みんなのシネマレビュー |
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341. 暗黒街の弾痕(1937) ボニーとクライドをモデルにした最初の映画なのだそうだが、犯罪映画というよりもメロドラマ寄り。なんだけど、そこはやはりラング、ねちっこい怖さが充満している。怖いのは国家とか警察とかじゃなく、ラングのほかの作品同様にやっぱり民衆なのだ。大きな悪よりも小さな悪の集まりの怖さを描く。主人公について回る偏見の恐ろしさよ。盗られてもいない金を盗られたと申告するなんてのも偏見と自分本位から成る行為の一つとして印象的に映し出される。主人公の疑心暗鬼はナチスが台頭してきたドイツを逃れてきたラングが実際に経験してきたものなのだろう。疑心暗鬼が引き起こす悲劇というのもまたラングのおなじみの展開である。かといって主人公が全くの犠牲者かというとそうでもない。主人公は冤罪で捕まったが、捕まったから強盗をしなかったのかもしれない。元々偏見の元である犯罪を犯したのは彼自身であり、すぐにカッとなって暴力をふるうという偏見を呼び込むべく人でもあったのだ。そのあたりの単純に善悪の割り切れない人間性を見せているからこの映画は暗く、深く、そしてやっぱり怖いのだ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-24 16:09:33) 342. リベリオン 《ネタバレ》 「ガンカタ」最高!参ったね。笑ったね。銃があるなら何も接近戦で戦わなくたって、なんてこと言ってはいけない。見た目かっこよかったらいいのだ。論理的なようで全く論理的じゃない未来世界も面白いし、感情無きクールな主人公が感情を持ち始める展開のバカバカしいほどの予定調和がまたいい。クールなアクションだけかと思ったら息子の父以上に大人な告白に涙。ここ感動したなあ。6点のつもりだったんだけど書いてるうちに7点のような気がしてきた。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-17 15:04:57) 343. ソイレント・グリーン 時代を考えれば変に近未来の舞台を作るより何もしないほうが結果として良かったのかもしれないが、それにしたって当時じゃ「何もしない」ってのはなかなかの決断だったはず。それともお金が無かったのか。いや、フライシャーはわかってたんだ。背景は映画の側面的なものでしかないということを。そのぶん想像を絶する慢性的食糧難という未来社会がいやというほど映し出されて未来を強調する。その世界の中で俳優たちは現代劇となんら変わらぬ演技をする。妙にリアルで妙にうそ臭い。このうそ臭いリアルに不気味さがあり、またこれが映画なのだという喜びがある。なんともやるせないエンディングが70年代前半独特の後味でどこか懐かしい。と思うのは限られた世代だけですね。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-16 10:12:14) 344. カーズ 顔も無ければ手足も無い自動車が見事に怒ったり笑ったりする。車の擬人化だとヘッドライトを目にしてしまいそうだけど、実際のところの目の役割でもある大きなフロントガラスを目にすることでより表情が豊かになっている。一方で自動車本来の動きが実にリアルに再現されてもいて、このあたりの擬人化技術はディズニーの本領発揮といえる。そのボディに映る景色の美しいこと。これがピクサーの力。ディズニーとピクサーのいいところがよく出ている。そしてまるで実写のごとく美しく映される景色が映画ファンが反射的に畏敬の念を覚えるモニュメントバレーだからたまらん。カーレースだけあって内容は硬派な男の子映画かもしれないけど、そこはアニメーション、どこか愛くるしさのあるキャラクター造形によって女の子も全然OKの作品となっている。[DVD(吹替)] 7点(2010-09-07 14:06:42)(良:1票) 345. 群衆の歓呼 《ネタバレ》 物語はけっこう波乱に富んでいるんだけど省略省略でなんと85分。ちょっと強引さも感じるところはあるんだけどお見事。トニー・スコット×トム・クルーズの『デイズ・オブ・サンダー』は同じコンビの『トップガン』のカーレース版だと思ってたんだけど、その『トップガン』はカーレース映画『群衆の歓呼』の戦闘機版だった。それほどに定番の展開(相棒が死んで乗れなくなる)なんだけど兄弟の葛藤を盛り込んだり男女の恋愛ではちょっとしたロマンスコメディ的展開に行きかけたりと意外にこっちのほうが複雑な構成になってる。それを強引に85分にしてるもんだからやっぱり少々の無理やり感は拭えず。でもラストシーンでなにもかもひっくり返して、ああいい映画だったと思わせちゃう。救急車でバトルという「男ってバカだねえ」と言いたくなるようなシーンなんだけど、このシーン自体も『デイズ・オブ・サンダー』の車いす競争なんかに受け継がれてたりするんだな。[映画館(字幕)] 7点(2010-09-06 16:40:29) 346. カールじいさんの空飛ぶ家 なんだか評価がいまひとつみたいですが、私の中では今のところ(『トイ・ストーリー3』まで見た中で)ピクサーの最高傑作かも。冒頭の何分か知らないけどじいさんの少年時代から今のじいさんに至るまでのショートストーリーがもう素晴らしすぎる。特に結婚後のセリフなしの部分が完璧。生活で手いっぱいで日々が過ぎ去る、それでも幸せであった日々。子供が見たってわかる言葉不要の美しき日々。それでいて、その後に映し出されるメインストーリーのための冒険、風船、子供・・といった数々の伏線のさりげなさ。メインストーリーの一番の見所は早速やってくるんだけどもちろん家が空を飛ぶところだろう。そのとんでもない量の風船と、人形のような人間とは正反対の色鮮やかな風船のリアルな動きがよりダイナミックさを膨らませている。擬人化された犬も人間が人形みたいなのでかえって受け入れやすく翻訳機によるお笑いもそれなりに堪能できた。鳥らしい滑稽な動きを見せ付ける怪鳥ケヴィンの存在も映画の楽しさに大きく貢献していたと思う。[映画館(吹替)] 7点(2010-08-30 17:26:07)(良:1票) 347. 椿姫(1937) 《ネタバレ》 人まちがいが引き起こすコミカルな騒動の中でグレタ・ガルボがそのコミカルさに見合った可愛らしさとコミカルさを悠然と受け流す高貴さを同時に纏いながら映画を牽引する。その後に悲劇が待ち受けているとは到底思えない優雅さで。恋する女の少女のような陽気と不安を見せ、愛するがゆえの強さと健気さを見せ、後半には悲しみが体を蝕んでいき悲壮な姿をさらけ出す。ジョージ・キューカーは貫禄のライオネル・バリモアも世紀の美男子ロバート・テイラーも脇に追いやり、ひたすら女優を映し続ける。それに応えるグレタ・ガルボ。ハリウッドの典型、それも貫いた典型がここにある。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-27 14:08:34) 348. ぼんち これより一昔前の映画ならば、封建的社会や男尊女卑の慣習の中で痛めつけられながら強く生きる女、あるいは生きられなかった女が描かれるんだろうけど、いつからか女は感情的な生き物から現実的な生き物として描かれるようになった。一人の男が多数の女を囲うという構図、市川崑だと『黒い十人の女』も同じ構図なんだけどこれもやっぱり女が一枚も二枚も上手。男は情けないというよりも優しい。だからといって女たちは男の優しさに翻弄されるわけでもなく、もちろん封建的社会や慣習に翻弄されるわけでもない。むしろ社会、慣習に翻弄されるのは男。豪華女優陣はさすがに目を引くが、ぼんち市川雷蔵がいい味出してる。[映画館(邦画)] 7点(2010-08-26 15:16:40) 349. ストライキ 以前、プドフキンの『母』のレビューで『ストライキ』について触れたことがあるんだけど、モンタージュ理論の差異などは全くわからないんだけど、単純に事象(この場合だとストライキ)を描くためのドラマがある『ストライキ』よりもドラマの背景として事象がある『母』のほうが印象に残った。トーキーだとまた変わってくるんだろうけど。トーキーならば許されざるオーバーアクトもサイレントでは表現方法の一つとして有効ってのもあるかも。とにかく、おそらく物語をモンタージュ武装で語ってゆく前半こそが映画ファンの興味をひく部分なのかもしれないけど私は退屈であった。もうほとんど「実験」と言っていいほどの多彩な試みが成されていてその心意気は買いたいが。しかしクライマックスのストライキから暴動へ発展してゆく怒涛の展開は凄い。俳優ではなく実際の労働者を使っていることが最も活かされた場面かもしれない。火災は本当に火災だし、倒壊は本当に倒壊だし、実際に起こったことを映したドキュメンタリーのような迫力。圧巻です。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-20 11:55:05) 350. ドゥ・ザ・ライト・シング ちょっと逸れたところから入るが、以前ジョナサン・デミ『レイチェルの結婚』のレビューの中で同監督『サムシング・ワイルド』がスパイク・リーの映画のように云々と書いたことがあったんだけど、そのとき念頭にあったのがこの『ドゥ・ザ・ライト・シング』。でかいラジカセを担いで歩く黒人が印象的だったり、劇中に多彩な音楽がかかったり。あと、『サムシング・ワイルド』は劇中の人物がエンディング曲を歌い『ドゥ・ザ・ライト・シング』は劇中の人物がオープニング曲をバックに踊る。『サムシング・ワイルド』で使われる歌「ワイルド・シング」と「ライト・シング」まで言っちゃうとこじつけか。スパイク・リーのほうが後なので同じニューヨーカーのデミに敬意を表し、また人種のるつぼとしてのニューヨークを描いていることに対してのリスペクトなのではと。いや知らんけど。と、そんなことを書いてると内容に触れるスペースがなくなってきたのだが、要するに何が言いたいのかというと、何かとメッセージ性を語られる監督だけど、実はメッセージよりも映画としての見せ方の工夫とかのほうにしっかりと力が入ってて、それゆえにメッセージがどこか冷めた視点となり、結果映画がより深みを得ているんじゃないかと。この作品は特に。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-19 15:15:24) 351. 第十一号監房の暴動 冒頭の刑務所暴動を報じるニュース映像がなんとも生々しく、その社会派色の強さに少々戸惑ったのだがその後の展開は社会派であることよりもハラハラドキドキが優先されている。主役が囚人たちと対峙する側の善の人ではなく、また囚人側の善の人である出所の決まっている元軍人でもなく、暴動の首謀者の一人という善とも悪ともつかない男であるところが後に『ダーティ・ハリー』を撮ったシーゲルらしくて嬉しい。全体的にはアルドリッチっぽいと特別な理由無く思ったりしてたんだけど、ここで書いてるうちにこれまたなんの決定的理由も無くやっぱりシーゲルの映画だなどと思ったりもする。首謀者といえば相方がいてこいつがかなり凶暴なんだけど、こいつがいるせいで展開が全く読めない。若い看守が殺されようかというシーン、爆破予定場所に裏切り者たちを括りつけるシーンなどのドキドキは全部こいつのせいだ。なにせいきなり議員にナイフ投げつけるシーンの唐突感といったら!このあたりなんかもなんとなくシーゲルだとか思ったり。シニカルなオチがまた「らしい」とか思ったり。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-17 17:21:07) 352. それでも恋するバルセロナ マンネリ気味のアレン節もスペインの陽気に当てられて実に意気揚々といった感じ。スペインの芸術家を演じたハビエル・バルデムがウディ・アレンの分身だという文章を多く目にするが、アレン映画の新たなミューズ、スカーレット・ヨハンソンこそがアレンの分身だと思う。短編映画の監督だったっけ。ちょっと芸術家かぶれのところがあって、芸術家ってのは破天荒であるべきなんてありがちな概念を持ってて、だもんで破天荒な行動をするんだけどいざってときに胃潰瘍になっちゃうというナイーブさが露見されちゃう。まじめさがとりえのはずの親友が後に女の本能のままに行動しちゃうのとは違い、自身の芸術家としての才能が開花されていきその喜びをも得ているにもかかわらず、論理的にいろんなことを考えちゃってけっきょく芸術家との別れという現実的な選択してしまうってところからも間違いなくアレンの分身は彼女。冒険して帰ってくる。この一連の行動をひと夏のバカンスにまとめてみたのがまたうまい。芸術家=破天荒という妄想を具現化したようなハビエルとペネロペのカップルがまた最高なんだけど二人ともがまたこの役にはまってるんだ。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-05 14:58:37) 353. なまいきシャルロット 子供なのに体が先に大人へと向かう年頃の女の子の話。もちろんその年頃の女の子に備わるエロチックさを狙っているはず。監督は『死への逃避行』でイザベル・アジャーニに妖艶なコスプレをさせたクロード・ミレールだ。案の定、べつになくてもいいスクール水着のシャルロットから映画は始まる。しかしシャルロット・ゲンズブール。お色気プンプンとは対極のどこか中性的な魅力を発散させていたジェーン・バーキンの娘だ。そのモデル体形と共に間違いなく引き継いだその中性的魅力は、大人と子供の、女と女の子の中間に在る特別な魅力となって我々を魅了する。無性に腹が立ったり過剰に怒ってみせたり自分本位が露骨になったり、こういった「若気の至り」ってやつには男女問わず郷愁を含んだ共感を得ることができるんじゃないだろうか。この映画のシャルロットは笑顔も泣き顔もとにかくキラッキラッしてる。13歳という設定が持つ色々が凝縮されている。その時のシャルロット・ゲンズブールというこれ以上ないタイミングと素材によってそれは成されたのだから奇跡という言葉を使ってもいいかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-04 15:46:58)(良:1票) 354. アデュー・フィリピーヌ 《ネタバレ》 始まってしばらくは男がメインで映されている。時はアルジェリア戦争6年目。兵役につくまでの限られた時間といっても若者のすることはいつでもどこでもどこか無駄で怠惰に過ぎ去ってゆくものだ。共同購入した自動車を走らせ女の子を口説き。この口説かれた女の子二人組みが徐々に画面を支配してゆくと映画はどんどん面白くなってゆく。ベッドの上で戯れる二人の女の子はまるで『男の子の名前はみんなパトリックっていうの』(監督ゴダール、脚本ロメール)の女の子。一人の青年をめぐって何かを企み何かを企まれる。が、秘かであるはずの企みはあっけらかんと陽の下にさらけ出され、譲ったり譲られたりのロマンスという名のお遊びが展開する。男はたまったものじゃない。若いってことはもうそれだけで罪。映画はその罪の瞬間をしっかりと映しきる。やがて眩しい一瞬を切り取ったバカンスが終わる。成年が乗る船がゆく。ふたりが手を振り走り出す。その手の振り方が、走る速度が大きくなる。散々弄んでってこともないが、楽しんでおきながらなぜそこで必死ともいえる動きをするのか。唐突に思いだす。青年は兵役につくのだと。それとも単なる眩しい一瞬が過ぎ去ろうとすることへの購いなのだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-02 16:23:14) 355. 真田風雲録 《ネタバレ》 関が原の合戦跡を徘徊するガキ共が長い横移動で捉えられる。おお!と思ってるとそこに超能力少年佐助が現れる。おいおい。一気に胡散臭くなる。安易な発想とチープな特撮。やばいなこれ。と思ってたら時代は進み、ガキ共は若者に。ミッキー・カーチスがギターを弾きジェリー藤尾はスカーフを巻いている。なんだこれ。紅一点お霧って霧隠才蔵ですかい。なんだかとぼけた真田幸村が出てきたぞ。大阪冬の陣。佐助の妖術が笛とギターで拡散される。負けてられない敵方服部半蔵率いる忍者部隊が華麗なダンスパフォーマンスで迎撃する。なんだこれ。面白すぎる。冒頭で感じた胡散臭さを最大の武器とし、徹底したデタラメさで攻めてくる。特撮のチープさすら作品のデタラメ性向上に一役買っているではないか。天然ギャル千姫の今どき発言や歌謡ショーで十二分に和ませても、ミュージカル・コメディ特有のフワフワ感はなくひたすらデタラメ感が充満する。フワフワ感どころかどこか仁義に尽くす者の悲しき定め的な空気が漂っているのは加藤泰ゆえか。最後にやらなくたっていいけどやらなくちゃならない男の勝負、佐助VS半蔵で締めるあたりもやっぱり加藤泰。[映画館(邦画)] 7点(2010-07-27 14:50:44)(良:1票) 356. サンダーボルト(1974) このニューシネマテイストの映画がチミノの長編デビュー作というのは意外な感じもするのだが、時代に取り残された男たちのどうしようもなさ、そんな切なさ漂う男性映画ってところで納得。顔だけで映画になっちゃうからしゃべる必要が無い苦みばしった顔をしたクリント・イーストウッドと、まるでイーストウッドの取巻きのようにまとわりつく憎めないやんちゃくれのジェフ・ブリッジス。プラスとマイナス。陰と陽。この二人のキャラクターを作り上げた時点で半分成功。演技しないイーストウッドとの名コンビ役をこなしたブリッジスの名演技で残りの半分ゲット。さらにジョージ・ケネディがいい味出してる。銀行強盗をするための資金を稼ぐのにバイトしてるのがなんとも微笑ましく、そのまま地道にバイトしてればいいのに、なんだけどできないジョージ・ケネディが面白い。たしかに見所が散漫な印象もあるんだけど、見所が満載でもあります。[映画館(字幕)] 7点(2010-07-23 15:56:11)(良:1票) 357. 東京暗黒街・竹の家 冒頭の列車強盗から警察の現場検証までことごとくバックに悠然と在る富士山の美しいこと。当時と今とじゃ富士山自体はそう変わらんのだろうからまわりの景色の差なんだろうけど本当に美しい。貴重な画だと思う。噂のヘンテコなニッポンはさほど気になりませんでした。『キル・ビル』のようにあえてそうしている映画がウケている現代ではむしろアバンギャルドという褒め言葉で受け入れられる範疇にあろうかと。実際、踊る芸子(?)さんらが着物からドレスに早変わりするところなんかはその方向を狙ったものなんじゃなかろうか。とはいうものの『ブラックレイン』とは違って主役も敵役もアメリカ人なのでニッポンを舞台とする必要性ってのは物語的には全く無かったりする。それでもあまりにもアメリカと違った世界には当然ながらアメリカにはないアイテムに溢れ、結果アクションシーン一つとってみても実にオリジナリティ溢れるシーンとなって我々を楽しませることとなる。その点においてこのニッポンは実に魅力的な舞台として効力を発揮している。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-15 14:40:58) 358. 仁義 夜明け前、このあたりの時間帯がやたらと多かったような印象がある。ゆえに薄暗いシーンが多いが独特の青みがかった、カラーとモノクロの中間のような映像が美しい。大スター共演とは思えない地味な内容も大スター共演だからこそのエンターテイメント性と生々しい緊張感を共存させる。「仁義」などという男の美学をくさくさせずにリアルに見せてしまうことの凄さよ。間違いなく沈黙の演出が効いている。男前はしゃべる必要がない。メルヴィルの映画にアラン・ドロンは最高に映える。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-13 14:27:42)(良:1票) 359. ストレート・トゥ・ヘル 「パンクだぜ!ロックだぜ!サイコー!」って感じた方の人です(↓)。たまりまへん。暑苦しいけどクール。しぶすぎるキャスティングだけでも気絶しそうです。ジョー・ストラマーっすよ。コートニー姉さんっすよ。ジャームッシュかっこ良すぎ。おバカな展開にほとばしるB級テイスト。クライマックス、三人組を殺しに行くときに「ロングコートを用意しろ!」に歓喜した。キャッホー!マカロニウェスタンだ!!ことごとくツボ。またポンコツ車がマーチってのも微妙にツボ。[映画館(字幕)] 7点(2010-07-12 16:11:51)(良:1票) 360. 遊星よりの物体X ジョン・カーペンターが4歳のときにコレを見て衝撃を受けたことが映画の世界に入るきっかけだったとか。なるほど、たしかに未知への物に対する興味と恐怖をストレートに見せるこの映画は頭でっかちな大人以上に子供の好奇心を刺激するかもしれない。恐怖もさることながら科学者側の見地なんて子供の視点そのもののような気がする。密室劇は恐怖演出以上にストーリーをシンプルに進ませることに一役買っている。その中で強い男がリーダーシップをとってそのシンプルなストーリーを引っぱるといういかにもホークス的な展開がいい。硬派だ。紅一点の女は当然その男に惚れるのだがまわりの男たちも当然そうあるべきのことのように振舞う。女もまたサバサバとしていて硬派なのだ。一人の強いリーダーと一人の美しい女、そして仲間たち、で締めるラストカット気持ちいい。[DVD(字幕)] 7点(2010-06-25 16:30:59)(良:1票)
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