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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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2001.  レインディア・ゲーム 映画のストーリーにリアリティが無いと気に食わないヒトなら間違いなく途中で怒り出すタイプの作品。こういう「んなアホな」的なファンタジー路線のミステリ、よく考えれば、いや少し考えれば、いや考えるまでもなく、フランケン師匠と相性がいいハズもないんですね。冒頭に示されるサンタの累々たる死体へ至るクライマックスとか、ダーツによる拷問とか、一種のコケオドシをいかにコケオドシて見せるか。この図々しいバカミステリをいかに強引に図々しく描くか。と来れば、相応にエキセントリックな監督さんの出番が期待される訳ですが。いやいやそうじゃない、これはミステリなんだから、いかに予想を裏切るか。まさかそんな展開とは、まさかそんなオチとは、まさかそんな展開とは。監督がフランケン師匠であるという時点ですでにミスディレクションが始まっている(笑)。レインディア=トナカイ、サンタを運んでいるトナカイとは一体誰なのか、いやそもそもトナカイに運ばれているサンタとは誰なのか。それは実はアナタ自身かも知れない、いや何と監督さん本人かも知れない。とか、まあそこまで珍作扱いしなくとも、このちょっと強引なシーソーゲームを、それなりに手堅くそれなりにハメを外した演出で楽しめば、よろしいのではないでしょうか。強引さこそバカミステリの命。ゲイリー・シニーズはひたすら意固地になり、ベン・アフレックは追いつめられつつもひたすらその挑戦を受け、そして映画は進んでいく。それでよろしい。ま、正直、私も3回目に観てようやくこんなに楽しめるようになりましたが(笑)。[ビデオ(字幕)] 8点(2012-09-29 02:50:27)

2002.  ニッポン無責任時代 一言で言えば、「元気な映画」ですよね。「現金な」でも結構ですが(笑)。歌って踊る植木等の活きの良さ、調子良さには観ててつい頬が緩むし、大胆でちょっと雑なカット割りなども、むしろ楽しかったりします。元気で、動きに満ちた映画。この主人公、やってることは“周囲と比較すると”メチャクチャだけど、自分ではうまくいくと信じて、最後まで投げ出すこともなくすべてをやり切ってしまうんだから、別に主人公自身が「無責任」って訳じゃなく、むしろ、こんなヒトが大成功しちゃうこの映画のノリこそが、確信犯的「無責任」という訳なんでしょう。堅苦しい世の中において、「無責任」の楽しさよ。ところがところが、裁量労働・成果主義の現在から見れば、むしろこの主人公ほど優秀な人材はいない、ってなことになりかねない。世の中全員がこんなヒトばかりでは、困るんですが。ホントは、閉塞状況の中にあえぐ現在の我々が、この映画を観て感じ取るべきなのは、「多様性」ということの価値、なのかも知れません……。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-23 09:05:07)

2003.  スクリーム3 《ネタバレ》 3作目ともなるとマンネリ化が懸念されるところ、しかし派手な爆破シーンなども取り入れてみたり、舞台を映画製作現場として作品のメタレベルを引き上げたり。と、結構楽しめた記憶はあったんだけど、えーと犯人誰だっけ。という訳で再見。ミステリって、犯人忘れたら何度でも楽しめるからいいですよね。記憶力が衰えてくると、いいこともあるもんです。喜んでる場合じゃないけど。でまあ本作、順当に行けば、犯人はどう考えても「キャリー・フィッシャー」ですよね。いや、さすがに彼女が犯人ではないことは、私のかすかな記憶が示しているんだけれども、でもこれが模範解答じゃなかろうか。・・・で結局、意外にフツーな犯人で、さすがはスクリーム・シリーズ、しっかりとウラのウラをかいてくれました。しかもこのヒトが真犯人だなんて、1年後くらいにはきれいさっぱり忘れてそうなので、また楽しんで観られそうです。ヨカッタヨカッタ。[地上波(字幕)] 7点(2012-09-18 21:21:33)(笑:1票) (良:1票)

2004.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 言わずと知れた脱獄映画の決定版。とは言ってもこれ、妙な作品でもあって、基本的に監獄の「外の世界」ってのが無いんですよね。ひたすら「中の世界」で脱獄に取り組む姿が、少ないセリフでもって描かれる。「外の世界」ってのが無いから、主人公はどこからともなく現れ、どこへともなく消え去ってしまって、終わり。脱獄の目的は、脱獄そのものにあり。ほとんど無目的とも言える冷えた情熱が、静かに着々と描かれていく。その姿に、そして時に残酷なまでの冷徹な視線に、シビれちゃうんですけれども。ただ、もう少し感情を交えて描いてもよろしかったのでは、という気もしないでもないですが(「静寂」の持つ不気味さの描写、とか)。あと、爪切り盗んだりスプーン盗んだり、ギリギリの綱渡りのような脱獄手段についての綿密な描写がある一方で、後半は何でもかんでも簡単に手に入れちゃう大味な描写になってしまうのも、ちょっと残念。というか、実際に命がけで脱獄算段を練る脱獄者と、その脱獄手段を空想してみる映画製作者との、想像力の差なのかも知れませんが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-18 20:57:06)(良:1票)

2005.  戦争プロフェッショナル 内戦下のコンゴを舞台に、僻地に取り残された民間人の救出(+ダイヤモンドの回収)に向う傭兵の活躍!ってな映画なんですけれども。全く洗練されていないカオス感たっぷりの作品になってます。救出に向かう手段は機関車、武装した味方の兵士どもを乗せてエンヤコラ、マトモな作戦なんぞまるで無く、戦闘が始まればいきなり消耗戦状態。危機また危機なのは、一種の冒険活劇のテイストを狙ってるんでしょうけれども、それが何だかグチャグチャで、収拾不可能、もはや終末思想的なテイストと言ってもよいのではないかと(笑)。そのカオス状態から一転、すばらしくサワヤカなラストが皆さんをお待ちしておりますので、どうぞご期待ください。まあ何にせよ、男臭くも実にエネルギッシュな作品なのです。[DVD(字幕)] 8点(2012-09-16 07:42:58)

2006.  デスペラード 実際には物語も無ければ背景も無く、伏線も無い、要するになーんにも無い。そこにあるのはアクション。すべてが刹那的。背景のありそうなモットモらしい、だけど実際には何も説明していないセリフの数々、妙にアッサリ死んじゃって何しに出てきたのか、しかし存在感だけはしっかりと残す、ブシェミ、トレホ、そしてタランティーノ。クライマックスでは主人公が突如3人に増殖し(!)、訳ワカランけどひたすら楽しい(ってか、初めて観た時はまだ『エル・マリアッチ』を観てなかったので「コレ誰やねん」状態だったけど、観た後で本作を観直すと、この世界観に妙に納得してしまう自分がいる)。アクション映画ってのは、アクションシーンがあるからアクション映画なんじゃなくって、この作品のように、映画自体がアクロバティックに(時にクラッシュしながら)突き進んでいくからこその、“アクション”映画。別の呼び方では「バカ映画」とも言いますかね。[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-09-09 11:19:28)

2007.  コナン・ザ・グレート ラジー賞候補だろうと何だろうと、シュワは彼の経歴の中において、多分、この作品で一番いい仕事をしてるんじゃないかと思います。ムキムキ度200%、ゴツゴツとした武骨で破壊力満点のアクション。鋼の剣でぶった切る、ハンマーで打ち砕く。切り損ねた剣が岩に当たって飛び散る破片に、大興奮しちゃいます。演技らしい演技をしない(できない)当時のシュワだからこそ可能な世界観が、ここにはありますね。生死紙一重の人生を生き残り、旅を続け、ついに仇を討った彼が佇んでいるその表情、それはまるで、時に動物映画に出てくる動物たちの表情に妙に人生の深みを感じてしまうように、もはや人間の役者には不可能な神秘の表情だと思います、ハイ。ただちょっと残念なのはポールドゥリスの音楽の貧弱さ。仰々しいテーマに見合うだけの書き込みが欲しいところ。 (あとどうでもいいけど先日のBS放送で妖怪オンナとのクダリがカットされてたのも個人的には残念だったナ。もっともそのお陰で子供と楽しく観賞できたけど)[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-09-09 08:39:41)

2008.  ガン・ファイター(1961) 片や札付きの流れ者、片や彼を追う保安官。保安官にとっては個人的に恨みを持つ相手でもあり、しかも同じ人妻を狙う恋敵でもあり。しかし困難を切り抜けていく中で、二人の間には友情らしきものが芽生え、三角関係も無事解消し……と事態が良い方向へ向かうかと思いきや、最後に意外で残酷な展開が待っている。西部劇にこういう題材って、反則ですよ、まったくもう(笑)。という訳で、すべてを自らの力で切り開く男の中の男、といった感じの流れ者カーク・ダグラスが、成すすべも無く運命の渦に飲み込まれていくようなラスト、これはもう何とも言えぬ後味を残します。カーク・ダグラスの曲者ぶりに比べると、やっぱりロック・ハドソンは、クセが無いというか、どこかホモっぽいというか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-04 20:49:40)

2009.  大列車強盗(1973) これも、ジョン・ウェイン殿堂入り、生き神サマとなってる一本。『大列車強盗』と言いながら、別に列車強盗するオハナシではなくて、以前に列車強盗で奪われた金塊の争奪戦のオハナシ。ジョン・ウェイン率いる金塊探し野郎共と、彼らをつけ狙う一味との戦いが描かれます。ジョン・ウェイン、例によって、大して何もしてないんだけど、ちょっとした仕草とセリフ、あとはもう貫禄だけ、もはやそこにいるだけでOK。冒頭、仲間が集められて早々にモメてみせて存在感を見せつけたかと思えば、中盤のとあるシーンではコーヒーのカップを受け取った際に「アチチ」なんていう、細かくもカワユイ演技を見せてくれたり。さすが神サマ。あとは周りが入れ替わり立ち替わり適当に彼を支え、敵と闘い、盛り上げます。かつての「ジャイアント馬場率いるファミリー軍団vs悪役商会」を思い出しますね。だいぶ違うけど。あと、この映画、風呂敷を広げ過ぎずコンパクトにまとまってるのも良いですね。冒頭の砂漠の真ん中の駅。きっと駅名は「砂漠駅」とでも言うのでしょう。何もないところに、とりあえず駅前には誰も泊って無さそうなホテルが一見。まさに砂漠の入り口としか言いようの無い駅から映画は始まり、金塊探しの一行は、砂漠を歩き、川を渡り、荒野を歩き、また川を渡る、その繰り返し。どこをどう歩いているかなんてどうでもいい。ついに金塊を見つけた時の感慨がそこにあり、敵を待ち受けるワクワク感がそこにあるのだから。しかも映画のクライマックスに待っているのは、ダイナマイトを使ったド派手なアクションと、ニヤリとさせるちょっと気の効いたオチ。神サマの姿が拝めて、しかもこれだけ楽しませてくれる映画、ちょっと貴重です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-09-04 20:17:15)(笑:1票) (良:1票)

2010.  私はゾンビと歩いた! ヴァル・リュートン製作の怪奇映画シリーズ。これが意外に秀逸。まず冒頭の、二人の人物が歩く海岸の風景。まあタイトルからして、二人のうち一方が人間で一方がゾンビなんでしょう、とかいうことはどうでもよくって、すでにこの光景からして超自然的な印象を受けます。独白で進められていく物語は、雪の都会の一室から、南の島へ。そこでは非日常的な世界が主人公を待ち受けている訳ですが。そうそう、本作、S・ブロンテの『ジェーン・エア』を下敷きにしている、みたいに言われたりもしますけど、いやいやむしろ、この雰囲気はE・A・ポーの『アッシャー家の崩壊』の世界ではないでしょうか。本作におけるゾンビってのは、例の人間を襲ってバリボリ食うヤツじゃなくて、“熱病によって何もわからなくなり夢遊病状態の人”なんですね。だから必ずしもモンスターじゃない(いや、ちょっとコワい顔のゾンビも登場しますが)。ゾンビ自体はモンスターじゃないけれど、物語の背景はとっても呪術的、そして宿命的な要素があり、まあ要するに「よくわからん不気味さ」ってのが横溢しているのですね。やはり怪奇映画たるもの、こうでなくては。そのアッシャー家的は宿命の物語を裏打ちするのは、「音」による不気味さ。森から響く太鼓の音であったり、塔に響くすすり泣きであったり。また「風」なども気持ち悪い雰囲気を出すのに効果を上げてますね。短い作品ではありますが、怪奇映画らしい雰囲気を楽しめる作品です。[DVD(字幕)] 8点(2012-08-28 22:47:14)

2011.  死体を売る男 ヴァル・リュートン製作の怪奇映画シリーズ。原作がR・L・スティーヴンソンに監督はロバート・ワイズ(!)、そして出演がボリス・カーロフにベラ・ルゴシってんだから、何か文句ありますか、ってな布陣なんですけれども。残念ながらちょっと文句付けたくなっちゃう。内容的には、「解剖用の死体を医者へ供給するために、墓を暴いていた死体泥棒の男が、やがて死体を得るために殺人を犯すようになり……」というオハナシ。クライマックスには日本の怪談みたいなオチが待っていて、悪くないんですけどね。殺人の場面なんかも、“街を歩く歌手が暗闇に消え、彼女を追う馬車も暗闇に消え、最後に歌手の歌声が消える”などという、「すみませんちょっと狙っちゃいました」的な、なかなか風流な演出、悪くないと言えば悪くない。じゃあ本作の何が悪いかっていうと、なんかいかにも、ストーリーをそのまま順序良く語っちゃった、みたいなヒネリの無さ、ですね。場面場面ではオヤと思わせるものはあっても、全体を通してはやや一本調子な感じは否めません。纏まりが良く安心して楽しめるけれど、怪奇映画で安心させてどうすんのよ、と。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-28 21:29:51)

2012.  お早よう 《ネタバレ》 「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」の「喜劇編」としてNHKで放送しておりましたが、むしろこれは、“ちょっとした怪談”だと思いましたです、ハイ。 逃げ場の無いような文化住宅の中で、自分の知らぬ間にあらぬ噂話が広がっていくコワさ。オハナシとしちゃユーモラスかも知らんけど、視覚的には、はっきり言ってこれは、恐怖です。オバちゃんコワい。オバアちゃんはもっとコワいけど(笑)。他にも、反抗期の子供が親の知らぬ間にご飯を盗み出し、川べりで貪り食うコワさ。しかもその後子供たちは、親だけでなく“我々”の目からも忽然と消えてしまうコワさ。オナラしようとしたらウ○コをチビってしまうコワさ。ついでに大泉滉がミョーに美青年であるコワさ。黛敏郎がいかにも小津作品っぽい音楽をまねて書きながらニヤニヤしてそうな(チャンスさえあれば前衛音楽に変えてやろうと狙っていそうな)コワさ……。この映画のタイトルは「お早よう」、何気ない挨拶などムダのようでいて、ムダこそが社会の潤滑油。しかし作品にはムダがなく、エピソードの連射で高密度、それに加えて小津さんの映画にしては、立ってる姿、歩いている姿が多く、若干あわただしい感じもいたしました。それにしても黄門様、ここでも飲み過ぎです、コレ本当に演技なのでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-22 23:12:37)

2013.  夕陽の挽歌 親子ほど歳の離れた二人の男。彼らが銀行強盗を働き保安官に追われる物語かと思いきやさにあらず、という訳ではなくて一応、銀行強盗したり追われたりはするんだけど、そういうオイシイ部分は殆ど描かなくて、この作品、普通はあまり描かないところを丹念に描いてます。野性の馬を捕まえるシーンなんかもう、入魂モノ(笑)。ポーカーの勝負からの一連の流れも見逃せない。という訳で、銀行強盗ってのは物語の背景に過ぎず、二人の旅路を追ったロードムービー的な作品です。というか、半分は古き良き西部劇、半分はニューシネマ。その分裂ぶりが、ゴールドスミス御大の音楽にも、よく表れています。ラストは、西部劇というものそのものに対する鎮魂歌のようでもあります。しっかしブレイク・エドワーズ、これだけの作品を作っておきながら、結局はピンクパンサーに帰っていくんだよなぁ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-08-20 23:52:41)

2014.  悪の花園 金採掘中に落盤事故にあった夫を助けて欲しい、という女性の求めに応じた4人の男たち、前半は現地へと向う一行の姿、後半は夫を救出した一行と襲いかかるアパッチ族との戦いが描かれる、という作品ですが。一体どこまで遠くまで行くねん、と心配になるほど次々に広がる大自然の雄大な光景に圧倒されます。ロケーションの素晴らしさ。って一部はさすがに書割の合成映像のようですが(笑)。で、救出に向かう一行、それぞにれに何やら思惑ありげ、その思惑が、復路において、往路と同じ雄大な自然を背景にどういう変奏を奏でるか、ってのが見どころだろうと思ってたのですが、これがイマイチ、これという展開を見せない。その分、先住民との戦いの方をしっかり描いているといえばそうなんですが、ここまでの思わせぶりは何だったのか、と。途中で死ぬヤツは妙にアッサリ死んじゃうし。ラストにおけるリチャード・ウィドマーク、“主役を食っちゃうカッコ良さ”というよりも、ゲーリー・クーパーを相手に「オレも『誰が為に鐘は鳴る』のアンタみたいな役やりてえ」と意地張ったみたいな感じで(笑)。悪役顔にはできないカッコ良さがあれば、悪役顔にしかできないカッコ良さもある、という訳で。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-19 07:05:11)

2015.  スペース・カウボーイ 老人版『スペース・キャンプ』といった感じの作品。『アルマゲドン』などという、ポンコツどものくせに「オレ達が地球を救ってやる」みたいな作品には閉口しちゃうけど、本作みたいに軽いノリで宇宙に行っちゃうと、リアリティがどうのと突っ込む気も起らず、むしろやりたい放題の部分に痛快さを感じちゃう訳ですね。そこはいいと思う。ただ。宇宙に行っても「オレがイーストウッドだぜ」というノリを通し続けるのって、ちょっとついて行けない部分もあるのです。40年という歳月を肉体的にのみならず精神的にまでも簡単に埋めてしまう。宇宙に行ったらさすがにもっと感動しないのかい? 謙虚な気持ちにならないのかい? 多分このノリなら、死ぬときも軽いノリで天国に行って、「天国でもイーストウッドだぜ」とスカしてるんじゃなかろうか。と、そもそも本作、題材とノリとのギャップが、しっくりこない、だもんでなーんだか物足りないのです。「宇宙に行ってもイーストウッド」よりも、「宇宙に行ったらイーストウッドは?」っていう方に、興味があるのだけど。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-18 17:13:26)

2016.  スリー・リバーズ 《ネタバレ》 まずしばらく観ていて「ははん、真犯人はブルース・ウィリスだな」と思う。探偵役が犯人、まあ叙述トリックの類でしょう。で観ていると、おやおや彼の周りでばかり事件が起こるということで、彼は露骨に怪しく、警察仲間からも疑われているらしい。となればミステリでは犯人から除外されがちだけど、いやいや待てよ、これぞミスディレクションに違いない。物語の中で最も犯人らしく、我々にとって最も犯人らしくないヤツこそが、真犯人。ウラのウラまで読まなくては。相棒のオネーチャン警察官に手を出すに至って、はい、この主人公が変態犯人で決定!などと思いつつ…。最後まで観て、彼は「やっぱり」犯人などではなくって、そこそこ意外でそこそこベタな真犯人が明らかになったところで、正直ホッとしてしまう。やっぱ、このあたりが落とし所ですよね~。“意外過ぎてどうでもよくなる真犯人”ってのは、やっぱり疲レマス。という訳で、カーチェイスあり、ボートチェイスあり、最後は何でこんなトロ臭い格闘やねんと思いつつも、アクション充実、ミステリとしても(何となく)楽しめて、なかなかよろしいかと。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-16 17:00:47)

2017.  ドゥ・ザ・ライト・シング 《ネタバレ》 戯画化されたスラム街の日常。個性の強い登場人物たちが入れ替わり立ち替わり、繰り返し画面に登場し、この狭いコミュニティの中で、互いに協力し合うのか、反目し合うのか。スパイク・リー監督自身が出演しており、いかにも黒人映画です、という体裁のようで実は必ずしもそうではないのは、映画の中心に置かれている店というのが、イタリア系の一家の店である点。そして映画を見ている我々が最も感情移入するであろうその店が、警官による黒人殺害事件から起こった暴動により破壊されてしまうのだけど、その事件のもともとの発端というのが、黒人青年の起こしたしょうもないイザコザであること。危険な綱渡りでもあるこの映画。白人が観たら「これだから黒人ってやつは」と思われかねない、あえてその設定を選んだスパイク・リー。だけど、おそらくこの作品を観た多くの人は、そんな単純な感想を抱くだけでは済まない、居心地の悪さを感じるはず。その居心地の悪さは、紙幣を丸めて投げつけ合うシーンもそうなんだけど、特に最後にテロップがキング牧師⇒マルコムXの順に流れた時、居心地の悪さは最大限に達する。このようなことは愚かな事だ、という認識も、しかし何もせずにはおれないのだ、という怒りも、どちらも「ほんとう」であることが、キング牧師とマルコムXの二人が並んだ写真かなひしひしと感じられる。この映画、確かに何らの解決を示している訳ではなく、どこか投げ出したように終わってしまう印象もあるけれど、しかし、ユーモアとともにある種の方向性を指し示しているのが、「市長」の存在で、そこに救いも感じさせるところ。あと、これはどうでもいいことかも知らんが、ダニー・アイエロのピザ作りの手つきがかなりテキトーに見えてしまうのだけど(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-16 16:44:21)

2018.  ドライビング Miss デイジー 《ネタバレ》 ユダヤ人のお婆ちゃんと黒人運転手の交流を描く、それもかなりの歳月に渡る物語なんだけど、お婆ちゃん役のジェシカ・タンディ80歳、最初から最後まで“お婆ちゃん”なので、歳月を表現する手段がどうしても「禿げていくダン・エイクロイドの頭」となってしまう(もちろん、特殊メイクなので、「何か、変」と言いたくなるけれど、これは言わない約束です)。でまあ、お婆ちゃんの方もお婆ちゃんなら、運転手の方もそれなりのお歳、その交流はどこか、子供同士のように、意地を張ってみたり妙に暢気であったり。人間、外見は大人になっても中身なんて成長しないもの、中身は子供同然。それを隠そうとするのが大人、隠す必要がなくなったのが老人。二人の間に挟まれる息子の立場が大変なんだけど、しかも彼のキャラ、ちょっとイイ人過ぎなんだけど、その息子の役をダン・エイクロイドがあくまで道化役として演じているのが良いですね(髪型が変だけど。しつこいってか)。そういう、人と人との交流を描く映画、それも人種差別などの社会問題を織り交ぜた映画なんですけれども、一方で、花や木々の緑といった風物をうまく取り込んでいるのも見逃せません。誰もいなくなり、売りに出された「家」の中の、ガランとした映像も忘れられません。で、お婆ちゃんは老人施設に入り、こちらもすっかり老人となった運転手との間には、もはや息子の介在は必要とせず、しっかりとした絆で結ばれている。二人並んだ時のお婆ちゃんの表情はますます子供のように、初恋の少女のようになっていく。人生の最後を「始まり」として描く、何と素敵な作品ではないですか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-08-12 08:06:30)(良:3票)

2019.  レオン/完全版 《ネタバレ》 完全版ってのは今回初めて観ましたが、意外にも完全版の方がイイじゃないですか。しっかりと変態映画になっていて。うん、この映画はやっぱし、「ひとりの男が、少女に人生を狂わされていくオハナシ」なんです。変態映画なんです。完全版こそ変態映画。男は殺し屋、ってことになってるんだけど、また実際、滅法強いという設定になっているんだけど、どう見たって「虫も殺せない」タイプ(だいたい、観葉植物を愛でたり牛乳飲んだりする描写こそ頻出すれど、殺し屋としての殺害シーンは実にアッサリしている)。一方の少女はと言えば、これはもう小悪魔というか、魔性の女というか、よっぽど彼女の方が人殺ししそうなタイプ。いやもちろん、ここで映画が表面的に語っている物語は、そういうオハナシじゃないんだけど、その「語られる物語」と「見た目」との間に、どうにもギャップがあるのよね。そしてラストにおいては、「見た目」の方に凱歌が上がる。この映画の白眉は、警官隊との戦いを切り抜け、ようやく死地を脱したかと光の方へ彷徨い出ようとする時の、レオンのマヌケヅラにあるんじゃなかろうか。ここで彼を狙っているのはもはや、背後のゲイリー・オールドマンですら無く、ここでのレオンはいわば、マチルダというメスカマキリに食われようとしているオスカマキリなんですな。大の男が、少女に食われちゃう、食われてもいいと思う、そこに切ないまでの、倒錯した陶酔がある。そして少女は成長し、物語は『ニキータ』へと繋がるのでした…?[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-08-11 01:32:01)(笑:1票)

2020.  SPACE BATTLESHIP ヤマト いやあ、よかったよかった。このページ開いてみるまで心配でしょうがなかったのよ、全員が0点つけてるんじゃないかと。しかし意外にも、「平均点:4.79点 (Review 104人)」、下のグラフ見ても、それなりに点数の分布が散ってるじゃないですか。皆さん、本当にありがとう、さあこれで心置きなく0点がつけられます……。どんな映画でも大抵、熱中して観てるウチの子供たち(先日は『蒲田行進曲』に夢中になってたなあ)でも、この映画はさすがにダメでした(我が家では本作、「変なヤマト」と呼ばれてます。アニメ版の『ヤマト』の方は大好きらしいんですけどね)。それにしてもどうしてこんな作品になっちゃったんでしょうね。元のアニメ作品の良かったところが、なーんにも無くなってて。アニメの面白さは、反射衛星砲なりデスラー機雷なりバラノドンなり、そして白眉の七色星団の死闘なり、奇想天外な作戦で待ち受けるガミラスに対してヤマトが満身創痍になりながら(ほとんどリンチ)戦うところにあったのだけど。そして冷静沈着なドメル将軍がいてこそ、デスラーの狂気が光ったのだけど(アニメ版のファンに媚びるように、声優だけアニメ版から引っ張ってこられても、そんなこと「だけ」ではちっとも楽しくない)。ま、アニメ版から色々と改変すること、大いに結構なんです。その新しい作品が、面白ければ。そもそも、それで「新しければ」。本作は『ヤマト』から設定とエピソード(太陽系を去る時の地球との超光速?通信とか)をいくつか借りつつ、『ヤマト』から離れていきその代わり『ヤマト』ではない何か「アリガチなもの」へとどんどん埋没していっちゃう。あのお絵かきソフトで描いたようなCGヤマトを見せられても、もうあれがヤマトだとは思えない。「ヤマトの映画化」と銘打っておきながらヤマトではなく「最近よく見かけるようなCG映像」を、それもキムタクの合間にかろうじて見せられるツラさ。本作のこのヒドさは、事故なのか、わざとやってるのか。『さらば宇宙戦艦ヤマト』にも手を伸ばして作品に取り込み、続編が作られないように念押ししているあたりは、うーんやっぱりわざとやってるんだろうな(自覚症状あるんだろうな)とか、思っちゃいます。で、最後に、これはますますどうでもいい個人的な感想なんですが「斉藤始」は安岡力也に演じて欲しかったなあ、と。たぶん、もっと早くに実写化されるべきだったんでしょうね。[地上波(邦画)] 0点(2012-08-07 23:49:49)(良:2票)

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