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自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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81.  人間魚雷回天 これ観るためにギャオに入会しちまいました。今月一杯配信されるみたいなんで、興味ある人にはゼヒゼヒ見て欲しいにゃあ。 オイラ的評価としては、潜水艦映画として『Uボート』とタイか、ちょい上です。イ号潜水艦の内部があんなに広々してたかっていうと少し疑問ですけど…。 『眼下の敵』で「潜水艦映画は戦争映画ではなく、スポ根モノの枠組みの中にある」と書きましたけど、本作はそれに対する揺るがぬアンチテーゼ(というかコッチが本道)でした。ここまで胸に詰まった戦争映画は初めて。閉塞感バリバリの「回天」という存在が、主人公たちの置かれた状況にマッチしているためでしょう。 兵器としての回天は、いわゆる自殺兵器ですから搭乗員のスキルが向上せず、存在意義は限りなくゼロに近いダメ兵器です。ドイツの自殺ミサイル・ナッテルも、まさにその理由で実戦では使われなかったし(ナチスの方がまだ理性を残してたって事か…)。ところが昨今の「自爆テロ」では、まさにこの手法が戦果を上げてしまったワケです。時代が巡ってしまったのか…いや、中東でこの映画を上映したら、ちょっとは状況変わらんかなァ。いやもう、そういう状況を超えちゃってるよなあ…とかマジで思ったりします、観てて。 宇津井健の鬼気迫る眼力も良かったですが、学徒の身の回りの世話をする兵卒の殿山泰司・加藤嘉の2人がいい味を出しまくりでした。出撃前、殿山に向かって言う「寿司、美味かったぞ」のセリフでなんか涙が出ちゃってねェ…他にも胸に迫るセリフはいっぱいありましたけどね。 実は同時期のイタリアの戦争映画で『人間魚雷』ってのがあると聞いて、この作品に出会いました(コレも凄いらしい)。そっちも切に観てみたいんですが、ギャオでやってくんねーかなー。[インターネット(字幕)] 9点(2006-08-07 00:40:31)(良:1票) 《改行有》

82.  プライマー すげえ。 『バタフライ・エフェクト』は、どこが伏線なのかわかりやすいように最初から案内図があるという親切設計テーマパークだったが、『プライマー』は予想しなかった場所に仕掛けや落とし穴がありまくりの忍者屋敷。しかも、当然気づいておくべき些細な仕掛けで、主人公たちがガンジガラメになっているのがわかって来るあたりで観客の推理力が徹底的に試される。覚悟して臨むべし。 個人的にはさりげない科学ネタ満載(しかもかな~りハード。時間の進行方向に正逆の区別がないファインマン時空ベースで、量子電磁力学なアイデアっす)の前半が10点満点なんだが、余詰めのない名作詰め将棋のような後半の展開も評価できる。「時間旅行SFの主人公は一人のみ」という法則を破った人物設定が、大いなる複線となって後半、作品全体を飲み込んでしまうのに目を見張るばかりだった。 …どーでもいいけど、ぽこたさんと意見が合う作品が多いなあ…ダブル? ●ややバレ追記:…と書いてから半週間。あれこれ考えてるんだけど一部気になるところが…この世界で言う「ダブル」って、コペンハーゲン解釈ってる? もしかしてタイムスリップするたびに人間増えてる? いかん、買ってきてもう一度観ないとダメだぁ…。 ●2回目追記:借り直してしまったっす。初回鑑賞では一見ファインマン時空の中で起こっている事件のように思えたが、過去の自分と未来の自分がパラドックスで「分断」していた。この時点までは時空を超えてもひとつの存在だった主人公達はプライマーで増幅されるがごとくに増え、経路積分が不可能になる。エイブが「ファインマン・ダイアグラムで説明できない」と言った時、オイラは「なぜ?」と聞くべきだっただろう…。[DVD(吹替)] 9点(2006-07-17 01:44:35)(良:1票) 《改行有》

83.  恋するトマト 期間限定10点(サービス期間終了のため9点に変更)。 序盤の農村の、気の抜けた息苦しいカメラワークにすっかり騙されました。ラストシーンでは雲に霞んだ茨城の山の遠景がキレイに画面に納まってるから、これは確信犯ですね? 大地康雄&南部英夫、あんたら大詐欺師だ(笑)。中盤の圧し掛かるようなフィリピンのスラムな情景。ただ一回のキスシーンに至るまでの、黄金色の海辺の長回し。そして、とことん台詞を省いて動きで涙させる稲刈りシーン。あ~んな場面が出てくるなんて、予測不可能ですよ。絶対、絶対に前半で「つまらん」と失望させるように計算してるでしょ~! やられたっすよ全く…。 あまりにアタリマエ的に描かれているけど、これはとてつもない告発映画なんじゃないのか…と、中盤以降は悲しさ混じりで鑑賞してました。日本人の、否定しようのない嫌な面が露骨に出てくる映画でもあります。大地康雄はこういうのを演じさせると神業級ですね。見てる間はそれほど気にならなかったのに、いまごろ重た~く効いてきてます。少なくともオイラはもう、以前と同じ気持ちで外人パブには行けなくなりましたよ(いやシャレじゃなく本当に)。 ストーリー展開自体の物凄さで点が上昇した気が強いですから、内容については詳しくコメントしない事にします。多くの人に予備知識なしで見てひっくり返ってほしい映画です。 最後に…『深呼吸の必要』の影響を受けなかったとは言わせませんぜ(ニヤリ)。「無言農作業映画」という妙なジャンルが生まれるかもしれない、という予感を孕んだ作品でもありました。あっちより語り口の誠実さが増してるしね。 ●追記:あ、あと藤岡弘のキャスティングはサスガに濃すぎました…画面の端に立ってるだけで主役を食っちゃうのはどうかと思うっすぉ。富田靖子、ルビー・モレノはドはまり役でした。おかげで、アリス・ティクソンが登場するまでの流れがスムーズに受け入れられました。[映画館(邦画)] 9点(2006-06-26 01:10:06)(笑:1票) 《改行有》

84.  スーパーサイズ・ミー この映画の存在を知ったのはこの春のコト。残念ながらこのサイトではなく、札幌の某風俗店サイトのブログでした。店の新人黒服が1ヶ月間、3食ロッテリアだけの生活に挑戦するのを日々綴るという、風俗店にあるまじき恐ろしい企画でした…以来、元ネタを探してDVDコーナーを探し回っていたのですが人気がないらしく見かける事が皆無だったんです。今日TSUTAYAで発見した時、思わず引っつかんでレジに走りました(笑)。 さて。 自転車をフルスピードで漕いで、帰宅すると即座に鑑賞。こりゃすげえ。何がなんだかわかんないけどすげえ。監督の体型が次第に変わり始めたあたりからドキドキするし、手に汗握るし、この意味不明の迫力は何なんだ…?  全てを理解したのは、見終わった後、DVDに収録された日本語版予告を見た時でした。最後のカットで、カメラを背に、逆光でマックの店舗前に立つ監督…そうか。この映画、計算し尽くされた西部劇だったんだ! 確かにここでやってる人体実験(というか冒険)は、あくまで日常生活から手の届く範囲にあるけど、誰でもやれる冒険に価値がないわけじゃない。そのアドベンチャーが持つ意味、どれほど多くの人が本作の「敵」に大事なものを奪われているか…実験と共にその背景が、しつこいほどに掘り下げられて行く。モーガン・スパーロックは表面上はドン・キホーテであるワケだが、観客がその「敵」を認識した途端に正義のガンマンに摩り替わってしまう。特撮でもないのに、まるで手品のように、見事にヒーローに変身する。 セガールが石油コンビナートに潜入するのも、コネリーがイギリス高地でロシアの不死人と剣を交えるのも、所詮はただの演技。率直に言えば作り事、嘘だ。だがそこには「物語」という大きな背景があって、その中にある対立の構図に観客はアクションを超えた、より大きな意味を見つけ出し画面に釘付けになる。 マックを「悪」だと認識させるデータや証人は100分の映画を埋められるくらい豊富にいる。被害者は観客の大多数。劇映画と違って、主人公の危機感や挫折や再起や勝利はちょっと拙く控え目に描かれるが、全てしっかり作中に存在している。スパーロックは最初から全て計算してやっているのだろう。 これはドキュメンタリーに名を借りた、世界でもっとも身近な、極小の「箱庭アクション映画」だ。劇映画がつまらなくなった今、その着眼点・アイデアにこそ点を献上したい。[DVD(吹替)] 9点(2006-06-17 22:30:19)(良:2票) 《改行有》

85.  カンパニー・マン 『CUBE』はあまり評価できないオイラですが、コレは凄かった~! 何が凄いって、全く知らない俳優だったジェレミー・ノーザムの壮絶な演技力がとんでもない! 人畜無害のボンボン顔で始まって、「正直顔」から「嘘つくの下手なんです顔」まで、表情ひとつで明快に演じ分けるオープニング。スパイとして採用され、ジャック・サーズビーという仕事用の新しい人物像は自分で決めなさいと言われ、誰にも見られないようにニコッとする場面、ハイここでタイトルが入ります。何を見せたい映画なのか、非常に明快なオープニングでした。もちろんノーザムの演技の幅はストーリーに従ってガンガン広がっていきます。「スパイ初日で垢抜けないけどテンション上がってます顔」「オレは新しい人間に目覚めたんだ家庭の事でゴチャゴチャ言うなよ顔」「ボクいま何も見てません聞いてませんよ顔」…これはもう、ストーリーなんかじゃなくて演技だけでおなかいっぱいになる傑作。っていうかこういう卓抜な演技に支えられて、自分のアイデンティティを洋服並みに入れ替えていく主人公の姿は、もはや快感ですらあります。実存のザルと呼んでいいかもしれない。テンポとキレのいい、シャープなクローネンバーグって印象でした。やっぱり『ハイ・ライズ』は期待しちゃうナタリ~。[DVD(字幕)] 9点(2006-06-15 23:00:02)(良:1票)

86.  ヒストリー・オブ・バイオレンス 食前酒は深紅のネグローニ。カンパリ特有のピリッとした苦味が舌を刺す。それからうって変わってまったりとしたニョッキのポタージュがやってきた。食べごたえ十分の、ホッとする家庭的な味。だが一緒に出てきたビーツと赤ピーマンのサラダが、熾火のような紅をチラチラと自己主張して目に痛い。その後に巨大な巨大なステーキが来た。席に着く前からレアステーキだとはわかっていたが、これが実際に目の前に置かれると途方もないコッテリ感だ。ふうふう言いながら食べ終わるが、これでメインディッシュは終わりではない。仔牛のテールシチューがやってきた。デミグラスソースの複雑な香りに、ひとつまみ置かれた血のようなパプリカ。ひとさじ口へ運ぶと濃厚な酸味が食欲を奮い立たせる。もうこれ以上こってり系は食べられない。もう無理だ。絶対に食えないよ…などと思いつつ、気がつくと平らげていた。何という恐ろしいシェフだ。容赦なく客を肉責めにするとは…そう思っているうちにやってきたデザートの抹茶アイス。甘みを抑えた脂肪たっぷりのアイスクリームに、手摘みの玉露を挽いた抹茶の苦味が加わって、それまでの胸焼けが消えていく。決して爽やかな後味ではないのに、味わうほどに奥深い甘みを感じる。食べながらいつの間にか泣いていた。周囲の席でもかなりの人が泣いていた。いまこれを打ちながら、舌に残っているのは最後のデザートの心地よさだけだ。ここのシェフは普段ゲテモノばっかり出してくるが、ちゃんとしたディナーを作るとそこらのレストランでは太刀打ちできないモノを出してくるのが、自分が通い続けている理由だろう…でも今晩はもう、お腹いっぱいです。しばらく肉はいらないや。[映画館(字幕)] 9点(2006-04-28 21:10:09)(良:1票)

87.  銀河ヒッチハイク・ガイド<TVM>(1981) えー、世に隠れる事なき名作(?)の80年代BBC放映版。本家の映像です。6話完結のミニシリーズで、めっちゃチープな造りです(がそこも愛してるよ発売を長年待ったのさマイハート)。騙されてコッチのバージョンを借りちゃった人は本欄にどぞ(笑)。ちなみにロボットのマーヴィンが丸い頭をしてるのが映画版、四角い頭をしてたらコッチ(BBC版)です。 本作は原作の2巻目までを消化しているため、けっこう展開がキツい。 とりあえずBBC版ではマッコウクジラのシーン、チャチい人形劇なのに映画よりもグーです。そして宇宙の果てのレストランが胡散臭さ爆発! あの老舗のキャバクラのショータイムみたいなケバケバした安っぽさは、きっと映画版でやっても再現できないだろうなあ…。フォード・プリーフェクトは映画版の勝ちですね。「皮肉が通じないベテルギウス人」という役柄を真面目に演じすぎてるのが、ちょっと(アーサー・デントと絡むとボケ×ボケの漫才みたいでテンポ悪い)。 本作の収穫はゴルガンフリンチャム人(見てて本当に情けない)と、やっぱりマーヴィンの超やる気なさそうな声(映画版みたいに「可愛い」という感情すらわかない!)かなあ…。 以下ちょっとネタバレ気味…。 映画版を観てからコッチを手に取った方はエンディングを見て「なんじゃこりゃああ~!」と卒倒するかも知れません(いいね警告したよ)。でも実のところ、この苦いエンディングの方が人類への絶望感+自然や神に救いを求める事の不合理さが表現されていて、いかにもな感じ。いずれにせよラジオ・TVM・小説・映画の全てにダグラス・アダムズが関与しているので、同じ『銀河ヒッチハイク・ガイド』の別の側面を見ていると言えるでしょう。[DVD(字幕)] 9点(2006-04-14 13:22:32)《改行有》

88.  ジャンヌ・ダルク裁判 気にも留めてなかったメルギブの『パッション』だけど、内容を聞いてからは猛烈にレビューしてみたい。してみたいが、サスガにソノ内容では見る勇気が…というワケで、代わりに同じ宗教映画でも対極の演出方法であるブレッソンの『ジャンヌ・ダルク裁判』をレビューしときます(笑)。 『スリ』では演技だけを否定していたブレッソンですが、本作では演出までも否定。監督としての仕事を放棄してるようにすら見えてしまう恐ろしい作品。動かないカメラ、棒読みのセリフ、平板な照明、ノーメイクで腫れぼったい目の主役、ちっともモンタージュしてないカット割、さらには音楽なし、演技経験者なし、カラーなし…。カタログスペックだけなら『死霊の盆踊り』級ですよもう(あ! 盆踊りはカラー作品だぞ (^^;)。「観客をなめとんのかーっ!!」という声が聞こえてきそうだけど、ブレッソン監督による強烈な作為の否定が全編を貫いております。恐ろしいまでの徹底ぶりです。攻撃対象はもちろん、「映画の教科書」と言われる、カール・ドライヤー監督の名作『裁かるゝジャンヌ』。真っ向から、全力で、かの名品にツバを吐きかけウンコまみれにして踏んづけてポイしてしまったブレッソン監督の冷厳な怒りが、映画を見終わる頃にはさすがに腹に沁みてオナカいっぱいになってしまいます。「創作しちゃダメなんだ。色付けせずに、素材をそのまま提供しなければ、ただの見世物になっちまうんだ」という監督の声が聞こえてきそう。彼と前後して活動を始めるアンディ・ウォーホルが同じ手法で、もっと過激な撮り方をしたのを思えば、ブレッソンの歩んだ道は彼一人のモノではないはずです。近年では同じ視点に立って『ブレアウィッチ・プロジェクト』が作られてますし。観客の目を意識した、エンターテインメント/ショービジネスに立脚する創作活動を徹底して否定したこの映画の潔さは、かえって観客の脳を働かせて、ジャンヌが持っていた「信仰」に対して冷静に想いを巡らす事ができるようになります(そう、映画の中では彼女の信仰もとことん裸にされて行く)。これは、「野にあるように活けるべし」と華道の極意を語った千利休に似た、全てを削ぎ落とした究極の「作品」なのです。日々の暮らしの中で立ち止まって、創作の何たるかを考えてみたい人には絶対のオススメ品(確かにシロウト向けじゃないですが)。 ●2006/7/23:ムシェットと同一点に下げ[DVD(字幕)] 9点(2006-02-25 18:58:10)《改行有》

89.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版 久々にゴブリンの『ゾンビ』聞いてたら書きたくなっちゃったよ。オイラは映画としてはロメロ版じゃなく、コッチ派なんですよね。この映画の凄いトコは、ヨタヨタ歩いて襲ってくるゾンビ襲撃場面のBGMに、ゴブリンのハードロックをつけちゃったダリオ・アルジェントのセンスにあると思うんですよ。あとゾンビの衣装も、本作が一番ぶっ飛んでてすごい。ラストの脱出シーン、野球選手のゾンビとかはまだ許せるが、ラマ僧のゾンビなんて、いったいあのショッピングセンターまでどうやってたどり着いたか意味不明だァ! あのぶっ飛んだ感覚がヒッピー文化の断末魔、最後の集大成みたいな感じに思えて仕方がないんです。ロメロ的な「空転する論理」で味わう左脳の恐怖と、アルジェント的な「意味不明殺戮ショー」で味わう右脳の恐怖が70年代の空気の中で絶妙にミックスされて、他のゾンビ映画では到達し得ない高峰まで登り切ってしまったんじゃないですかねえ。だいたい、ロメロもアルジェントも単独で撮ると完成度ボロボロでしょ。きっと互いに相手を嫌ってる事でしょうが、オイラは本作を「映画史における異質な才能のベストマッチング」だと断言したいっす。[地上波(吹替)] 9点(2006-02-12 19:43:26)

90.  アンナ・オズ 《ネタバレ》 なんて美味しい物語なんだ。3回繰り返して観てもまだまだ発見があるぞ。フランス版の『マルホランド・ドライブ』って言えばいいんですかねー。物語の真相が終わりの方になってやっと明かされる(これも「夢」のフィルタがかかってるんでそのまま受け入れるのは危険ですが)構成や、最後のパーティーの場面で隠されていた人物関係が明らかになる(ここにも現実を侵食した「夢」のフィルタが…)造り、眼球への執着のネタを明かすのも後半…本当に底意地の悪い映画です(笑)。そして、自分の存在意義を夢に明け渡していくごとに現実世界で安堵の表情を見せ始め、夢の世界では不安や恐怖を覚え始めるアンナ。現実世界では頼りにならない男たち(父・兄・恋人…)を夢の中で改変し、「敵」に対して鉄壁の防衛網を張り、迷うことなく一直線に夢へ逃避していくアンナ。この難解な役どころを、ただ表情や指先の演技だけで演れてしまうシャルロット・ゲーンズブールって、まさに『なまいきシャルロット』の頃からの、ダメダメオンナを演らせたら世界ナンバー1女優。彼女の本領発揮作品と言えるでしょう。ただし、彼女の演技の凄さがわかってきたのは、アンナの心の機微が把握できた2巡目以降の鑑賞で、ですけどもね…良くも悪しくも時間を必要とする映画。レンタルで見るなかれ~。[DVD(字幕)] 9点(2006-01-22 16:38:36)

91.  眼には眼を うわー登録されてたんだコレ! 観ましたよ観ましたとも子供の頃! あの壮絶なエンディング! 太陽、荒野、そして腕から滴る真赤な血! 30年以上前に一度観ただけなのに、いまだ忘れられません。子供時代にこれと『激突!』と『悪魔のいけにえ』を一緒に観れば、「運転免許なんていらないいぃ! ドライブなんて一生しなくていいいぃ!」と決意できます。かく言うオイラがその一人(苦笑)。[地上波(吹替)] 9点(2006-01-16 01:38:22)(良:1票)

92.  キング・コング(2005) まず最初に警告! この映画、絶対家族連れで観に行ってはいけません! 3時間もある超大作ですよ、子供の膀胱が持ちませんて(実際、そういう光景が多々ありました)。かくいうオイラも、舞台がNYに戻る後半戦では漏れそうな膀胱との戦いでした。大抵はドルビーマークが出るあたりまでエンドクレジットに付き合うオイラが、お約束の台詞「いや、美女が野獣を殺したんだ」が出たとたんに席を立ってましたわ(笑)。…余談はさておき。以前からジャック・ブラックの演じるデナムに不安があったんですが、見事的中しちゃってるー。元版のデナムの、あの強烈なマシンガントークが出ないと『キング・コング』って感じがしないんですよね。勢いに巻かれて、船に乗った全員が怪しい島に連れて行かれるという、あの人的迫力に圧倒されるシチュエーションが欲しかったんだよオイラは~(そうすっと30分以上は縮められたと思うし)。でも、他の人物はすごかったです。総じて人物描写が練り込まれ過ぎていて、オリジナルを知ってる観客には掘り下げ方がたまらないです。人物以外にも、元版ではインチキ感丸出しだった原住民の踊りがNYで再現されてるあたり、クーパー監督とオリジナル版の揶揄にもなってますね(ちなみに最初の代役探しのシーン、「フェイ・レイはRKOの映画に出演中です」「クーパー監督の?」の台詞で爆笑したの館内でオイラだけ…寂しかった…)。「オリジナル版っても所詮は見世物映画よ」なんて思ってるオイラとしては、ここまで掘り下げて描写してくれるのが嬉しいし、感動でもあります…オープニングに流れる曲の歌詞で、いやおうなく監督のコング映画への愛がわかってしまいますな。一瞬ではあるけれど、コングは世界のてっぺんに立つんですよね…。コングとアンの二者の愛情が、様々なシチュエーションを重ねるうち、徐々に深まっていくのも見事。「野獣と餌」から「王と道化」へ、そして対等の関係へ、それ以上の悲しい絆へ。アンを被弾させまいとして自分を盾にし、エンパイアステートビルの展望台をグルグルと回り続けるシーンでは涙が止まりませんでした。あれは、それまでの丁寧な描写が焦点を結んでオリジナルを超えた、素晴らしい瞬間だったかもしれない。映画そのものより、オリジナルへの溢れる愛/コングへの深い理解が素晴らしかった。そこにヤラレてしまったのかな。多少の不満は目を瞑り、9点で行きます。[映画館(字幕)] 9点(2005-12-20 17:26:15)(良:5票)

93.  宇宙戦争(2005) 原作の、「あの」超有名な冒頭のくだりをそのまま使ったのはエライ。というか、あの時点で映画のスタンスが明快にわかったので悩む事なく楽しめました。トライポッド登場時に、隕石孔に集まった人たちが身分や性別や職業に関係なく殺されまくる「あの」名シーンも、原作を最初に読んだ時のゾクゾク感が蘇ってきた。全体的に、H.G.ウェルズの原作に何かを付け加えようという意図は感じられず、非常に素直な現代版アレンジだったと思います。唯一の相違点は主人公の娘の存在なんだけど、微妙かなあ…もっと息子との確執を描いた方が、視点が複眼的になってよかったと思うんだけどね。ただ、原作の『宇宙戦争』の意図というのは、「大英帝国がインドや中国に対してやってきた事を、超文明世界からやられてしまう」という逆転の構図にあるわけで、その点では本作は十分役割を果たしていますね。監督の人選で4年間もすったもんだしながらも、この重要な軸足がブレなかったのはエライ。そしてこれは一重に、アフガン戦争真っ只中の2002年春の時点で版権を買い取り、企画を立て、ドリームワークスに持ち込んだトム・クルーズの一途さにあると思います。これだけ商業価値のない大作を、よくまあ仕上げたモンです。トム君、ポスト・ビーティと呼ばれる日は近いぜ!(呼ばれたくないだろうけどね)●追記:父子愛がどうこうという意見が多いけど、スピルバーグ作品で少女がスクリーミング・クィーンをつとめるのはお約束じゃん(笑)。主人公の横でキャーキャー叫ぶ足の引っ張り役が、本作に必須だったというだけの事じゃないかと思います。しっかし…ダコタ・ファニングって、将来はいいSQに成長しそうだ…。(^^; ●さらに追記:トライポッドに喧嘩売っちゃうシーン、原作をわかってらっしゃるレビュアーさん内では非常にデリケートな評価ポイントみたいですねえ。オイラは日本が発明(!)し、20世紀末から大流行してしまった「自爆テロ」を原作の流れに組み込もうというスピルバーグの努力の跡と見ています(ハリウッドのレーティングからして、アガキとも取れるけどね)。ま、あの程度が妥当でしょう。製作の経緯からして、トムちゃんは本気で自爆して娘だけ助かるエンディングにしたかったんじゃないか、って疑ってますけどね…ほらほら本音言っちゃえよトム![DVD(字幕)] 9点(2005-11-15 00:35:13)(良:2票)

94.  逆境ナイン 映画の街と言われた蒲田に住んでいるにもかかわらず、映画を観るにはシネコンのある川崎まで出向かなきゃなんない。この理不尽にも黙って従いつつ電車に乗った。梅屋敷駅から京急川崎駅横のDICEまで、各停で四駅。その間、心が揺らがなかったと言えば嘘になる。4年間待たされ続けた宇宙戦争もあれば、物事の当然の帰結である某巨大シリーズ最終話だってある。それを差し置いてなぜ今、逆境ナイン…? いや、先生は知らない人じゃないしというかデビュー前から札幌某所の集会で彼のバカ話を聞いてたし、某連載で落ち込んでた時にはちょっとだけ愚痴の聞き役になった時もあった。これはこれで、俺にとっては長い歴史の通過点なのだ。…てな事を思いつつシネコンに入ると、案の定ロビーにはトム・クルーズとダコタ・ファニングの辛気臭い顔がデーンと飾ってある。中に入ればスターウォーズのグッズ販売コーナーがドドーンとロビーを占領している。世の中コレしかないかのような大騒ぎだ。…しかし、だ。宇宙戦争のモノであろう重厚で悲壮なBGMと、エピソード3の壮大で耳慣れたBGMの混じり合う喧騒の中で「これが逆境だぁ~!」と叫んでいるスピーカーがあった。その時、不覚にも「宇宙人からの侵略を受けて逃げ惑う人々の中で両手を握り締めて吼える玉山鉄二」を思い浮かべてしまい、ついでに「黒ヘルメット姿で『それはそれ、これはこれ』とのたまう田中直樹」まで想像し、悩むまでもなく、最初から勝負がついていた事を悟ったのだ。俺が住んでる世界はずっと前からあの、青春フェロモンを無駄に撒き散らす熱血バカヤロウどもが溢れた、島本ワールドだったんだ。チケットカウンターに向かうと、迷わず「逆境ナイン一枚」と口にして、カウンターのお姉ェさんが不敵にニヤッと笑うのを見届けた。それでいい。ちょっとハリウッドあたりで寄り道が長かったようだが、オレもようやく本道に戻る事ができたようだ。逆境はいい。バカは多いが、とても心地良い。[映画館(字幕)] 9点(2005-07-11 01:23:21)(笑:2票)

95.  マーズ・アタック! 《ネタバレ》 わあぉう! しまったあアァァー! こんな素ッ晴らしい馬ァ鹿映画を今まで見ないでいただなんてーッ! …って、ティム・バートンは私的にハズレが多いんで、避けてたのは事実ですけどね。トム・ジョーンズが本人役でストーリーに割り込んできた時にはもう、あまりのくだらなさにひっくり返っちゃったっすよ。あれだけ超豪華キャストで固めておいて、有名芸能人役がトム・ジョーンズだけなんかい~っ! 日本で言えばアレよ、高倉健&宇津井健の主演映画で根津甚八や緒方拳や役所広司も出てる中、尾藤イサオがただひとり有名人役でスターしてるって感じっすよ。火星人もお茶目さんでしたが、終盤で彼らを撃退してるシーンの脱力感がまた心地いいんだわぁ…。ぽわ~ん。脱力感満点のシリィムーヴィーッ。●追記:アネット・ベニングが断酒会でスピーチしてるシーンに脱力。『2999年異性への旅』のあのシーンはコレが元ネタかあ。●追記2:あれから3回繰り返して見ました。ラスト、議事堂の廃墟に立ってのリッチーの演説「I was thinking, maybe instead of houses we could live in tepees. Because it's better in many ways.(ボク思うんだけど、先住民の家に住むのもいいんじゃないかな、いい点が多いから)」…つまり、この映画のテーマは「アメリカ先住民に対してやってきたコト」を強烈に意識したもので、アメリカ史を逆視点で再現してたワケっすね。マジョリティとマイノリティの逆転。B級バカ映画のフリしながら、実はH.G.ウェルズの志を継ぐ正統的な『宇宙戦争』テーマです。さてさて、ティムならぬトム・クルーズはここまで迫れるか…?●2007/8/18、『火星人メルカーノ』を観る。こっちの点は下げざるを得まい。バートン、アンタの映画はメルカーノ度が足りない。[DVD(字幕)] 9点(2005-06-11 00:41:00)(笑:1票) (良:3票)

96.  ダイブ 深海からの帰還 これが登録されてるなんて気付きもしなかったよ。コレはかなり海洋科学通向けの、濃い映画です。決して一般の人にはお勧めできませんが、現実にある技術のみでレスキューを試みる、リアルな深海救出モノとしてはおそらく最高の出来です。もう『アビス』なんて捨てちゃって下さい、ってくらいです。ストーリーは、いわゆる飽和潜水事故モノ。お約束の「空気が足りないッ!」ってなシーンがあるんですが、それを解決するために、ヘリウムの代わりで○○を混ぜるという…画面の前で「おしっ!」って叫んじゃったもんね。しかもこのガス変更を提案するのが(潜水基地の遥か海上にある母船にやってきた)主人公の奥さんで、泣きながら訴えるという…奥さん、この代案の危険性も十分知ってて、それでも言ってるわけで。もらい泣きできまっせ。持つべきものは科学マニアの奥さん…じゃなかった、よき家族だってのを実感。ただし○○は非常に扱いが難しくて、予想通りの展開になって行くのですが(汗)。専業ダイバーが、どんだけ危険な世界で仕事してるのか、深海つう場所が近いようでいてどんだけ遠い世界(そう、距離の問題だけじゃないんですよ)なのか、実感できるんじゃないでしょうか。ハリウッド世界とはちょっと違う、ホンモノ志向でドキドキハラハラしたい方にはお勧めです。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-04 04:28:19)

97.  U・ボート ディレクターズ・カット版 しっかし…誰もこっちのバージョンをレビューしないのはナゼなの~? 見たら、評価が絶対変わるよ~! 無差別攻撃という、毒ガス攻撃・原爆投下に並んで歴史上最も卑劣な仕事をやらされた彼らの、やるせない気持ちが伝わります。ラストもアレでなくちゃダメ。こっちのバージョンは全体のバランスがいい(というか見せたいポイントが明確になってる)ので厭戦ムードがよく出ていて、いきなり感がありません。自らが押し潰されるような重圧に耐えて、両の拳をギュギュッと握り締めながら見終わると、「あー、戦争って上級将校以外には地獄だよなぁ」なんてどよ~んとした空気に心地よく浸れます(笑)。『眼下の敵』みたいな戦闘しかないんなら、きっと喜んで参加するけどね。現実はコッチなんだってのを3時間半に渡って「もうイヤ!」ってほど叩き込まれます。できれば逃げ場のない映画館という環境で見るのがオススメ。[映画館(字幕)] 9点(2005-06-01 08:53:03)

98.  カムイの剣 えーっ、評価低い…忍者アニメのバックに宇崎竜童の音楽を入れたのは、当時は画期的だったんですよ~! でもま、『AKIRA』のサウンドには勝てませんが。忍法“横一列斜め十五度走り”も、当時けっこうマネしたなあ。[映画館(吹替)] 9点(2005-05-28 03:59:52)

99.  中国超人インフラマン 予断をもって見て欲しくないので、オイラはレビューは書きません。以上。[DVD(字幕)] 9点(2005-05-10 14:31:34)

100.  ゴッド・ディーバ お久しぶりのエンキ・ビラルだっ! もーオイラ嬉しくて嬉しくて青い涙を流しちゃったっすよ(嘘)。出来栄えも相変わらずでビラルっぷり満載! 謎の言語、活躍度イマイチなレジスタンスの男、常識ではありえない色使い、散りばめられたミステリアスなジャーゴン、ピラミッドにエッフェル塔、豪華だけど薄汚れたホテル…。しかし何つっても今回の目玉はポリゴンCG! コレの使い方(金かけたバイテク手術をして、ビラル基準での「人間らしさ」を失ってるキャラほどボリゴン数が減ってゲームキャラっぽくなってる (^^;)に彼らしい反骨精神を味わえますなー。前作『ティコ・ムーン』の《青い血》に当たるアイテムがゲームっぽい人形キャラなワケですね。その意味では今回のNY、ズバリ前作の月面独裁国家の発展型です。希望ゼロ、救いゼロの世界観は、いつの時代にも、ジュネ/ベッソンの行き着いた所から始まってるというアナーキーさ。何も言いません、迷わずこの道を突き進んで下さい。減点は、DVD英語版だったのと、ホルスが活躍しすぎてるから(だもんで希望ありすぎ)。でもま、ビラルの新作を見られただけで嬉しいから、あんまり気にしな~い![DVD(吹替)] 9点(2005-02-03 03:10:43)(笑:1票)

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