水着にきがえたら
「ママハハ・ブギ」や「東京ラブストーリー」など、そういえば若い頃の織田裕二は、こんな無口で朴訥で不器用な役をやっていたなあと、久しぶりにこの映画を見て思い出した。「振り返れば奴がいる」あたりからはすっかり役柄もイメージも変わってしまい、本人にとっては若い頃の役にはやらされ感があったのかもしれないが、自分は若い頃の織田裕二の煮え切らない感じが好きだったので、この映画を見てなんだか懐かしく、嬉しかった。 また、そんな役柄の主人公も、とにかく遊びには貪欲なのが面白い。自分が大人になったのはバブルが終わった頃だったので、その後彼らのような遊び方をすることはなかったし、うらやましいと思ったことはあまりなかったけれど、この映画で出てくるスキューバもヨットも、あるいは「私をスキーに連れてって」の雪山遊びも、みんなそれなりに遊べるようになるまで時間とトレーニングが必要なものばかり。当時の若者のバイタリティはすごいなと思うし、きっとお金や時間と引き換えに得られた「体験」みたいなものの総量が自分達の世代とは違うのかな、と思い、今となってはうらやましい気もした。 ストーリーは残念ながらふざけすぎ。香港マフィアは明らかにやりすぎで、そのあたりも時代の産物なのか残念に感じたが、あの時代の空気感を満喫する意味では、今見ても楽しめると思った。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-09-29 17:33:17) |
75. バーレスク
【放浪紳士チャーリー】さんがご指摘されているように、設定も人物配置も、「プラダを着た悪魔」と全く同じ。素材がファッションであろうがショーであろうが何であろうが、この設定は使い回しができるもので、メインターゲットであろう女子だけでなく広く受け入れられる、ハリウッドの鉄板なのだなと思った。 そう考えると、そんな映画は新味のない映画になってしまっても仕方ないと思うのだが、そうでないところがやはりハリウッドのすごいところ。そこには、素材となったショーというか、エンタメへの熱い敬意があると思った。はっきり言って、ファッションにしろショーにしろ、人間が最低限生きる上で欠かせないものかといえば、全然そうではない。けど、やっぱりそういうものが僕らの人生には必要で、もちろん日本にもそういうものへの敬意は存在すると思うけど、やはりアメリカにおけるそれは、熱量が違うと感じる。エンタメそのものにも、エンタメを作り上げる人々にも、それが必要だという揺るぎない自信がアメリカにはあって、だからこそ、この使い古された設定で説得力のある映画になっているのだと思う。 もちろん説得力の背景には、そのエンタメを作り上げている人たちの力がある。単純にアギレラやシェールの歌唱力と存在感には圧倒されるし、設定やストーリーが後付けだとしても、それはそれで構わないぐらいに価値があると思った。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-03 17:12:23)(良:1票) |
76. 劇場版ラジエーションハウス
小さいエピソードと大きなエピソードを並行して短いシーンで繋いでいく、そういう作りはテレビシリーズそのまま。もちろんコメディー色もそのままで、テレビシリーズをよく知っている自分は楽しめた。けど、あまりにテレビシリーズとの連続性が強すぎて、最終回だけお金出して見させられたという気持ちが拭えなかった。いや、自分がケチなだけなのか? また、ものすごくたくさんの登場人物がいるけどとくに説明があるわけでもないし、小ネタも既に作られているキャラクターを前提にしたものなので、テレビシリーズを知らずに映画を見た人にとっては、意味不明なのではないかと思った。 作る側からすればそういう商売なので、そんなの映画でやるなよとは言うべきではないのかもしれないけれど、テレビシリーズを見ていた人にとっても、そうでない人にとっても、もやもやする部分がある映画だということには間違いないと思った。 [映画館(邦画)] 6点(2022-05-01 19:33:47) |
77. マチネの終わりに
原作既読で、なおかつ原作に思い入れのある自分にとっては、ちょっと残念に思えた。いや、長い原作を、不要な部分をうまく省き、ものすごく忠実にストーリーを描きつつ、よく2時間にまとめていて、そこは素晴らしい。ただ、やっぱりそれは、ストーリーを描いているだけなんだよね。この原作の素晴らしいところは、主人公である蒔野と洋子の思考を、丁寧に言葉にしているところ。いい年をした2人だからこそ、自分の情熱や感情を相手にぶつけるだけではなくて、お互いの人生や境遇や周囲の人たちまでをも配慮する、そういう大人の恋愛が2人の思考から描かれている。しかし、それを映画にしてしまうと、残念ながらそういう思考が十分に表現されるかというと、そうではない。もちろんストーリーとそこで描かれる2人の行動に、そういった思考は滲み出てはいるとは思うのだけど、当たり前だけどやはりそれは小説で書き込まれる思考のレベルとは違ってしまう。なので、正直言って、そういう思考を大切にした小説を映画化することに意味があるのが疑問に思ったし、残念に思ってしまったのだった。 ただ一方で、映像にしたことによる良い点ももちろんある。1つは音楽。蒔野が奏でる音楽は、小説ではもちろんこれでもかと文字で表現されるわけだが、それを実際の音楽として楽しめること、かつ映画全編の音楽がギターで奏でられ蒔野の演奏と一体化している音楽のあり方は、映画ならではだと思った。2つ目は背景。原作は東京、パリ、ニューヨークと世界中を舞台にするラブストーリーでありながら、あくまで自然に(必然として)舞台になっていることが特徴でもある。映画でも東京、パリ、ニューヨークがロケで描かれるのだが、日本映画特有の「頑張って海外ロケしました」的な雰囲気を出さずに、でも美しく景色を映し出していて、そこが舞台になっていることの不自然さを感じさせなかった。それも小説とは違った、映画ならではの表現方法だなと思った。 そう考えると、この映画は、もちろん小説を映画化するにあたって言葉足らずで物足りなく思われる部分もあることを前提にして、それを音楽や背景の映像といった映画ならではの部分で補うことを意図的に行なっているようにも思える。もし原作未読の方がこの映画を楽しめているならば、その試みはすごくうまくいっているのだろうと思ったが、原作既読の自分にとってはその成否はよくわからなかった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-04-24 18:07:09) |
78. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
《ネタバレ》 飛行機にて鑑賞。事実に忠実にということだろうか、道徳的な観点が極力排除されていて、ムリヤリな感動を呼ばないつくりが「スラムドッグ$ミリオネア」と対照的だと思った。たとえばサルーはすごくいい子だからいい家族に引き取られたというような誘導はなくそこは淡々と「たまたま」が描かれているし、あるいは大人になったサルーが何不自由なく育てられたことに恥ずかしさやうしろめたさを感じているかというとそうではなく、サルーが出自を明らかにしたいと願う背景にはただ単に自分の中にある穴を埋めたいという思いしか描かれていない。なので全体を通じてドラマティックな映画にはなっていないが、その分最後の感動が純粋なものになっていると思った。 一方、弟のマントッシュや恋人のルーシーとの関係は、ぶっちゃけストーリーとなんの関係もないのにもかかわらず、こちらも淡々とそれなりのボリュームで描かれてしまっていて、それっているの?と思ってしまった。 そして、それにしてもいつもニコールの存在感と演技は素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-29 10:07:06) |
79. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 飛行機にて鑑賞。いやー、切ないエンディング。取り戻せないものがあるって思うのって、本当につらいけど、でも人生そんなもの。ハッピーエンディングであってほしいと思う方もたくさんいらっしゃると思うが、俺的にはこの映画はこの切ないエンディングを見るための映画だと思った。 主演の2人は、俺の大好きな「CRAZY, STUPID, LOVE.」(邦題は「ラブアゲイン」とかいう変なタイトル)の2人の再演で、どう成長しているか楽しみではあったが、ミュージカルになってしまったためなのかどうか、ぎこちない感じを否めなかった。俺的には「CRAZY, STUPID, LOVE.」の時の2人のほうが、自然な演技で良かったように思う。ただの好みの問題かもしれないが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-20 04:48:33) |
80. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 これは、どうなんだろう、、、最後の主人公の気づきは、それはたとえば20代や30代前半の坊やのものであれば、それは気づいてよかったねーって前向きに思えるけど、この映画ではアラフィフでもう先が見え始めているおじさんにとってのそれなもんだから、もう絶望というか、むしろ気づかないほうがよかったんじゃないかとさえ思えてくる。だってさ、それはジョージ・クルーニーみたいな素敵なおじさんだったらもしかしたらそこから人生変わるのかもしれないけど、でもそれだってアレックスの素性を知ってしまうことですでに「そう簡単にいかないよ」って言っちゃってるわけじゃん。ほとんど取り返しがつかないことに気づかせて、しかも別の道は極めて厳しいと教えちゃってる、あまりに残酷な映画だと思った。 でもまあ、そういう風に人生を語る映画ってたぶんあんまりないから、(個々のエピソードがバラバラでまとまりがないという残念さはあるものの、)見る価値のある映画だと思った。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-01-03 08:33:06)(良:2票) |