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評価順12
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1.  エンジェル ウォーズ 《ネタバレ》 嫌いなテイストではなかったが、「300」「ウォッチメン」の方が好きなので、評価としてはこの程度となる。 鑑賞する前は、5人の美少女が協力してキーアイテムを強奪しながら脱獄するようなストーリーが描かれるのではないかと思っていた。 実際の脱獄を描いても面白くはないので、空想的に見立てられていると思ったが、現実の世界と空想の世界があまりリンクされていなかったのが意外。 もちろんそれなりにリンクはされているのだが、結局彼女はいったい何と戦っていたのだろうという感想も出てくる。 仲間を助けることが出来れば、彼女にとってはそのようなことはどうでもいいことなのだが。 世界観については、ザック・スナイダー監督らしさが炸裂しており、彼のファンならばより楽しむことはできるだろう。 むしろ過去の原作が存在するような作品よりも、伸び伸びと自分らしさを発揮できていたような気がする。 そのため、一般向きというわけではなくなり、好き嫌いが分かれそうだ。 個人的に嫌いな作品ではないが、キャスティングがそれほど好みではなかったことが難点。 5人の美少女という設定かどうかは分からないが、肝心の5人が自分の好みとはやや異なるので、ハマるような感じではなかった。 微妙にアダルト過ぎたかもしれない。 また、5つ目のキーアイテムの謎が本作の“キー”となってもいいとは思うが、その“キー”を盛り立てるようにはなっていない気がする。 姉を助けようとするロケットの行動、仲間を救おうとする余りに取ったブロンディの行動を鑑みると、自ずと答えが導かれるようにはなっているが、“5つ目のキーは何か”ということをもっとアピールしてもよい。 ラストの頃にはすっかりと忘れかけていた(そういう演出だろうが)。 ストーリーを追う必要はないが、カメラワークを追う必要はある映画。 意外と凝った動きをしており、カメラの動きを追うのは楽しいが、しょせんCGなので深い関心はしにくい。 こういう映画こそ3Dの方がよかったような気がする。 3Dならば本作の印象ももっと変わったかもしれない。 冒頭にセリフなしでガンガン進めるような展開はユニークなので、空想世界だけではなくて、ミュージカル要素なども取り込みながら、全体的にもうちょっと自由自在に遊びまわってもよかったかもしれない。 パターン化されてしまっている。[映画館(字幕)] 6点(2011-04-23 11:54:42)《改行有》

2.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 心に響く作品となっている。派手さがある作品ではないが、“重み”のある作品に仕上がっている。ストーリーは展開に大きな動きのあるものでもなければ、単純に感動を煽るようなものではなくて、シンプルに構成されているので、アカデミー賞を受賞した傑作の感動作という印象とはやや異なるものの、最後のスピーチに全ての想いが結実されており、評価通りの良作といえるだろう。国民を守る王として、一緒に戦ってくれた友の期待を応える者として、自分を影から支えてくれた妻をもつ夫として、幼いながらも父を理解してくれる2人の娘を持つ父として、あのスピーチにはを感じられた。様々な想いの中で、様々なプレッシャーの中で、紡ぎ出される一つ一つの言葉には心を動かされざるを得ない。 また、王室としてのプレッシャーや、難局を迎えた王の地位としての“重み”もあった。兄の退位による戴冠、戦争を迎えるという状況がマジメな彼をさらに追い込んだように思えるが、マジメさとユーモアさを兼ね備える彼だからこそ、この難局をも乗り越えたように思える。ジョージ6世が最後までローグをライオネルと呼ばなかったように思えたが、果たしてどうだったのだろうか。もしそうならば、ジョージ6世らしさがよく出ていると思う。王という地位の重さを知るジョージ6世だからこそ、対等な立場で付き合いたくてもそれを許せなかったのだろう。王の代わりに王妃がライオネルと呼ぶ展開も、王の気持ちを痛いほど分かる妻の気持ちが込められているように感じた。それだけ威厳が必要な王だからこそ、逆にライオネルは王と対等の立場で向き合わなくてはいけなかったのだろう。対等の立場に立たないと、悩みを抱える者の真の心の声は聞こえないのかもしれない。彼は、戦場で傷ついた兵士にも、小さな子どもにも、対等な立場で向き合ったのだろうと思われる。王としての立場を守らなくてはならないジョージ6世と、対等の立場で問題を解決しなくてはならないライオネルとのベクトルの違いというものも本作をより深く、より面白くさせている。最後にライオネルがバーティではなくて、陛下と呼ぶことで、さらに深みが増している。 とてつもないプレッシャーの中で吃音症を乗り越えたのだから、現代に生きる我々が抱えるプレッシャーというものも、周囲の助けがあれば、乗り越えられないわけがないということももちろん描かれているように感じられる。[映画館(字幕)] 8点(2011-03-01 23:11:46)《改行有》

3.  エクスペリメント(2010) 《ネタバレ》 「es」は見たことはあるが、面白かった以外あまり記憶には残っておらず、この実験に対して思い入れはない。本作にもそれほど興味はなかったが、『人間の本質』のような“狂気”がみられるかもという期待があり、鑑賞することととした。もちろんアカデミー俳優の共演ということも大きい。 確かに衝撃的な内容は描かれているものの、全体的には物足りない仕上りとなっている。表層的な部分(暴力的・肉体的)で満足してしまい、深層的な部分(心理面・精神面)に対する圧迫というものがそれほど感じられない。過剰な騒ぎが巻き起こされているため、リアリティもなくなっており、ハリウッド映画らしい大げさなものとなっている。正常な人間が狂っていく様、理性が崩壊していく様、正常な人間が虐げられて屈服していく様など、本作でも描かれているが、これでは十分とは言い難い。 どこか単純化されすぎており、人間らしい複雑さが足りないのではないか。 本作は正常の人間ではなくて、もともと異常があった者の集まりになっている。 また、多くの囚人、多くの看守役がいたにも関わらず、目立った者はそれほど多くない点も面白くない。もっと個性的なキャラクターがいないと盛り上がるものも盛り上がらない。ウィテカーは狂った人間を熱演していたが、まだまだ物足りない。ブロディも頑張っていたが、この仕上りでは“ヤラレ損”ではないか。 ハリウッド映画はやはりヌルいのかもしれない。 ラストの展開も全てを物語っている。 殺し合いをやっていたはずなのに、シャッターが開いたら、全てお仕舞い。スーツなどに着替えて、金を貰って皆で同じバスに乗って普通にご帰還というわけにはいかないのではないか。人が死んでいるということを分かっているのだろうか。 予定通りにインドに行って、恋人と抱き合ってエンディングなど、ヌルいと言わざるを得ない。もし精神的に追い詰められたら、インドに行く余裕もなければ、恋人と向き合う余裕もなくなるだろう。 一番怖いのは、看守側でも囚人側でもなくて、この実験を止めようとしなかった主催者側ということだろうか。『暴力行為があったら即終了』というルールを無視して、人間が狂っていく様を楽しんでいたとも取れるようにはなっている。 監視カメラを多用して、その辺りをアピールしているようにも思えるが、主催者側の心理面に対して、観客が深く感じ取れないのはもったいないところだ。[映画館(字幕)] 4点(2010-12-12 23:16:16)《改行有》

4.  エクスペンダブルズ 《ネタバレ》 スタローンに関しては“不屈”のスターというような好意的なイメージをもっているが、それほど深い思い入れはないというところ。「ランボー」の最新作に関しては純粋に面白い作品と感じたが、本作に関してはあまりハマれなかった。描かれていることについては、それほど多くの差異はないとは思うのだが、何が違うのだろうか。 本作は“過去のスター”を揃えることが目的のようになってしまったためか、全体的なバランス感覚を失しているような気がする。年齢を感じさせない彼らが活躍する姿や、スタローン、ウィリス、シュワが同じフレームに収まるのを見られたことは嬉しいが、集めただけで活かしきれていないのはもったいない。また、他の出演者を優先させるためか、それとも均等に活躍の場を与えるためか、スタローン自体も一歩退いているので、輝いている演者がイマイチ見当たらない(輝くような撮り方ができていないということもある)。この辺りが「ランボー」シリーズとは異なるところだろうか。スタローンが先頭切って、もっと派手に暴れて欲しかった。リアリティなど誰も気にしないのだから、誰も手を付けられない“超人集団”でもよかったと思う。序盤の船舶のシーンや、中盤の飛行機による乱射などのムチャなシーンも見られたが、肝心の終盤がイマイチでは盛り上がらない。終盤がイマイチというよりも、単調な作りなので飽きるといった方がよいかもしれない。 基本的に、チームがバラバラな点に関しても、面白ければそれでもよいが、「特攻野郎Aチーム」のような絶妙なまとまりも無ければ、「ナイト&デイ」のようなスター×スターという構図ではなくて、ただの足し算的な描き方(足せてもいないか)では面白くない。 テーマ的には、敵を殺すことはできても、女を救うことができなくては“男”とはいえないということだろうか。 ミッキー・ロークの訳の分からない涙ながらのエピソードや、ステイサムの女を巡るエピソードを含めると、だいたいそのようなイメージを持つ。 ただ、逃げられるのにみすみす捕まった相手では同情しようもなく、「男の美学」「男の哲学」のような心に訴えるものではなかった。 スタローンの脚本であり、全体的にツメがやや甘すぎたか。ツメが甘いというよりも、振り返るとストーリーがよく分からない。本作についてはストーリーはどうでもよいのだが、釈然としない流れでは肝心のアクションにも乗れない。[映画館(字幕)] 5点(2010-10-18 23:31:47)(良:1票) 《改行有》

5.  エアベンダー 《ネタバレ》 3Dを見ると体調が悪くなることがあるので、2D版を鑑賞。 極めてオーソドックスなファンタジーアクションとなっており、極端に面白いわけでもなければ、極端につまらないわけでもないという印象。 全体的に感動も驚きもなく、淡々とストーリーの流れを追うだけの作業となった。 三振かホームランかという作品ではなく、ファアボールでも何でもいいから、出塁するための作品といえる。面白くも何ともない作品ではあるが、続編込みの作品なので、初っ端からつまずくわけにはいかないという狙いがあるのだろう。「ライラの冒険」のように一作目がコケたら、シリーズ全体が飛ぶ怖れもあるので、安全策を取らざるを得なかったのではないか。 鑑賞中は、かなり中途半端な終わり方をするという恐れを感じていたので、ある程度の形まで進んでくれたことにはホッとした。 本作の問題点としては、主人公のアンを筆頭に各キャラクターに魅力が足りない点だろうか。子どもに高い演技力を求めるのは酷かもしれないが、頭の↓が光る以外は喜怒哀楽が感じられない。ましてやカッコ良さというものをまるで感じられない。カッコ良さを求めるのは難しいが、子どもらしい強さと弱さ・脆さの同居のようなキャラクターに仕上げて欲しいところ。一度は逃げ出したのだから弱くてもよい、そこからいかに強くなるかが見たいのだ。本作のみでは主人公の成長ストーリーとしては何一つ描けていない。あまり主人公の内面に対する描写を増やすと飽きられて、ファミリー層に対する受けが悪くなりそうなので、仕方がないところはあるが、精霊やドラゴンのお告げのようなものだけで簡単に解決されても困る。 全体的に細かい設定がよく分からないところはあったが、王女の髪の色がなぜ白色なのかの説明同様に、そのようなことを知ったところで意味はないだろう。各キャラクターの行動理由や、彼らはいったい何のために戦っているのかもよく分からないところはあったが、王女と仲間の兄貴が突然恋に落ちるのと同様に、そのようなことに大して意味はないだろう。 シャマランは内容的にマジメに取り組むことを避けて、良い意味でかなり手を抜いて作ったことが本作のテイストにはある程度マッチしたように感じられる。「おとぎ話なのだから、目くじらを立てて批評する必要はないでしょう」という声が聞こえてくるような軽めの仕上りになってもこのストーリーでは仕方がないだろう。[映画館(字幕)] 5点(2010-07-26 21:05:11)《改行有》

6.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 テレビ版のストーリーは一応知っている程度のそれほどシリーズに興味がない立場からレビューしたい。 テレビ版から上手く再構成・再構築が図られている。「テレビ版と全く同じものを作るのならば、わざわざ劇場版を作る必要はない」という製作者の強い想いが感じられる。テレビ版の各キャラクターは周囲と意思疎通が図れず、それぞれの“孤独”が前面に押し出されているだけの悩める中学生に過ぎなかったが、劇場版はシンジ、綾波、アスカともに“大人”になっている。テレビ版では人形のような存在だった綾波は恋愛感情(ぽかぽかした気持ち)を持ち、碇親子の関係修復にチカラを貸そうとしている姿は、大きすぎる変化だ。テレビ版では自分のことしか考えずに暴走していたアスカが、そうした綾波の気持ちを知り、三号機のテストに乗ると言ったのも大きな変化だ。シンジが三号機のテストパイロットがアスカだと知っていることもテレビ版とは異なり、大きな意味をもった。「攻撃できない」というシンジの意思がより加わり、ヱヴァから降りるという決意についても、大きな意味をもった。また、アスカを攻撃できないということだけではなく、使徒に取り込まれた綾波を助けたいという強い意思をシンジから感じられるところも大きな変化だ。ひたすら謝って現状を維持することを望むシンジにも大きな変化が感じられる。テレビ版を見ていた視聴者も十数年が経ち、悩むだけの“子ども”ではなくて、強い意思をもった“大人”に変わらなくてはいけないとでも庵野総監督は伝えたいのだろうか。 脚本的には、上手くまとめあげられていると思うが、映像上においてはややまとまりを欠いているところもある(新宿MILANOの音声状態が悪すぎたという問題もあるが)。 シリーズのファンは自己補正できるかもしれないが、あまりシリーズを深く楽しんでいない者にとっては、詰め込まれすぎているためか、それぞれのエピソードがぶつぎられていると感じられるところもある。“序”の方が、まとまり感はまだ良かった。 多少期待していた新キャラクターの真希波については、今回においてはそれほど重要なキャラクターではなかったか。コアの変換もなしに二号機を操縦できたり、ビーストモードを起動できるというのは謎だが、戦線を離脱したアスカと、テレビ版におけるスイカ畑での加持の代わりをさせたに過ぎない。坂本真綾を起用したかっただけのような気もする。[映画館(邦画)] 7点(2009-07-04 16:32:46)《改行有》

7.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 正直に言うと「エヴァンゲリオン」は今までまったく興味が無かった。過去に一話たりとも見たことはない。しかし、ここまで盛り上がりをみせられるとどれほど凄いのかをこの機会に触れておくのが、ベターではないかという思いを強くした。とはいえ、いきなり見たとしても時間と金の無駄になるのが目に見えていたので、一通りDVDで旧作をさっと見ることとした。 今回の劇場版はネームバリューで客を釣る単なる金儲けという企画ではない。決して旧作の焼直しではない、まさに新たに生まれ変わったオリジナルストーリーに近い仕上がりをみせている。製作者のプライドや信念が感じられる渾身の作品だ。「今さらなぜヱヴァなのか?」という問い掛けに十分応えるものだ。この新作により、シリーズ全体の更なる底上げに繋がるものとなるのではないか。 全体的に編集が非常に上手く、過不足を感じない内容となっている。 前作と同様の内容でもあるが、旧作の数倍のブラッシュアップが感じられる。 「ヤシマ作戦」が成功するのは、誰しもが知っていることだが、それにも関わらず、ぞくぞくするような緊張感、迫真の盛り上げ方は評価できる。 恐らくストーリーは我々が知っているものとはかけ離れていくのではないか。それとともに、各キャラクターも知っているものではなくなっていくような気がする。今回の作品でも、各キャラクターには微妙に変化を感じられる。シンジは確かに弱くて情けない姿を露呈しているが、今回の彼にはどことなく“強さ”を感じる。「ヤシマ作戦」から逃げなかったのは、彼の成長だろう。彼の成長を描くために、前作とは異なり、簡単に終わらせるのではなく、「ヤシマ作戦」をスケールアップした壮絶なものとして描いている。父親ゲンドウの更迭発言を乗り越える逞しさを感じられる。 ミサトもシンジを強く信じる気持ちが随所に現れている。序盤において、リリスをシンジに見せて、シンジ一人ではなく、誰もが共に戦っているという想いをシンジに伝えている。トウジとケンスケのボイスメッセージも、その視点の表れである。 綾波レイも非常に重点を置いて描かれていると思う。新シリーズの彼女はどこか違う。 人形ではない、彼女の意思がどこかに感じられる。「次は、もう少し(シンジを)レイに接近させる」というゲンドウの会話からも、シンジとレイの関係が大きなテーマにもなりそうだ。[映画館(邦画)] 7点(2009-07-04 16:25:03)《改行有》

8.  X-ファイル:真実を求めて 《ネタバレ》 「こんな映画作って誰が得するんだ」と1%の期待もしていなかったが、テレビシリーズを比較的見ていたので、最後の締めくくりとして、やむを得なく鑑賞することとした。 まったく期待していなかったためか、予想外の展開・いい意味での裏切りが個人的にヒットした。 本作には、政府の特殊機関も特殊な極秘プロジェクトも、宇宙人も、UFOも登場しない。派手さが微塵もない、捜査官が巻き添えを食らっただけの誘拐事件に過ぎない。 予算の制約もあったと思われるが、このような小さな事件を取り扱った点が意外な潔さを感じる。大国を脅かすテロリスト事件、地球規模の災害、宇宙人とのバトルといったものが最近の映画の流れではあるが、この流れに乗らず、むしろ逆行したことに本作の意義があったのではないか。時代はかなり進んだが、時代に合わせるのではなくて、製作者は原点に回帰しようとしたと思われる。 モルダーとスカリーの関係が実に上手く描かれている。 久々の事件にのめり込むモルダーと、以前のように事件にのめり込まず、自分の新たな使命を見つけたスカリーとの対比が実に素晴らしい。心と体では二人は結ばれていても、もはや昔のような二人には戻ることができない。彼らの関係をみていると、“時の流れ”や“時の無常”を感じられる。“時間”というものが何かを変えてしまったようだ。 しかし、変わってないものもある。それが“超常現象の神秘性”のようなものか。 超常現象を信じないスカリーの胸に引っかかる“言葉”、引っかかる“何か”を見せることで、それが我々の心の中にも何かが引っかかるのではないか。 もはや、誰もオカルトチックな超常現象なんて信じていないだろう。 だから、100%胡散臭い・リアリティゼロのストーリーで構成するのではなくて、比較的現実的なストーリーの中に少しの超常現象で構成したという点が意外な上手さを感じられる。また、荒唐無稽な超常現象というよりも、誰にでも共感できる「あきらめないこと」、「人間の業」の深さや「神の赦し」という普遍的なテーマに落とした点はそれほど悪い落としどころではないと思う。 興行収入的に失敗しており、このシリーズは恐らく完結ということになると思われる。興行収入に失敗し、往年の作品を期待していた我々を裏切る形となったが、製作者の想いや彼らが辿り着いたアンサーが伝わってくる作品となり、いい形で幕を閉じたような気がする。[映画館(字幕)] 7点(2008-11-17 01:06:12)(良:1票) 《改行有》

9.  AVP2 エイリアンズVS. プレデター 《ネタバレ》 映像のセンスもなく、バトルの迫力もなく、ストーリーとしての面白みもない。あるのはさらなる続編を作ろうとする商売根性だけだ。子どもや妊婦をもターゲットにするグロさはあるが、それもやや中途半端にしか感じられない。やるのならばもっと徹底的にやればよかった。 視覚的に見にくいのも問題だ。雨が降っている深夜の街はかなりレベルの高い設定である。高い技術と想像力が必要であるが、キャラクターがどちらも真っ黒なので、黒い物体同士がうごめいているようにしか見えない。 また、人間のどのキャラクターも魅力に欠けるのも難点だ。 女性がメインキャラクターであることが、エイリアンシリーズ特有の設定であるが、その良さがまったく活きていない。今回は子持ちという設定だったが、果たしてその設定が活きていただろうか。エイリアンによって娘を巣に連れ去られ、その娘を助けるために母親を奮闘させないのならば、子持ちの設定である必要はない。活躍を何もしていないので、彼女の苦しみも葛藤も当然描かれていない。リプリーのような強力なキャラクターを新たに生み出そうという気はさらさらないようだ。 人間のキャラクターが中途半端なのはある意味仕方ないと諦めるしかないかもしれない。今回の主役はプレデターのはずなのだから・・・。 しかし、そのプレデターも思いっきり中途半端である。 “超一流のエイリアンハンター”という設定なのだから、もっとカッコよく描いてもよかったのではないか。 1人で乗り込んできたわりには、プロフェッショナルらしさを感じられなかった。一番記憶に残っているが、青い液体で後始末することでは哀しくないか。肝心の主役のプレデターがあまりにも弱すぎるのは問題だ。 一方、エイリアンの描き方にも芸がない。 人間を殺すシーンを直接的に描かないところが多く、手を抜いているようなしか思えない。また、エイリアンシリーズを詳しく理解しているわけではないが、クィーンだけが卵を産めたはずではなかったか。 「プレデリアン」が卵を産むのはやや違和感を覚えた。エイリアンが無制限に増殖するよりもエイリアンの数を絞ったほうがよかったのではないか。 ストーリー的にも、観客的にも、製作者的にも分かりやすく作れたと思う。[映画館(字幕)] 3点(2008-01-02 01:42:30)《改行有》

10.  X-MEN:ファイナル ディシジョン 《ネタバレ》 ブライアンシンガー版が好きな人ならば、本作はあまり好意的には受け入られないと思う。本作はシンガーがネチネチと作り上げてきた世界観をぶっ壊すほどの大胆な展開・世界観をみせている。まるで「ターミネーター3」のような作品。 自分は、シンガー作品のスケールの小ささや、根底にある暗さ、生真面目さにあまり馴染めなかったので、本作の思い切りのよい「潔さ」やふんだんに金を掛けた「派手さ」には十分満足できた。本作のようなメチャクチャなストーリーも意外とハリウッド大作としては珍しいだろう。「斬新さ」という点で評価したい。 「差別」や「共存」や「選択」とか、そういう哲学的なことを考えたい人には向いていないだろう。 分かりやすい「友情」や「愛」を中心に持ってきているので、万人向けの娯楽大作に仕上がっている。チャールズ(プロフェッサーX)とエリック(マグニートー)の複雑な友情も見所の一つだ。画像的な見所は満載すぎるほどで、「ウルヴァリンVSジャガーノート」や「アイスマンVSパイロ」といった、「この対決は観たかった」という宿命の対決がみられるのも心が躍る。 【鑑賞時のご注意】エンドクレジット後にも、とても大切なストーリーが続くので、絶対に最後まで席を立たないように。試写会では、驚嘆や疑問の声が織り交ざった声があちこちから発せられていた。色々な意味があるとは思うけど、やや「蛇足」かもしれない。 【ちょっとネタバレ】ある意味で、本作で強烈なインパクトを示したのは、スコット(サイクロップス)ではないだろうか。Ⅰから観ている者には彼には楽しい思い出が残っているはずだ。Ⅰでは「クソ」呼ばわり。Ⅱでは「チームのお荷物(いわゆるゴミ)」。そしてⅢでは…。この壮大で壮絶な罰ゲーム、彼の身体を張ったギャグに我々は戸惑うばかりだ。 いったい彼が何をしたというのか?いったい誰の逆鱗に触れれば、ヒーローのチームリーダーがこれほどまで不当な扱いを受けることになるのか?世の中の不条理を一身に背負わされてしまった気がする。しかし、我々は決してスコットのことを忘れることはないだろう。「彼が身体を張って我々に伝えたかったことはなんだったろうか?」ということを鑑賞後からずっと考えている。最近ではこう考えるようにしている。彼は遠い宇宙に行ってしまったのではないか。彼は「冥王星」という星になってしまったのではないかと。[試写会(字幕)] 9点(2006-08-25 23:01:42)《改行有》

11.  エリザベスタウン 《ネタバレ》 どん底に落ちた人生からの再生というのはなかなかよいテーマだったが、映画自体は監督が個人的な趣味で創っているような感じだった。やや観客を置き去りしているように思えるので、日米でコケたのはやむを得ないかもしれない。 また、終始滑り気味な笑い(60Bを行き過ぎて一人怒り狂うドリュー、サムソン等)と、センスはよいのだろうが映像よりも主張し、目立ってしまっている音楽(ムーンリバーやクルマでの旅行の際の音楽はよい)も多少難点だ。 また、人生の再生という主題に対してやや焦点がぼやけてしまっている感が否めない。確かに人生の再生を一つの事柄で表すのは難しいのは分かるが。 父の死を乗り越えようと料理やタップダンス等に精を出しつつ、悲しみに浸るよりもユーモアを忘れない母のスーザンサランドンや、昔の恋人?を忘れられなく、ドリューと同様にどん底にいながら健気に頑張るクレアなどがドリューに与えた影響が多少分かりづらいような気がする。 また、父の遺灰と共に(本当は生きている父と行きたかった)旅行にでて、心が癒されていく様もちょっと端折り過ぎではないか。本当の意味で一人になって自分を見つめ直す旅行であるはずなのだから。前半と中盤にやや無意味に時間を要されたのも痛い。 肝心のクレアとの関係の描き方も「恋人までの距離」のジェシーとセリーヌを見ているようで中々良かったとは思うが、一番中途半端な感じになったような気もする。もっと描くか、もっと描かないかのどちらかではないか。二人のやり取りは電話だけにして、最後に再会するという流れでもよい。 しかし、近くに居た人は泣いていたような感じだったし、終了後に一人か二人ぐらいが拍手していたのでよいと感じる人もいるようだ。[映画館(字幕)] 4点(2005-11-21 01:15:42)《改行有》

12.  ELEVATED(エレヴェイテッド) cubeといい、本作といい、人が狭いところに入ったら、殺し合いしか始まらないのだろうか。 しかしラストには自分もやられた。自分も完全に狂言だと思っていたら、マジだったというのは、ある意味面白い。ショートムービーであるためこのオチもまあ納得というところ。 殺人鬼とか、テロリストとかを持ち出すのなら他人も少しは信じてしまうかもしれないけど、エイリアンという荒唐無稽なことを持ち出すことによって、どう信じればよいのか分からないという不信感がこの悲劇を招くことになったのだろう。 ただハンクを偶然に刺してしまうというのはちょっと不満もある。あそこは論理的な筋道を立てて、エレンがハンクを刺すという流れにすべきだったと思うが、時間の短さもあり、やむを得ないところか。全体像が見えず、緊張感もあり、時間が短く、引き締まっているため、映画にはに引き込まれてしまった分、多少点数は高め。[DVD(字幕)] 7点(2005-09-18 03:42:03)《改行有》

13.  エドtv アイディアは面白いし、最初のうちは映画にのめり込めた。しかし、ラストに行くに従い、だんだん尻すぼみになっていく。結論を言えば、この映画は起承転結のうちの「転」と「結」がイマイチだと思う。 掘り下げれば色々と深い部分が描けるはずなのに、表面の浅い部分で終始してしまったのが名作になり得ない点だろう。レビュワーの点数が6、7点に集中し、9・10点を付ける人はおらず。一方で0~2点を付ける人もいないというのが、この映画を最も端的に表していると思う。 一言で言えば、「面白いんだけど、イマイチな映画」の代表作かもしれない。 描くべきポイントとすれば、まずは当初のアイディアである「脚本なし、俳優なし、編集なし」というコンセプトが、思いもよらない視聴率の増加によって、だんだん歪められていくという視点が必要ではないか。 「真実」を写すはずが、いつのまにか「嘘」を写すことになっているという視聴率主義の恐怖や、マスメディアの姿勢・限界などのポイントをクローズアップすれば映画が面白くなると思う。そのためにも、あの女性プロデュサーはかなり重要な役柄なはずであり、あの扱い方には問題がある。 そして、プライバシーや尊厳の問題。 どこにでも何にでも相手の気持ちを考えることなく、カメラに写そうとする今のメディアを徹底的に糾弾して欲しかったところである。 人の恋愛を追うくらいならまだしも、恋愛や結婚の破綻など当事者なら誰しも放っておいて欲しいものであり、また親しい人を亡くしたときにでもメディアは首を出し、平気で人の心を踏みにじろうとする。さらに、誰しも人に知られたくない秘密は抱えているものだろう。そういう人々のプライバシーに土足で上がり込む現代のメディアに対して痛烈な批判を込めることが必要ではなかろうか。 さらに、エドが人気者になるに従い、だんだんと有頂天になっていき、他人からチヤホヤされるに伴い、人の気持ちや痛みを分かろうとする心を無くしていき、他人(友人、恋人、家族)との距離がどんどん離れていくという視点もあった方が良かったのではないかと思う。 このままでもそこそこは面白いけど、題材が良いだけに非常に勿体無い映画というのが個人的な感想。[DVD(字幕)] 7点(2005-08-13 23:59:08)《改行有》

14.  エターナル・サンシャイン 《ネタバレ》 正直いってこの映画のレビューを書くのは止めようかどうか悩んだけど、やはり自分のポリシーから素直に感じたことを書こうと思う。 この映画を知ったのはアメリカで公開していた1年ほど前、自分も「頼むから俺の頭の中から出ていってくれ」と思い悩んだときがあったので、このテーマにはもの凄く惹かれ、日本公開を今か今かと心待ちにしていた。 アメリカでは恐ろしいほど評価も高く、アカデミー脚本賞受賞、大好きなチャーリーカウフマン脚本。どんなに感動できるか楽しみにしていた…しかし、この映画を観て自分の心が動かされることはほとんどなかった。以下、その理由を書きたい。 ①「ケイトが記憶を消した理由があまりにも捻りがない。」 「私は衝動的な行動をする女だから」というのはあまりにも酷すぎはしないか。 「不幸な生活から抜け出すため」のようなことを医者が言っていたので、ジムキャリーと何かボタンの掛け違いのようなことがあったのではないかと最初に考えていた。 一回失敗したから次は大丈夫だとは思うが、これでは次も大丈夫なのかと不安に思う。 ②「ジムキャリーが記憶を無くしたくないという必死な思いが伝わらない。」 キャラクターが地味で感情を表にしない役がらだったので、それに合わせたのかもしれないが、もっともっと必死になって欲しかった。 彼女と過ごした想い出を辿るとともに、彼女と過ごした楽しい時を思い出して、この記憶を絶対忘れてはいかないことに気付くという必死さがないと感じる。少し淡々としすぎている。 関係のない記憶にケイトを連れて行くのは話としては面白いが、脇道は脇道でしかない。 本道をきっちりと押さえるべきではなかったか。 ③「ラストに捻りがない。」 ケイトが記憶を消した理由に捻りがないため、この映画のラストでも充分納得はできるが、もしケイトにジムの記憶を無くすだけの納得のいく理由を設定するとすれば、ジムは自力で記憶を取り戻すものの、ケイトの記憶を消した理由を知り、あえて別れる選択(曖昧な別れをせずに、きちんとちゃんとした別れを告げる)をするというのもアリなのではないかという気がする。 ④前に進むためには「記憶を消す」ことが正しい道ではない。楽しかった想い出、辛い想い出、苦しい想い出などを糧に、また新たな想い出を創るために歩みを止めないことこそが大事なのではないかということを感じたかった。5点(2005-03-22 01:03:20)(良:1票) 《改行有》

15.  エニイ・ギブン・サンデー アメフトのことはよく分からないが、一歩一歩距離を詰めていくゲームと思われる。 そういう一歩一歩の大切さをアメフトを通しながら人生の歩みについて語る仕組みは良いと思う。 「アメフトも人生も犯す過ちは気付かないほど些細なものかもしれないが、半歩遅くても早くても失敗する。何かを失ってその大切さを始めて気付くのには遅すぎる。大事な一歩は人生の至るところにある。」というのは名言だろう。 映画の中でもその一歩の大切さをそれぞれの登場人物が学んでいたと思う。 ウィリーはいうまでもないが、トニーしかりクリスティーナしかり。 そしてチームワークや自己犠牲についても描いていたと思われるが、肝心のクォーターバックの役割が映画によってゲームの主導権を握る重要なポストだとは分かるが、詳しくは何も知らないので多少つらい所。 しかし、ウィリーの自己中心的なプレイによってチームがバラバラになる姿や、トニーの演説やキャップによって一つにチームがまとまる姿や、映画の中でも散々チームリーダーの必要性やチームワークの重要性が語られてたので、同じものを目指して戦うことの素晴らしさは充分伝わってきた。 パチーノが語っていた「思い出すのはハドルの皆の顔」というセリフも重要だろう。 難をいえば、キャップがもうちっとこの点を伝えるのに適切な役割を果たしてもらいたかったものだ。 キャップは引退したいとか言い出して嫁にビンタを食らったり、自信を喪失していたりして少し役割が違うような気がした。 もっとも選手が抱えるプレッシャーや悩み、恐怖等についても描く必要はあるが、他の選手でこの点は充分描かれているのだから。 映画自体は面白いと思うが、結構様々なものを詰め込みすぎている部分が多いと感じる。 トニーが記者への暴行などはストーン得意のマスコミ批判かもしれないが、あまりストーリーとは関係ないし、エッカートは映画の中ではニックという名前があるのに本レビューの名前欄に名前がないほど存在が必要ないので彼は要らない。 クリスティーナについては、彼女の家族についての取り扱いや自分を取り戻すことについてもやや中途半端な印象。こちらはもっと大きく取り上げても良かったと思われる。 医者間のトラブルなども悪くないテーマなので多少雑な扱いという印象だった。7点(2005-01-15 20:51:31)(良:1票) 《改行有》

16.  エリン・ブロコビッチ 一人の母として、そして一人の社会人として特別な人間になりたいと願う主人公を中心に描いている。 母親としては子ども達をほったらかしにして最低と思う人がいるかもしれない。 しかし、クロムの被害を受け苦しんでいるのは本人とその子ども達であった。 子どもをすぐにプールから引き上げる母親、そして子どもを学校に行かせたいけど病気が重すぎて行かせる事ができないと悩む母親の姿に直面したことで一人の母親としてエリンの怒りを感じる。 自分の子どもだけでなく全ての子ども達が安心して暮らせることを願う母親としての感情が彼女を突き動かしたのではないか。 だから母親としても全然ダメだとは思わない。 そしてたとえ服装を注意されても、自分自身や自分の信念を貫く姿勢も熱い。 ジュリアの演技うんぬんよりもエリンの女の生き方に皆、引き込まれたようにも見えるが、なかなかはまっていたジュリアの演技も一応評価しましょう。 そしてなんと言ってもエッカートとの関係も良かった。 エッカートの子ども達への愛や、バイクへの想い、そしてエリンを支えたいと願う感情に揺れながら悩みながら支え続け。その感謝の気持ちを忘れないエリン。 赤ちゃんが最初に話したことをエリンに伝えた二人のやり取りはじんわりと来る。 さらにエリンを支えたのは、エッカートだけではなくマスリーの存在も大きい。 エリンの情熱に負けたマスリーだが彼は父親のように支え続けたと思う。 そしてエリンを一人の有能な社会人として認めたクルマやボーナスの件はやっぱり良いね。 その他にもアメリカの訴訟の勉強にもなり、なかなか興味が持てる部分も多い。7点(2005-01-03 03:01:33)(良:1票) 《改行有》

17.  エレファント・マン ジョンメリックは人の心を写す「鏡」のような存在だと感じた。 バイツや夜警の人等は自分の欲と自分の弱さ、心の醜さを写し、ケンドール夫人は心の美しさ、演劇の美しさ、素晴らしさを写し、トリーブスの妻は戸惑いながらも心の優しさを写した。 トリーブス本人も最初は医学的見地から興味本位の部分や名声や欲があったのだろう。 確かにバイツと同じ穴のムジナだったのかもしれない。 しかし次第に触れ合うたびに二人の心の距離は近づいていった、そして同時に自分は偽善者なのか、メリックを利用しているだけなのかという、名声、人としての優しさ、友情の間に悩み苦しむ人間らしい葛藤する心を写した。 しかし、全て先生のおかげとメリックが語っていたように二人は間違いなく真の友だったと言えるだろう。 そしてメリックに真の幸せの一時を与えたのもトリーブスのおかけだった。 メリックは本当に純粋だった。 人に優しくされたかった、母に愛されたかった、人として扱って欲しかったという想いがことあるごとに強く伝わってきた。 トリーブス妻とのやり取りで涙した姿、ケンドール夫人と演じたロミオとジュリエット、劇場で皆に温かく迎えられ少し驚いた姿は忘れられない。 そしてなによりも「自分は動物でない、人間なんだ」という悲痛な叫びが胸を打った。 ラストはこの上ない幸せを感じ、人間として生き、人間として死んでいった姿はメリック自身の心の強さを自分の鏡に写したといえよう。8点(2004-12-25 02:07:57)《改行有》

18.  エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 「プレデター2」を観てたので、本作でプレデターのやりたい事や性格、性質、何故人間を殺さないか、何故ラストで武器渡したかとかが理解できるけど、観てない人にはちょっときついのかもしれないと感じた。 エイリアンシリーズが好きな人には、ビショップ関係以外は特に観るべきところはないかもしれない。 そもそも時代背景とか現代で良いんだろうか。 「3」で出てくるビショップはなんなんでしょう、あれはロボットか、クローンか? 本作には色々と言いたいことはある。 一応儀式をクリアしていない一人前ではないプレデターなのかもしれないけど、弱すぎやしないか、彼らは。 銃を持っていないとか言い訳でしかない。儀式以前に戦闘能力にレベルの差がありすぎるぞ。 確かにエイリアンの酸性の血液が最強なのかもしれないけど。 一応最強のハンターであるプレデターが瞬殺される姿にはちょっと愕然とした。 儀式なんで一人で戦わなくてはいけないのかもしれないが、3体のプレデターがいるのだから協同でエイリアンと戦ったらちょっと面白くなったかもしれないと思った。 死ぬとしてもやはりそれぞれ見せ場というのが必要なのであって、あんなにあっさり過ぎるのは良くない演出と言わざるを得ない。 そもそも他の2体のプレデターになんら特徴や性格、必要性を含め何も見出せなかったのは残念。 そして「人間」の扱いも問題だと思う。 少し「人間」の比重が重いように感じる。 観客が何を見たいのか、タイトルから観客が何を期待しているのか分かってないのではないか。 武装したあの女性の姿に対して館内からは失笑が溢れていたのはやはり問題だろう。 「人間」が戦う姿なんてどうでもいい、最後に美味しいところだけ持っていって、人間のずる賢さでも描いて欲しかったところだ。 「人間」を含めたいのなら結局「強さ」とは何なのかを考えさせるような創りでも良かっただろう。5点(2004-12-20 00:27:55)《改行有》

19.  エネミー・オブ・アメリカ 《ネタバレ》 監視社会に警鐘を鳴らすという社会的一面を持つとともに、スピーディーかつテンポの良いサスペンスとしても楽しめる映画に仕上がっている。 最大の欠点を言うと、ラストがなあ…。 共通のキーワードであるビデオという言葉を使って、マフィアと相打ちをさせるというのは別に悪くないし、最初のマフィアとのやり取りもこれで活きてくるわけであるが、スミスが一人無傷で終わるというのは少し拍子抜けをするし、怪我人とはいえハックマンをほったらかしにして皆で向かうというのもメチャクチャな展開と言わざるを得ない。 悪くない映画だけに、ここはもう一工夫して欲しかった、個人的にはラストにFBIを絡ませれば、更に良いラストになっただろう。 欠点を武器に使うということで偉い議員に逆に盗聴器をしかけたのも何か上手く活きてこなかったな。 しかし、監視社会を現実化し、衛星による追尾、盗聴、盗撮、社会番号や銀行口座から人々の言動を筒抜けにする世界を描ききったのは見事だった。 ストーリー自体、深みもないし、中身も冷静に見れば大したことないので、スコットの腕によるものが大きいのではないか。 また、人々を監視するものを更に誰かが監視する必要性があるということまでもラストに触れていたのも面白い投げかけであった。 更にそれを監視するものが必要と奥さんが言っていたのも印象的だった。 ハックマンが自分で自分の存在が家族にとって危険になると思い地下に潜ったということをスミスに語っていたが、スミスはそれでも家族と一緒にいたいと語っていた。 一応、家族という隠し味を少し盛りこんでいる点も見逃せない。6点(2004-12-12 00:24:21)(良:1票) 《改行有》

20.  エイリアン4 脚本、演出等出来自体はなかなか良く出来ていると感じられる。 エイリアンシリーズにジュネの世界観が投影されており、単体で見ればかなり誉められる出来だ。 そのためか、エイリアンシリーズというよりジュネ色の濃い映画になったことをどう感じるかどうかだろう。 本作で特徴なのがベイビーエイリアンだろう。 産みの母を殺す残虐性と甘えをもつ幼さという人間らしい二面性がよく特徴に出ている。 リプリーも自分の実の娘とニュートを死なせているだけに、自分の息子を殺すときの複雑な思いを感じる表情なども良い出来だ。 1ではアッシュには殺されそうになり、2ではビショップにやや打ち解けた感があったリプリーだったが、今回はロボットによって自分も世界も救われるという結末もなかなか面白い。 マザーと12匹のエイリアンに対し、乗員50数名と船員6名とリプリーとの組み合わせ。 脱出出来た船もあった気がしたが、生還は4名かな。今回はちょっと多かった。 船長や敬礼のおっさんを中盤であっさりと殺すのは、やはりこのシリーズの流れを汲んでいる気がした。8点(2004-12-05 23:41:30)《改行有》

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