みんなのシネマレビュー
エスねこさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 644
性別
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
変更日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233

461.  メトロポリス(1926) いまだに、何度見ても、地下世界での仕事ぶりは「苛酷な労働」ってよりなんかの罰ゲームに見えて来るんですが…ただ一人現実的な思考をしてる工場長が好きです。6点(2004-02-22 21:04:18)(笑:1票)

462.  花嫁はエイリアン オープニングの歌はプリンスの曲をトム・ジョーンズがカバーしたんですかね。初めて見た時、あのパワーとグルーヴィーな声に圧倒された記憶があります。内容的にはベタベタな話でしたけど、それ言うのは野暮ってモンですよね。テンポのいい科白が気持ちよかった。こういうのは字幕もいいけど吹き替えでも見たかったなあ…。6点(2004-02-22 17:53:43)(良:1票)

463.  シベールの日曜日 『ロリータ』のレビューを書いた流れで(笑)。乾いた、フランス映画独特の絵造りが怖かったなあ…と思う反面、子供の視点に移ると一転してフランス映画独特の美しい絵に。ガラス越しに見る風景は、特にそう思いました。でも、母親を思わせる(ていうかあれ親だよなきっと)ジプシーの占い師に出会うシーンから状況は一転して、胸に突き刺さるような展開に。フランス人て、どうしてこうドライな感性を誇示したがるんだろう…でもまあ根は戦争がテーマだし…『ジョニーは戦場に行った』の流れだよなあ…というワケで、何となく子供との純愛をダシにした反戦映画のような気がしなくもなかったですね。評価は悩むところだけど、この客に媚びたような臭気が気になってしまうので、減点方式で3点引きました(2004/3/14 6点に変更)。6点(2004-02-18 06:41:02)

464.  ロリータ(1962) ロリータ=若くて未来のあるアメリカ/ハンバート=瓦解しつつあるヨーロッパ…原作の持っていたこの含蓄深い図式を、キューブリックはわかっていないような気がするので点数低め。でも、あのかったるいナボコフ作品を、軽いホームコメディノリにしちゃったのは頭いい~って感じがします。最後の別れのシーンなんか、思わず笑いを漏らしちゃう感じ。嫌味のない演出も徹底して(る点が逆に嫌味なんだけどね)、完成度は高い。やはり、キューブリックが好きな映画を好きなように撮れる立場になったのは本作品のおかげだと思います。6点(2004-02-18 06:25:04)

465.  ワイルドシングス 一度目のどんでん返しの後、「誰がワルか」ってよりも「何人生き残るか」に注目して見たので、ラストの加速の度合いには非常に満足でした。ベーコンは生き残ると思ってたんだけどなあ…。ただ、ヨットのシーンはもっとアングルを凝ってもよかったと思う。美しいばっかで海の怖さが出てませんね。あのシーンは怖さもあった方がいいよー。6点(2002-09-04 20:30:55)

466.  キング・コング(1933) 手を抜かないでコングの表情をちゃんと作ってる所が、名画と言われるポイントなんでしょうね。これのせいで、怪獣の物語だけど、見てて恥ずかしいくらいに「アメリカ男性の競争社会」の話になった。中盤まではこの路線でひたすら突っ走り、太古の野蛮な実力主義への憧憬・崇拝を南島奇談の薄衣に隠して提供。そしてラストでそれを覆す科学万能主義に倒される…乱暴に言えば、米民話ランバージャックのスペクタクル版語り変えですね。この展開が、ラストシーンを「科学の勝利の物語」ではなく「野性の敗北の物語」という色づけをして、堕ちゆく獣への涙を誘うんでしょう。満点に届かないのは、その恥ずかしいほどのアメリカ的な甘さ故。6点(2002-09-01 23:18:48)

467.  スペースボール "ローン・スター"役のビル・プルマンは後に『インディペンデンス・デイ』で大統領役に大抜擢。いま見比べると、な~んも演技が変わってないのが笑えすぎる(どっちを見ても!)。このいかにもアメリカンな風格のなさは大好き。これにリック・モラニス&ジョン・キャンディをアレンジするあたりが、メル・ブルックスの面目躍如ってとこだろうか。ヨーグルトの神殿で『オズの魔法使い』をやってしまう場面が、一番笑えた。次がメガメイドかな?6点(2002-08-31 20:35:21)(良:1票)

468.  虹男 (訂正:1949年作品でした) なんか廉価版DVDがワゴンに出てたので、無我夢中でデフォ買い。 もちろん、オイラも「アレ」を期待してたんです。たぶん動くこともなく、一瞬しか出ないんだろうと覚悟を決 (詳細はブログにて)[DVD(邦画)] 5点(2015-01-02 14:06:04)《改行有》

469.  マチェーテ 《ネタバレ》 続編公開を機にiPad鑑賞。 見る前は何となく、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のメキシコ版みたいなやつを想像してたんだけど。なんだこのロドリゲスならではの過剰な安定感(笑)!  (詳細はブログにて)[インターネット(字幕)] 5点(2014-03-09 19:08:09)《改行有》

470.  ピンクパンサー サッカーネタってとこに相当無理があるよなあ。それより何より、オープニングが最低ですよ。ドレフュスのモノローグでイロイロ解説しちまうなんてのは『ピンクパンサー3/フンブールガー大作戦(2010)』あたりでやってくれ。 オリジナルを意識した各所のネタは面白いんだけど、密度が薄い。飽きる寸前までやり続ける繰り返しの魅力ってやつがないんだな(自転車ネタくらいか)。オリジナルのクルーゾーの、意味なくカラテチョップを食らわせて部屋を目茶目茶にするような突っ走り感にも欠けてました。 思うにクルーゾーが致命的に善人なんだな。彼は善でも悪でもなく、それを超越した何かでなきゃ面白くないのですよ。ただ、悪評高き大統領官邸への侵入シーン&ジャン・レノのダンスシーンは笑わせてもらいました。それまでの不満が吹っ飛ぶくらい素晴らしかった。 個人的には(予想してたけど)またケビン・クラインの残念作になってしまったのが悲しいなあ。スティーブ・マーティン=ドレフュス、ケビン・クライン=クルーゾーの方が、よほど原点のテイストを引き出せたと確信してるだけに。そして21世紀版ケイト(ポントン)役には反則覚悟でトニー・ジャー! オイラ的には、これ以上笑わせてくれるキャスティングはなかろうと思う。[映画館(字幕)] 5点(2008-01-17 23:30:40)《改行有》

471.  カンバセーション・・・盗聴・・・ 《ネタバレ》 残念。自分の中で、どうにも面白さがサスペンスへと深化していかなかった。後半はすっかりパラノイア的ギャグ。バスタブの栓の裏側をチェックする慎重さにはニヤニヤし、マリア像を壊した勢いでリミッターが解除されるラストには笑ってしまった。 多分、テーマに宗教を持ち込んだのと、ジーン・ハックマンの役作りが完璧すぎるのと、物語にぜい肉がないのが原因だと思う。ちょっと出来のいい中篇小説という感じ。 演技もさりながら、映像的にも素晴らしいシーンは多い(特にバスルームのシーンは多分『シャイニング』の元ネタっすよね?)。 この映画が味わえないのが、つくづく残念だなあ…『わらの犬』『タクシードライバー』にも無感動だったオイラなので、多分70年代のこの系列はダメなんだろうな…。[DVD(字幕)] 5点(2008-01-06 23:36:09)《改行有》

472.  下妻物語 《ネタバレ》 とりあえずまだ「やっと観終れたよ〜ん」ってだけ。2年かかったな…。 先月、猛烈に近世美術史にハマってたおかげで、ほとんど復習のような気分で鑑賞しました。ちなみに年末は忘年会が続いて2週間ほど不義理をしてしまいました、申し訳ありません青山先生(完全意味不明)。 なぜロココが百科辞典とフランス革命を産み出せたのか、その精神は現代にどう受け継がれているのか、またなぜ日本ではフランス式の革命が起こらなかったのか…画面からそんなモノばっか拾ってました。意外に奥が深くて、底なしのように大きくシンボリックな画。「誰が自分を司っているのか。神か? 社会か? 金か?」という命題に対する、西洋と東洋の意識の差。そういうもんが写ってましてね。 …え? それはオイラの目が悪い? いやいや、これは田舎道とレース模様がコラボした大きな成果でしょうよ。監督が意図したモノとは違うだろうけどさ。 低得点の理由は「大仏の下で泥だらけになった桃子が泣かなかった」、ただその一点だけ。原作付だから仕方ないのかも知れないけど、あの一点だけで致命的にダメな映画になりました。 まーこれはコメンタリーもしっかりチェックしてから後日レビューだなー。[DVD(邦画)] 5点(2008-01-03 15:34:37)《改行有》

473.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 《ネタバレ》 同じく、ベン・アフレックの退場ぶりが泣ける。QTっぽく錯綜するシナリオの混乱度と緻密さは、類似作品の中で群を抜く(思わずレイ・リオッタを悪役と勘違い (^^;)。が、それが面白さに転化しきれていないのが痛いとこです。50ミリ(修正・なんでミリやねん50口径)の機銃でFBI捜査官を殺しまくるシーンはチト凄いモノがあるけど、全体的に見せ場は少ない方かな。個人的には殺した相手のデスマスクを作るシーンが良かった。ルパンやトム・クルーズのお約束「どこでそんなマスク準備してんだよ!」ってな初歩的な突っ込みどころにマジメな顔で応えてくれるのが嬉しい。 ●11/18追記:ラストシーンを思い返していて、ふと気付きました。あのラストに重みが感じられないのは主人公が若すぎるからなんだ。少なくともアンディ・ガルシアやレイ・リオッタより若いのはいただけない。例えば(予算の関係はあるだろうが)ハーヴェイ・カイテル。または(理想を言ってますが)ロバート・デュバル。あのラストに「若造がナマ言ってんじゃねェ」的な、老捜査官の意地みたいなモノが加味できれば、この映画はグッと完成度を増すだろう。[映画館(字幕)] 5点(2007-05-14 15:23:55)《改行有》

474.  バベルの本 《ネタバレ》 観ました観ました話題の『バベル』! いやあ日本パートでは役所広司と菊地凛子の息がピッタリ合って、彼らに襲いかかるブラピのクワッと開いた口がまたデカいこと…って、やめよう。時節柄やっておかねばらなぬお約束、虚しいボケだ。 えー、まずバスのオッサンの顔はホルヘ・ルイス・ボルヘスでおます。でもって彼の忘れた本を開くと、ページからバベルの塔がニョキ! …記号的な意味合いは明白というかまんまボルヘスが編纂した『バベルの図書館』、そして彼が古今の物語から怪獣の断片をかき集めた『幻獣辞典』ですな。内容的にも《京》だったか《翁》だったか、巨魚の項にこんな話があってね、個人的にはオドラデクとかミルメコレオとか、絵にしづらい奴をやって欲しかったんだけどまあいいか。このアニメは幻獣を描いた作品ではなく、『幻獣辞典』を「体験」してしまった者の脳内映像というのが正しいでしょう。 それ以上のモンでもないですが。とってもピュアな、とってもストレートなインスパイアです。 切り出した断片を紹介する事で、オリジナルよりも鮮やかな印象を読者へ投げ与えるのはボルヘスの得意技。この手法を使った最も有名な本『幻獣辞典』は、解説本としては極めて罪作りな内容でして、何しろコレ読んで期待して原典に当たったら全然面白くなかったヨーという経験多数(カフカの楽しみを教えてくれたのは感謝するけどさ)。本当にただ抜き出しただけなのに、原典より面白くなる魔法がかかってるとしか思えない(名付けて「幻獣ウルトラファイト」!…イマイチだ…)。そんなんだから憎まれてショーン・コネリーにやっつけられちゃうんだぞー…は、別の映画ですが…。 このあたりの「断片感」、そして「断片の方が全体よりも面白い」という感覚は、このアニメでも存分に描かれている。推察するに、山村浩二もオイラと同じに原典探しをしてガッカリした経験を持っているに相違ない。 余談だが、本作に登場する幻獣の登頂部は、後の『頭山』への布石になったと見た。まあボルヘスも落語『頭山』を知っていたら(奥さんは日系人だから可能性はある)『幻獣辞典』に入れていたかもしれないが…。[DVD(邦画)] 5点(2007-05-01 04:11:06)《改行有》

475.  うつせみ 面白い映画でしたが、困った。 最初から最後までオイラ、ほとんど人間を見てませんでした。ミヒャエル・ハネケの『セブンス コンチネント』と、そしてヤン・シュワンクマイエルの『ワイズマンとの休暇』と同系にある、家具と日用品の群像劇でした。オイラがタイトルつけるとすると『第七大陸から来た男』ですな(笑)。 …という風に解釈しながら観ていたので、後半から結末にかけては「前半でオイラの脳が観ていた絵」をご丁寧に繰り返してくれてるだけで、すっかり飽きてしまったという…嬉しいようで全然嬉しくない体験でした。しっかりした土台を作って、その上にまた丁寧な土台を築いたような感じ。入居しようと思ってたビルがない。 キム・ギドク監督、この程度で観客を煙に巻いたと思ったんなら甘い甘い。その先をお願いします。[映画館(字幕)] 5点(2007-04-03 22:52:38)《改行有》

476.  シン・シティ うーむ。 デヴォン青木は、この時点で既に《デヴォン青木》というキャラなのか。 ●追記:いや、やっぱちゃんと書く(笑)。 あれれ…? いろいろレビュー読んでみたけど、そんなストレートな話じゃないっしょ? 「愛」も「バイオレンス」もテーマじゃなくて、そういうモノで駆動する「男らしさ」が生む危険な狂気を描こうとしているんだけど、作り手側も既にその狂気に呑まれているんで公平にジャッジできる場所へ脱出できない、その身近な狂気とのナレアイ振りを正直に告白した「自分美学」なんじゃないの? そうであればこそ3人の主人公が全員、自分の正気を疑うシーンが出て来るわけでしょ(薬の切れたマーヴ、死体と会話するドワイト、メフィストフェレスもどきのイエロー・バスタードに出会うハーディガン)。これが3度繰り返されると、さすがに表面的には解釈できなくなります。もう、『深夜プラス1』のラストみたいな「若者に教訓を垂れる」という逃げ場もないので、泣きたくなるほどの惨めさですよ。 そして、最終話の(一番現実的な)決着のつけ方によって、「男らしさ」の美学が完成すると同時に、その「狂気」はどう扱われるべきかも描かれているんじゃないすかね。そういう、世間に対してへりくだる態度までが、現実には男らしい狂気の一部なんで救いようないと言えばないんですが。 きっと、中年になったらわかるよ。その頃にはある意味で、もう遅いんだけどね。『男』という社会的鋳型の内にある狂気は、『男』が完成してからでないとわからないモンですわ。 余談ながら、このテーマを「内側から」スタイリッシュに拡張したのがキューブリックの諸作(特に『博士の異常な愛情』)、「外側から」ジャッジできる地点まで引いて撮ったのがヤン・シュワンクマイエルの『男のゲーム』(まあ他の諸作もそうだ)。本作と観比べてごらんあれい。[インターネット(字幕)] 5点(2007-03-23 20:49:24)(良:1票) 《改行有》

477.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 気に入らなかったとはいえ、やはりこの作品を公開直後にあからさまにネタバレするのはよろしくないと反省。ネタが一般に認知されてから改めて書くか…書いたぞ。 (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 5点(2007-03-22 20:55:50)

478.  ナショナル・トレジャー お約束は絶対守るディズニー・ブランド&ホントあったま悪いなあ印のブラッカイマー映画。 テンプル騎士団、フリーメイソン…この中学生レベルのコテコテさが素敵でした。邦題もね、なんか『ナショナル・トレジャー』と聞くだけで「古代遺跡の中で山積みになった乾電池」を想像しちゃうんですわ。ブラッカイマー映画だから(理由になってねー)。 さてとりあえず、観たという記念に突っ込んでおくか〜! 二百年前のアメリカでは照明に鯨油を使っていたので、遺跡の中ではすっかり揮発してるはず。沈澱した蝋がワックス状になってたと解釈する事も可能だけど、あそこまで豪快に火はともらないでしょー。あれは絶対、乾燥した木材自身が燃えてるってば! それから、メルシャム・パイプを素手で触ると指紋が残るので厳禁ですゾ。血を吸わせるなんてのはもってのほかです。タバコの煙が染み込むほどの、微細な穿孔のあいた石なんだから。 他にもあるけど、ネタバレすると面白くない映画だからこのへんで。[DVD(字幕)] 5点(2007-03-06 04:32:56)《改行有》

479.  大列車強盗(1903) 過去のエジソン社のフィルムを漁ってみると、本作の「最初の劇作品」という評価が間違いなのがわかる。コレ以前に戦争映画もあったし、チャップリンの原型みたいな作品もある。処刑シーンを再現した残酷映画もあり、トリック映像もあり、1891~1901 という時代はアメリカ映画にとって百花繚乱、要するに何でもアリだった。 全ては過激な競争の結果である。ハードメーカーであるエジソン、リュミエール、ミュートスコープの三つ巴の戦いがあった。ソフトメーカーはこの三者以外にメリエス、パテ、ゴーモンらが加わった。加えてハードを販売したいエジソンは、安い興行料金でキネトスコープ上映を普及させたい興行主とも衝突した(一作25セントで覗かせたらしい…ニッケル=5セント)。 この泥沼の戦いの中から様々なビジネスモデルが立ち上がっては倒れ、それに沿った作品が生まれては廃れていく。どれほど熾烈な争いだったかは、百年後(1991~2001)のパソコン戦争を思い出せば理解できなくもない。ジョブズが敗退しビル・ジョイが下野しリーナスが理想主義に走る中で、全てをビル・ゲイツが握る結果になったのは、リュミエールと同じ視野だったからだろう。 全ての戦いが決着し、リュミエールのキネマトグラフが勝利を確定していた 1903 年。『映画』は安いお金で、誰もが楽しめるという姿になった。ニッケルオデオン時代の到来だ。ソフト側のあらゆる試みもここに決着を見る。客寄せのための、個人志向の強いケバケバな人体切断も映像奇術も役目を終え(ポルノは結局役目を終えないが)、エジソン社は新たな時代の幕開けとするために「観客」のための作品を作った。ハード競争での敗北を認め、「これからは上映の内容で勝負しよう」と宣言した。それが『大列車強盗』という作品の持つ、歴史的な意味だと思う。 この一連の流れは考察に値する。映画史は同じ事を繰り返していないだろうか。後のVHS対ベータの時代がスプラッタ映画ブームに重なる事。いまネット配信の熾烈な争いの中で、見るからにヤバいCG映画ばかりが出回り始めている事(いや『アンデッド』は評価してるよオイラは)。 『大列車強盗』を懐古趣味に走らずじっくりと鑑賞すれば、ブームに流されざる一本の竿とする事ができる。そうして欲しいと切に願う。10分だしね。 ●追記:いや、いつか改定します…本作の歴史的位置付けはそんなに甘いモンじゃないな…。[インターネット(字幕)] 5点(2006-09-23 11:05:24)《改行有》

480.  月世界旅行 この春、19世紀末ロンドンの大衆演劇界を描いたピーター・アクロイド作『切り裂き魔ゴーレム』を読んだんですが、それ以降、これまでボンヤリと感じていた欧州演劇史に対する考えが明確になりつつあるところ。乱暴を承知で言ってしまえば「19世紀末の演劇界は現在信じられているよりもビジネスとして/メディアとして/芸術として遥かに成熟していた」ってコトですね。 特にギミック演劇に関しては、現代の特撮なんかよりずっと自由度のある表現がされていたんじゃないかと思います。演劇であっても、操演もあったし火薬も使った。大道具職人たちの描いた精密な背景は巨大セットにもCGにも匹敵した。脚本は天界だろうが地底だろうがどこにでも行けたし、そこではスターたちが歌って踊って、恋と殺しに明け暮れて…。 だから、本作が上映される前にメリエス(でなければ他の興行師)がヴェルヌの『月世界旅行』を舞台化しなかったとは到底思えないんです(そして本作以上に有名となった「砲弾の射ち込まれた月の顔」は、必ずや吊りギミックとして舞台に下りてきた…んだと妄想)。いずれ調査してここに追記するつもりですが、いまのところ本作を、爛熟期にあった大衆演劇をリアルタイムに写し取った“ドキュメンタリー”として評価するコトにします。ま、このままの展開で、派手なギミックに置き換えてミュージカルにしたら、ひょっとすると現代でも通用するかもね。[インターネット(字幕)] 5点(2006-07-15 19:19:54)(良:1票) 《改行有》

071.09%
1162.48%
2223.42%
3324.97%
4456.99%
5558.54%
68413.04%
713420.81%
811417.70%
98913.82%
10467.14%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS