みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
11.《ネタバレ》 氷も溶かす勢いのファンタジックな冒険活劇。 本の中からよじ登り出てくる老人、二本の傘を携え、老人の回想形式?で物語は始まる。 傘のパラシュート、アンデルセンの像にご挨拶、模様の入った白い傘を開くと港街に画面は移る。 紳士が傘を持つのは雨を避けて幼い男女の邪魔をしないため、窓に橋をかけて植物で彩る、赤い薔薇と白い薔薇、主人公のゲルダとヒロインのカイル。 雨、雪、冬、荒れ狂う海から出現する白き城、そこに君臨する雪の女王。氷のようにお堅そうな面をしてやがる。 噂をすれば何とやらで鏡から感じる視線。奔る亀裂と舞い上がる結晶は嵐となって幼い瞳に襲いかかる。 凍り付く窓・奪われるもの…まったくなんて迷惑な女だ。 天然のスキー場に荒々しく登場する女王、ダイナミック人さらい、すべてを凍てつかす女もいれば、子を命がけでかばう母親もいる。 黒い傘は夜空になって消える。 赤い靴を追う内に思わぬ旅立ちと出会い、薔薇園の老婦人と小さな衛兵、愛する者を求めて裸足で果てしない荒野へと飛び出していく。 海辺の鳥と喋る親切なカラスたち、庭園を照らす花火、甲冑の騎士も飾り、足跡、物々しい足音を立てて見回る警備(何故気づかない)、さっきから衛兵が仕事しねえ・させてもらえない。蝋燭の面白い付け方、幼い王子と姫。 馬車と山賊と血気盛んな娘、山賊は歌い馬車はつっ走る! とうとう鳩やトナカイまで喋りはじめる、ツンデレ、太もも、トナカイの疾走、涙を流しながら捉えていたロープを切る様・寂しさが切ない。本当に欲しかったもの、氷を割りながら、魚、手紙、蘇る精気と氷上のダンス! そして迎える春の訪れ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-08-26 06:10:50) 10.《ネタバレ》 原作をほぼ忠実に再現。製作者は原作の意図をよく理解し、そつなく仕上げている。主人公ゲルダが女性で、関わる人物も女性が中心。魔法使いの女、城の王女、盗賊の女、盗賊の女の娘、北方の女、更に北方の女、雪の女王。「女性のもつ内なる力」が主題である。原作では更に北方の女が、カイは雪の女王の囚人になっていることを教える。トナカイが、この娘に力を与えてくれ頼むと「この娘に生まれついて持っている力よりも大きな力を授けることはできない。力を得ようとしても無理。それはあの娘の心の中にある。ごらん、どんなにして、色々と人間や動物が、あの娘のためにしてやっているか、どんなにして、裸足のくせに、あの娘がよくもこんな遠くまでやって来られたか」と諭す。無欲の愛こそが何物にも勝るということだが、それはゲルダ一人に依るものではなく、彼女を助ける女性も分担している。雪の女王の心を溶かしたのは、女性陣の愛のリレーの結晶だといえる。敵役も女であるが故に愛にはもろいのだ。女性賛美のメッセージが込められているといってさし支えない。重要アイテムは靴。靴は「子供、保護」の象徴。ゲルダがおろしたての赤い靴を川に捧げたことで、船が動きだし、冒険の旅が始まった。ゲルダがカイを真摯に心配し、甘えた子供心を捨て去ったことが奇跡を呼んだのだ。途中、城の王女から長靴をもらうが、最終旅では裸足になる。厳しい環境に身をおいてこそ、真の心の成長があるのだ。ゲルダが靴を脱がなければ、カイの目と心の中に入った氷を溶かすことはできなかったし、雪の女王と対決もできなかった。雪の女王はあっけなく溶け去ってしまうが、それは二人の無欲の愛に打たれたから。だが、少しあっさりしすぎていないか?原作では、「氷の板で永遠の文字を作る」という最終試練があるのにそれを省いている。その代わりに原作ではさらりと流している、盗賊の女の娘が悔悛しゲルダを助ける場面をこまやかに描く。ここが最も涙を誘う。この娘は、「子供版雪の女王」だ。このように全体としてバランスがよい。原作では、二人が町に帰還したとき、心は子供のままだが大人の姿になっていた。子供心を捨て去った代償である。後に「風の谷ナウシカ」「千と千尋の神隠し」を制作した宮崎駿氏がこの映画に感銘を受けたと伝えられているが十分にうなずける事だ。案内役を夢の神のおじいさんがするが、これは不要だろう。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-07-06 17:31:27)(良:1票) 9.《ネタバレ》 ゲルダのカイへの一途さ、愛の深さ、強さがよく伝わってくる。見ているだけで何とかしてやりたくなります。ゲルダが出逢う山賊やらその娘やら老婆に沢山の動物、何だかディズニーのアニメを意識しているようにも感じられる。アメリカに対するソ連の意識、ソ連映画にだってアメリカに負けない凄い作品があるんだぞというようなものが感じられる。「カイは離さない」と力強い台詞を吐くゲルダの前に立ちはだかろうとして解ける雪の王女と冷たくされていたカイが氷を離す瞬間の映像などこの作品はアニメであるからこその美しい映像の世界によって描かれていると言っていいぐらい本当に映像が美しい。おそらく今ならどの場面もCGで描こうとするだろうけど、この映画はCGでは表現出来ない人の気持ち、優しさというものをきちんと描いている。確かに迫力のある映像では現代の映画には勝てないが、中身では完全に勝っている。古い作品だからって侮れない。むしろ、何でもかんでもCGに頼ろうとする昨今の映像作家、監督にこの作品を観て何かを感じ取って欲しい。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-12 21:32:28) 8.《ネタバレ》 だいたい全身像で展開していく。だから表情よりも動作を見せるわけで、アニメの本来の姿だ。一番のキャラクターは山賊の娘だな、竹を割ったような性格。ツンツンしながら、親切することに照れながら、ってとこが、後に宮崎に受け継がれていくタイプ。ゲルダを逃がしたあとに動物たちも逃がしてやるんだけど、そのウサギや狐たちが戻ってきて娘を慰めるあたり、涙である。女たちに比べてカイ君はだらしがない。ほとんど全身像で展開するドラマの中で、アップになるのは雪の女王。ラストの静かな退場・消滅して春にゆずるあたり、アップにされるだけの貫禄があります。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-08-27 12:07:51) ★7.《ネタバレ》 噂(でもないか)のジブリ新訳版、観て来ました。 オイラはかつて、人形劇で「雪の女王」を主要演目にして巡回してた事があって、このソ連バージョンは吹替え版を観飽きるほど観てまして。なのでちょっと違和感が (詳細はブログにて) 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-01-06 00:49:48)(良:1票) 6.本当は昔見た実写版の雪の女王を探していて、アニメーションのこれに行き着きました。アニメ版のは見たのが初めてなんだけど、とっても懐かしいような・・。ディズニーとは待たし違う絵のタッチ、でもとっても綺麗で・・。とっても良かったです。 【ネフェルタリ】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-11-21 02:34:25) 5.DVD3000円に悩みヤフオクで800円で購入。けどお金では買えない何かを手に入れました。これこそ price less。 【bokugatobu】さん [DVD(吹替)] 9点(2005-09-25 11:15:15) 4.《ネタバレ》 透過光のふんだんに使われた幻想的な氷の宮殿や、氷の宝石の光沢、あるいは暖炉の炎の照り返しなど、特殊効果の贅沢な用法に光への意識の高さが窺える。 生命感あふれるカモメやカラスや鹿たちの動きや、主人公の少女の細やかな仕種・動作のアニメーションが絶品だ。(髪を梳かす場面の質感表現の見事さ。旅の途中でお世話になった人々や動物たちに都度丁寧にお礼をするその仕種も大変愛らしい。) とりわけ特徴的なのは波や風雪の表現の多彩さで、旧ソビエトの風土ならではだろう。日本語が多様な雨の種類を使い分けるのと同様、本作では彼地の特色たる多様な降雪がこだわりをもって描き分けられており面白い。 キャラクター設定だけでなく、映像表現の面でも日本のアニメーションへの影響が多々窺われる作品であると思う。 様々な民族の助けを経ながらの旅といった要素が旧ソビエト的でもあり、大団円が「雪解け」であるのも象徴的だ。 【ユーカラ】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2005-08-14 23:27:24) 3.《ネタバレ》 美しい絵。吹雪に揺れる少女の髪は、CGで一本一本丁寧に作られた髪の毛でさえ及ばない。主人公のゲルダを始め、雪の女王のキャラクターの表情や顔立ちなど、現在の日本アニメにも共通しているところがあるような気がします。そういう意味でやっぱり影響力の強い作品だったのでしょうか。「川さん、カイの居場所に連れて行って」「扉さん、道を開けて」と、こんな少女から頼まれたんじゃ断れないよ~。でもそれじゃあ結局彼女自身は何もしていないじゃないか。と言われそうですが、愛する者を助けるために一人見知らぬ土地へと飛び込んで行くというだけで、既に彼女も立派に戦っているのだと思います。最後に元来た道をそのまま戻るというのも面白いですね、普通のアニメならそこで省略されて終わりでしょう。 【かんたーた】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2005-06-01 12:42:45)(良:1票) 2.昔、小学校の門前でおじさんがこの映画のタダ券を配っていた。で、町の公民館で見たのが、もう、30年以上前…。それでも、しっかりと覚えていたのは、子供ごころにも「感動」したからでしょう。幼なじみの男の子を雪の女王に連れていかれた女の子が、女王の住む山まで苦難の旅を続けるという、その旅の部分が本当に波乱万丈で、興味しんしんで。そう言えば、同じ頃、やはりタダ券で公民館にて見たのが『太陽の王子・ホルスの大冒険』。何か似ていると、ガキだった当時にも思った記憶があるけど、本当にこのソ連製アニメの影響を受けていたとは(↓【あつむ】さんのご指摘のおかげで、いろいろすっきりしました。ありがとうございます!)。ひょっとして、あの校門前のおじさんは宮崎駿だったのでは…まさかね。 【やましんの巻】さん 8点(2003-07-14 18:18:50) 1.「白雪姫」がアニメ界の“表の金字塔”だとすれば、「雪の女王」は“裏の金字塔”だろう。キャラ描写と構成がとても良く、好感が持てる。勿論アンデルセンの原作をおいては語れないが、充分にアニメ映画化を納得させる作品だと言える。あの宮崎駿監督も「わたしの原点とも言える作品」と絶賛した程。高畑勲監督も影響を受けたのか、のちに製作された「太陽の王子 ホルスの大冒険」は、差し詰めこの映画のオマージュ作品と言う所。宮崎アニメと言えば、共通して登場する“強い女性像”。分かりやすく言えば「ルパン三世」に登場する不二子は、TVシリーズではか弱き女性としてヒロイン性があるのに比べ、「カリオストロの城」では一変、実に逞しく描かれている。それは、この作品に登場する“ゲルダ”と言う少女の影響が強いと思われる。主人公・ゲルダは、雪の女王に連れ去られた少年・カイを救う為に旅をする。様々な人々との出会いで学びそして旅は少女を強くした…。これらは例えば、「未来少年コナン」のラナや、「天空の城ラピュタ」のシータたちが、ピンチに陥る主人公に対して時折見せる「少年を助けたい」と奮起する描写で見てとれる。つまり、少女が少年を助けに行く…という時点で、もう強い女性像は確立していたわけですから。ちょっと興味深いのは、本作品に登場する盗賊の娘。彼女を見ると、育って来た環境がその世界の全てで、初めてゲルダと出会った事で、他人と触れあう事は彼女にとって新鮮だったに違い無い。それまでの環境しか知らない者が見せる心の対立と共和。例えば、「風の谷のナウシカ」のクシャナ、「もののけ姫」のエボシを思い出すが、第三者的な登場人物だけではなく強く印象に残る。これらを見ると、多大なる影響をどれだけ宮崎監督が受けたか分かると思うが、そういう意味では貢献度は圧倒的に強く、また作品のレーゾンデートルをより高く評価したい。本作品が無ければ、どれだけの日本アニメ作品が存在しなかったか…。自分もおそらくは絵の分野を志さなかっただろうし、そう思うとこの作品をとても否定は出来ません。ちなみに、アニメ史に残る金字塔を打ち立てた本作品は、実は旧ソビエトの作品だったりする。あのソ連が、こんなにも素晴らしいアニメを創ったのか!!…と言う驚きは幼き頃に知り、かなり衝撃的で有り尚且つ感動的でもありました。この作品を知らずして、他のアニメを語る事勿れ。 【_】さん 10点(2003-07-12 01:25:23)(良:2票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS