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ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23593/
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自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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421.  クリスティーン カーペンターは女を描く才能が完全に欠落しているとしか思えない。今でこそ本人も自覚して、美女ナターシャ・ヘンストリッジを《漢》に仕立ててしまった『ゴースト・オブ・マーズ』なんかの怪作をモノしてるわけだが、『クリスティーン』当時はまだ理解していなかったように思う(次作の『スターマン』では見事なくらい痛い目に遭ってる)。作品コンセプトから行けばクリスティーンを女としてエロティックに描写するのは必須だ。これに加えて観客好みの豪華なアメ車を軸に派手なカーチェイスをガンガン挿入すれば、即座に60分くらいは埋まってしまうだろう。それをこんな妙な話(って原作にかなり近くはあるんだが)に持っていったカーペンターには顎を外して拍手喝采しておくしかなさそうだ。車をただの車(もしくはメカ)としてしか描けていない時点で、カーペンター監督の天才的な「構図」と「カット繋ぎ」に頼りすぎた慢心が透けて見えてきてしまう。カーペンター作品としてはかなり点が高目の本作だが、正攻法で撮った別の監督でも見てみたくなる…現存しているモデルを思いっきり壊しまくったらしいから、リメイクは難しそうだけど…。4点(2004-08-29 23:48:14)(良:1票)

422.  ルパン三世(1978) 「仰ぎ見れば傑作、振り返れば凡作」という典型になるだろう。この映画は「ルパン唯一の頂点」となる予定だったので、頂上作品となるべく「最強の敵」が用意されている。話の上でも、それまでのルパンワールドが破綻しかけて、ギリギリSFの領域にまで来ている。それまでのルパンの展開からすればこれで良かったのだ。問題はTVも映画も続いてしまったために、この作品が「ルパン唯一の頂点」ではなくなった事。このルパンの感触は、現代で最初の『ゴジラ』を見る時に感じる哀愁に非常に似ている。ルパンはこの作品が最終回だと思って、今に至ります。9点(2004-08-29 19:06:44)(良:1票)

423.  クロスロード(1986) クラッシックファンなのでもちろん高得点(謎)。ウォルター・ヒルらしさって点からも高得点。「そんなんあるワケねーだろ!」的な裏ブルース界の描写と、極めつけの「ブルースの悪魔」の描写もナイス。旬の頃のラルフ・マッチオもいい演技してる。問題点は、あれから一向にビデオ屋で見かけない事だ…。8点(2004-08-27 04:50:25)

424.  知らなすぎた男 ちゃんとスパイ映画になるだけの下揃えをしておいて、その上にコメディの衣をかぶせた2重構造がウマイ。なーんにも後に残らんけどね。7点(2004-08-25 07:20:33)

425.  タイムライン 《ネタバレ》 当然というかクライトン最低作の『コンゴ』よりは点を高くするけど、あまりオマケはしないぞ。まー作者自身B級ムービーの原作となるよう書いてた感じがするし、今回のメインはSF部分より入り組んだ時空のパズルなんで、そこはキッチリ描けていたからいいか。だがしかーし、役者の演技の時代考証が甘いんで、『バンデットQ青春編』というイメージが始終ついて回った。本気でクリーズかコネリーが出てくるんじゃないかと思ったよ(ていうかメインキャストは原作読んどけっ。中世貴婦人のキスの仕方とか、下手な演技指導より詳しく書いてあるぞ!)。あと、若い俳優を中心に揃えた結果、役者の面構えがあんまり殺伐としてない。これだと騎士モノとしてのインパクトがねー。ド・キュア卿なんか、ロン・パールマンあたりを期待してたんだけどねー。原作ではモロにビル・ゲイツをモチーフにしていたドニガー社長も、もう少し線の細い神経質キャラにして欲しかったかな。城攻めは迫力があったが、剣闘も白兵戦も騎馬戦も見せ場がない状態。端的に言ってこの原作が映画化されるのはみんな判りきっていたワケで、「消化ムービー」というのが一番正しい呼び方かもしれない(オイラ自身、クライトン未見作品を消化しただけという意識がかなり強い)。ま、そんなのクライトンファンは先刻ご承知なんだけどね。どうにかならんのかね、この「予告された駄作」みたいなフザケた商業展開は(こーゆーとこ、キングに似てるなあ)。 ●追記:いまわかりました。これ、「人の話を聞かない野郎たち」が織り成すご都合主義ありーのアクションコメディタッチで撮れば良かったんだ! 逆立ちしたってドナー監督にやれるとは思えないけど…原作ファンも怒り心頭だろうけど…そうでないと2時間に納めるには複雑すぎるよ。3点(2004-08-23 02:40:55)

426.  パラダイム 《ネタバレ》 カーペンターの終末思想3部作の中では一番見ごたえがあったかな。SF的にも一番ハードだし。素粒子論と不可知論を組み合わせて悪魔降臨のメカニズムを組み立てるるなんざ、欧米のSF作家の誰も考えなかったアイデアだ(コロンブスの卵って感じだけど、それでもすごいよ)。ただ、面白さでは『ゼイリブ』が勝るし、好きという点では『マウス・オブ・マッドネス』。この3部作、見事に三すくみだなあ(笑)。7点(2004-08-23 00:21:05)

427.  PLANET OF THE APES/猿の惑星 《ネタバレ》 あー、すげー簡単に反応してしまうオイラ(笑)。ここはオールネタバレで。「サルたちのモデルが日本人」だったのは原作での話で、旧作『猿の惑星』はその構図を全人類に広げ、普遍的な「支配とヒューマニズム」という土俵に持ってきたところが評価されたわけです。で、こっちの新作はってえと奴隷制度と南北戦争、つまり一度広がったテーマをアメリカの内側の問題に押し込めてしまった形です。だからこそ、エンディングのリンカーン像が衝撃的なんでしょう…アメリカ人にはね。全体の流れから言えば『猿の惑星』を原作にしたってよりか『動物農場』から説教臭さを抜いてコッテコテのアクションムービーにしたような感じだなあ。それはそれとしてバートンの再婚騒動の原因となった本作、別の意味でもっと罪深いような…。4点(2004-08-22 18:44:07)(良:2票)

428.  ハルク ウサギとカメ。見ている間に何度もこの言葉が頭をよぎった。とは言ってもコレ、ハルクについてじゃなく、ジェニファー・コネリーという女優についてだ。彼女は、ただ美貌の女優というだけじゃない。デビューの頃は、まさしく体当たりだった『フェノミナ』とか、当時としてはかなりハードなレイプシーンを演じた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』とかをこなしてきた、度胸の塊みたいな人だ。頭もいいらしい。だが悲しいかな、それだけではスターの座に留まる事はできなかったワケで、致命的なほど表情に乏しく、演技力がなかった。ハッキリ言えば大根の部類だ(個人的にはね)。それさえあれば大女優としてポスト・アジャーニの立場も夢じゃなかったはずだ。今回『ハルク』を見て「あ、表情がすっげー良くなってる!」と、いい意味でビックリ。特に鋭い刺すような視線を見せる時は、この限りなく灰色に近い、珍しいタイプのヒロインを巧く創っていたと思った(いや正直言うとシビレた)。まだまだブリジット・フォンダ以下のダメダメ状態だと思うけど、確実に演技力が上がっている。まー、以前の演技が記憶に残ってしまうくらい強烈にダメだった、ってのもあるけどね。もしかすると、彼女はゆっくりと成長していくスタイルの女優なのかもしれない。他の俳優が2年で吸収する所を、10年くらいかけて…そう思ったら少し楽しくなった。彼女の本当の代表作は、50代くらいに生まれるかもしれない。その頃まで映画業は諦めていないと思う。あんだけの度胸と美貌に支えられてるんだから。これからジェニファー・コネリーは長い目で見ていこう、と思った映画なのでした。えっ? ハルク? 何だっけそれ? スーパーマリオは出てたけど…(8//21 他人の票を見て2点修正)6点(2004-08-22 04:40:46)(笑:2票)

429.  ジャッキー・ブラウン コレの評価はムズいなあ。タラは好きじゃないんだが、70年代映画は好きだ。そしてこの映画、かなりの度合いであの頃のテイストを蘇らせている。アッサリ殺しちゃうとことか、自然光多用、原色多用のとことかね。逆に70'sになってないのが夜のシーン。あと筋を丁寧に追い過ぎた結果の長尺はいただけない(アッサリしたスナック感覚こそ70年代の映画じゃあ!)。パム・グリアの演技力は相変わらず評価に値しないなあ。もっとも『ゴースト・オブ・マーズ』のパムは好きだから、自分にとっての彼女はカーペンターのメガホンの下で活きる、って事なのかもしれない。ていうかさ、彼女は中身がないんだから中身のない役が激ハマってると思うな。マヌケ役のデ・ニーロ、バカ役のフォンダはレア品扱いだね。ここはタラに感謝かな。でもさ、キートンが最後まで悪い事しないのはどうかと思うぞ(笑)。いろいろ取り混ぜて、総合評価で中間点ってことでヨロシク。5点(2004-08-19 05:40:37)

430.  用心棒 《ネタバレ》 どうしてもハメットの掃除屋ハードボイルド『血の収穫』を思い浮かべてしまう本作…って、いまぐぐってみたらまんま『血の収穫』の翻案なんだそうですなー。これでこの映画、ようやく俯瞰できたような気がした。あっちの勢力図は4極(ギャング2組織、労組実行部隊、警察)+探偵でわかりにくいが、こっちは2極(ギャングのみ)+用心棒なんで明快。そして、読者にも手の内を明かさないコンチネンタル・オプと違って喋る喋る(おかげで失敗もするが)。明快至上主義の黒澤ならではの大胆さ。アイデアの元は当時の世界が入り口に立ったばかりの「冷戦」だろう。が、キューバ危機の前なんだよね。なんだか後の世界の15年を縛っちゃったような造りだよなあ。ハメットは第一次大戦後に、あの世界多極化の騒乱を炭鉱町に封じ込める『血の収穫』を書いた。あれは一種の「戦後反省文」なわけだ。だからよけい、黒澤の物語構築力・時代を予見する力には目を見張るしかない。…と、ここまで誉めておきながら満点じゃないのは、好きな監督じゃないから(苦笑)。 ●追記:余談ながら、「三十郎」の名は口からでまかせだろう。読者(観客)に名を明かさないのが、オリジナル主人公コンチネンタル・オプのセールスポイントでもあったわけだから。 ●お願い、もうちょっと比較を続けさせて(笑)…原作ではマシンガンでギャングのアジトを包囲して、小屋が崩壊するまで撃ちまくった残酷シーン、本作では焼き討ち場面になるワケっすね。ちょっと地味すぎ~。ま、当時の技術とか予算とかを考えると贅沢な方なのはわかるけどね。『血の収穫』ではオプの策略に気付いた奴が「もうやめてくれ」と頼みに来るシーンがあって、これがゾクリと来たんだけど、『用心棒』では特にそういうシーンはない。ちょっと惜しい。代わりに卯之助という素晴らしいオリジナルキャラクターを放り込んで盛り上げてくれた。やっぱ漢の物語に宿敵は必要だよね。●さらに危なげな想像。『用心棒』=冷戦モデルに立つと、現実世界の桑畑三十郎は…もしかして…もしかして…フ○インなのか? ひええ~!6点(2004-08-18 04:49:11)

431.  ハード・ウェイ(1991) いまふと思った。この作品は、「マイケルのスケジュールが空くまでクランクインしなかった」というエピソードのあるほど、マイケル・J・フォックスのキャラに依存したマイケル映画。もしかして監督のバダムや相棒の (詳細はブログにて)[ビデオ(吹替)] 4点(2004-08-16 10:06:13)(良:1票)

432.  鳥(1963) 《ネタバレ》 監督ヒッチ×原作デュモーリアの3作目。原作を読むまでは7点くらいだった。今はこんな感じ。そもそも規模的に無理と判ってただろうに、デュモーリアのこの作品を使ったのは「レベッカの夢よもう一度」って思ったんだろう。けど、「軍艦と見間違うほどのカモメの群れ」を「ジャングルジムいっぱいのカラス」にスケールダウンさせたのは罪深いよ(まーそこまで予算もないだろうけど)。てか押し寄せるカモメのシーン、CGでいいから原作通りのシチュで猛烈に見たい…『サイコ』なんかリメイクしないでコッチをやってよー! 今の技術とリメイクブームならやれるッ! 監督はエメリッヒ希望。4点(2004-08-15 22:35:46)

433.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 押井を語るならこの作品が適当かな(天卵という手もあるが…あれは容易に点数つけれんしなー)。自分の中では、常に0点と3点の間を揺れ動く監督。地べたに這ってピョンピョン飛び跳ねながら天界を目指すのだが、跳躍力が足りず落ちてきちゃうって感じ。だが職人アニメーターとしては最低でも7点以上だ。おそらく常人の域を超える集中力を武器にした完成度至上主義(あくまで想像)も、職人アニメーターとして誇るべきもの。それが後の『アヴァロン』の驚異的なポストプロダクション(死ぬほど面倒くさい作業だっただろう)をやり遂げさせるわけだが…この人、才能の使い方を絶対間違えてると思う。世界がカメの背に乗ってるだなんていう明快な図式をやるなら、あそこまで書き込む必要ないじゃん。書き込みすぎたから、カメ自体が作り物っぽくなっちゃったよ。素人目で見たって、あの構図が活きるのはもっとラフで、パワーのあるマンガっぽいタッチでこそだと思うよ。「全世界を明快なカリカチュアに放り込む」事ができる、欧州の歴代アニメーターに匹敵する才能(この部分では絶対手塚治虫を超えてる)に恵まれたのに、大友克洋・士郎正宗と同じ路線にしがみついてる妄執の人にしか見えない。惜しい。惜しすぎる。ちなみに当時から『うる星』ファンじゃなかったので、点のオマケはないす。あしからず。2点(2004-08-15 16:26:16)(笑:1票)

434.  オテサーネク 妄想の子供 ヤン作品中で、もったいなくて見てなかった最後の作品(これでしばらく初見のドキドキニヤニヤとはお別れか…)。とにかく、管理人の婆さん強えェ! 顔だけでその強さがわかるよ。DVD収録の撮影風景を見る限り、爺さんまだまだ元気そうだから何本かイケるね。●後日談:オティークは別の某映画ではデイヴィッドと名付けられていたのに気がついて、猛烈に鬱になった。怖えェ、話からテーマからかぶりすぎてるよ…。9点(2004-08-14 18:41:31)

435.  地獄甲子園 つけちゃるよ8点(笑)。投げやりの帝王・石井輝男節全壊ッ! これ以上何を望む? もちろん原作は好きだが、それ以前にオイラは(スーパージャイアンツの)石井信者なのだ。外道への逆襲以降が弱いのは否定できないから2点引くけどね。8点(2004-08-13 17:29:30)

436.  マッハ!!!!!!!! 《ネタバレ》 ムエタイと言えば『破壊王ノリタカ』しか知らないオイラでも、「おおっ、ヒジ決まった! ヒザ決まった! カカト決まった!」ってな具合で大盛り上がりでした。とは言え、この点数をつけるのはムエタイアクションの素晴らしさだけではない。基本ができている(惚れ惚れするようないい絵がいっぱい)し、遊び心もいっぱい(チンピラ登場のシーン、フィルムが切れてるように見えるけど、監督はジャンピングカットのつもりなんだろうな…ちょっと微笑ましかった)。やはり映画として、他の映画先進国に負けないほど素晴らしいと思うからだ。 本作の場合は、冒頭の木登りの場面ももちろん美しい(あれを見て早々にアクション映画という先入観を捨てた)が、中盤に出現する、網にかけられ水中に沈められた巨大な仏像群、この画のインパクトに勝るものはなかった。そう、これは香港映画じゃない。タイの映画だ。倒すべき敵を作るために、老いた師匠を殺す必要はない。長い歴史のある敬虔な仏教国でありながら、盗掘によって国富を失っている国。麻薬三角地帯を抱えるがゆえに、国中に堂々と麻薬がはびこり手のつけようがなくなっている国。アジア最大規模の米軍基地を抱え、厄介な隣国・ミャンマーとバングラディシュに揺さぶられ続ける、南アジアの暴力の巣窟。この映画で語られる敵(対戦相手か否かに関わらず)は、全て現実にいる敵なのだ。あの、平穏な都会の水面下で網にからめ取られた仏像の画は、現代のタイのはまった政治的・宗教的・社会的な罠をこの上なく的確に示したカリカチュアじゃないのか。ああいう画をバックに、トニー・ジャーが暴れ回る事にこそ、この映画の意味があるんじゃないのか。これが、香港の生んだ虚構との決定的な差で、オイラがググググッとエンディングまでのめり込んでしまった決定打だった。 苦言としては、ムエの扱いが本筋にほとんど絡まない事かな(だからあの幸せそうなエンディングはちょっと虚しい)。「主人公を慕ってバンコクに出てきたもののいつも足手まといで…」とかいう紋切型な役の方が似合ってたように思う。逆立ちしたって薬を捌いてる女子大生には見えんですよ。あ、あとラストのお祭りシーンはもう少し長くてもいいと思うなあ。冒頭の木登りシーンとシンメトリックな構成になるよう、ジャーの乗る象を舐めるように移動撮影してくれたら、それだけで永遠に記憶するに値する映画になったと思う。10点(2004-08-12 00:04:24)(良:3票) 《改行有》

437.  タイタス 《ネタバレ》 もっと点数上げてもいいかも。『グラディエーター』でガックリ・ムカムカ来た後だったので「オレの見たかった古代ローマはコレだーっ!」と、大変楽しく(?)観たおぼえがあります。とにかくオープニングの秀逸さ。泥だらけのローマ兵にバイク部隊が並んでいる絵造りだけでもう満足。街頭の選挙演説シーンになる頃にはおなかいっぱいアタマもいっぱいで、映像がただ目から後頭部へ抜けていくだけの状態でした。当然そっから後の残酷シーンも感覚がマヒしてボーッと観てた。オイラ的にはかなり相性がよくてトリップできた作品だったなあ。ただ、終わりごろにタイタスがレクター博士の演技になっちゃうのはご愛嬌っていうか興ざめっていうか…アンソニー爺さん、あーたにゃそれしかないんすか?(泣)7点(2004-08-08 01:33:46)

438.  メガフォース 『死霊の盆踊り』とか『コンゴ』とかがいい例だけど、たまーに「あらゆる人が認めるバカ映画」をレビューしたくなる。えーえー、見ましたともコブラの併映で! オープニングの真面目さに「オオッこれはァ!」と喰らいついたオイラは既にダメダメ人間(苦笑)。ま、ハダカのオネーチャンの映像が出てきた時点で流石に気付いたけどね。世の中で善悪の基準がはっきりしていた最後の時代に現れたアクションヒーロー物。そして、以後善悪の基準が急速に消えていく事を予感させたダメダメヒーロー物。チャールズ・ブロンソンの『スーパー・マグナム』と一緒に見ると、80年代に起こった事の何がしかについて啓示が得られるかもしれない、そんなネガティヴなベクトルのメモリアル(何のだ)作品。最近、サンダーバードがこの轍を踏むような予感(てかパクストン主演ってとこで既にメガフォース化の片鱗を感じているよ)がしてドキドキワクワクです。1点(2004-08-07 00:49:55)

439.  スチームボーイ STEAM BOY 一度は誉めたが全部撤回。よく考えたらコレと全く同じ手口(架空歴史+空想科学を突破口にした20世紀の戯画化)は『王立宇宙軍』で既に完成してる。しかも終わり方まで同じだぁ。王立作ったスタッフは平均年齢22歳。いまの大友監督みたいな立場の人間が、テーマ的にも内容的にも100%同じ事やっちゃイカンのじゃないすか? ええ心を鬼にして言いますよ。やるなら『ファイヤーボール』くらい壊れて下さい…もとい壊して下さい。6点(2004-08-02 14:29:38)

440.  神風 原色の国おフランスでなければ企画されないであろうトンデモ系×ペーソス×刑事ドラマ。。50年代SF映画風の巨大光線銃でテレビを撃つと、スタジオのニュースキャスターが吹っ飛んでいくという、恐ろしい《マスコミ破壊銃》が、あくまで話の主軸だ。なんだが、この奇怪な調和ぶりはどうだろう。日本なら確実に『怪奇大作戦』路線なのだが、そこはおフランス&リュック・ベッソン製作。主役の二人であるマッドサイエンティストと刑事の人間性や家族愛などを強引に織り込みながら、違いを際立たせ、人間ドラマのある西部劇みたいな展開に持っていく。無名の超人VS官僚という構図でもあるから、『ジャッカルの日』に近いとも言えるだろう。決してステレオなSFじゃない。この、ジャンル映画のお約束に対する無神経ぶりがかなり心地よくて、B級A級というランク分けを超えた不思議な存在感を湛えているのが本作のイイトコロ。…とまあくだくだ書いたけど、『サブウェイ』のノリがわかる人には言葉はいらないだろうな。『トンデモ版サブウェイ』と思えば、かなり近い。6点(2004-07-30 01:42:05)

071.09%
1162.48%
2223.42%
3324.97%
4456.99%
5558.54%
68413.04%
713420.81%
811417.70%
98913.82%
10467.14%

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