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自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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341.  死刑執行人もまた死す 『メトロポリス』→『M』→『死刑執行人もまた死す』と見続けた時、「フリッツ・ラングって本気で群集心理の恐ろしさに警鐘を鳴らしてたんかいな」と疑問に思えてくる。ていうか本作でズッコケる。思いっきり集団暴力の話やんこれ(まあ彼の作品らしくノンビリと折り目正しく仕上がっていますが)。そこで気付くのが、コミックリリーフとして絶妙な役どころだったゲシュタポの警部のコト。書き割りと言いたくなるくらいに潔癖で一面的なチェコ人に比べ、敵役の彼を、なんで官僚としてはあそこまで人間臭く、刑事としてはコロンボ並に鋭く、多面的に描いたんだろう(まあこれはナチに擦り寄ったチャカにも言えますが)。これほど敵に愛情を注いだプロパガンダ映画なんてないと思う…ラングさん、あなたって人が時々わからなくなるよ。あなたの心の襞には、どれだけの矛盾した想いがつまってるんですか。いまだにあなたの映画の見方がわかりません。もしかしてあなたは、自分の中に根付いた弱さ、ファシズム礼賛のドイツ人魂に気付いていたんじゃないんですか。この映画はとても一面的に見る事ができない、見た目よりも深く、思ったよりも重い「反プロパガンダ」のような気がしてます。[DVD(字幕)] 6点(2005-04-21 14:01:53)

342.  小さな兵隊 「見ず嫌い」の映画監督が何人かいるんだけど、ゴダールもその一人(ルイ・マルは好きなんだけど…)。で、理解しやすそうな本作を選んで、初めてチャレンジしたんですが…なんじゃこりゃ! 芸術性ウンヌンよりも先に、製作サイドのとてつもなく貧乏な台所事情が涙を誘いますねえ。これ、この必死に風景で誤魔化しつつモノローグでシーンをつなぎ、アクションシーンをわざとカットし(たように見せかけ)てモノローグでつなぎ、大戦の被害者であるが故にアルジェリア問題をこじらせてしまったフランスの若者のやるせない状況を長い長いモノローグで…ってモノローグばっかじゃん! コレでさー、拷問シーンの合間に女の子のストリップとレスリングが挟まってたら、まんまエド・ウッドの『グレンとグレンダ』になるっすよ。いやま、ベラ・ルゴシ級の怪優も必要だけどさー。話としてはありがちスパイ物なんで、なおさらエド・ウッドの持っていた新奇性と比較しちゃうなー。うーん、ゴダールってようわからん…。[DVD(字幕)] 4点(2005-04-21 00:36:01)

343.  ブルーサンダー あにやんさんに激しく激しく激しく同感! 公開時のロングバージョン、見れないんですよねーっ! 記憶ではカーチェイスシーンがもっと、こってりとハードだった気がします(主人公の奥さんの暴走ぶりがスゴイ)。全体の伏線もカッチリと決まっていて、映画館で「うーむ」と腕組みしちゃった記憶あり。あと、何かってーと画面いっぱいにどアップになるカシオの腕時計がカッコ良すぎたっ。以来オイラはカシオの時計しか買わなくなりました。俳優陣では(ロイ・シャイダーはもちろんイケてますが)、「嫌な奴を演らせたらJ・T・ウォルシュに肩を並べる」マクドゥエルたんの怪演が恐ろしいくらいハマってますダ。完全版復刻を切に希望!! 点数は、現行の公開バージョンを評価して。[映画館(字幕)] 7点(2005-04-20 22:52:07)

344.  死刑台のエレベーター(1958) 《ネタバレ》 最近話題の反日デモ報道を見ながら考えてみた。第二次大戦終結から半世紀あまり。極東はやっと本作を我が身の物語として見れるようになったんじゃないかな(もちろん日本はドイツ人の金持ち夫婦にあたる)。あらゆる世代のワルばっかを組み合わせ、戦後フランスの陥った「俺たちどーすりゃいいのさ」的状況を描き出したこの映画、そのまんま90年代の韓国に当てはまってたんじゃないかなーと思うんですよ(まあここでは北朝鮮に相当するファクターは出てきませんが)。「愛国心」という厄介な奴についても、けっこう考えさせられる。右派実業家が植民地を売っぱらって私腹を肥やしてたり。救国の英雄の取れる行動が、せいぜい不倫にケチな殺しだったり。公道レースでドイツ車に勝てなかったから(だけじゃないけど)って外国人殺しちゃったり。どこまでも醒めたカメラが、「戦後という時代には英雄とチンピラの間には何の違いもない」という事実を突きつけてきて、噛めば噛むほど味が出てきます。EUって奴ぁ、多分、この映画に描かれる苦い思いを乗り越えるために欧州が選んだ結論なんでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2005-04-16 15:06:22)

345.  この森で、天使はバスを降りた 《ネタバレ》 『わらの犬』の投稿のついでで(おいおい)。アメリカ・メーン州の美しさ以外は理解不能の作品でした。ただ、(NHKの深夜とかに)TVのミニシリーズとしてやってたら泣きまくりだったかも。要は複線をいっぱい引いた割に、どのラインも掘り下げが徹底して不足してると思うんですよ。何かを削るか、時間を延ばすか。オイラが感情移入できる状態になるには、どっちかが必要だったと思います。あと、邦題でネタバレしてるのはどうかと思う(見る前から落ちついちゃってますよ)。エンディングで、天使化した主人公がただ一人、秋深い森の中を歩いてるシーンを期待してたんだけどなあ…。[DVD(吹替)] 4点(2005-04-08 07:39:41)

346.  わらの犬(1971) 昔からずっと困ってるのは、ペキンパー映画のどこが面白いのかサッパリ不明な点。この作品も、当たり前のように見終わってしまって「え? どこが衝撃だったの?」と狐につままれた覚えがある(まんま犯罪実話ちゅーかねー、普通な展開だと思う…)。まーオイラは『フリークス』なんかも特別ショッキングな映画だと思ってない人間なワケで、『プライベート・ライアン』でも思わず笑っちまったし(しかも映画館で…ひんしゅく買いまくり)、感性的なズレが大きいんだろうなー。ダスティン・ホフマンの演技よりも、イギリスの田舎の息苦しい空気を演じきった脇の方々に敬意を表したいっす。この映画で初めて「世界のどこだろうと村社会っちゅーのはあるんだ」ってのを理解しました。[ビデオ(字幕)] 5点(2005-04-08 07:12:24)

347.  デモリションマン スタローンの中では『デスレース2000』に並ぶバカ映画。ホント、出る奴出る奴みんなバカなんだよなあ。3点は3点でも、愛情のこもった低得点です(苦笑)。[ビデオ(字幕)] 3点(2005-04-05 16:28:12)

348.  シャーキーズ・マシーン 《ネタバレ》 なぜかコレ、封切りの時に映画館で見たんだよなあ…ちなみにビデオはバッサリとカットされてるシーンが多くて、燃えなかった記憶があります。助けた超高級娼婦のヒロインと一晩隠れる事になって、寝ないための言い訳が「俺の給料じゃ一晩に千ドルも払えん」(んで、ヒロインまじ泣きでフェードアウト)。若かった当時は、この台詞にメロメロですね。この武骨な男くささと照れ。バート・レイノルズ満載、って感じです。DVD、ノーカット版なら見ようかなあ。[映画館(字幕)] 7点(2005-04-03 01:06:58)

349.  みなさん、さようなら(2003) 泣いた泣いた、もう思考停止状態です。一人の《進歩派左翼知識人》の死を通して、そのカテゴリに属した一群のサブカルチャーを「あなたたちはもう終わった人なんです」と優しく葬ってしまった怪作…なんだというのは教会の骨董品鑑定のシーンから明確だと思う(見終わった直後だからまだ自信はない)。リベラリストの象徴である父が、息子の莫大なカネの力を受け入れて個室に移り、麻薬を受け入れ、コテージに移動し…死期が迫るにつれ徐々に弱々しく周囲を受け入れていく姿が泣ける。まぁ日本の場合は、この手の人たちって割と早いうちに世間に迎合しちゃってて、こんな状況は成立しないと思われそうだが…実は強烈に我が父にダブったのだよ…あの超頑固な労組世代に…《あなたが父さんでよかった》。まだ健在ですが。(6/11 2点下げ)[DVD(吹替)] 8点(2005-04-03 00:01:42)(良:1票)

350.  姿なき脅迫 10数年前にビデオで鑑賞。これはまさに「ある意味貴重」というポジションの映画だと思います。「カーペンター監督が夏休み自由研究で作った映画」てな趣かな。だって、だってだよ、ミステリとしてサイテーなんだよこれ! あんな犯人像、小学生でなきゃ考えつかないよ! 仮に考えついても恥ずかしくて映画なんかにしな~いッ! 本作の犯人明かしに比べれば、『アイデンティティ』なんて超正統派の行儀正しい推理ドラマですよ(少なくともサプライズは用意されてるしね)。きっと本作を越えられるのは夢オチの推理ドラマだけでしょう(このご時世、そういう企画が通ってしまう可能性もないわけじゃないんだが)。…でもね、サスペンスの盛り上げ方は既に『ハロウィン』時代の才能に達してます。てかもう手馴れたもんです。最近では「歳食ってもカーペンターはカーペンター」という認識が定着して来ましたが、「未熟でもカーペンターはカーペンター」である事が伺える「ある意味貴重」な映画です。[ビデオ(字幕)] 0点(2005-03-31 21:24:25)

351.  いかレスラー 買ってきました。これから、見ます。覚悟は決めてます。点数は期待度。 ……実況鑑賞16分目。つかみはオッケー! 演技の大根なんて気にならないこの独特のノリが決め手ッ。 ……実況鑑賞33分目。初泣き。 ……実況鑑賞46分目。熱いぜ ……実況鑑賞52分目。これネタ? ……実況鑑賞70分目。再び熱くなってきたぜ! ……実況鑑賞80分目。燃え燃えだーッ! ……実況鑑賞85分目。はァ? ……実況中継87分目。おいおい『終』って何よ? ……結論。クライマックスやり逃げバカ映画でした(ある意味貴重かも)。点数は維持しときます。 ●追記:心に残る名台詞のサイズ制限に引っかかったんで、こっちにルー大柴の長台詞を引用しときます。「なあいかレスラー君。キミほど現在日本が抱えている混沌とした状況を体現しているレスラーは他にいない。隣国からの核の驚異、テロの驚異。増え続ける悪質犯罪。未知のウィルス。高齢化社会の不安、経済の不安、政治の不安。この時代の雰囲気にピッタリなんだよキミは。10本足のイカの怪物が、キミが日本人レスラーに倒される事でみんな元気になる。得体の知れない怪物が倒される事で、不安は希望に変わる。間違ってもキミは勝ってはならない。キミが日本人レスラーを苦しめ、でも最後は逆転されて負けるところを客は見たいんだ。しかし、影の主役はキミなんだ。イカになってくれてウチとしては返って好都合だ、キミが岩田貫一だとしたらね…イカがかな?」。これ、かなり怪獣特撮の本質を突いてます(いやまあルー大柴の演技には貫禄がないけど)。[DVD(字幕)] 6点(2005-03-24 01:20:22)《改行有》

352.  ゴッド・ディーバ お久しぶりのエンキ・ビラルだっ! もーオイラ嬉しくて嬉しくて青い涙を流しちゃったっすよ(嘘)。出来栄えも相変わらずでビラルっぷり満載! 謎の言語、活躍度イマイチなレジスタンスの男、常識ではありえない色使い、散りばめられたミステリアスなジャーゴン、ピラミッドにエッフェル塔、豪華だけど薄汚れたホテル…。しかし何つっても今回の目玉はポリゴンCG! コレの使い方(金かけたバイテク手術をして、ビラル基準での「人間らしさ」を失ってるキャラほどボリゴン数が減ってゲームキャラっぽくなってる (^^;)に彼らしい反骨精神を味わえますなー。前作『ティコ・ムーン』の《青い血》に当たるアイテムがゲームっぽい人形キャラなワケですね。その意味では今回のNY、ズバリ前作の月面独裁国家の発展型です。希望ゼロ、救いゼロの世界観は、いつの時代にも、ジュネ/ベッソンの行き着いた所から始まってるというアナーキーさ。何も言いません、迷わずこの道を突き進んで下さい。減点は、DVD英語版だったのと、ホルスが活躍しすぎてるから(だもんで希望ありすぎ)。でもま、ビラルの新作を見られただけで嬉しいから、あんまり気にしな~い![DVD(吹替)] 9点(2005-02-03 03:10:43)(笑:1票)

353.  GIRLS★GIRLS 「あげまん」ならぬ「さげチン」なるモノが存在するかもしれない…という、妙な説得力に満ちた映画(いやあ、大マジで、ホントにすごいさげチンぶりでした。笑いっぱなし!)。去年『ロシアン・ブライド』という映画で大失敗(純度100%のポルノだった)したので、前知識なしのタイトル借りにはちょっと抵抗があったんだけど、自分のカンを信じてネットレンタル。今回は成功だったようです。15分でエンディングが読めるのはご愛嬌。観客の予測を先読みして思いっきり迷走する主役三人に「おいおいおい! そーじゃねーよ!」と突っ込みを入れたりヤキモキしたり。「キャラ」と「観客」の間合いの取り方が絶妙で、感情移入できる作品でした。武骨でメカニカルなイメージのあるドイツ映画ってところにも、飽きさせない新鮮さがあったようです。これがアメリカ映画やフランス映画なら「てやんでェこんなん見てられっか~っ!」って…まあ、あのへんの青春セックス映画なんて食傷気味なワケですよ。この作品も難点がないワケじゃないが…主役のインケン、どう見ても高校生じゃないだろ。ま、それがベッド上ではすっごい良い味になるんですが(どーしても感じられないって演技がメチャメチャ可笑しい)。標準的な佳作だと思いますが、私的にチョイとプッシュしたいので、2点UPしときます。 (2007/12/24:サービス期間終了)[DVD(字幕)] 7点(2005-01-28 04:19:53)《改行有》

354.  宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式 ホント、安い造りの映画なんだよなあ。セットはショボいし、ライティングは平板だし、役者に知った顔がないし。オマケにストーリーはべったべたなアメリカン・ラブストーリー(…以下かもしれない)。しかーし。だからこそ人間はアタマを使わなきゃイケナイのだ。映画は客をいっぱい呼んで見てもらってナンボなのだ。このカビが生えちゃったようなハナシを、斬新な視点でナレーションすればいいのだ…プロデューサーの涙ぐましい努力が伺えます。個人的には「○○のターミネーター」が登場した時点で、何でも許してやれる大らかな気持ちになれました。この映画に携わったスタッフ達。彼らはきっと生まれや育ちはアメリカ人だろうが、ソウルは関西芸人に違いない。低予算にめげない前向き姿勢、あの手この手のサービスいっぱいなウケ狙いに、この点数を献上。[DVD(字幕)] 8点(2005-01-28 03:48:08)

355.  夜の蝶(1998) 魔法の夜。生命なき物体に命が吹き込まれ、動き始める…短編アニメではよくある題材です。でもこの作品は有名なシュールレアリズム画家、ポール・デルヴォーの油彩をアニメで動かしちゃう所に、尽きない魅力があるんです。夜会服を着た二人の貴婦人。でもその服はちょっと特別で、胸の部分が何もないので乳丸出し(これ、元絵は検索しても名前がわかりませんでした)。彼女達があるきっかけで命を吹き込まれ、油彩の部屋の中でクルクル踊り始める。この効果が無機的かつ、めっちゃ美しいんだけど、デルヴォー的に言えば《魔女の夜宴》という事なんだろうね。屋敷の外は有名な『森の駅』の風景になっていて。列車も走ってやってきます。きっと他にもいろいろ使われてるだろうなあ。以下、マメ知識になりますがデルヴォーは若い頃ジュール・ヴェルヌの大ファンで、中でも『地底旅行』に出てくる丸眼鏡の博物学者・リーデンブロック教授にほれ込んでたそうです…これをラストに結びつけるのは、ちょっと深読みし過ぎかなあ…?[DVD(字幕)] 7点(2005-01-06 01:19:44)

356.  ハーピア 乾いたユーモアの漂う、モンティパイソン風の短編アートアニメ。でも怖いんですコレが。童話みたいな感じで先が読めるドッキリ系なんです。しかもホラーお約束のヒュードロドロなBGM(古すぎ)やドキドキ演出が一切ないから、間合いが測れず「ここで来る!」という身構えが効かない。いきなり出てこられて笑っちゃう系。セルヴェ監督も「観客を怖がらせたかった」と言ってるので、本当にソレだけに徹したアートアニメだと思います。ちなみにハーピアを演じた女優さんは、自分でも怖くて作品を観れないそうです。欧州ならではの漆黒のブラックジョーク。逸品。[DVD(字幕)] 7点(2005-01-05 23:45:20)

357.  カブキマン カブキは日本の古典的“大衆”芸能であるからして、当然ながらスーパーヒーロー物の要素を本質的に含んでいる。この舞台様式の裏に隠されたヒロイズムをアメコミヒーロー文化の文脈で解釈し直したのが…ごめんなさい嘘です叩かないで~。いわゆる「ガイジンの想像する勘違いジャパン」ってイメージを狙った企画だったんでしょうが、トロマに製作を任せた事(きっと安かったんだろうな)と、後の江戸木純氏が関わった事で、予想を遥かに上回るバカ映画となりました。当初予定が勘違い度50%だったとすれば、出来上がりは確信犯度98%くらいの高純度です。カブキマン、登場時に見栄切った後でオペラ歌ってますし。刺身じゃなくて生魚丸かじりしてますし。いや本当、捨てる金のあるバブル時代でないと完成しなかったでしょうねえ。ちなみに江戸木氏、序盤で凶弾に倒れる(ってよりミ○○を食ってるシーンの方がインパクト有)老歌舞伎役者サトウ爺をやってます。ほんとバカ映画に体張る人だなー。こんな映画を作るほどにはなれなくても、観て笑い転げるくらいの心の余裕が欲しい今日この頃。敬意を込めて6点献上。●追記:登録の際に imdb を漁っていて気付いたんですが、オーストラリアでは154分のディレクターズ・カット版つうのが公開されてるようです。すげえよ…どうやったらそんなに話が伸びるんだろう…?[ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-04 19:38:29)

358.  APPLESEED アップルシード 見ている間中、悩んでいました。10点でけなしまくっておくか、1点でほめておくか。今はけなしておく事にします(2006/1/25、キャンペーン終了)。最初にいい点。戦闘シーン「だけ」は素晴らしかった。イラク戦争の先行きが見えない、2004年春という時点でその数十年先に登場するはずの戦闘を肌で感じられるように描いたのは、どんな凡百のニュース映像よりも価値があります。ここで描かれる市街戦は今の市街戦の3倍速い。戦士が自動車並みのスピードで移動して来るし、それを想定して大量の弾幕を張る(あんまり当たってませんが)。この怖さをリアルに実感できるのはいい事です。「被害者○人」なんて数のゲームにうつつ抜かしてる場合じゃない、次の大戦では戦士に体当たりされたら人はペシャンコです。3Dアニメにアレルギーがなければ是非そこを感じて頂きたい。 …あれ、けなすスペースがなくなったけど…とりあえず最悪だと思った劇伴について(集中攻撃になるが、同じような強い不満が製作・脚本・演出にも等しくあると思っていただきたい)。画面で描かれている場面でのキャラクターの感情を補助するタイプの演出は、子供向けアニメの技法だ。アップルシードは子供向けアニメか? あほか。初めてオリンポスを画面に登場させる時、(戦闘シーンの覚めやらない状態の)観客は、まだこの都市を受け入れる準備はできていない。RPGタイプで観客と一体化したキャラであるデュナンも、観客と同じだと思っていい。あそこで醸し出すべき音は「不安・疑念」であるはず。ちなみにこの「人を疑う」という概念にあたるテーマは本作のBGMでは見当たらなかった(原作『アップルシード』で重要なのはここだと信じる。常に疑いを持って思考し続けるという姿勢だ)。バーでヒトミとデュナンが言葉を交わすシーンはどうか。現実のバーで、隣の席の人間とあんな会話を交わす事があるか。バイオロイドの異常性・不条理を浮き出しにする音楽か、作品を通して登場する『バイオロイドのテーマ』でなければならなかったのではないか(一度見た限りではそんなものはなかったと思うが)。総じて「幼稚だ」という印象が残った。これは文字通り「子供向け作品の論法で作られている」という事だ。ドラマの劇伴は「こんなイメージ」で済むもんじゃないのだ。ここは素直に「客を侮辱しないで頂きたい」と言っておく。ファンとしては本当は目をつむりたい想いだ。[DVD(字幕)] 1点(2005-01-03 01:07:37)(良:2票) 《改行有》

359.  ヘビー・メタル 正月からえらいモンに当たってしまったなあ。もちろんその存在は知ってた。だが見る気も起こらないで見てなかったのを、いま猛烈に後悔してます。「悪」の表現手法に、ロメロのリビングデッド・シリーズの影響があると思うんですが、この作品が他作へ及ぼした影響も凄いモノがあると言わなきゃならんです。ちょっと思いつくだけで、『風の谷のナウシカ』『フィフス・エレメント』『ゴースト・オブ・マーズ』…他にもいくつか。ルネ・ラルーの仏アニメ『ガンダーラ』も絵的に近いんだけど、オリジナルがコミックだからなあ(すごく複雑な経緯のリスペクトっぽい)。この映画が時代の一里塚、コミックからSF映画への橋渡しの役目をしたんですねえ。続編も見たいような…あろえりーなさんのレビューを見たら見ない方がいいような…微妙(笑)。 ●2007/12/31 点数調整で8点に…。[DVD(字幕)] 8点(2005-01-02 03:23:46)《改行有》

360.  蝿の王 ええっ、今年最後のレビューが『蝿の王』かよ…いや別に大昔に見た奴だから、今日レビューしなくてもいいんですが…2004年を総括する作品としてコレが適当かな、と。原作との違いが指摘される本作ですが、最大の違いは原作=「悪の自然発生」説/映画=「元々みんな性悪なんじゃ」説、っていう事になるのかな。原作の持っていた宗教的な構図を骨抜きにしてしまったせいで、オイラ的には原作よりずっと現代的解釈ができるようになったと思います。イラクの刑務所で起こった事がまさにコレですね。まあイラク以外でもあるかもしれんが。人道とか国際法とかは世界が長い歴史で学んだ財産なワケで、それを捨てれば身軽で自由になるけど、もう一度学び直さなけりゃならない。孤島で、そういう世界の「見えない財産」から切り離された子供達は、だから原作のように「悪」に染まっていくんじゃないんじゃないかと思うわけです。ただ、知恵を失っただけなんじゃないかと。血と痛みの記憶を捨てただけじゃないかと。2つの世界大戦の主要プレーヤーで本土の占領・地上戦を経験しなかったアメリカ・イギリス・日本に、いま「悪」の面影を見るのは難しい。だが心底の無邪気さ、その怖さは見える。この映画が強引に「悪」を外科切除したのは、案外21世紀的な描き方だったのかもしれないですねえ。[ビデオ(字幕)] 8点(2004-12-31 11:26:31)

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