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プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  ホテル・ハイビスカス 《ネタバレ》 ハイビスカスの住人のように、毎日楽しく暮らせたら人生きっと楽しいと思います。もちろん描かれない部分での苦労があることは十分想像できます。人生に苦労はつきもの。でもそれは捉え方次第。ハイビスカスの住人(とくにお父さんとお母さん)の姿には、見習うものがあります。もっと肩の力を抜いて。ひとつの素晴らしい生き方です。ハイビスカスの家族に憧れます。でも自分(観客)は家族ではありません。いうならば、作中では能登島(ハイビスカスに長期滞在しているお客)の立場です。そのために、ちょっとだけ本作には引っかかるものがあるのです。能登島にとってハイビスカスは一時の寄り道のはずです。人生に寄り道はあってもいいです。でもそこは永住の地ではない。だからこそ、彼がハイビスカスから旅立つ描写を入れて欲しかったのです。ハイビスカスは素晴らしいところだけど、それはこの家族が作り上げた“家族のための楽園”。もちろんお客は大歓迎(そもそもホテルだし)。家族同様のおもてなしをします。でもお客はやっぱりお客。彼はまた自分にとっての楽園を“自分の力で”創る必要があると思います。それが人生。そういう気がしました。字幕なしの分からない沖縄弁がちょっとあったのが難点でしたが、こんなホテルなら泊まってみたいです。美恵子に会ってみたいと思いました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-13 13:13:13)

22.  母性 《ネタバレ》 ①女性には2種類の人間がいる。一つは母親で、一つは娘である。子どもができたら娘は自動的に母親に移行するのではなく、娘で居続けようとする者もいる。②母性は最初から備わっている、あるいは子どもができると自然に湧き上がる感情ではなく、学習し習得するものである。清佳(永野芽郁)の持論は、彼女から見た母ルミ子(戸田恵梨香)に対する人物評でもありました。この見解に異議はありません。そういう人もいるでしょうし、勿論そうではない人もいるでしょう。いずれにせよ親には子を産んだ責任があります。子が親に求める責任とは「愛して欲しい」それだけです。「無償の愛」なんて言いません。愛する分だけ愛して欲しい。ですから母の言葉「子どもはまた産めばいい」はどんなに残酷なことか。清佳の記憶から消去されたのも無理からぬ話です。こんな呪いを抱えたまま生きていけるはずなどありません。一方、華恵(大地真央)にとってもルミ子の発言は衝撃だったでしょう。愛する娘に母性が備わっていないとは痛恨の極み。彼女は自らの命を賭して「親の愛とは何か」を娘に伝えようとしたのだと思います。 幼少期~思春期にかけ、清佳は本当に苦しんだことでしょう。親の機嫌を察知できないのも困りものですが、親の顔色ばかり窺っているのは不幸です。「愛情」という「心の栄養」を満足に受け取れなかった影響は如何ばかりか。よくぞまっすぐに育ったと感心します。いや「曲がる事さえ許されなかった」でしょうか。その結果「遊びのない」娘が出来上がりました。真面目と言えば聞こえは良いですが「受け流せない」は危険です。いつかポッキリ折れるかもしれない。事実彼女は一度自死しかけました。強い風には適度に曲がり、時には流され、逆風への耐性を付ける事が肝要であります。 物語のラストは、清佳自身が娘から母へ立場を変え、両親へのわだかまり解消を口にする大変前向きなもの。この心境変化は彼女の中に芽生えた「母性」による効果でしょうか、あるいは結婚や出産時に発現する「はっちゃけ」の類でしょうか。私が清佳なら絶縁以外の選択肢はありませんけども。ここで注意が必要なのは、彼女が抱えるリスク「遊びがない」が解消されていないこと。居酒屋での言動をみると大変不安になります。子育ては思い通りに行かない事だらけ。そんな時重要になるのがサポート体制であります。義理の父母そして夫。いや夫はサポートする側ではなく、育児の当事者ですね。そもそも父親がきちんと機能していれば、清佳がこんなに苦しむ事もなかった訳ですが。ちなみに華恵(大地真央)-ルミ子(戸田)-清佳(永野)の母娘関係がメインであったうちは「母性のありか」「愛情の行方」に物語の焦点が合っていた気がしますが、華恵退場後は「嫁いじめ」が強烈過ぎてそちらに気を取られてしまいました。父の浮気やその浮気相手の言い分も胸糞でしたし、後半はややメインテーマと物語の軸がブレたかもしれません。 最後にミステリーパート「母と娘、それぞれの真実」について。これは『ミステリと言う勿かれ』で整くんが述べているように、事実はひとつ。でも真実は人の数だけあるが正解だと思います。「弁当が落ちた」という事実に対して、母は「ショックのあまり手が滑った」娘は「腹立ち紛れに叩きつけた」と認識していていますが、この程度の解釈の違いはあって当然です。ただ自殺未遂直前の行為についてはどうでしょう。「抱きしめた」と「首に手をかけた」では違い過ぎます。これはどちらかが(あるいはどちらとも)事実を改変している事を意味しました。ここからは完全に推測ですが「首に手をかけた」が事実と思われます。現実に耐えられなかった娘は自ら首にロープを巻くことで「事実を上書きしようとした」が真相ではないかと。何と不憫な自殺理由でしょうか。本当に娘を殺す気があったとは思えませんが、ルミ子が錯乱していたのは間違いありません。精神的に極めて追い込まれた状態であり、すぐに入院治療が必要なレベルかと。ですからその後ルミ子が適切な治療を受けていないとすれば、状況は悪化こそすれ好転などしていないはずです。娘の妊娠報告をうける場面。ルミ子がそっと閉めた扉の向こうには要介護の姑がいたはず。何やら寒気がするのは、気のせいであって欲しいのですが。[インターネット(邦画)] 6点(2023-09-19 18:54:50)(良:1票) 《改行有》

23.  ポーカーナイト 監禁脱出 《ネタバレ》 『パーフェクトトラップ』鑑賞時に前作『ワナオトコ』を復習しようと某サブスクで検索したところ本作が引っ掛かりました。殺人鬼の見た目が完全にワナオトコのそれでしたが、関連はなかったようです。もうすぐ配信終了だった為これも何かの縁と『パーフェクトトラップ』と続けて鑑賞することに。おかげで内容がごっちゃになりました苦笑。 簡単にあらすじを説明しますと、主人公の刑事は犯人に監禁されます。そこで先輩刑事の体験談に基づく教訓を思い出しながら脱出を試みると。このアプローチは新鮮でしたが、いわゆる精神論の範疇であったため、大して教訓が役立っているとは思えませんでした。「諦めるな」とか、そりゃそうでしょって話ですし。もっと『スラムドッグミリオネア』みたいに具体的かつミラクルな脱出法だったら良かったのに。とはいえ、サスペンスとしては上質の部類で、二転三転する展開は見応えがありました。もっとも、利口な犯人が適度にスキを与えたから、主人公が見せ場を作れたとも言えますが。後味はビターですが悪くありません。[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-08 21:28:39)《改行有》

24.  ホテル・シュヴァリエ 《ネタバレ》 本作単独で観ても「さっぱりワケわからん」なお話ですが、『ダージリン急行』と合わせてみると…一応「なるほど」とはなります。それでも基本的に内容なんてありません(笑)。そもそも『ダージリン急行』の3バカ兄弟の三男坊が書いた小説の一部分(結末)を映像化したという体裁のもの。『ダージリン急行』のお茶うけ的プロローグ。それ以上でも以下でもありません。でもそこはそれ、安心と信頼のウェス・アンダーソン印。もちろん見どころはあります。ナタリー・ポートマン女史の素敵なお尻が堪能できます。それだけでも十分に8点くらいの価値はあるかと。[DVD(字幕)] 6点(2016-12-31 23:57:59)

25.  放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人 『ニッポンの大家族』の方はTV版を観ていなくてもOKですが、本作の場合はTV版『デスリミット』を事前に鑑賞しておくことが重要と考えます。まずデスリミットで一応の結論を得ておくこと。この前提が覆される(?)快感がメインディッシュです。お話はまるで『金田一少年の事件簿』みたいで、リアリティには欠けますが、これは“味”と認識して構いません。嘘てんこ盛りのフェイクドキュメンタリー。裏読み好き、推理好きの方は間違いなく楽しめると思います。[DVD(邦画)] 6点(2014-10-24 18:20:26)

26.  ボルト 《ネタバレ》 自分の力を過信してしまうのは、幼少期に陥りがちな事。ボルトの場合、意図的にそう仕向けられていたとはいえ、井の中の蛙であったことに違いはありません。小さな蛙は大海を知ることで、己が無力さを悟る。本作は、典型的な若者の成長物語の体裁を有していました。ここで注意したいのは、ボルトの冒険は気づきの過程に過ぎないということ。本当の成長はこれからの経験で決まります。スタジオ火災は、偽りのスーパーパワーを捨て去るケジメ。少女を助けた後、ボルトは再び旅立つべきだったと考えます。巣立ちのとき。ところが本作には、そう出来ない事情がありました。ボルトは犬だった。ペットや家畜は、人と共に生きるのが本分です。ボルトは少女の元に留まらざるを得なかった。天下のディズニーがペットの野犬化を推奨できるはずもありません。この不都合を補正するため、成長物語よりも少女とボルトの愛情物語の色合いを強める必要があったものと推測します。ボルト役の声優に成人男性を起用したのは苦肉の策。なお、ボルトが天才アクター犬から愛玩ペットに成り下がったように見えてしまうのは上手くないです。警察犬とか災害救助犬として新たな道を歩み始めた、なんてエンディングのほうが分かり易いと思いました。[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-11-12 18:21:35)(良:1票)

27.  ホースメン 《ネタバレ》 (ネタバレあります。未見の方はご注意ください。)猟奇殺人を題材とした物語としては、犯人も、またその動機も明快な方だと思います。ただ伏線の張り方が正直すぎて、早い段階で犯人の目星が付いてしまうのは残念なところ。サスペンスとしては標準的な出来だと思いました。しかし、エピローグとなるラストシーケンスは秀逸でした。尺にして僅か1分ほど。刑事である父親とその息子(次男)の会話です。何気なく流してしまいがちですが、このシーンが意味するところ、2人の言葉の真意を測ることが重要と感じました。前提として押さえておきたいポイントは、①長男の部屋は3年ほど前から、異常を示す“白い部屋”であったこと。②長男は溺死の予定であったのに、実際は刺されており、致命傷に至っていなかったこと。③長男を吊り下げ、処刑のライブ中継をセッティングしたのは誰なのか?④刑事が連続殺人と黙示録の関係に気づいたキッカケは何だったか?これらの事項を踏まえて、父親と次男の会話を思い起こしてみたところ、ある可能性が脳裏を過ぎりました。父親が流していた涙の理由を想像しました。せっかく最悪の事態を回避して、穏やかな余韻に浸ろうとしていたのに。でも、この余韻は悪くない。苦いけど、悪くないです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-16 19:48:09)(良:1票)

28.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 “反目しつつも認め合うライバル関係”は、ルパンと銭形、トムとジェリーを例に出すまでもなく、ドラマ等でお馴染みの設定。根底にあるのは両者の信頼関係です。果たしてママチャリたちと駐在さんの間に絆は生まれたのでしょうか。ひたすら馬鹿なイタズラを繰り返す悪ガキ一味に対し、本気の反撃を見せる駐在さん。子供じみた仕返しは、ママチャリたちと同じ土俵に立っている証。本来なら褒められた対応ではありませんが、こんな大人が一人くらいいてもいい。まるで兄と弟のようです。社会人になる一歩手前のモラトリアム。今だけ、ちょっとだけ、彼らに甘えさせてもいいかなと。ただ、クライマックスのエピソードには異を唱えたい。あの花火は子供たちに打ち上げさせてはいけなかった。絶対に。取扱免許所持の有無や窃盗か否かの問題ではありません。生死に係わるから。ママチャリたちの心意気は買う。優しい男はカッコイイ。ただ、それと危険な行為を許してしまう事は違う。大人の厳しさを教えることが本当の友情だと思いました。ぜひとも駐在さんには彼らにバケツで水を浴びせて欲しかった。「目を覚ませ!ばかもん!」と。甘さの中に辛味が効いてこそ「イイ話」は際立つと思います。[DVD(邦画)] 6点(2010-09-04 21:38:19)

29.  包帯クラブ 《ネタバレ》 ここ数十年で日本社会は、“持ちつ持たれつの村社会”から“個の権利が優先される集団”に姿を変えたと思います。それだけ皆が食うに困らなくなったという事。多種多様な価値観が認められるようになったのも喜ばしい。社会が成熟した証だと思います。私自身も、今の社会が住み易いと実感しています。ただし、得たモノがあれば失ったモノもある。それが「思いやり」。一般的に良いイメージのある言葉ですが、必ずしもそうではありません。要らぬ思い遣りは「お節介」。心遣いが過ぎても人は疲れ傷ついてしまう。個の集団に移行するために、捨てなければならない概念だったと思います。で、私達は個の安らぎを手に入れた代わりに、深い孤独に陥った。そこで包帯クラブ。痛い思い出のある場所に包帯を巻いてもらって癒されるのは何故か。それは、痛みの共有に他なりません。この辛さをほんの少しでも他人に分ってもらえたら、それだけで救われる。それほどまでに、現代人は孤独に耐えている。いや耐えかねている。人は一人で生まれ、一人で死んでいく。でも一人じゃ生きていられない厄介な生き物です。包帯クラブが再発見した「思いやり」の効用は、この世界をもうワンランク住みよい社会に変える手がかりだと思います。でも、今のままでは不十分。包帯を巻いて欲しい人の心は思い遣れても、包帯を巻いて迷惑する人の事までは思慮が及ばない。「法に触れるかどうか」なんてトンチンカンもいいところです。「思いやり」スキルはまだ低い。点と点が結ばれて線になった。今はココ。線と線が繋がりあって網にできるかどうか。革命と言うよりは「ルネッサンス」。まだ道程は遠い。[DVD(邦画)] 6点(2008-08-18 18:26:11)(良:1票)

30.  ぼくんち 《ネタバレ》 関西地方と思しきとある島が舞台。漂う空気に覇気はなく、閉塞感に包まれています。物価は高く、治安は悪く、中華料理屋はマズい。島を捨てればいいのにと思う。でも島民はその生活を受け入れています。多分一生島からは出られない。それは此処に根付いてしまっているから。爽やかな高原の風に揺られる花もあれば、真夏の太陽に焼かれながら、道路の端っこにへばりついて生きる草もある。どこに何で生まれるかは運。蒔かれた種は、そこで芽を出すしかありません。運命という言葉は好きじゃないけど、どうしようもない事はある。そういう現実を笑いのエッセンスに変えるしたたかさ。アスファルトを割る雑草のような生命力。それがサイバラ作品の魅力だと思います。痛いけど可笑しいのは、本当の意味で惨めじゃないから。本作がその魅力を十分に引き出しているとは、正直言い難いです。でもだからダメだとは思わない。原作を最高に楽しむ方法は、原作を読むこと以外にありません。映画は映画。割り切って捉えるとそんなに悪くないと感じます。観月は汚れ役をものともせず、岸辺は「上手い」の一言。濱口や今田も良かった。それに「親はなくても子は育つ」というテーマは伝わってきました。島を離れる兄弟。動物の毛に絡み付いて移動する雑草の種のように。あるいはタンポポの綿毛のように。此処ではない何処かに行き着いて根を下ろし、いずれ花を咲かせて欲しいと願います。愛情を注がれて世話をされた子供は幸せだという。では一太や二太、ネコ婆の子供たちは幸せではないのか。彼らを憐れむほど、自分は厚顔ではありません。むしろ「生きとったらええねん!」と言い切れる強さに憧れます。[DVD(邦画)] 6点(2007-10-19 18:18:29)

31.  ボーン・コレクター 《ネタバレ》 テレビ吹替え版での観賞です。主人公が捜査に加わった事件のうち、明らかに3件目だけテイストが違います。水蒸気、ネズミとその手口の(見た目の)残虐さは目を覆うばかりだったのに、最後の犯行だけは溺死を誘うというヌルさ。トーンダウンは否めません。本命のターゲット、主人公殺しに至っては何の準備もしていなかったみたいですし。せっかく猟奇的な殺人を展開してきただけに、言葉は変ですがもったいない気がしました。テレビ用にカットしてあるためか、全体的に粗さも感じます。それでも、この手のサスペンスとしては、まずまずといった印象でした。目を引惹かれたのはアンジェリーナ・ジョリー。今のような貫禄はなく、警官の制服を着ているというよりも、着られている初々しさが微笑ましかったです。[地上波(吹替)] 6点(2007-06-16 18:39:27)

32.  ホステージ 《ネタバレ》 なかなか面白かったです。ただ、何となくしっくりきません。気になった点をいくつか。まず立てこもり犯のマース。彼は幼いときに、父親が母親を殺すのを目撃しているという設定です。人質の娘をいたく気に入るマース。最悪の状況の中でも彼女との出会いを“今日は人生最高の日”だと言い、若い娘が挑発的な服装をしているのに手も出さない(まああまり魅力的でもないけど)。さらに娘はぽっちゃり体型で、タオルを頭に被った姿はまるでマリア様のよう。母親及び母性の暗示。マースは彼女と死んだ母親をダブらせていることは明らかです。さらに、家に火をつけるという行為に固執している点も、父が母を殺したとき、焼身自殺しているのではないかと思わせます。丁寧な描写です。しかし、このことが作品に深みを与えているとは思えないのが残念。そして予想を裏切る展開の数々。似たような2つのタイトルのDVDが出てきた時点で、「はは~ん。後々これがキーポイントになるんだな」と観客に思わせておきながら、実はまったく利用しない。これにはビックリ!さらにクライマックスでの銃撃戦。主人公は、誘拐犯を倒した後も、妻子に駆け寄る前に、犯人へ執拗に銃弾を打ち込みます。「安堵感」よりも「怒り」が先にくる描写。リアリティはありますが、少々やりすぎ感があります。気になる描写は多々あるものの、全体的に力の入れ所を間違っている気がしました。何となくしっくりこないのは、このためでしょうか。それにしてもB・ウィリスには拳銃とガムテープがよく似合いますね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-06-07 18:28:38)

33.  ボーはおそれている 一言でいえば「A24ブランドとアリ・アスター監督の過去作の実績を拠り所とした信用詐欺作品」。極めて悪質かつ悪趣味な映画と考えますが、悔しいかな嫌いではありません(苦笑)。 大体において3時間の映画なんて大河ドラマにのみに許された我儘でしょう。そりゃ米映画界賞レースのトレンドが長時間化していることは承知していますが、ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット(通称ポンポさん)なら評価以前でお話にならないって言うでしょうよ。実際長い!全然終わらない!正直劇場鑑賞中に何度か意識を失いかけました。でもそんなタイミングで高刺激かつ美しい(あるいは醜悪な)「オイシイやつ」をぶち込んで我々のハートを揺さぶる訳です。これは腹立たしいほどに魅力的でした。それに物語のテーマ自体はオーソドックスですし、難解奇天烈であっても解釈は可能で映画としてギリ成立していました。いや、本当にギリですよ。人によってはぶっちぎりでアウトかもしれませんが、劇場公開されている時点で監督の勝ちに違いありません。何処を切り取ってもアリ・アスター印のやりたい放題映画で、これはこれで認めざるを得ないというのが私の評価であります。困惑度ではダーレン・アロノフスキー監督の『マザー!』とデヴィッド・リンチ監督の『ロスト・ハイウェイ』の間といったところでしょうか。点数は10点でも0点でもいいと思いますが、私は採点放棄という意味で5点とします。[映画館(字幕)] 5点(2024-02-24 18:24:34)《改行有》

34.  HOSTILE ホスティル 《ネタバレ》 「伝染病により人類はほぼ死に絶えた」「人を襲うクリーチャーがいる」終末世界の設定は映画情報サイト等で開示されています。しかしながら劇中で世界が滅んだ背景の説明はありません。「伝染病」なんて言葉は出てきませんし、クリーチャーの正体についても言及なし。ただ、最後に主人公がとった行動から次の仮説(ストーリー)を導くことは出来そうです。「主人公の夫が巻き込まれたバイオテロは後に人類を滅亡に追いやる伝染病の発火点であった。さらにこの伝染病は人を別の生物(クリーチャー)に変化させてしまう恐ろしい性質を持っていた」さらに「伝染病はゾンビでお馴染み血液感染ではなく飛沫感染であることが疑われ」ゆえに「変わり果ててしまった夫と偶然再会した主人公は、濃厚接触により自身の感染は免れないと観念し愛する者と共に死ぬ道を選んだ」結末を額面通りに受け取るならこんな感じかと。ただクリーチャーが偶然夫であったというのは奇跡が過ぎますし、どうやって夫と認識できたのかも謎です。印象的な痣があるとか、仕草や癖で見分けたというなら話は別ですが。という訳で結末を素直に(ロマンチックに)受け止めるのは無理があると感じました。そこで別解釈の「真相」を2つ提案します。①クリーチャーを夫と見立て自殺した説。主人公は足を骨折しました。仮に助かっても今までのように物資調達の仕事は無理でしょう。さらに救助を依頼してもすぐには行けないという返事。必要とされず足手纏いになるくらいなら死を選ぼう。どうせ死ぬなら愛する人と共に。クリーチャーが夫かどうかは問題ではなく、そう思い込む事に意味があったと考えます。②そもそも世界は滅んでいない説。子を流産し、夫をテロで失った主人公の精神は崩壊しました。滅んだのは文明ではなく主人公の心の方。回想シーンが多いこと、週末世界の状況が不明瞭なこと、登場人物が異様に少ないこと等もこの説を裏付けます。主人公は再びドラッグに溺れた。要するに今際の際に見た悪夢という解釈です。流石に飛躍し過ぎだと思いますが、こんな突拍子もない仮説を出したくなるくらい世界の作り込みが甘いと感じました。設定が命の映像研の浅草氏なら怒り狂うレベル。「解釈に幅がある」や「余白が多い」と「作り込みが甘い」は似て非なるものと考えます。終末サバイバルアクションと切ない系ラブストーリーの融合。アイデアは面白いですが、壮大な世界観や構想に見合った脚本とは言い難く、多分に監督の思いが先走ってしまった印象を受けました。 最後に本作のビジュアルイメージ(ポスター、DVDパッケージ等)について。2種類確認できました。ひとつは主人公が仰向けになりながら銃を構えるもの。キャッチコピーは「世界大絶賛のサバイバルアクションムービー」もうひとつは主人公がクリーチャーと抱き合うもの。キャッチコピーは「これは異形との恐ろしくも悲しい愛の物語」どうですか。痺れませんか。二つ目なんて酷いネタバレです。本来ならクレーム殺到案件のはずですが、こういうセールス法を選んだ気持ちも分からないでもありません。「サバイバルアクション」として売り込むには長所が見当たらないということ。それなら意外なオチを開示して興味を引く方が賢いと。いずれにしてもセールスポイントが一貫していない時点で、販売元の作品に対する「信頼度」の低さがうかがえます。本当に世界大絶賛ならば、こんな事にはならないはずですが。[インターネット(吹替)] 5点(2023-10-26 19:14:30)《改行有》

35.  ホラーマニア vs 5人のシリアルキラー 《ネタバレ》 ブラックなB級おバカコメディ。個人的に大好物のカテゴリーですが、当たり外れが大きいのも特徴。だからこそ当たりを引き当てた時の嬉しさは格別なのですが。それでは本作の感想をば。 一言でいえば「残念」であります。理由の一つ目は「セールスポイントを早々に放棄した」点です。言わずもがな「ホラー雑誌のライターが本物の殺人鬼のフリをする」パートのこと。「なりすまし」はコメディに限らず数多の作品で採用されている人気素材。最後まで引っ張ることが出来る大ネタです。でも本作では導入部分のみでアッサリ終了しました。単純に勿体ないと感じるのです。鱧、骨が多いので食べるの止めましたみたいな。おいおい、ちゃんと料理すればご馳走ですよって話。 2つ目の理由は「キャラクターの活用不足」です。人形は顔が命、コメディはキャラが命が持論。本作ではコメディパートを担うキャラとして警官3人が配されていました。高圧系大バカ、小バカに、マニアバカ。ムカつきますが単細胞。結構いい味を出しているのです。ホルスターから拳銃が抜けないとか、謎の髭コンプレックスとか。もっと活躍の場を与えればいいのに。 理由3つ目は「ドラマ不在」です。本作は振り返ってみれば「殺人鬼ハンターチーム結成秘話」でした。主役2人がコンビを組んだ経緯を延々と見せられていた訳ですが、何故2人が惹かれ合ったのかイマイチ分かりません。特に女の方は男の何処を気に入ったのでしょう。もっと明確にラブロマンス(片思い系がオススメ)に仕立てても良かったのでは。女の背景についても今ひとつ判然としません。続編用にとってあるのかもしれませんが、やはり消化不良感は否めません。どんなジャンルであれ、核となるのはドラマと考えます。 凄く面白くなりそうな要素が多いだけに、期待値が上がり物足りなさを感じたのだと思います。残念無念。そう簡単に当たりは引けません。[インターネット(吹替)] 5点(2022-09-19 19:53:20)《改行有》

36.  ボクの妻と結婚してください。 《ネタバレ》 『自身の妻の後夫探し』なる特異な企画は、主人公の未来志向の表れでもなければ、放送作家の矜持でもありません。単に、死の恐怖から逃げたものと推測します。ライターの豊かな想像力は、余命僅かな者にとっては毒でしょう。ですから、敢えていつも通りを突き通したと。後夫探しは、企画会議で出がちな“冗談全部企画”に他なりません。彼の言葉を借りるなら、死の恐怖を無理矢理オモシロに変えたわけです。これは緊急避難としては有効な手法と考えます。逃げることは、卑怯でも何でもありません。病を悲観して自殺を選択するくらいなら、現実逃避の方が遥かにマシです。偉いのは妻でしょう。死に行く夫の最後の(だだスベリの)オモシロに付き合ってくれたのですから。原田泰造も、ほんとイイ人。彼はきっと良い家庭を築くでしょう。その点、織田の人をみる目は確かであったとも言えますが。基本的に、余命を免罪符に使った感動ドラマは好みではありませんが、本作の主人公には大いに同情するところです。仕事は充実、妻との関係も良好、子供も良い子。さぞかし無念だったことでしょう。彼がある意味“狂った”のも無理からぬことと思えます。さて、織田裕二について。近年稀にみる陽キャラに違和感あり。『お金がない!』当時ならいざ知らず、ここ最近は、しかめっ面か、カッコつけばかりだったので、どうもあの笑顔が作り物に見えて仕方ありませんでした(実際そうなんですが)。単純にキャスティングミスでは。むしろ、原田泰造と役交換で良かった気がします。それにしても、織田のようなパーソナリティの放送作家って実在するのでしょうか。『水曜日のダウンタウン』『ゴッドタン』『クイズタレント名鑑』『浅草橋ヤング洋品店』私が好きなバラエティの放送作家さんの人間性は(多分)相当に酷そうです。もちろん、良い意味でクソ野郎じゃなきゃ、トガったバラエティはつくれないということですけれども。(ちなみにWカップ日本VSコロンビア戦、真裏の地上波放送を鑑賞。もちろんタイムシフトで)[地上波(邦画)] 5点(2018-06-30 11:28:16)

37.  ホーム・アローン 《ネタバレ》 ファミリー向けハートウォーミングコメディ…なのでしょうが、私は正直乗れませんでした。理由は2つ。一つ目は、マコーレ君の泥棒撃退法がやり過ぎであること。特に火炎噴射。あれはシャレになっていません。もちろん、爆発炎上で頭チリチリでも許されるのがコメディの流儀。でも本作は、そこまでギャグ処理が徹底されていません。普通に事故案件に思えてしまいます。おそらく“人の財産に手を出そうとする輩は、撃ち殺されても文句は言えない”という米国スタンダードが根底に在るのでしょう。その証拠に、マコーレ君はきちんとおもちゃで銃撃しています。本来なら撃ち殺されるところを火傷で済んだのですから、御の字ということ。まあ、正論です。でも屈託なく笑えないです。二つ目は、マコーレ母の家族愛アピール。公衆電話を奪い取り、金にモノを言わせて航空券をゲット。それもこれも、愛する息子を思うが故のこと。母の愛、ここに在り。ここでも、かの国の個人至上主義の価値観が観てとれます。これも正論と言えば正論でしょう。でも迷惑な話です。隣のおじいさんがワダカマリを捨て家族と打ち解けるサイドストーリーの方が、よほどホロリとさせられます。[地上波(吹替)] 5点(2016-01-10 18:56:15)(良:1票)

38.  HOME 愛しの座敷わらし 《ネタバレ》 水谷は懸命にお得意先に頭を下げましたが、上司にキレて台無し。安田は自治会の仕事を引き受け、息子君や娘ちゃんは積極的に仲間に溶け込もうとしましたが、これくらいは誰でもやっている事。屋敷の前住人と違い、大らかに座敷童子を受け入れた点は水谷ファミリーの手柄と言えますが、棚ボタ感は否めません。言わば宝くじで当てた幸せ。努力がツキや奇跡を呼び込んだ成功ならば、ご都合主義でも受け入れられますが、宝くじ当選者の体験談を聞かされても感慨はありません。家に憑くはずの座敷童子が水谷家族と一緒に引っ越した結末は興醒めですが、幸福が水谷ファミリーの力で勝ち取ったものでない以上、この結末しか無かったとも言えます。豊かな自然と雰囲気たっぷりの古民家等ロケーションは抜群で癒し効果はありそうです。ファンタジーとして“緩く”楽しむ分には悪くありませんが、感動を望むのは厳しいと感じました。 [地上波(邦画)] 5点(2013-08-16 18:27:22)(良:1票) 《改行有》

39.  ホテルチェルシー 《ネタバレ》 (オチが重要な映画ですので、未見の方はご注意願います)スタイリッシュサスペンス。画作りは悪くないです。ただ役者の技量が物語に追いついていません。主演は長澤奈央。アクション映画で最近活躍しているようですが、このジャンルで主役を張るのはまだ厳しいかと。物語の大半は彼女の証言に基づく再現映像。ゆえにその言質の信憑性を見極めるようと、観客は彼女の一挙手一投足に注目するわけですが、その視線に彼女は堪えられていない。この役を演じきる女優としての(あるいは人間としての)エネルギーが彼女には足りていなかった気がします。キャスティングミスがオチのインパクトを目減りさせ、物語の粗を際立たせている。もともと無理のある設定なので、役者の力量で押し切るくらいの強引さが欲しいところです。ブライアン・シンガー監督の某有名サスペンスを換骨奪胎した作品でした。[DVD(邦画)] 5点(2011-03-05 19:47:57)

40.  ボクの熱気球 《ネタバレ》 主人公の男の子があまり可愛くありません。これが本作最大のネック。彼が愛らしければ、全て納得できた気がする。ハーレイ・ジョエル・オスメントくんとか、日本だと神木隆之介くんみたいに。でも、“清水あきらが研ナオコのモノマネをしたときのような子供”では、直感的に「守ってあげたい」とはならないです。ホント申し訳ない。確かに少年の境遇に同情の余地は十分ありますが、それだけで赤の他人は家族にはなれません。親になるのは簡単な事じゃない。少年に深く感情移入する“仕掛け”が欲しいと思いました。[DVD(字幕)] 5点(2008-10-18 22:20:23)

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