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プロフィール
コメント数 127
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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81.  ガンスミスキャッツ
銃器に対する強い愛情と知識に裏打ちされた、秀逸なガンアクション。  銃を使ったアクションは星の数ほどあるけれど、大抵はヒーローは百発百中なのに敵の弾は足元を抉るだけというしょうもないファンタジーに終わる。それに比べると、本作も主役が凄腕であるのは変わりないとしても、武器についての豊かな知識を利用して敵の裏を掻く過程が説得力をもって描かれている。常に読者の意表を突いた展開が心憎い。ハリウッドのアクション映画の作り手たちはこれを読んで勉強するべきだろう。  ただ、ちょっとHなのはご愛嬌だとしても、さすがにミニーメイの設定には引いた。露骨にロリコンの願望充足のためのキャラクター。主役の設定にもどうかと思うところはあるけれど、これはあんまりだ。  銃と車と、美少女。良くも悪くも、男性のためのマンガだろう。
8点(2007-11-15 01:22:51)
82.  花とみつばち 《ネタバレ》 
安野さんにしては切れ味に欠けている感じ。さくさく読めるんだけど、冴えない男が頑張っているというだけで話に深みがなく、ギャグについても無駄に下品なだけで普通。ラストに至っては登場人物が勝手に動いてしまったのかあるいは強引に終わらせたのか、完全に普通のラブストーリーになってしまった。きっとこのテーマではストーリーを広げるのも深めるのも難しかったんじゃないかと思う。
5点(2007-11-15 01:00:21)
83.  天使な小生意気 《ネタバレ》 
不良が喧嘩ばっかりしてるマンガって苦手なんだけど、これはとっても面白かった。何より笑いのセンスがかなりキてる。旅館のエピソードなんて何度読んでも笑ってしまう。  あとこのマンガってギャグだけじゃなくて、真剣な決めの場面に対しても、「かっこいいぜ…」「決まった…」と突っ込み(客観視)の台詞が入る。たぶん西森さんは自作に対する客観性がものすごく強い人で、まじめなことを書くとすぐ照れてしまうんだと思う。  客観的な視点は創作全般においてはもちろん、一人でボケと突っ込みを兼ねなければいけないギャグ漫画家にとっては絶対に必要な力。そういう意味では西森さんはずば抜けていて、たとえ小ネタであっても全然すべらない安定感を持っている。そして実はすごくかっこいい連中ばかりを描いているのに、全然嫌味がない。この辺りも優れた突っ込み力の賜物だろう。  結末に向けてちゃんと伏線を張っているのも良い。気楽に読める作品でも、やっぱりプロットががっちりしてると満足感が違う。欲をいえば最終話近くが急ぎ足になって、わずかに伏線を拾い損ねているのがもったいないかな(たとえば魔本の起源はほのめかすだけに終わってるし、藤木が闇夜の谷川に飛び込めたのは例の河童のおかげなんじゃないかと思うんだけど説明はなし)。  とはいえ読後の爽快感は最高だった。全体を通して暗い要素は薄く、敵役ですらラストの行動は清々しい。読んでいてすごく気持ちのいいエンターテインメントに仕上がっている。
9点(2007-11-15 00:46:27)
84.  G戦場ヘヴンズドア 《ネタバレ》 
なんといっても、坂井大蔵が息子に気づかずにその横の鉄男を抱擁する、表彰式のくだりが印象的だった。正直それまではなんとなく読んでいたところもあったんだけど、それ以降はぐいぐい引き込まれていった。  思うに、境田も阿久津も、酒やギャンブルに嵌まっている父親なんかよりある意味ずっと恐ろしい。漫画にかける気持ちが家族の情にも勝り、周囲の人間をないがしろにしてなお、迷いがない。  創作に熱中している本人も必ずしも幸せというわけではない。ただ苦痛と喜びがない混ざった幸福よりも密度の濃い時間があって、一度それを知るともう抜け出すことができない。漫画に限らず、創作に身をやつすことの面白さと怖さを上手く捉えていると思う。
8点(2007-11-13 00:12:15)
85.  バジリスク―甲賀忍法帖
初めて山田風太郎の忍法帖シリーズを読んだときはあまりの荒唐無稽さに言葉を失ったものだけれど、こうして漫画化されたものを読むと、活字よりしっくりくる。山田氏の破天荒すぎる想像力には漫画という方法論が合っている。せがわさんや浅田寅ヲさんの見事な仕事振りをみるにつけ、山田風太郎は生まれてくるのが早すぎたと思う。  ちなみによく『バジリスク』の若い読者が「ストーリーがジャンプ形式」だというけれど、実際には山田氏原作の古典的名作(横山光輝『伊賀の影丸』)からバトルものが始まってのちの少年マンガに受け継がれていったのであって、正確にいうと山田風太郎がジャンプ形式なのではなくジャンプが山田風太郎形式なのです。  だから『バジリスク』は現代エンターテインメントの原点と最前線が交叉した作品といえるわけで、そう考えるとなかなか感慨深いものがあります。
7点(2007-11-11 23:43:54)
86.  MONSTER 《ネタバレ》 
ヨーロッパが舞台のミステリー巨編で、リアルタイムで単行本を集めるくらいには好きでした。  惜しむらくは他作品からの露骨な引用が多すぎることで、読みながらああここは『ツインピークス』、ここは『死の接吻』、こちらは『沈黙の獲物』で、あちらには『FBI心理分析官』まであるぞという感じで次々と元ネタが見つかる。過去の作品から影響を受けるのは当然だし、ゼロからオリジナルを生み出せとはいわない。にしても、ちょっとやり過ぎでしょう。結末までそっくりな小説があると知ったときはさすがにげんなりした。  ただそれでも充分読ませる面白さではあるし、さまざまな視点からスケールの大きな物語が立ち上がってくるあたりはさすが浦沢氏。この結末も、似た小説があるとしても評価できると思う。これだけ大勢の人間を巻き込んだ悲劇でありながら、根底にあるのはナチスの陰謀ではなく家族の崩壊だった、というのが人間という生きものの本質を表しているようで面白い。上記の理由から文句なしの名作、とはいい難いんだけど、個人的には好きです。
7点(2007-11-11 22:34:16)
87.  ヴィンランド・サガ 《ネタバレ》 
入念な取材に基づいてヴァイキングを描き、重厚な世界観を構築している。リアリズムに徹しつつも格闘漫画ばりのアクション描写や、魅力的なキャラクターの配置で読者を飽きさせない。ヴァイキングが「愛」という概念にまったく馴染みがないという描写があるように、現在のそれとはかけ離れた価値観を教えてくれるのも興味深いところ。物語はまだまだ始まったばかりといった感じなので、これからどういった方向に展開していくのかわくわくしながら待ってます。  欲をいえば、ヴァイキングたちが現代日本の若者みたいな話し方をするのがちょっと微妙。作者も何か思惑があってこうした言葉使いを採用したのかもしれないけれど、当世のサブカルチャーを安易に取り込んでも安っぽくなるだけではないかと。
8点(2007-11-11 22:04:04)
88.  もっけ(勿怪)
正直地味な作風ではあるんですよ。妖怪、もしくは民俗学に興味のある人でないと合わないかもしれない。妖怪がテーマといっても妖怪退治アクションとかではけっしてなく、ちょっと妖怪に対する感受性の強い姉妹の日常生活をじっくり描いた、大人向けのお話。  妖怪たちは日常生活に存在する恐怖、怪しさ、畏れを具現化されられたかのようで、ああこういう連中ならいるかも――いや、ある意味では確かにいるんだよなと思わされる。これまでのフィクションが妖怪を超常のものとしてしか描けなかったのに対し、生活に根ざしたものとして捉えている本作は貴重だ。確か水木しげるが妖怪は人の心のなかにいるものだと述べていたが、それを端的に表現できていると思う。
7点(2007-11-11 21:47:39)
89.  フラグメンツ
正直にいうと山本直樹はたまに――しばしば自分の読解力を超越しているのであまり堂々とは語れないんだけど、『フラグメンツ』に関してはやっぱり好きだ。ファンタジーというのはためらわれるけれど、リアルというのとも違う雰囲気からしてなんともいえない。普通に足を踏み出したつもりなのに、靴底が地面から一センチほど浮かんでいたみたいな、微妙な浮遊感が。収録されている「別章」も無関係なようでどことなく共通した空気が通っている。リアルじゃない場所でリアルなものを探している人たちの寂しさが伝わってくる。
9点(2007-11-08 21:27:28)
90.  GANTZ
ネギ星人最高。正直ドラマ部分よりも、次はどんな星人が出てくるんだろーってとこにわくわくしてる。アクションに関しては『ヘルシング』同様演出で押し切る方針らしいけど、あっちの方が一枚上手かな。まだぎりぎり面白いけど、あんまり長引かせないで、読者が飽きないうちに切り上げるのが正解だと思う。
7点(2007-11-06 01:47:36)
91.  行け!稲中卓球部
久々に読み返してこの漫画が現在の自分を形成するかなり重要なファクターとなっていることに気づき、暗澹たる思いになる。前野や田中という主役級キャラのフルネームが明かされないなど、著者のドライっぷりにはびっくりだ。この地獄のようなくだらなさ、今の十代が読んでも普通に笑えるんじゃないかな。  小林よしのり氏がゴー宣で「わしは稲中卓球部に挑戦する」とかいっていたけど、正直大敗というか、誰も挑戦していたことに気づかなかったくらいの圧倒的戦力差があった。よしりんが悪いんじゃないよ、古谷さんが最高すぎたんだよ。  いまだに都合が悪くなると「いいよねどうせ人類なんて滅びるし」とかいっちゃうのはこのマンガのせいです。十点にしようとして理性に止められ、九点。
9点(2007-11-06 01:39:29)
92.  ヒストリエ
古代オリエントの智将エウメネスの成長を描く歴史冒険譚。壮大な歴史ドラマはもちろん、エウメネスがいかに知恵を練って難局を打開していくかという知的な楽しみを追うだけでも充分に読ませる。とくに侵略者から村を守るくだりには心が躍った。武器と戦略の変遷は、そのまま歴史の変遷に直結する。紀元前のギリシアなんてまったく興味の範囲外の世界だったけど、遠い時代の遠い国の人々が、この作品では非常に生き生きと動いていて距離を感じさせない。連載がなかなか捗らないのがもどかしくてならない。
8点(2007-11-06 01:10:48)
93.  コーヒーもう一杯
甘味も苦味も含んだ連作短篇シリーズ。ささやかでなんてことない、しかし大切な人生の一幕を切り取る手腕が鮮やか。膨大な量のかけあみによって構成された画面にも注目。書店にあふれるたくさんのコミックの中で、本作はプラスチック製品の山に紛れ込んだ木製のおもちゃを思わせる、静かな輝きを放っている。告白できないままに終わった初恋の話、壁に突き当たる演劇青年など、大好きなお話がたくさんあります。強いていうなら寓話系はちょっと苦手かも。
8点(2007-11-06 00:54:06)
94.  医龍-Team Medical Dragon
医療ドラマはどちらかというと苦手なんだけど、これは別。この手の話にありがちな押し付けがましい感動がないのがまずよい。天才外科医の活躍を描くのに並行して、利権と理想をめぐって渦巻く政治的な権謀術数が展開していく。『ブラックジャックによろしく』みたいな湿っぽさがなく、硬質のサスペンスとして仕上げられている。乃木坂さんの絵もよい。この人は人体を描くのがとても上手いのですね。女性キャラなんか必要以上に色気がある。外科手術シーンの多いこの作品にとっては適材だと思う。ちなみにドラマ版は徹平くんがかっこよすぎてびっくりでした。
8点(2007-11-05 02:54:48)
95.  賭博黙示録カイジ
名作ですね。ギャンブルは苦手だけどこれはめちゃくちゃ面白かった。ジャンケンを元にしたシンプル極まりないゲームが、人知を尽くした頭脳戦として加熱していくさまは圧倒的。知的興奮ももちろんすごいけど、日常とはかけ離れた舞台設定も、欲望の塊のような悪役利根川も強烈だった。もしも自分がこんな極限状況に置かれたらきっとすぐにテンパって自滅しちゃうんだろうなー……
7点(2007-11-04 19:09:36)
96.  座敷女 《ネタバレ》 
これを読んだ当時は確か「ストーカー」という現象にスポットライトが当たっていた頃で、ドラマでも本でもストーキングものが山ほどあったと思う。でも記憶にある限り、『座敷女』よりも怖いストーカーはいなかった。どこにでもいそうなサイコさんがだんだん人間離れしてきて、しまいにはストーカーなのか化け物なのかもわからなくなる……都市伝説のようなリアルな肌触りが薄気味悪かった。何気に印象的な佳作です。
7点(2007-11-04 18:46:14)
97.  邪眼は月輪に飛ぶ
いつもは壮大なスケールの物語を大団円に収束させることに力を尽くしている著者だが、この作品は短い。しかし短いからこそ、その無駄のない展開の妙、卓越した構成力が明確にみてとれる。そして血が熱くなるようなアクションエンターテインメントとしてのテンションは、微塵も衰えていない。  年老いた猟師とアメリカの若き捜査官という異色の主役コンビも素晴らしい。いつも思うんだけど、藤田和日郎のキャラクターの組み合わせ方は絶妙だ。ひとりひとりはあくが強くて、良くも悪くも片寄ったキャラクターなんだけれども、手を組めば補い合い、調和する。不完全な連中が互いの背中を守ることで、どんな怪物より心強い最強の存在となる。  もちろん、“ミネルヴァの梟”という敵の魅力も忘れてはならない。超常の力を持つ“梟”はあまりにも恐ろしく、けれど途方もなく寂しい怪物だ。『うしおととら』の“白面”もそうだったけど、圧倒的な力を持っている代わりにひどく孤独な、人間側とは対照的な存在なのだ。見るもおぞましい化け物でありながら、いつしか読者は“梟”を哀れんでいる。こうした悪の描き方に、藤田和日郎独自のヒューマニズム(といったら大げさかな)が見て取れるように思う。  大長編は時間がかかるしちょっと…という方にはとくにおすすめしたい。短いながらも密度は濃く、藤田和日郎の最良の部分が凝縮されているといってもいい良作である。
8点(2007-11-04 18:28:19)
98.  天才柳沢教授の生活
実は一話完結ものの人間ドラマって相当に難しいジャンルだと思うんですが、『柳沢教授』シリーズはかなりの高水準を保っています。しかも主役は個性的ではあるものの一介の大学教授に過ぎず、話としても地に足ついたリアルなもの。この設定で読ませるのは著者の卓越した洞察力があってこそでしょう。天才から凡人、善人や悪人、子どもから子猫まで、山下和美の筆勢には一定した愛情が感じられる。主人公の柳沢教授同様に、山下さんにとっては人間という生きものが面白くて、愛しくて仕方がないのではないかと推察します。あ、あと「学ぶことの素晴らしさ」というテーマを忌憚なく伝えられるのもこの作品の奇特なところです。お父さんが大学教授、というバックグラウンドに支えられてのことでしょうか。いずれにせよ山下和美独自の人間観に乗っ取っているからこそ、こんなに魅力的な人間ドラマを量産できるのだろうと思います。
8点(2007-11-04 17:40:46)
99.  放浪息子
女の子になりたい男の子、二鳥くんと、男の子になりたい女の子、高槻さんの緩やかな成長を綴る青春もの。志村貴子さんの絵柄は丸っこくてかわいらしくて、たとえ深刻な展開であってもなごめるのが良いです。そして題材の割にはいたずらに深刻にならないのがまた良い。人物描写にも説得力があって、脇役の千葉さおりという子がとくに実在感があって面白い。かわいいんだけど感受性が強すぎて、悪意はないのに結果的に自己中心的になってしまって、同性からは嫌われる――いるよなあ、こういう子。どのキャラクターも類型にはまらない個性があって、楽しいのです。物語もやんわりと読者の予測を裏切り、淡々としているようでとてもドラマチック。志村貴子はもっともっとメジャーになってしかるべきだと思うんだけど、それは個人的な贔屓目に過ぎないんでしょうか?
9点(2007-11-04 17:16:45)
100.  period 《ネタバレ》 
帯には「美しすぎる暴力」とあるけれどこれは間違いで、暴力自体もあまり詳細に描写されるわけではない。実際には拠り所のない暴力的な運命を辿りながらも確固たる意志で生きようとする、健気な強さが美しいのだと思う。幼い兄弟の視点で進むのだが、とくに愛らしい弟のほうが怒りに捕われているだけに危うく、見ていて痛々しい。ある場面で、彼がある人物を指して「地獄へ行く」と平然と言い放つくだりがある。子どもにこんな言葉を言わせる家庭とはなんなのだろうか。冷静に綴られる台詞がフィクションとは思えないくらい、心に刺さる。真に子どもらしくあることを許されない子ども達の日々。これから明るい展開があるとは思えないが、祈るような気持ちで最後まで読むだろうと思う。
9点(2007-11-04 03:04:29)
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