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自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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1.  パフューム/ある人殺しの物語 こりゃオイラにゃ書きようがないよ(泣)! まいりました。 一応、原作持ってます。出版された時は大評判でしたからねー。途中でやめちゃった(まだ、なめし皮職人にもなってない時点でやめた)のが悔やまれます。家に帰ったら探して読もうっと![映画館(字幕)] 10点(2007-03-27 22:09:55)《改行有》

2.  ハッピー フィート 《ネタバレ》 これこそはネタバレできん作品。 魂を抜かれました。本当です。 でもま、完全に意味不明なネタバレは書いとくか。 社会生物学というジャンルがありまして、この中ではオイラはウィルソンは信奉するけど、リチャード・ドーキンスは嫌いです。そして科学的におかしい部分があったとしても、コンラート・ローレンツの生き方は凄いと思ってる。顕微鏡を生涯の恋人に決めたような、スティーブン・グールドもステキだ。 ああ、なんていう詩的なディスプレイ。詩的な歌。利己的な遺伝子が生き方を決めるんじゃないよ。誰かが発見した新しい生き方が社会に受け入れられる時、社会全体が変わるんだ。有機化学的にも、行動・文化の上でもね。 その意味では、新しい行動生物学の枠組みの中にありながら、既に葬り去られた今西説的な側面も持つ映画でした。これは生命の本質を描いた恐ろしく詩的なSF作品です。 大半の人は、そうは観ないだろうけど…。[映画館(吹替)] 10点(2007-03-26 19:18:02)《改行有》

3.  はなれ瞽女おりん ハレとケの混交するカオス。 そんな階級が存在するとは思いもしなかった社会の最下層以下の人間でありながら、同時に人のしがらみを突き抜けた仏。芸能人であり売女。あらゆる両側面を備えて、それがさらに「盲者が主人公の映像作品」という大きな矛盾に包まれている。だが観れば納得、その心は明快だ。 製作時期からして、おそらく名作『砂の器』路線を狙った映画なんだと思う。でも自分的にはアレを遥かに超えている。扱っているイメージが広すぎるのだ。おりんの姿には小野小町の末路まで重なってしまうし、門前で三味線を弾く瞽女姿はロックスターまで(というか「ロックンロール」という言葉そのもの)が重なる。そして折々に挿入される、一見「あれ? 何でここで?」的な北陸の風景。ゼンマイ、蓮の花、木々…彼女にはそう見えているのだ。なので、線香くさくない、地に足のついた土俗的仏教ワールドも広がっていると言える。 重層的な世界観を、ただ一人の主人公を描く事で束ねてしまった、とてつもない傑作。オイラの生涯を縛る作品にまたひとつ出会えたのが嬉しい。[映画館(邦画)] 10点(2007-02-04 00:41:38)(良:1票) 《改行有》

4.  春の日のクマは好きですか? 何かを書くと即ネタバレになりそうなので何も書けません。 もちろんジャンルは韓流恋愛コメディなんですが、「犯人探し」の物語として観ると豪快な技巧派ミステリになってます。アラが見つけられない。 20代向け映画と思わずに、40歳以上の人、見てください。実際、館内は韓流ファンのリピーターらしき叔母様・叔父様で埋まりきっておりました。実は、ターゲット層は予想外に広いのです。[映画館(字幕)] 10点(2006-10-08 15:20:53)《改行有》

5.  ハドソン・ホーク 大金を投じた投げやり作品が大好きなオイラの、ベストシネマ2位。ただ単に投げやりなだけじゃなく、超強引なカットつなぎ(デート先への無理やりな到着シーンなんか、こんなん他の映画で観たことねーよ!)とか昼が夜になる無茶苦茶さ(これはDVD版の監督音声解説で自慢げに語ってますね)とか、判ってやってる点がいいのれす。絶対ありえないバチカン諜報機関とかCIA軍団とかもナイス。だけど世間的には堂々のラジー賞受賞作なのれすね…これからも我が道を行きますとも、ええ。10点(2004-03-13 22:45:34)

6.  ハワイ・マレー沖海戦 《ネタバレ》 牧歌調のオープニングは「思ったよりいいでわないの」と引き込まれたんだが。 予備兵の訓練シーンも主人公の頑張りにそれなりのリアリティが付されて、悪くない。 飛行隊に入って訓練を受けているところも、空 (詳細はブログにて)[ビデオ(邦画)] 9点(2008-02-13 23:35:14)(良:1票) 《改行有》

7.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 去年から待ちこがれていた超・期待ファンタジー。 予告や洩れ聞こえて来る情報からは、『ミツバチのささやき』の新解釈リメイクとしか考えられなかったんだけど、まぎれもなくそういう作品です。本作の凄い点は、 (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 9点(2007-10-14 21:40:36)(良:1票) 《改行有》

8.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 昔、これを観てから『未知への飛行』を観ちゃったんですが、笑いっぱなしでした。なんでこんなにシチュエーションが似てる~っ? なんだか、同じフィルム使って違うシナリオをアフレコ収録したみたいな錯覚に陥った記憶があります。だが、コッチの方が一段と深い描き方をしてそうなのは、全体構成がセックスを揶揄してるような気がするから。冒頭の空中給油は言わずもがな、それ以外にも…最初のゆっくりとしたカットバックが、次第に激しく、やがて猛烈に、最後は支離滅裂に飛びまくる点。最初は影すらも映らなかったストレンジラブ博士が、次第に重要度を帯びてきて、最後にはマフリー大統領&タージドソン将軍を差し置いてラストのセリフを奪い、立ち上がってしまう点。最初は悲壮な決意で臨むものの、「ウッ発射できねェ」「いや俺が何とかするッ!」と燃え上がっていく爆撃機内。そしてラストの爆発、キノコ雲の連続…。男の、射精に至るまでの内面をとことん分析的(分裂症的?)に描いた作品に見えます(「=それこそが戦争の原理」と言いたいんだろうな)。そういう風に観る事で、奇妙なタイトルの意味や、ピーター・セラーズが三役をこなした事の意味が見えてくるような、来ないような。9点(2004-05-24 02:01:41)(良:1票)

9.  バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 オイラがスーパーマン映画につけられる最高の点数はここまでじゃないかと思うんですよ。 映画としてクズなのは否定しないし、実際何度もズッコケながら観てたわけだけど、すでにオープニング開けの中東のシーンで「これがもう自分の観たかったスーパーマンの全てなんだなァ」と理解していました。 あれほど、歴史あるスーパーマンのお約束を踏襲しながら、現実世界に当てはめて陰鬱なビジョンを打ち出した場面は寡聞にして知りません。 危険を顧みないヒロインの無謀な行動を陰からサポートし、絶体絶命のピンチには必ず助けに現れる…だが、このシリーズでのヒロインは過去のナンチャッテ記者じゃなく、テロリストにインタビューに行くピューリツァー記者。背後にうごめく様々な存在を考えれば、この「スーパーヒーローの法則」を利用していろいろ政治利用できちゃう。 冒頭でこの宣言ですよ。今回はネタバレなしで書きますので詳しい裏側までは書きませんが、そういうネタバレ情報なしでも、オープニングのこのエピソードは古典的な「抑止力」の戯画で、現代の縮図で、スーパーマンの矛盾をシンプルに表現できている。秀逸です。 クライマックスへの幕開けで敵が「絶対神は善人ではあり得ない」と語る。これが本作の唯一のテーマであって、100年近い長きにわたってスーパーマンがもだえ苦しんできた根源のテーマのようなもの。前作で原点回帰(スーパーマンの元ネタと言われるフィリップ・ワイリーのSF『闘士』のコト)し、原点ですでに提示されていたテーマ(読者に投げかける形で話が終わり、実は解決していないんですが)をキチンと発展させて、「言葉」としてセリフで明言した。 「力を持った絶対善は存在できない」と。 この、アメリカ史大反省会みたいな作品が、コミック作品の映画化として実現されてしまったのが、ハリウッドの画期ではないかと思う次第。 明確な意思と背景を持った「自爆テロ」が描かれる作品でもあります。アメコミ作品でこれやったら、もう収集がつかなくなると思いました(実際、収集ついてるとは思いませんw)。本シリーズの原点回帰・リセット志向はそこまで強い。 もちろん、DCは作品をジャスティス・リーグへ繋ぐための布石として本作を考えているでしょうから、キッチリと出すべきものは出し、見せるべきシーンは見せ、監督の意向なんかおかまいなく商業ベースを保とうとしてる。 そのあたりの(ザック・スナイダーが消化しきれなかった・消化をあきらめた)ゴツゴツした部分が、どうしようもなく前半のテーマを際立たせて、忘れがたい陰影になっていました。玉に瑕があるからこそ、かえってその美しさがわかるような、そんな感じ。 前バットマン・シリーズも時間の経過感覚を失わせるような編集をわざと行って「終末感」を出し切っていましたが、今回のスーパーマンシリーズはさらに終末度の高い、テーマが強く物語のリズムが弱い展開で、上映中はその点(シーンの構成)に様々な死を読み取りました。 ヒーローの終わり、強きアメリカの終わり、皆を救うキリスト世界の終わり。 それが芸術系の映画ではなく、コミック系のハリウッド・エンターテインメントから発信されたことが、何かを予感させるんです。 次作のジャスティス・リーグ編では、何か新らしい始まりが提示されるといいんですが、あくまで現実世界に寄り添おうとしているこのシリーズ、そうは問屋がおろさないかもしれない…。[映画館(字幕)] 8点(2016-04-17 15:06:15)(良:3票) 《改行有》

10.  パニック・フライト 『ホット・チック』で、ブリジット・フォンダ以来久々にオイラのハートをゲットした女優、レイチェル・マクアダムス。でもまあ、以後のハリウッド作品『きみに読む物語』は守備範囲外っぽいし、本作も(『フライト・プラン』『スネーク・フライト』に押されて)評判が地味だったので、ちょっと手を出せずにいました。 いやあ、百聞は一見にしかず。主演女優を楽しめるという点では全く文句ありません。 サスペンス映画のアリモノシチュエーションを繋いだだけなんだけど、なんか憎めないんだよなあ。これはもう、レイチェル・マクアダムスの醸す華と、ウェス・クレィヴンの手際の良さが全てなんだなあ。 いろいろ突込みどころは多いけど、いやソレも含めて、時間を忘れるほどに楽しめました。 ホントにマクアダムスは観ていて楽しい女優さんだと思います。もっといろいろ幅広く活躍してほしいと願ってやみません。次はアクションしまくりのバディムービーで!(つうかカナダ時代の作品もDVD化してよ…) 惚れた弱みで1点UPしときます(笑)。[DVD(吹替)] 8点(2008-01-28 23:08:08)《改行有》

11.  バース 《ネタバレ》 えええええっ? この評価の低さはあぁぁ? オイラはめっちゃ評価してますよこの作品。  (詳細はブログにて)[ビデオ(邦画)] 8点(2007-12-17 00:01:03)《改行有》

12.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 思いのほか、というか相当に考えさせられる映画だった。 なんで世間一般的に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が度外れに評価高いのか? オイラは「半ば神格化された《アメリカ黄金期の50年代》という古き良き時代を、無条件にバカにできるから」だという考えでいるんだけど、当のアメリカ人にしてみればアレは相当に苦い映画だった…という当然のコトに、『バブルへGO!!』を観ながらようやく気付く。BTTFは80年代、アメリカ第二の低迷期の作品だからね。あの映画を笑って観てる日本の観客は、ある意味で卑劣なのかも知れない。そこに気付かされたのは大きい。 舞台挨拶のニュースで阿部寛が「中身が何にもない映画ですから」と言っていた。役者としては確かにつまらないだろう。深みを一切要求されない人物像だから。これは役者の映画じゃなく、モノの映画だ。繁華街にある森永LOVE、ディスコで踊る女性の太い眉、壁面がガラス張りのマンション…とにかくモノ。過剰な小道具たちが、さして変わらない17年前を意識させ、異空間にしてしまう(特に広末の髪の染め具合は本当に絶妙!)。他方、財務省=大蔵省の中は変わってないが、それも意図的なものだろう。人間はどうあれ、役所は17年ごときでは変わらない。この、モノが語り綴っていくモノガタリは、薄味になったヤン・シュワンクマイエルのソレに通じている。 エンディングのバカらしさも一考に価する。ほとんど埋め立てられた東京湾はバブル期のアホな未来像そのままだし、誰かさんにとっては「あるべき現在」だ。ここで、主演が広末涼子ではなく阿部寛になっているのに改めて気付く。これは「官の映画」だったワケだ。製作がフジテレビと電通であるコトにも気付く。政府の太鼓持ちたちじゃねーか。案外、いやかなり、あのラストはマジだぞ。やりすぎて嫌味とかそういうんじゃなくて、大マジで大団円のつもりで作ってるぞ。「映画の観客はバカだからさー」という、救いようのない慢心があの絵に見えて来るような気がした(あ、でもマシン発明したのは三菱じゃなくて日立だぞ…考えすぎかもしれないネ~)。 そういう意味では、本作は映画の本質に極めて肉薄している。「みんなが観たい夢を観せる」という意味での「すっげー映画らしい映画」だ。でもいろいろ考える所があったのは事実なので、この点数で。もう一度劇場に足を運んで考えてみる価値はあるなあ。[映画館(邦画)] 8点(2007-03-12 16:32:38)(良:2票) 《改行有》

13.  バックダンサーズ! 《ネタバレ》 一日経って、全面書き直し。前のはブログに移しました。 もうテレビを持たない生活が10年になるんで気付かなかったけど、これテレビドラマ1シリーズの内容の2時間圧縮版だな。逆にそこが評価できる点か。 この話は、キャストが先にある。脚本はそれぞれのキャストを想定して書かれているし、ロケ地が限られてる事から言って、かなりの早撮りだと思う。監督・脚本はテレビドラマの出身(しかも本作が映画1作目)だし、身内を引き連れての企画だったのは想像に難くない。 だが、それだけの映画じゃない。最大の特徴は、それほど本格的には踊れない4人の女優をメインにしつつもラストまで引っ張るために、キャバクラステージみたいな舞台や、ドサ回りや、途中の解散などで「外し」のシチュエーションを延々連発する点。ダンスを見せる部分は確かにあるが、決して話の主軸にはならない。いきなり10年をすっ飛ばす全体構成も、客の期待を裏切るための仕掛けだと思う。「逆に見せない事が素晴らしい」と思えてくるようなシチュエーション作りに腐心しているせいで、とてつもなくアイロニカルな、別の言葉でいえば「バカな映画」になっている。 だからこそ快感が得られたんだと思うし、これはTV見ない歴十数年のオイラみたいなヒネクレ者でなきゃ面白いと思わないかもしれない。描かれるのはダンスそのものではなく、プロデュースやステージ設営からイベントまでの流れの「ステージの再生浄化」。ちょっとTV向きの企画ではないだろう。監督の、それなりのメッセージがそこにあるんだろうが…評価する人は限られるだろうなあ。 オイラ的結論。これは見応えのある「バカみたい映画」です。どこまでも観客を裏切り続けるという意味で。[映画館(邦画)] 8点(2006-10-05 15:23:36)(良:1票) 《改行有》

14.  バンカー・パレス・ホテル 科学界のジョークで、《研究予算を取りたい時、科学者は大学にどうアピールするか。アメリカの科学者は「自分の研究が最高のものである」と、フランスの科学者は「自分の研究は世界中で他に誰も行っていない」と、日本の科学者は「みんなが同じ研究をやっている」事をアピールする》ってのがありましてね。この例えってそっくり映画にも当てはまっちゃうんですな。 他国になかなか輸出されないインド映画と、一旦崩壊寸前になったロシア映画を除くと、米仏は映画発祥の頃から業界をリードしてきた2大国。両者の違いはまさにここ、「最高の作品」を目指すか、「人類の未踏領域」を目指すか、にあると思う。そういう素地の違いが、鬼才ラルーを生み、ベッソンを生み、マルを、グリモーを、ゴダールを…そして当然ビラルをも映画界へデビューさせる事になったワケです。 視点を切り替えて。 自分が生き延びるために芸術しなければならなかった人たちってのがいまして、七歩の間に詩を作れと強要された李白なんかがそうですが、現代だと共産圏の作家や詩人たちがそうです。いや一番恐ろしい芸術に手を染めたのは作曲家のショスタコービッチでしょう。スターリン・フルシチョフ・ブレジネフの3代に渡って、粛清の嵐を生き延びた彼の芸術は、西側諸国の誰にもやれない「時代や政治が変わっても生き延びるための音楽」だった。とてつもないモチベーション。とてつもない表現力。とてつもない芸術家魂。 表現の圧力がほとんどなかった西側で作品を生み出し続けるために、芸術家はどんなモチベーションを持てばいいのか。どんな人間がそれをやり遂げられるのか。 その答えに最も直線的な解答を出そうとするのがビラルであり、そういう行為を高所から俯瞰しようとするのがゴダールであり、高所から低所へ自由自在に出入りするのがマルであり…そして、そういうあれやこれやを掌に乗せ、温かく見守っているのがグリモーであり…。 …ちょっと脱線しました。ビラルってェ奴は、だから、フランスが生んだ最高級に生真面目な芸術家なんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 21:21:27)(良:1票) 《改行有》

15.  BATS 蝙蝠地獄 題名でおわかりの通り、劇場未公開のB級動物パニックです。が、ラストショットの「改めて自己紹介させて頂きますが、実は私B級映画なんですわ」という感じのオチが史上最強。本当に、このオチだけで9点つけてます(2008/3/16、バランス取りで8点に変更…DVD売ったしな…)。そのために新規登録までしてしまったのです。モンスター映画は今後も作られ続けるでしょうが、これを超えるB級なエンディングは当分出ないと思います。それくらい、B級を満喫できる作品です。[DVD(字幕)] 8点(2006-06-15 22:29:53)(笑:1票)

16.  パニック・ルーム オイラは好きなんだけどね、こういうの。攻守共に手札を改めつつ、毎ステージごとに戦略を練り直していく頭脳戦ムービー。これ、どっちかっていうと潜水艦映画なんかにお約束の制約がバリバリに組み込まれていて、犯罪モノというより一軒屋を舞台にした戦争映画って感じの作りです。発想の異色性とド真ん中ストレートな展開、些細なアイテムも複線として絡んでくる芸の細かさ。惜しいのはドはまり役だったフォレスト・ウィテッカーの演技がいつも通りで見飽きちゃった事かなぁ。そこは減点です。あと、ハッとするオープニングの題字の入れ方は『ゼイリブ』を髣髴とさせて心憎かった。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-25 17:43:32)

17.  蝿の王 ええっ、今年最後のレビューが『蝿の王』かよ…いや別に大昔に見た奴だから、今日レビューしなくてもいいんですが…2004年を総括する作品としてコレが適当かな、と。原作との違いが指摘される本作ですが、最大の違いは原作=「悪の自然発生」説/映画=「元々みんな性悪なんじゃ」説、っていう事になるのかな。原作の持っていた宗教的な構図を骨抜きにしてしまったせいで、オイラ的には原作よりずっと現代的解釈ができるようになったと思います。イラクの刑務所で起こった事がまさにコレですね。まあイラク以外でもあるかもしれんが。人道とか国際法とかは世界が長い歴史で学んだ財産なワケで、それを捨てれば身軽で自由になるけど、もう一度学び直さなけりゃならない。孤島で、そういう世界の「見えない財産」から切り離された子供達は、だから原作のように「悪」に染まっていくんじゃないんじゃないかと思うわけです。ただ、知恵を失っただけなんじゃないかと。血と痛みの記憶を捨てただけじゃないかと。2つの世界大戦の主要プレーヤーで本土の占領・地上戦を経験しなかったアメリカ・イギリス・日本に、いま「悪」の面影を見るのは難しい。だが心底の無邪気さ、その怖さは見える。この映画が強引に「悪」を外科切除したのは、案外21世紀的な描き方だったのかもしれないですねえ。[ビデオ(字幕)] 8点(2004-12-31 11:26:31)

18.  ハヌッセン なんと言っても超能力の描写が、超素晴らしい。株屋さんが預言者ハヌッセンに向かって、冗談で「来週の○○の相場はどうなると思います?」と聞く。先物取引の世界を知らない主人公は「じゃあ30(だったと記憶してるんだが…)」と答える。株屋は「まさか! 今の相場は○○です。それは絶対にありえない!」と一笑に付す。翌日、ハヌッセンが新聞を見ると、「アメリカで株価大暴落」の見出しが。そう、その日が有名なブラック・チューズデー、大恐慌時代の始まりだったのだ…。一事が万事だ。未来が見えても、世界全体が悪くなっていく予言しかできない史上最凶の超能力者ハヌッセン。やがて彼の力に気付いたナチスが、その能力を利用しようと暗躍し始める。時代が悪いのか。彼の能力が悪いのか。積み重なる不幸の運命は、やがて彼自身に矛先を向け始めたのだった…。あらゆる人が不幸へと突っ走って行った時代に、さらなる災厄・ナチスの萌芽を見抜いていた男の、静かで乾いた物語。地味だけど意味深でメカニカルなドイツ劇映画をじっくり堪能したい向きには超オススメの逸品。8点(2004-07-28 02:53:26)

19.  バックドラフト 個人的に、強烈な寒気が記憶に残った映画。公開時に立川の映画館で見たんだけど、何を考えてか知らんが異常に冷房を効かせやがって寒いの何の…おかげで雪山にでも登ったような気分で鑑賞したもんです。作品が作品なんだから冷房切れよ(プンプン)。で、美味しい役が満載された映画でした。主役の二人、特にカート・ラッセルは完全にハマってた。デ・ニーロの登場も心憎い。そして中盤に登場する収監中の放火魔の演技がまた…。 だが、特撮にILMが噛んでいる時点で、映画が妙なベクトルを持ってしまっている(ま、監督の考え方なのかもしれないけど)。話の全体が、騎士物語の文法で綴られているのだ。火事場の火炎を竜と見ると(実際、バックドラフト現象はドラゴンの炎的な演出)、消防士たちは洞窟へ竜退治に赴く騎士に、手にする斧は剣に、火の特性を熟知した調査官デ・ニーロは魔術師に、と奇妙なほど演出の符合がある。 現代でトマホークを商売道具にしている職業は消防士くらいのもんだから、これは狙ってやっているのかもしれない。しれないが、シナリオが描く社会派ミステリとのギャップがどうしても埋められない。火事場を美しくエンターテインメント化した功罪がここにあるだろう。 ユニバーサルは本作のアトラクションで儲けてるんで疑問にも思ってないだろうが…ちょっと減点。8点(2004-06-13 01:02:16)(良:1票) 《改行有》

20.  バルカン超特急(1938) 前期ヒッチコックの最高峰ですね。サスペンス/ミステリーは十二分だけど、それより何より要所に散りばめられたコミカルな展開が好きです。言われた通りマジメに体操してるし(笑)。8点(2004-02-23 03:27:14)

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5558.54%
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98913.82%
10467.14%

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