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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  FALL/フォール 《ネタバレ》 人気ユーチューバーである女性2人が再生数を稼ぐために、今にも壊れそうな地上600mの古い鉄塔に登って行ったら、あら大変、頂上でおどけて動画を撮っていた時に地上に帰るための梯子が落ちちゃった!見渡す限り何もない地上600m、電波も届かないし、水も落としちゃったし、ハゲワシもそこら辺に飛んでるし、あたしたち、これからどーなっちゃうの?!というお話。それ以上でもそれ以下でもありません。シンプルイズベストに程があるほどシンプルイズベストな内容なのに、いやー、これがめちゃくちゃ面白かった!!正直、観る前は「どうせオープンウォーターや海底47mを地上にしただけなんでしょ」と舐めて掛かってたんだけど、そんな自分の先入観をいい意味で裏切ってくれましたわ。何がいいかってまず、この主人公2人が思いっ切りおバカで自業自得なせいで一切同情する必要がないところ。死んだ恋人を弔うというよく分からん理由もあったけど、基本はただ目立ちたいってだけでこの危険な鉄塔に登ってますもん。だから2人がとにかく危険なことをやらかしても「ひえぇぇ!もうええて!お前ら、アホや!落ちても知らんで!」ととにかくスリル満点な映像を楽しむことが出来るんです。んで、この危険極まりない超高所という設定の見せ方も抜群に巧い!梯子を登るたびにボルトが外れたり風がびゅうびゅう吹きまくってたり頂上が2人ようやく乗れるだけのちっさな足場しかなかったりと、もー高所恐怖症の自分としては何度かおしっこちびりそうになっちゃいました。こんな、良い意味で早く終わってくれと思えた映画は久しぶりですわ。まぁ完全なる出オチ映画なのできっと中盤から先行作品と同じく中弛みするんだろうなと思ってたんですけど、意外や意外、脚本もけっこう良く出来てましたよ、これ。アンテナに引っかかったリュックを取りに行くときのハラハラ感や、偶然通りかかった男どもが超クソ野郎だと分かった時の絶望感だとか、けっこう見応えあったしね。特に自分、後半のあの相棒の真相が分かった瞬間は思わずゾクッとしちゃいました。いや、、、普通に怖いって、あれ。んでクライマックスは普通に感動している自分が居ました。自業自得とはいえ、よく頑張った!おじさんは感動した!なんて。まぁよくよく考えたらあの死んだ夫の浮気がバレるエピソードはいったんかとは思うけど(笑)。とは言え、ここまでハラハラドキドキした映画は久しぶりでした。うん、8点![インターネット(字幕)] 8点(2024-06-08 10:36:07)★《更新》★

2.  オリオンと暗闇 《ネタバレ》 何処にでもいるような10歳の大人しい少年、オリオン。地味で目立たず、内気な性格の彼はクラスでも少し浮いた存在だ。そんなオリオンの性格を一言で表すと、「とっても怖がり」。彼の見えている世界には、恐ろしいことがいっぱい。ハチに刺されたらどうしよう、犬に嚙まれたら痛いし、携帯電話はガンになるし、道端の排水溝には殺人ピエロが潜んでるし、トイレで水が詰まったら大洪水になってみんな死んでしまう。そんな怖いものだらけのオリオンがもっとも恐れているのが、〝暗闇〟。日が暮れてベッドに潜り込むと毎晩、何が隠れているか分からない真っ暗な世界がオリオンを取り囲むのだ。それでもベッドの中で恐怖に耐えながら眠りに就いたオリオンにある夜、彼がやってくるのだった。何千年ものあいだ、人々に忌み嫌われてきた〝暗闇〟が――。不安神経症に悩む少年がある夜出会った暗闇、彼とともに体験する不思議な一夜をファンタジックに描いたCGアニメーション。脚本はかつて、『エターナル・サンシャイン』などで天才の名をほしいままにした脚本家チャーリー・カウフマン。絵本を基にしたということもあって、ビジュアルやお話は物凄くベタベタな子供向けアニメなのに、そこはやはりカウフマン、一筋縄ではいかない内容に仕上がっておりました。とにかくテーマがすこぶる哲学的!人間が闇を恐れる理由、それは死が無であるということを否応なく見せつけてくるから。でもそれは思い込みだと教えるために擬人化された暗闇と、彼の仲間である「眠れず」「静寂」「睡眠」「不思議な雑音」「いい夢」とともに冒険の旅に出る。その過程でいかに夜の暗闇が光を輝かせるために重要であるか、もともと世界は闇しかなかったのに人間が光を手にしたがために無用な恐怖に悩まされることになったというのを描いている。なんとも実存主義的で多くの哲学者がずっと考えても答えがでないテーマをここまで分かりやすく子供向けに描いたところは特筆に値します。さすが!また、暗闇の仲間たちがどれも良い感じでキャラ立ちしているのもナイス!特にハンマーで殴ったり枕で窒息させたりして人々を眠りに落ちさせる睡眠と、可愛い見た目なのになにかと怒りっぽい静寂が自分は好きでした。肝心のお話の方も、途中から大人になったオリオンが娘に話してきかせていたというメタフィクション構造が明らかになるのだけど、途中からその娘が子供オリオンの世界に入ってきたり、彼女を救うために今度はお爺ちゃんオリオンの世界から孫がタイムマシンでやってきたりとかなり複雑怪奇。それなのにここまで分かりやすく、かつシュールで笑える世界観で表わしちゃうなんて凄い!最後、暗闇を救うために主人公が自らの記憶の中に飛び込むシーンは、観念的世界を独創的な映像で描いた唯一無二のもの。名作『エターナル・サンシャイン』をも髣髴させるその映像に自分はハート鷲掴みでした。いかに恐怖を克服して生きることが大切かを問うた秀作だと自分は思う。[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-07 12:01:21)
《新規》


3.  マエストロ:その音楽と愛と 《ネタバレ》 『ウェストサイド・ストーリー』の音楽などで有名な、世界的作曲家で指揮者でもあるレナード・バーンスタイン。彼の波乱に満ちた生涯を実話を基に描いた伝記映画。監督と主演を務めるのは、俳優として長年第一線で活躍してきたブラッドリー・クーパー。観終わってすぐの率直な感想を述べさせてもらうと、「ザ・普通」。決してつまらなくはないんだけど、さして面白くもないという。バイセクシャルでもあった彼と、長年彼の浮気に悩まされてきた妻との愛憎渦巻く関係を軸に描かれるんだけど、これがすんごく浅い。なんだかどちらの思いにも表面的なアプローチしかされてないので、自分は全く感情移入できませんでした。よく分からない理由で喧嘩していつの間にか仲直りしてまた喧嘩して、最後はガンになった妻に愛情を取り戻して大団円……。子供たちもこの親に怒ってんだか許してんだかもよく分からないし。うーん、これ、なんか内容薄すぎじゃないですか?もっとドラマティックに描くことも出来ただろうに。まぁ、前半2人がラブラブだった時代を白黒のノスタルジックな映像で描いて、後半夫婦の関係がギクシャクしてゆく過程はカラーで生々しく描くというのは対比が効いていて良かったのと画面が次々と切り替わってゆくミュージカルタッチの前半部は普通に見応えあったので、5点。[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-07 11:40:52)★《更新》★

4.  バーバリアン 《ネタバレ》 ある夜、仕事の面接を受けるため、デトロイトへとやって来たテス。少しでも予算を浮かそうと彼女は、ネットで見つけた民泊に予約を入れていた。だが、教えてもらった郊外の一軒家へとやって来たテスはすぐ異変に気づく。業者の手違いからそこにはキースと名乗る青年がすでに滞在していたのだ。担当者に連絡するもすでに夜も遅く、話すことも出来ない。近くのホテルも予約でいっぱい。途方に暮れたテスは、仕方なくその青年とともにこの家で夜を明かすことに――。当初は警戒していた彼女だったが、キースの誠実な人柄にいつしか心を許し、ともに酒を飲みながら身の上話を打ち明けるまでになっていた。とんだハプニングだったけど、良い人に出会えて良かったと寝室へと向かうテス。だが、彼女はまだ知らない。この家の地下室には恐るべき秘密が隠されていることを……。ある民泊を利用した女性が体験する恐ろしい事態を終始ノンストップで描いたサスペンスホラー。序盤はすんごく良かったと思うんですよ、これ。業者の手違いからとある一軒家に見ず知らずの男と泊まることになってしまった主人公。見た目も誠実そうで話し方も丁寧、一見すごく好青年の彼に警戒しながらも心を許してゆく。ところが、自分の考え過ぎなのか、彼の言動にところどころ怪しい部分が……。なんて不安になる描写があまりにも丁寧で、見ているこっちもぞわぞわさせてくれます。2人でシーツを直してるシーンなんて、この青年がいつ豹変するのかとハラハラドキドキ!そして登場する怪しい地下室。薄暗い部屋の中にはビデオカメラと薄汚いベッド、恐らくトイレに使っていたのだろうバケツ、壁には生々しい血痕が。ここまではベタながら演出がキレキレで素直に楽しんで観ることが出来ました。ただ……、真相が徐々に明らかになる後半があまりにもお粗末。突っ込みどころが満載過ぎて、自分はもはや苦笑しながら観てました。途中からこの民泊のオーナーであるテレビプロデューサーの物語になるんですが、これがちっとも面白くない。中途半端にMeToo運動を取り入れてるわりには、それが物語として活かされているわけでもなく、このオーナーのクズっぷりがただただ不愉快なだけ。せっかくここまでサスペンスを盛り上げてきたのに、なんでこんな自ら台無しにしちゃうような展開にしたんでしょう。地下室に登場する肝心のあいつとか、ホラー映画だとしてもあまりに荒唐無稽でなんか普通に冷めちゃいました。ようやくやって来た警察官2人も有り得ないくらい役立たずで自分はずっとイライラ。こんな職務怠慢にも程があるテキトーな警官なんて居ないっちゅーの!挙句、塔から落ちた主人公を追いかけて後から身を投げたモンスターが何故か自分の身を挺して助けるという、物理法則を無視しまくったラスト。どんなけテキトーに映画作っとんねん!前半はすこぶる良かったんですけどね~。[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-05 09:18:54)★《更新》★

5.  TAR/ター 《ネタバレ》 ヒステリックで高慢ちきな女指揮者が自業自得な案件でひたすら転落してゆくお話。大して面白くも深くもない話を無駄にダラダラ長く描いていて、もー序盤から退屈で退屈で仕方なかったです。アカデミー作品賞にノミネートされてましたが、自分には何が良いのかさっっっぱり分かりませんでした。ただ、いかにも更年期真っ只中って感じのケイト・ブランシェットの演技はすごく嵌まっていて、そこだけはさすが女優!と思いました。[DVD(字幕)] 4点(2024-05-31 11:01:51)

6.  ナイアド その決意は海を越える 《ネタバレ》 彼女の名は、ダイアナ・ナイアド。60歳を迎えたばかりのごく普通の初老の女性だ。これまで独身を通し、子供もおらず、唯一の家族は一匹の犬。それでもたくさんの友人たちに囲まれ、それなりに充実した毎日を過ごしていた。特に知り合って何十年にもなるボニーはお互いのことならなんでも知ってる親友同士。そんな彼女は最近、自分の人生に疑問を感じるようになる。「私、このまま普通のおばさんとして平凡に死んでいくのかな」――。そんな時にダイアナが思い出したのが、過去、自分が挑戦したものの失敗に終わってしまったある競技だった。キューバの海岸から一度も陸に上がらず対岸のフロリダまで泳いで渡るというマラソンスイム。そう、彼女は若かりし日、そんな無謀な挑戦を世界各国で行い成功させてきた有名なアスリートだったのだ。だが、60歳を迎えた今、そんな強い海流が行き交いサメや毒クラゲがうじゃうじゃいる海を2日以上かけて泳いで渡るというのは自殺行為に近いものだった。それでも後悔したくない。若き日の自分との約束を果たすため、彼女は大の親友であるボニーとともにそんな無謀な競技に挑むのだったが……。何の予備知識もないまま、ただ名女優アネット・ベニングとジョディ・フォスターが豪華共演ということで今回鑑賞。マラソンスイムなる競技を今回初めて知りましたが、世界にはこんな過酷なスポーツがあるんですね~。何日間も海の波に揺られ続け、食事も排泄も海に浮いたまま、ただひたすら対岸を目指して泳ぎ続けるというもはや常人には理解しがたい競技。いったい何のためにそんなことを?という疑問は言っちゃダメなんですよね(笑)。正直、序盤はそんな思いが強くて主人公に感情移入も出来ず、少し引いた目で観てしまいました。でも、最初の挑戦が失敗し、二度目、三度目と4年もかけてそれでも海へ出ようとする主人公。この狂気とも言える執念、ここまでいくともはや一周廻って応援している自分がいました。アネット・ベニングの鬼気迫るような熱演がそんな彼女の姿に説得力を与えている。クライマックスなんて、この人、ホントに何十時間も泳いできたんじゃないのと思えるような痛々しさでさすが名女優!時に辛辣な言葉をかけながらも彼女を献身的に支える親友ボニーを好演したジョディ・フォスターも素晴らしかったです。この二人のシスターフッド的友情もあくまでさりげなく描いていて好印象。最後、ようやくフロリダの海岸に辿り着いた主人公が周りの大観衆に見守られながらちょっとずつ歩いてゆくシーンはこちらも手に汗握って見守っちゃったよ。「手を触れないで!失格になるから」と周りの観衆に必死に訴えながら長年の親友を待ち受けるジョディ・フォスターがもう泣かせる。いやー、期待せずに観たらこれがなかなかの掘り出し物でした。8点![インターネット(字幕)] 8点(2024-05-25 07:15:27)

7.  ザ・フラッシュ 《ネタバレ》 世界最速のスーパーヒーロー、フラッシュの世界を救う大活躍を最新のCG技術で映像化したエンタメ・アクション。こーゆーヒーローごった煮映画はマーベルで懲りたはずのなのに、監督が自分はけっこう好きだったスティーブン・キング原作の『IT』2部作を撮ったアンディ・ムスキエティということで今回鑑賞。そんな期待せずに観たおかげか、意外や意外、けっこう面白いじゃん、これ!とにかく圧倒的な映像技術が凄い!超高速で動くことが出来る主人公が、スローモーションになった世界で自由自在に動き回るシーンはやぱワクワクしちゃいますわ~。倒壊したビルから生まれたばかりの赤ちゃんがたくさん落ちてくるのをレンジやらガスボンベやらダックスフントを使ってスイスイスイっと助けちゃうシーンは普通に楽しい。何気に、お腹が空きすぎた主人公が赤ちゃんよりまずお菓子を優先しちゃうところが自分はツボでした。全編通じてこーゆーブラックなギャグ満載なのも良いですね~。高速で動いたせいで服が破れた主人公がアキラ100%ばりのフリチンギャグを繰り返すのもベタすぎて思わず笑っちゃったわ。肝心のお話の方は、超光速で走ると過去に戻れることに気づいた主人公が死んだ母を救うために過去を改変しちゃうというもの。過去を変えてしまったせいで世界に分岐が起こり、そこから様々な宇宙が誕生しちゃういわゆるマルチバースという最近流行りの設定。スーパーヒーローにならなかった世界の自分とタッグを組み、落ちぶれて世間から忘れ去られたこちらの世界のバットマンと一緒にスーパーマンを助けに行くという、普通に考えたら頭がおかしくなりそうな複雑怪奇なお話なのに、ここまで分かりやすく纏めた脚本も見事。マイケル・キートンやジョージ・クルーニーと言った歴代バットマン俳優がマルチバースを越えて大集結というのはスパイダーマン最新作でやったパクリ……もとい、インスパイアですね(笑)。特にキートンバットマン(懐かしい!)がスパゲティを喰いながらそんなマルチバースを解説するシーンは分かりやすいと同時になんか笑えちゃう出色の出来でした。そして、登場するスーパーガール。僕の最近一推しのセクシー女優MINAMOちゃん似の彼女がピチピチのコスチュームで暴れまわるシーンは色んな意味でヤバかった(笑)。そして最後、主人公が現実を受け入れ過去と決別するシーンは切ない余韻を残してくれます。まさかこんなラストが待ってるなんて!うん、なかなか面白かった!7点![インターネット(字幕)] 7点(2024-05-22 08:20:51)

8.  ミッドナイトスワン 《ネタバレ》 都会の片隅で孤独に生きるトランスジェンダーの女性と、親から虐待を受け心を固く閉ざしてしまった女子高生。ひょんなことから共同生活を送ることになったそんな2人の哀切極まりない交流を描いたヒューマン・ドラマ。いやぁ、なんとも辛気臭い映画でしたね、これ。登場人物誰も彼もがほとんど笑わないような根暗な人たちばかりで、しかも画も暗いし音楽も暗いし、ストーリーもひたすら暗い。自分は途中からイヤになっちゃいました。別に自分はそんな辛気臭い映画全部が全部嫌いなわけじゃないのですが、残念ながらこれは自分の嫌いなタイプの辛気臭映画でした。この監督のとにかく観客の心に傷跡を残してやろうという作為があからさま過ぎて、なんかイヤ。主人公のもとに居候に来る、もう一人の主人公である女子高生なんてステレオタイプなメンヘラ女子過ぎて、人間味がまったく感じられません。特にあの友達のクラスメイトとの同性愛的百合要素は必要だったんでしょうか?いかにもおっさんが夢見そうな可憐な女子高生像って感じで自分はげんなり。足のケガでバレエを諦めたその友人がある夫婦の披露宴で自殺?するシーンもいまいち必然性が感じられず、しかもその後どーなったのかほったらかしというのも納得出来ません。いやいや、そこはちゃんと描かないとダメでしょ。終盤、性転換手術を受けた主人公がその後遺症からおむつをして寝たきりになった姿をあそこまで露悪的に映す演出も自分はひたすら嫌悪感しか感じませんでした。挙句、とってつけたような強引なラストシーン。物凄く辛辣な言い方をさせてもらうと、同じく鬱映画として名高い『ダンサーインザダーク』や『ブラックスワン』、その両作が完成度を高めるために敢えて捨てた部分のみを集めて出来上がった作品という印象を持ってしまいました。我ながら少し言い過ぎかもしれませんが、それくらい観たあと嫌な気持ちになったので仕方ありません。ただ草彅剛のトランスジェンダー役はけっこう嵌まっていて、当初こそ違和感があったものの、途中からはもうそーゆー人にしか見えてこなかったのはやはり彼の演技力の賜物。世間の理不尽さに翻弄されながらも必死に生きようとする彼の姿はやはり胸に響くものがある。その真に迫った役作りには素直に感心してしまったので、+1点。[インターネット(字幕)] 5点(2024-05-20 09:40:36)

9.  Smile スマイル(2022) 《ネタバレ》 都会の総合病院で精神的に不安定な患者のカウンセリングを担当する精神科医ローズ。ある日、彼女は救急で搬送されてきた女子大生ローラを診察することに。数日前、目の前で大学教授が自殺する姿を目撃してしまって以来、ローラはずっと不安定で病院へと運び込まれてきた時にはもはや錯乱状態だった。なんとか落ち着かせようと必死に言葉をかけるローズ。だが、ローラはそんな彼女の言葉もむなしく、目の前で自ら首を切って自殺してしまうのだった。しかも何故かその顔には満面の笑みがたたえられていた――。上司から強制的に一週間の休暇を言い渡されたローズ。同棲中の彼氏にも励まされなんとか元の生活を取り戻そうとするのだったが、そんな彼女に不穏な事態が襲い掛かってくる。飼っていた猫が居なくなったり、家の中に得体のしれない気配を感じたり。追い打ちをかけるように、ある患者がローズに暴言を吐きながら襲い掛かってくるのだった。そしてその顔にもまた満面の笑みがたたえられていた……。笑顔をテーマに、ある精神科医が体験する恐怖の一週間を濃密に描いたモダン・ホラー。まあ頑張ってるのは分かるんですが、圧倒的にセンスが不足しているせいでなんとも古臭い印象が否めないホラー映画でしたね、これ。全編通じて怖がらせ演出がとにかく古臭い!なんだか90年代に大量生産されたB級ホラーの総集編を観ているようでした。特に残念ポイントだったのは、こーゆー陰鬱な映画にはどこか息抜きとなる明るいキャラが一人は必要なのに、そんな魅力的なキャラが一人もいないところ。主人公も暗くて陰々滅々としているうえに情緒が不安定過ぎてまったく感情移入出来ません。主人公、まずあんたがカウンセリング受けろよ(笑)。あと、えらいこっちゃな出来事が起きたのに次の瞬間、これは霊が見せた幻覚でしたという反則ギリギリの演出が多発されるのも自分は少しイライラしちゃいました。唯一新しい点は、加害者がみな人を襲うときに張り付いたような満面の笑みを浮かべているところかな。ここはなかなか気持ち悪くて大変グッド。ずっと笑顔でこちらを見つめてくる奴ってやぱ怖いわ。でも残念ながら、そんな魅力的な設定もいまいち上手く使いこなせていません。ここらへん、監督のセンスのあるなしが明確に浮き彫りになりますね。とは言え、ベタな設定ながらも基本に忠実に作られているおかげで最後までそこそこ観ていられる出来にはなってました。人に憑りついた悪霊?が彼らを自殺させながら連鎖してゆくという設定はやはり不気味で怖い。途中までそんな呪いの存在を明らかにさせなかった演出もけっこう効いている。きっとこの監督はホラー映画が大好きなんだろうね。とにかく観客に怖がってもらおうというのは分かるだけに、なんとも惜しい印象でした。でも、これが長編デビュー作だということでそこら辺は次作で改善されるかも?期待を込めて、甘めに6点![インターネット(字幕)] 6点(2024-05-18 10:37:04)

10.  終わらない週末 《ネタバレ》 最近すっかり倦怠期に陥っているとある夫婦とその子供たち。少しでも気分転換を図ろうと彼らはこの週末、リゾート地の豪華な別荘に予約を入れるのだった。チェックインしたその別荘は大きなプールや広い寝室が備えられ、子供たちのテンションも自然に上がっていく。早速水着に着替え、近くの浜辺に海水浴へと出かける家族たち――。だが、彼らはすぐ異変に気づく。謎のサイバー攻撃により街は大規模な停電に見舞われ、ネットやテレビも全て遮断されてしまったのだ。さらには航行不能に陥った巨大タンカーが浜辺へと打ち寄せてきて、現場は大混乱に。すぐさま別荘へと逃げ帰ってきた家族にさらなる不穏な訪問者が。この別荘のオーナーだという怪しい親子が、一晩この家に泊めてほしいとやって来たのだ。はたして何が起こっているのか?この訪問者は本当に別荘のオーナーなのか?そして、家族は無事に週明けを迎えることが出来るのか?まったく期待せずに観たらこれがめちゃ面白かったんですけど!何がいいかって、とにかくこの全体を覆ういや~~~~~な空気。ずっと気持ちが落ち着かないカメラワークに不穏な音楽、なにより登場人物全員が人を嫌な気持ちにさせる要素をちょっとずつ持ってるところ!常にヒステリックで情緒不安定なお母さんにそんな妻に嫌気を差しつつも無気力に引き摺られちゃうお父さん、隣のエロいおねーちゃんの水着を携帯見るふりして盗撮しちゃうお兄ちゃん、ドラマ『フレンズ』の最終回を観ることだけが生きがいの妹……。別に普通の家族なのになんでここまで人を不快にさせるんでしょうか。途中から登場する、この民泊のオーナーの黒人親子もヤバい。物腰は丁寧なのに絶対人を見下してるだろってことが丸わかりの父親、常に人を小馬鹿にするような皮肉ばかりのたまう娘。この映画、とにかく人を不快にさせる作りが抜群に巧い。監督、絶対性格悪いだろ(笑)。そんなどっかで勝手にやってくれと言わんばかりの家族に徐々に世界の終末が迫ってくるわけだけど、これも絶妙に不安感を煽るもので大変グッド。特にピンクのビラを大量に撒くドローンや急に歯がボロボロと抜けちゃうお兄ちゃんが強烈。父親が途中で出会う、スペイン語しか話せないおばちゃんが自分はすんごく嫌でした。困っているのは分かるけけど、ちょっと落ち着いてくれよっていう。思わず置き去りにしちゃったイーサン・ホークの気持ちも分かる(笑)。何気に自分の保身のために家に閉じこもってたケヴィン・ベーコン(懐かしい!)が一番まともに見えるという。そして、ここまで大風呂敷を拡げといてどーオチつけるのかと思ったら、まさかのラスト!いやー、妹ちゃん良かったね、願いが叶って(友情ってサイコーとか言ってられへんくらい世界はむちゃくちゃですけど…笑)。ここまで人を不快にさせる作品ってある意味凄い。なんだかアリ・アスターをも髣髴させるこの監督の才能は、これから要注目だわ。[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-15 10:23:58)

11.  REBEL MOON パート2 傷跡を刻む者 《ネタバレ》 宇宙の隅々まで支配する強大な銀河帝国マザーワールドに狙われ、存続の危機に立たされた辺境のとある小さな村。かつて帝国の忠実な兵士として戦った女剣士コラは、村のためにともに戦ってくれる英雄たちを求めて銀河へと旅立つのだった――。獰猛なグリフィンを手懐けたら解放するという約束を見事果たした奴隷戦士。子供をさらう異形の蜘蛛女と戦っているところをスカウトされた二刀流の女剣士。帝国軍から酷い裏切りを受けいまや酒浸りの荒んだ生活を送っていた元将軍。残虐非道な帝国軍といつ果てるともしれないゲリラ戦を続けているレジスタンスの一兵士。帝国軍に忠実に従うようプログラミングされたにも関わらずいつしか自我に目覚めてしまったアンドロイド。そして、コラとともに苦難の旅を続けてきた平凡な村人である若者……。強大な帝国軍を率いる冷酷無比なノーブル提督を一度は撃破した彼らだったが、クローン技術により復活した提督の魔の手が再び村へと忍び寄る。それまで平穏な暮らしを送っていた村人たちを訓練し、完全武装した帝国軍を迎え撃つ準備を着々と続けてゆくそんな7人の戦士たち。果たして彼らと村の運命は?ザック・スナイダー監督が贈る、『七人の侍』からインスパイアされたという壮大なスペースオペラ完結編。前作同様、独自の世界観を圧倒的な映像技術で表現したアクションシーンはやはり凄かった。何もない丘に一から造ったという村を舞台に繰り広げられる7人の戦士たちの闘いは凄まじい臨場感。ただ……、さすがに荒唐無稽が過ぎる!空中を浮遊する超ハイテク移動マシンを持ってるのに村人たち、稲刈りは人力で鍬ですんのかい。まず稲刈り機を購入しようよ(笑)。対する帝国軍もあんな強大な宇宙艦船を幾つも有していながら、こんなちっぽけな村の些末な穀物に拘るってなんでやねん。まぁ今回から帝国軍のお尋ね者であったコラを捕らえるという真の目的が出来てましたけど、はじめは穀物目当てだったよね。また、今回の見どころである7人の戦士たちのバトルもちょっと消化不良。それぞれの個性を活かした闘いが誰も彼も独自にやっていて、一つの目的のために戦ってるという一体感がいまいち感じられなかった。特にこれまでひたすら謎めいた存在であったアンドロイドのジミーがいまいち活躍しなかったのが残念。ここまで謎キャラで引っ張といて、いざ自らの意思で帝国軍に反旗を翻したのに結局、戦車一台壊しただけであっさり退場ってさすがに拍子抜けでした。もっと無茶苦茶に無双してほしかったぞ。まだ続くんかい!というオチもなんか蛇足感が強くて、もーええわってなっちゃいました。世界観は凄く好みだったし、映像も迫力満点で見応えあったけど、そー言った不満点も多くてなんか惜しい感じ。うーん、前作の方が面白かったかな。[インターネット(字幕)] 6点(2024-05-10 10:03:59)

12.  ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語 《ネタバレ》 児童文学で有名なロアルド・ダールの短編小説を、独自の世界観で一部で熱狂的なファンを持つウェス・アンダーソン監督が映画化。ロアルド・ダールの小説は一遍も読んだことはないのですが、『チャーリーとチョコレート工場』や『魔女がいっぱい』など映画化された作品はどれも皮肉と毒が効いてて個人的には好きなんです。でも、監督であるウェス・アンダーソンは昔から合わない監督の1人。なんだかこの人の自分のセンスをやたらとひけらかすような作風が僕、個人的に嫌いなんです。で、好きな原作者と嫌いな監督のコラボレーションである本作、いったいどちらが勝つんだろうと今回鑑賞してみました。結果は……、嫌いが勝ちました(笑)。しかもかなり大勝。パステルカラーで撮られたいかにも「どうだい、俺ってセンスあるだろ」と言わんばかりのメルヘン世界観も好きになれないし、登場人物がカメラ目線でやたら早口で捲し立てるのも何言ってるか分かんないし、なんか説教されてるみたいで癪に障る。自分は終始イライラしながら観てました。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。ちなみに姉妹編である他3作(『白鳥』『ネズミ捕りの男』『毒』)も鑑賞済みで、この感想は4作纏めてのものです。[インターネット(字幕)] 4点(2024-05-10 08:54:03)

13.  REBEL MOON パート1 炎の子 《ネタバレ》 ここは、強大な皇帝が宇宙の隅々まで支配する銀河帝国マザーワールド。だが、そんな帝国に不穏な空気が立ち込め始める。絶大な権力を有していた王家が軍の謀叛により皆殺しにされてしまったのだ。そんな混乱の隙をついてレジスタンスが各地で反乱を起こし、帝国は新たなる戦乱の時代に突入しつつあった――。辺境の小さな星で日々農業を営み、貧しいながらも平穏な暮らしを送っていたある村にも暗い影が忍び寄る。帝国の巨大な艦船が幾多の護衛艦を引き連れ、村の上空に現れたのだ。屈強な兵士を何人も従え村へと訪れたノーブル提督は、村長に村の穀物を帝国のために引き渡せという無茶な要求をしてくるのだった。「そんな、食料がなくなったら我々は餓死してしまう」。決死の思いでそう訴える村長を無情にも殺した提督は、10週間後までに村に備蓄してある食料の3倍の量を用意しておけと言い残し去ってゆく。一部始終を目撃した村の若い女性コラ。過去を捨て静かに暮らしていた彼女は、村を救うため広大な銀河へと旅立つ決意をするのだった。自分たちと一緒に戦ってくれる勇敢な英雄たちを求めて……。独創的な映像と唯一無二の世界観でハリウッドのエンタメ映画界を牽引するザック・スナイダー監督の最新作は、黒澤明の名作『七人の侍』からインスパイアされたというスペースオペラ大作でした。リアリティなんてはなから度外視、とにかく拘りに拘りぬいた映像を撮らせたら右に並ぶものがないこの監督の大ファンである自分としてはけっこう期待して今回鑑賞。いやー、これがもうまんま七人の侍で思わず笑っちゃったわ。貧しい村を救うために七人の戦士を求め主人公たちが馬を駆って旅をするシーンなんてそのまんまやし。でも、設定をSFに変えるだけでここまで変わるのかというくらい印象がからりと変わっちゃうのはやぱ面白かったですね。2部作ということで今回は7人の戦士たちを集めるために旅するというのがメインのお話になるのだけど、出会う戦士たちがどいつもこいつも中2病感溢れる個性が炸裂してて大変グッド。グリフィン使いの奴隷戦士や二刀流のクールな女剣士、今や酒浸りの元帝国軍将軍なんてめっちゃくちゃベタなメンバーだけど、やぱ彼らが徐々に集うシーンはテンション上がっちゃいますわ。対する悪役の帝国軍も負けず劣らずキャラ立ちしているのも良いですね~~。特におかっぱ頭で触手好き?なノーブル提督の気持ち悪さはもう振り切ってて素晴らしい!ここら辺、おたくでならしたザック・スナイダーの面目躍如って感じですね。クライマックス、宇宙船を舞台にした彼らのバトルは相変わらずのド迫力で素直にハラハラドキドキ。いやー、面白かった。村を守るためにいよいよ故郷の星へと帰ってきた七人の戦士たちの戦いは、完結編である次作に持ち越し。うん、楽しみにしとこ♪[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-04 11:00:37)

14.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 《ネタバレ》 毎度おなじみ不可能ミッション請負人のイーサン・ハントが世界狭しと大活躍する人気シリーズも今回でなんと7作目!いやー、まさかこんなに長寿シリーズになるとは思わなんだですな。ブライアン・デ・パルマが監督を務めた一作目からリアルタイムで観てきた自分としてはなかなか感慨深いものを感じながら今回鑑賞。相変わらず湯水のようにお金を掛けた&トム・クルーズのもはやドMなんじゃないかとも思える身体を張ったアクションは今回も凄かった!特にクライマックスの列車のシーンはベタだけど素直にハラハラドキドキ!なんであんたら、わざわざ列車の上に出て戦うねん(笑)。まぁ相変わらずストーリー自体はよー分かりませんでしたけど。取り敢えず鍵が2本あってそれを敵の手に渡すと世界が大変なことになりまんねんってことだったのかな?そこら辺がよー分からんうえに、さらには敵さんもいまいちキャラ立ちしてないとこがなんだか残念ポイントでした。パート1ということでそこら辺は2作目で明らかになるっぽい?でも、かなり強引なストーリー展開が良くも悪くも売りだった本シリーズで2部作にしたのは失敗だったような気がしなくもない。単純にこれ1本ですっきり終わってほしかったぞー!とはいえ単純にアクションシーンはどれも大迫力だったし、還暦近いのにトム・クルーズは相変わらずカッコ良かったし、エンタメ映画としては充分面白かった!続編も楽しみにしとこ♪[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-01 09:15:49)

15.  ザ・キラー 《ネタバレ》 闇社会に生きる凄腕の殺し屋。自らが決めたプロフェッショナルな哲学に忠実に従い常に完璧な仕事をこなしてきた彼だったが、パリでの任務遂行中に致命的なミスを犯してしまう。警察の目を逃れ飛行機へと乗り込み、何とかアジトがあるドミニカ共和国まで戻ってきた彼。だが、そこで待っていたのは組織によって半殺しの目に遭わされた愛する恋人の痛々しい姿だった。「彼女をこんな酷い目に遭わせた奴らを俺は絶対許さない」――。固くそう誓った彼は、単身アメリカへと渡ることに。自らのエージェントを皮切りに、恋人に酷い拷問を行った二人組、そしてクライアントである実業家らを追い詰めてゆく。果たして彼の復讐の旅路は成功するのか?サスペンス映画界を代表するベテラン、デビッド・フィンチャー監督の最新作は、そんな孤独な殺し屋の復讐劇をスタイリッシュに描いたクライム・サスペンスだ。彼がこれまでのキャリアで培ってきたテクニックを思う存分駆使して創られたであろう本作、これが小技の効いた演出の力が光る佳品に仕上がっておりました。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく2時間、このサスペンスフルな展開を楽しんでくれと言わんばかりの潔いまでの中身のなさはもはや清々しい。マイケル・ファスベンダー演じる主人公がひたすら語りまくるストイックなナレーションがあまりにナルシスチックでちょっと笑けてきちゃうのがポイント。ともすれば単調になりがちなこのお話に良いアクセントを与えてました。肝心のサスペンスシーンももはや匠の技と言っていいフィンチャー監督のテクニックが随所に冴えていて、冒頭からとにかくノンストップでハラハラドキドキ。アメリカでごみ清掃員を装いながらエージェントを襲うシーン、自動ロックが掛かるドアの閉まるまでの秒数を数えながらぎりぎりで足を挟むとことか単純にかっこいいし。人質にした秘書が「お願い、事故死に見せかけて。そしたら子供たちに保険金が下りるから」という訴えをちゃんと聞いちゃうなんて、なんと心憎い男なんだ!実行犯の一人である黒人の殺し屋を襲うシーンもけっこう反撃を喰らってる上に犬にだいぶ手こずってるとこも、なんかお茶目で好き。まぁさすがにストーリーが空気過ぎて、後半から若干ダレてしまった感があるのが玉に瑕でしたけど(特にティルダ・スウィントンの謎の熊のお話を延々とするディナーシーン!)。90分くらいで終わってくれたらもっと完成度の高い傑作になったかもしれないのにね。とはいえトレント・レズナーの不穏な音楽も作品世界に最高にマッチしてたし、フィンチャー監督の円熟の技が光るサスペンス映画の佳品でありました。7点![インターネット(字幕)] 7点(2024-04-26 12:51:17)

16.  バービー(2023) 《ネタバレ》 全世界で根強い人気を誇る老舗玩具バービー人形。もし彼女らが意識を持ち、彼女たちだけが暮らす夢のような世界があったら?本作は、そんな特異なアイデアを独創的な映像で描いた異世界ファンタジー。監督は、僕とはあまり相性の良くないグレタ・ガーウィグ。この人の映画を観るのはこれで三作目なのだけど、やっぱり今回も見事に嵌まりませんでした。この人のあからさまなフェミニズム思想ってなんかすんごく偏ってません?自分は男ですが、この社会に当然のようにはびこる男たちの傲慢さに昔から違和感を覚えていたタイプ。「男は社会に出て積極的にバリバリ働き、女は家庭を守り子供を育てる。それこそが人類共通の真の幸せな姿だ」なんて平気で信じ込んでる男たちに心底うんざりしてきました。そんな「女は頑張った自分へのご褒美だ」と本気で考えてるような男には絶対にならないでおこうと決めた僕でも、本作の根底に貫かれる極端なフェミニズム思想にはかなり拒絶反応が……。この映画のテーマって結局、「今まで男が女を支配してきたからこれからは女が男を支配してやりましょう、それができなければもう女たちだけで生きていこうよ」ってことですよね?それってどーなんですか。なんかすごい違和感を感じたのは僕だけなのかな。この社会の分断を招き男女間の対立をいたずらに煽っているだけのような。まぁそんな極端な考えに走るほど、女性がこれまで不当に虐げられてきたというのも分かるんですけどね。とはいえそーゆーのを抜きにしても、単純にファンタジー映画としてどうなんと思える部分も残念に感じました。バービーランドと人間社会の関係がかなり曖昧過ぎて物語の世界に全く入り込めなかったんですけど。どうしてバービーランドが出来たのか?この世界が最初にあってマテル社がその模倣としてバービー人形を作ったのか?あるいはその逆なのか?現実社会の持ち主の暗い思いがこの世界に悪影響を及ぼすならとっくにこのバービーランドは崩壊しているのではないか?そこら辺の設定の詰めが甘く、自分はもはや物語として破綻しているようにすら感じてしまいました。「マーゴット・ロビーが言っても説得力がない」なんて楽屋オチみたいなネタを突然出してきたときなんて完全にすべってたし。そんなわけで、自分はこの監督の感性&思想とはまったく合わないことを再確認してしまいました。マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングの豪華共演と、ピンクを基調とした映像の創り込みがさすがに半端なかったので、+1点!![DVD(字幕)] 5点(2024-04-26 11:30:37)

17.  ブラックアダム 《ネタバレ》 こーゆーヒーローごった煮映画ってマーベルで懲りたはずなのに、監督がわりかし好きなジャウマ・コレット=セラだったので今回鑑賞。やっぱりヒーローがごった煮で、なんか牛肉と豚肉と鶏肉しか入ってない水炊きを延々食べさせられた気分。白菜やえのきやマロニーみたいな心温まるエピソードやハラハラドキドキするサスペンスフルな展開も入れてほしいよー!まぁ映像はけっこうスタイリッシュで見応えあったんですけどねー。[DVD(字幕)] 5点(2024-04-20 10:11:38)

18.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 これを唯一無二の独創的なユーモアセンスだととるか、単なる悪趣味な悪ふざけだと捉えるかで大きく評価が分かれる作品。自分?完全に後者です。[DVD(字幕)] 3点(2024-04-13 13:05:55)

19.  すずめの戸締まり 《ネタバレ》 人々から忘れられ廃墟となった場所にはいつしかこの世とは違う世界へと通じる扉が開くという。災いをもたらす異形の存在ミミズがその扉から現れることによって、その地は地震に見舞われるのだ。古くから日本中を旅してそんな災いをもたらす扉を閉じる作業を人知れず続けているのは、閉じ師と呼ばれる一族。ある日、そんな閉じ師の末裔である草太と知り合った平凡な女子高生すずめは、災いを封じるための要石が猫に姿を変え日本列島を北上し始めたことを知るのだった。「このままでは未曽有の大災害が日本を襲い、また多くの人たちが死んでしまう」――。要石によって小さな椅子に変えられてしまった草太とともに、そんな猫を追って旅することになったすずめは、各地で様々な人々に出会い助けられながら北を目指して旅を続けててゆく……。日本映画界を牽引する稀代のヒットメイカー、新海誠の最新作は災害列島日本という国で人知れず人々を救ってきた閉じ師と平凡な女子高生の物語をファンタジックに描いたロードムービーでした。正直この人の映画ってイマイチ好きになれなくて(特に前作『天気の子』は酷かった!)、本作も別に観る気はなかったのだけど、今回地上波でノーカット放送されるということで鑑賞。そんな期待値ゼロで観始めたのが良かったのか、感想は「あれ、意外と悪くないじゃん」でした。いやむしろけっこう好きかも!冒頭からノンストップで描かれるすずめの旅はかなりテンポが良くて、ストーリーの強引さも気にならないくらい惹き込まれて観ている自分がいました。映像が美しいのはもはや言わずもがな、それより椅子に変えられた草太と要石猫との追いかけっこがアニメならではの躍動感に満ちていて率直に楽しい。いけ好かないキャラだった草太が、ちゃちな椅子に変えられてしまったことで逆に魅力的にさせてるとこなんてなかなかいいセンスしてるやん!今回は東日本大震災をテーマにしていることで、新海作品特有の童貞男子が夢見そうな青臭い妄想臭が幾分か抑えられていたことも大変グッド。椅子にチューしちゃう主人公をどーしても入れたかったのだろう監督の意地はご愛敬だけど(笑)。旅先で出会う人々がみんな良い人過ぎるのもどーかと思ったけど、後半叔母の心のどす黒い声が溢れ出してしまうシーンでちゃんと暗い現実も描いていて上手くバランスをとっていたと思う。311をエンタメとして扱うことにネットなどで賛否が分かれているのは知っています。確かにちょっと軽く描き過ぎとは思うけれど、自分は普通に受け入れられました。何故なら本作の根底には、震災のみならずすべての災害で亡くなった人々への祈りと鎮魂の物語があると思えたから。これまでの自らの世界観を踏襲しつつも新たな地平を築いた新海誠監督の秀作だと自分は思う。[地上波(邦画)] 7点(2024-04-10 10:13:10)

20.  月の満ち欠け 《ネタバレ》 生まれ変わりをテーマに、愛する人を求めて時を越えて生き続けるある男女を描いたラブストーリー。直木賞を受賞した原作は既読済み。原作を読み終わった自分の率直な感想は、「これって男の気持ち悪~い妄想をなんとも気持ち悪~~く描いた、いい意味で気持ちの悪~~~い小説だな」というものでした。ホント気持ち悪い読後感に包まれながら、でもこの気持ち悪さ、けっこう好きかもなんて思ったり。そう感じたのは自分だけなのかなと後日直木賞の選評を読んでみたら、選考委員の東野圭吾さんが「読みながら自分はずっと気味の悪い話としか思えなかったのだが、作者自身も恐らく気味の悪い小説を書こうとしてこうなったのだから、本作は成功しているのだろう」という趣旨のことを書いておられていたく共感した思い出が。で、そんな気持ちの悪い小説を映画化したという本作。これが原作通りの、男の気持ち悪~い妄想を気持ち悪~~く映像化したいい意味で気持ちの悪~~~い映画でありました。男なら、恋愛絶頂期に誰もが彼女や嫁に言われたことがあるだろうこんなセリフ、「生まれ変わってもまたあなたを探して一緒になるわ」「もし私が死んでもいつまでも私のこと忘れないでね」「あなたとのこの恋は運命だったのかも」。何気なく言っただろう女性のそんな言葉を、男はいつまでもずっと憶えていたりする哀しい生き物。女性からすれば「アホちゃう?冷静に考えたらもっとええ男探すわ」と失笑されそうな、そんな男のナルシズムを前面に押し出した物語はイタさ爆発だけど、ここまで徹底的にやられちゃうともはや究極の純愛に思えてしまう。複雑な時間軸や多岐にわたる人間関係、生まれ変わりという難しいテーマを数々の技巧を駆使してここまで破綻なく描いた情熱は特筆に値します。ただ、この監督、本気でこれを美談だと思って映像化してるんじゃないの?と思えるようなクサいシーンが多すぎて自分はちょっと冷めてしまったのが残念。あと、主役を演じた大泉洋が軽すぎてミスキャストのようにも思う。ここらへんは純粋に好みの問題だけど、まぁ良かったんじゃないでしょうか。以下ネタバレ。最後に再会を果たした明と瑠璃。一見、相思相愛の2人がようやく出会えたハッピーエンドのようだけど、現実は40越えたおっさんと9歳の女の子……。いや、これって完全なる犯罪だよね…(笑)。そこをあくまで幸せな結末のように描いた原作の気持ち悪さは最後まで徹底してました。興味ある方はぜひ御一読を。[DVD(邦画)] 6点(2024-04-06 10:00:29)

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