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プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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221.  フェイス 仁義溢れる男の世界がカッチョ良いじゃないですか。特に感心したのがR・カーライルの〝姿〟の良さ。元来ダメ男を演じて魅力を発揮するカーライルですが今作は彼の出演作の中でも(投稿時点の作品までで)最もクールに撮られています。本作の監督が以前観た同カーライル出演作の「ラビナス」(「司祭」も)と同じだった事に気付き彼に興味が湧いて調べてみたところナント〝彼〟ではなく〝彼女〟でした。そう言われてみればアントニ〝オ〟じゃなくて〝ア〟ですね。女性と判明すれば逆に納得の出来で、語弊を恐れず言葉悪く言いますと女子が描くマニアックな男の妄想世界です。マニアックだから見場の良し悪しとかそんなレベルではなく、ある種の男の本質をついた理想像と言いますか要所がおさえられていて物凄くカッコイイのです。最後に歩き回るカーライルの姿など哀愁が漂いまくっていてしびれます。男ながらに惚れます。よぉーし、私も黒のスーツで決めてやる~と思いましたが、ネクタイはずしたその姿は冠婚葬祭帰りさながらですし、何より胴長短足の完全無欠の日本人体型の私には似合わないのでやめときます(泣)。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-17 18:13:21)

222.  ビーン うわっ~えらい低評価!まぁ予想通りで私の周囲の人々も酷評しております。しかし…困った事に?私はゲラゲラ笑ってしまったのですよ、ええ。それでもこの映画を面白いと言うと人格が疑われそうなので大笑いしたことは機密事項にしています。でもここでは勇気を持って叫びたい〝おもろいぞっ~ビーン!〟。確かにTV版とはかなり違います、と言いますかシーンだけを切り繋げた全くの別物です。ビーンが言葉を発するのはもちろんですが彼の人格そのものが異なります。TV版では悪意とは言わないまでもイジワルするような皮肉めいた騒動でしたが、映画版では偶発性の事故による騒動となっておりホームコメディの無垢なる愚者となっています。それでもいくつか笑いのツボだったのですよ、はい、抱腹絶倒ものだったのです。…疲れていたのかもしれません;。しかし洋画コメディでこんなに笑ったのは数えるほどしかないのです。という事で、このたび初めて匿名性という強大な力を借り公の場で好評価をつけさせていただきます![ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-03 15:52:04)

223.  拳銃魔(1949) 《ネタバレ》 ボニー&クライドがもとネタであろう本作は今となっては単純過ぎるお話だが、狂おしいまでの強烈な愛により破滅へと導かれていく様が鮮明に描かれている。襲撃シーンの他に、殊に印象深いシーンが二つある。一つは冒頭で、降りしきる雨の中、拳銃を盗む緊張の場面は拳銃に魅せられた少年と彼の今後の顛末を予見させるようである。もう一つは計画通り別行動できず共の逃避行を決心する場面で、二人の関係性だけではなく拳銃や殺しについて等々、あらゆる面での逃れられぬ宿命を匂わせているだけではなく、とても劇的なシーンになっている。[DVD(字幕)] 8点(2006-12-14 18:21:16)(良:1票)

224.  審判(1963) 同じカフカの『変身』でもそうですが、ある朝突然トラブルに巻き込まれる不条理劇は不可解で非現実的にしてリアル。暗闇に堕ちたようにもがく姿は人間の原罪について問うたのか、司法に対する皮肉なのか、この後台頭するナチスや複雑な現代社会の到来を予期したのか、多様な解釈が可能です。映画では現代性を持たせ職場での機械的な匂いや巨大なコンピューター、冷気が漂い閉塞感に満ち迷路のように迷い込み息が詰まるのは現代社会の息苦しさを象徴しているようです。特に不気味なのは画家の隙間だらけの家で見張るように覗く子どもたちの目、目、目!法廷でも大勢に囲まれましたが、大人に見られるより純粋な子どもに見られる方が罪悪を感じるようで居心地が悪いです。特異な世界を持つカフカ作品を映像化するなんて到底無理な話と思いましたが、個人的には映画のほうが好ましいぐらいで、どのシーンも強烈なインパクトを残します。[DVD(字幕)] 8点(2006-12-07 18:26:25)(良:1票)

225.  明日へのチケット 《ネタバレ》 およそ三話から構成されるそれぞれの場面が同じ列車であるのに異なる世界のようなのは監督の特徴によるものでしょうか。 一話目は、孫のいる男の初恋のごとき胸のときめき。彼女とのやり取りを思い出し反芻するかのような心情が巧みな時間構成で見事に表現されています。 二話目はあのオバタリアン(死語?)っぷりにイライラしてしまったのですが、一人きりで下車し傍若無人な振る舞いへの代償のように残された重そうな荷物が印象的。 三話目(これがきっとケン・ローチ)はなかなか爽やか。労働者階級とさらなる社会的弱者の共感と交流を優しい目線で描いているので心温まります。  チケットの良し悪しや枚数で示される別次元のどの世界でも、車内での出来事により乗車前と下車後で登場人物たちの世界に変化が訪れるのが感慨深いです。国境をまたぐ長距離列車は様々な人々が乗車し決められた時間・空間を共に過ごす、乗客たちは一種の社会を形成しているとも考えられます。やはりコミュニティでは他人を思いやる精神が大切ということでしょうか。もちろん無賃乗車は許されぬことですが、教授がミルクを、おばさんが二等席の切符で一等席に座る傲慢さを見せ移民の罪の軽減を、若者たちが切符をと皆でバトンを渡し難民を救った、そんな気がします。しかしオムニバス形式でないと聞いていたのに繋がりが浅くオムニバスっぽいのは、勝手ながら一本物の期待を裏切られた感があり残念な気もしたのです。 ・・・《追記》ちょっと気になったので調べたところ一話目がエルマンノ・オルミ、二話目がアッバス・キアロスタミ、三話目がケン・ローチらしいです。さらに三人一緒に撮影した場面もあるとのこと。う~ん、どこだろう?。[映画館(字幕)] 8点(2006-11-28 18:21:57)(良:1票)

226.  この首一万石 《ネタバレ》 〝侍〟と言えば誉め言葉の代名詞として使われ侍精神には賞賛に値する面もありますが、その反面恐ろしい部分も混在するのが事実。そもそも封建社会のもと(殊に江戸時代)武士道は主君に都合の良いように組み込まれた思想体系。身分制度による差別や、面子・建前を重視し過ぎ生を軽んじるといった醜く残酷で好ましくない面も存在します。そして侍も人間なれば現実には良き面よりも悪しき面を実践していた者の方が多かったのではないでしょうか。酒を差し入れてくれた優しい侍までもが斬りかかってくる恐怖。侍の醜悪さを表面化させたラストの壮絶な大立ち回りはかなりショッキングです。・・・ところでこの物語展開どこかで見た気がするなぁと思ったら、偶然が重なり様々な思惑が絡み合い最後に一つに収束していくスタイルは…『ロック、ストック~』じゃないですか!いや~日本ではこんなに以前にやっていたのですねぇ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-11-27 18:20:22)

227.  麦の穂をゆらす風 私は英国好きで映画も好んで観るのですが、正直なところアイルランドという国についてIRAで紙面を賑わせたことぐらいしか知りませんし、イギリスと呼ばれる地域がどのように成り立っているのかも不明です。そもそも日本ではイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドをひっくるめ便宜上〝イギリス〟という呼称を使っていますが、UKと呼ばれることからも分るように正式名はグレート・ブリテインおよび北アイルランド連合王国(辞書で確認してしまった;)であり、イギリスというのはイングランドから派生した言葉なのでイングランド以外の人々は気分を害すかもしれません。現在の状況ですらその程度の認識しかないのに歴史的背景はさらに複雑なはずです。まして本作は政治家でも軍人でもない市民目線からの描写なので社会全体の動向や彼らの行動の位置付けが把握しにくくアイルランド史を知らないと理解しづらいです。ですから両国の関係に造詣が深くないと本作を咀嚼したとは言えないと思いますし、また自国の人々がどう思ったのかが気になるところです。しかしその一方で、一般市民の兄弟が軸となった物語なので等身大であり感情移入などはし易いです。その結果、暴力から生まれる惨劇の数々に、どのようなバックグラウンドであろうと報復にしても武力行使は悲劇しか生まないのだという事と、醜い連鎖に終止符を打てぬ人間の愚かさ、哀しさが痛いほど伝わってきます。あらゆる場面が濃密であり、目を背けたくなる場面ですら瞬きするのも忘れそうです。[映画館(字幕)] 8点(2006-11-24 18:19:50)(良:1票)

228.  ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 ジャンヌ・ダルクは本物のフランス王国の救世主なのか?はたまた英仏百年戦争の末期、苦し紛れの謀略による傀儡に過ぎない戦争の道具なのか?諸説、憶測が多々あるなか狂気のジャンヌを選択したのが興味深い。よくよく考えてみれば、うら若き乙女が戦場で剣をかざして駆け回るなんて正気の沙汰ではない。だが一方で、普通なら頭の危ない若過ぎる女指揮官などに命を預けるなんて到底できず、百戦錬磨の将軍たちはもとより兵士たちもついて来ないはずだ。しかしそこはさすがのリュック・ベッソン。強い女性を魅力的に描き、ミラ・ジョヴォヴィッチの迫真の演技も手伝って、わめき散らす男勝りのジャンヌや小首を傾げる愛らしいジャンヌに惹かれてしまう。将軍や兵士たちと共にジャンヌを信じたくなってしまう。〝フォッロ~ミ~!〟の叫びにどこでも突撃したくなってしまう。ボサボサ頭の彼女を美しいと思った時点で私の負けなのですよ。 ただ、一つ残念なのは世の中の動向描写が皆無に近いこと。戴冠式だけではなく解放された一般市民の歓喜の声が細かに描かれなくては、ジャンヌの功績が不明瞭でありせっかくの自問自答のシーンに客観的な一観客としての判断が下せない。仮にフランス人にとって常識的なことだったとしても英語劇で行ったからにはジャンヌの位置付けが漠然としている人種にも理解できるようにして欲しかった。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-11-15 18:22:37)

229.  ホームワーク(1989) 宿題は個人的なものと思っていたが、改めて全体で考えてみると不公平なものだ。子どもの能力は当然バラバラだし、親が文盲であるかどうか兄姉がいるかいないか等の家庭環境により宿題に掛かる労力はかなり左右されるのに同一の課題を出すのはおかしい。もちろん学校側からしてみれば授業のこともありレベルの画一化を計っているのだろうが、理屈では理解していても子どもからしてみれば不公平以外の何物でもない。さらに〝罰〟は体罰で誰もが恐れているのに対して〝ご褒美〟の意味を理解していない子が少なくない。これは恐怖政治のような状況であり、そのためかTVアニメが好きに決まっているのに誰もが宿題の方が好きと答える。さらにお国柄だろうし無邪気な子どもたちに大意は無いのだろうが〝フセインは地獄に落ちろ〟などと大合唱するのは教育というより洗脳に近い。何故にそうなるかと考えるとやはり教育には国の世相が反映されるのだろう。〝子どもは社会の鏡〟と言うが〝宿題について〟という監督の問いかけは子どもや学校の問題だけにとどまらず意外にもかなり深い。 そして残念ながら日本の教育も悪い一例として登場する。現在も取り沙汰されているが、その背景にはやはり病んだ日本社会の姿がある。宿題を見ればその子が分り、その家庭が分り、その学校が分り、ひいてはその国が分る、着眼点が面白い非常に興味深い題材だった。・・・ただ、カメラの前でサングラスのおじさん(監督)に圧迫面接されている感じなので子どもが正直に答えているかは疑問なんですがね。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-11-09 18:20:06)(良:1票)

230.  トリスタンとイゾルデ 説話であり類型本がいくつか出ている物語なので詳しくは知りませんが、少なくとも大まかなストーリー展開以外かなり大本からアレンジが加えられています。人物設定も異なりますし媚薬や竜退治やイゾルデと同名の恋敵など物語の有名どころは登場しません。竜退治などはけっこう期待していたのでガッカリしたのですが…これがなかなか丁寧に作られていて面白いのです。もちろん高名な悲恋劇の古典もいまや単純過ぎるお話ですし、かりにも指導者たる者達がとるお間抜けな行動の連続には唖然としますが、あくまで二人の愛がテーマなので焦点を絞ったのでしょう。トリスタンとイゾルデ、それにマーク王の三者三様の想いが存在するなかで、若い二人がキッパリと決心することができず愛と忠義の間で揺れ動く姿が切ないです。それに今の時代、興行目当てで本当は安易にCGの竜など2、3匹出して景気付けたいところだろうし、惚れ薬や恋敵も使いたいアイテムでしょう。しかしそうはせず敢えて直球勝負で挑み、若手起用でほぼマイナーな役者で撮ったのは物語を伝えようという製作者サイドの真摯な意気込みを感じますので、とても好印象なのですよ、ええ。[映画館(字幕)] 8点(2006-11-08 18:18:05)(良:2票)

231.  月世界旅行 《ネタバレ》 砲弾型の宇宙船や落下による地球帰還は原作にあることですが、改めて映像化されたものを見るとそのセンスの高さに驚きます。もはや言わずもがなですが月の顔面に宇宙船が突き刺さる絵は圧倒的です。月の人?を連れて帰ってきてしまう映画ならではのオチも笑えます。バタバタ動く素早さや上映時間の短さが100年の時を経た今、逆に現代に相応しいスピード感と簡潔さを生み出しているとさえ思えます。[DVD(字幕)] 8点(2006-10-27 18:35:50)

232.  喝采(1929) 《ネタバレ》 若いが故か強く己よりも母の幸せを優先する娘の葛藤と、賢くも強くもなく衰えぶりが顕著な母親の姿に時代の趨勢と場末の踊り子の悲哀、愛の存在を感じずにはいられません。一見してクズと分る母親の男と好青年トニーの相違がその思いを一層強めています。しかし何と言っても印象深いのは最後に娘が踊る場面であり、長い間、離れ離れで対照的な異質の世界の住人であるにもかかわらず踊り子としてスター性を発揮する姿に母子の繋がりを思い知らされます。だから本来なら最後にトニーが戻らない方が悲劇としての物語性やキャバレーの踊り子の哀しい性を完結に表現していたと思いますが、親子にどっぷり感情移入してしていた私としてはトニーの帰還に惜しみない〝喝采〟を浴びせたい。ホントに彼はナイスガイだ。甲斐性無しの私には戻るなんて芸当はとても出来ませんよ。ええ。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-04 18:09:40)

233.  反則王 人の好い人間が生きにくい競争社会で萎縮してしまう姿と、ストレス発散するように生き生きとリングで暴れまわる姿の対比が人間の哀しさや強さ、可笑しさまで感じさせる。何かに夢中になるというのは凄くパワーの要ることで、それが生き甲斐となると日常生活の原動力ともなる。その力こそ普段は隠れて見えない人間の根底にある生命力というものであり、その人の真の姿なのではないだろうか。マスクを外した時こそが本領発揮の時なのだ。 そして何よりデホを演じるソン・ガンホが素晴らしい。上司からバカにされ、憧れの人から相手にされず、親からも認めてもらえないという情けないキャラクターに魅力を吹き込み共感させてしまうのだから恐れ入る。哀しき小市民の人生がユーモアたっぷりに力強く描かれており反則王を応援せずにはいられなくなる。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-02 18:23:35)

234.  モダン・タイムス 《ネタバレ》 初めて観たチャップリンの作品が本作。声を発しなかったのでまだトーキー以前の作品かと思って観ていたら最後に突然歌い出したので驚いた驚いた。今までずっとダンマリ決め込んで満を持してここぞと言う時に肉声を発し〝あっ〟と言わせてしまうなんて憎い。しかも字幕が出なかったので何故?と思い耳をそばだててみたが英語ではく仏語や独語でもない。スペイン語のようではあるが言語不明なのだ。これは一本とられた。先に歌の概要を説明してしまい音声を取り入れつつもサイレントと同じ効力にしてしまうとは天才的なチャップリンに脱帽だ。後に知ったことだが本作で初めて肉声を披露したとのこと。これはマイムへの愛であり意地であり、トーキーへの抵抗であり受容なのだと思う。鋭い社会風刺は斬新でラストのどんな苦境でも優しいチャップリンの笑顔に心温まるが、何と言ってもチャップリンが肉声で歌いだすシーンに感銘を受けた。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-19 18:24:59)(良:2票)

235.  25時(2002) 《ネタバレ》 鏡に向かって政治的な事から身近な者まで自分を取り囲むもの全てに放送禁止用語をかますシーンがある。この世には完璧な人間など居るはずも無く誰でも欠点や嫌なところがある。機嫌が悪い時などその部分が何より重大な欠陥のように思え、苛つき人に当り散らすように怒りをぶつけてしまうものだろう。自業自得のモンティはこの時点で当然の事ながら大事な人生を台無しにしてしまった自分自身と対峙できていない。しかし最後のシーンで罵倒された面々がズラっと並んで笑顔で再登場する。これはモンティと彼らとの和解なのであり、つまりは覚悟の決まったモンティ自身の人生の受け入れなのだと思う。モンティの心情が端的に表われたシーンだ。他にもドイルとの散歩シーン、曇り窓で自己紹介し合うシーンなど気に入っている場面がいくつかある。…ただ、ご贔屓俳優のエドワード・ノートンでなければ薬の売人モンティに感情移入など到底できそうもないので点数は下がります。[映画館(字幕)] 8点(2006-09-14 18:19:48)(良:1票)

236.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 今年度、私が一番期待していたのが本作。期待すると裏切られる事が多々あるのですが、今回は久方ぶりに期待通りでした。一家の人物設定や権力に虐げられた弱者が奮闘する構図は使い古された従来のものですし、怪物の隠喩やストーリー展開もきわめてオーソドックスです。しかし描き方や、何より家族の愛が実に素晴らしい。女性陣はともかくとして残念な男性陣まで魅力的。冴えないお祖父ちゃんもダメなお父さんも、社会背景とは別にニートな匂いがする伯父さんも銅メダルどまりの叔母さんも、もちろん天真爛漫な娘もみんな素敵な人です。それに窓から見たデッカイ怪獣よりも等身大の怪物の方がリアルに怖い。いや~こんなにパワーがある映画を観たのは久しぶりです。ただ一つ納得いかないのは、…ここから完全なるネタバレです。ご注意下さい。 ・・・・・・・・・・何で助けてくれないんだっ~。あんなに頑張ったのに~。そりゃないぜ…。本来ならこの手の結末も嫌いではないのですが今度ばかりは合点が行きません。そのぐらい一家の溢れんばかりの想いが痛切に伝わってきたのです。それというのも娘の死で完成したものかもしれませんがね。しかし再びボロケータイ使っている姿や、お父さんと一緒に叔母さんのアーチェリーを応援している姿など何気無くも幸せな日常を見たかったのです。あの一家は紛れもなくしょーもないダメ一家ですが、私はあの一家がしょーもなく愛しいのです。[映画館(字幕)] 8点(2006-09-04 18:07:47)(良:1票) 《改行有》

237.  風の又三郎(1940) 《ネタバレ》 割りと原作に忠実に作られているので賢治の特異な世界観を損なうことなく実写化に成功しています。原作(最も読まれているであろう新編において)と同様に本作では三郎が本当に〝風の又三郎〟なのか明示されません。風の又三郎は大人が信じないような子供社会の伝説の一種です。大人になると無理にでも論理的に説明をつけようとしてしまいますが、子供は濁りの無い目で純粋に信じることができます。そして原作にはない又三郎の鉛筆紛失事件を挿入するする事によって又三郎の存在をさらに不明瞭にしています。しかもこの事件は子供たちにとっては風の又三郎の仕業として永遠の語り草となるでしょうが、観客には妹の仕業という種明かしをしてしまっているのです。つまり観客は全ての答えを提示されたうえで判断を委ねられるのです。童心を忘れずにいられたかどうかを。様々な年代で見たいと思う作品です。  ・・・ところで年長者が年下の子の面倒を見るという分校スタンスは良いですね。一クラスにおける生徒数や教員の多忙さ、学力向上等を考えると様々な問題が生じて無理な話かもしれませんが、週一日や一日一時限だけでも学年混合のクラスがあったら失われつつある昔の大切な人間関係を取り戻せるかもしれないとさえ思わせます。教師でもあった賢治の理想の教育環境を垣間見た気がしました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-25 18:16:41)《改行有》

238.  南極日誌 《ネタバレ》 真っ白な無の世界が広がり逃げ場の無い極限状態において、一人また一人と狂気に取り憑かれていく人間心理の攻めぎ合いが見事に描出されている。冒頭から隊長は異様な雰囲気を醸し出し既に異常をきたしているように見え不安感が募る。南極という得体の知れない場所が魔物が潜む効果を高め幻覚も加わり疑心暗鬼を増長させる。小道具の使い方なども巧みで不可思議さを保ちつつ隊員たちと共に観客も到達不能点までの道のりを体感させられる。それでもホラーとしての要素は確かに弱い。だがその分ソン・ガンホが狂気の演技で凄みを見せる。憎悪に呑み込まれ我が身を滅ぼしていく様は、まるでメルヴィルの『白鯨』の船長を想起させる。強過ぎる偏愛は表裏一体の憎悪へと変わってしまう。人間の狂気に改めて恐さを覚える。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-23 18:57:56)(良:1票)

239.  リトル・ダンサー 《ネタバレ》 ダメ親父なのかと思ったらイイ父親だったり、別れ際に兄が「寂しい」と言ったのが聞こえなかったりするのはドラマとしてはお約束なんですが…ついついその世界にはまってしまいました。 父親は昔気質の男。女のバレエを始めたビリーはまさに現代っ子。その新旧二人の男が力合わせて一つの夢に向かっていく姿が感動的です。本作は新世代のビリーの夢を応援しつつも、男の時代の終焉で時代遅れとなった旧世代の父親を魅力的に描く事によって新旧ともに肯定しています。そして新旧の二人が実は似た者親子だったりするところが憎い演出です。バレエに一心不乱に打込むビリーとロンドンには鉱山がないからと外界へ出た事のない父、というように一つの物事に熱中するところや、女ばかりの中でバレエ、四面楚歌の状態覚悟でスト破りとたった一人でも思いを貫徹させるところ。タイプこそ違えど二人の親子性が微笑ましいです。  それからイギリス人の友人がいる訳でもないので確証はありませんが、イギリス人と日本人の感覚は似ていますよね。頑固なところや変に意固地なところ、思った事を素直に表現できない照れ屋なところや、それでも家族を想っているところ等々、だから共感し易いのだと思います。『トレインスポッティング』『フル・モンティ』と90年代中盤から復活したイギリス映画、英国好きの私には嬉しい限り。これからも良質の作品を送り出して続けてくれっ![ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-13 15:21:26)(良:1票) 《改行有》

240.  ガスパール/君と過ごした季節 《ネタバレ》 登場人物は誰もが不幸な境遇にありますが、それを感じさせないほど温かい視線で描いています。困っている人を見ると助けずにはいられない人の好いロバンソンと、損だと分っていながらも結局助けてしまう性質のガスパールの優しいコンビは好感が持てます。鼠小僧よろしく盗みを働くシーンですら、金目の物を盗むんじゃなくて食料を盗むので笑えます。捨てられたおばあちゃんもTVで活劇の死亡人数を必死にチェックするというぶっ飛んだ趣味を見せ、元気の良さが伝わってきます。このおばあちゃんを演じた女優さんも素敵です。全く身寄りのない欠けた者同士が集まって肩寄せ合って一つの家族のようになるハートフルな物語ですが、最後にロバンソンを思うガスパールの気持ちが「泣いた赤鬼」の青鬼みたいで泣かせますね。役者さんたちは全く無名?ですが、雰囲気は抜群です。ところで彼らは日頃「元気?」と尋ね合います。久しぶりに会った訳でもなく常に一緒に居ても尋ねるのはきっと良い事ですね。照れ臭いけどいつか実践してみたいです。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-02 18:18:40)(良:2票)

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