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プロフィール
コメント数 270
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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81.  アーミー・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 名作「ドーン・オブ・ザ・デッド」のリメイクでゾンビ映画の新境地を開いたザック・スナイダー監督が オリジナルのゾンビ映画を作ったと知り、期待して鑑賞。 今回はNetflix単独配信ということで、認知度が低いのが残念だが、ロードショー上映にも耐えうる期待どおりの面白さだった。 ゾンビ映画のアイデアはこれまでに出尽くされた感もあり、本作において全く新しい着想はなかったものの、ゾンビアポカリプスのラスベガスを舞台に、一攫千金を狙うグループと、そこに対峙するゼウスを中心とした統率の取れた「ゾンビアーミー」という、アクション映画王道のストーリーを、最新のVFXを駆使して映像化するわけだから、期待は高まろうというもの。 特にゾンビタイガーのリアルな描写は特筆すべきだろう(実際ラスベガスにはホワイトタイガーが売りのホテルがある) ネット配信を意識してか、主要キャストにはあえて有名な俳優を起用せず、その分視覚効果等に予算をかけたのは正解だったと思う。 物語は主人公の父とその娘の家族関係を軸に進んでいくわけだが、ラストも安易な予定調和に終わらせないところもザック・スナイダーらしい。 いずれにせよ、ゾンビ映画好きを楽しませる要素いっぱいの本作は、ゾンビ映画ファンにこそ観てほしい作品だ。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-23 13:06:02)《改行有》

82.  男はつらいよ 寅次郎紅の花 《ネタバレ》 昨年から約1年かけて、この国民的映画シリーズ全作をコンプリートできたことにまず満足。 そして事実上の最終作となった本作は、周知のとおり渥美清が亡くなる前年に公開されたということもあり、寅さんの登場場面もめっきり少なく、セリフにも力なく、いつになく横になっているシーンが多かった。 文字通り最後の力を振り絞って「寅」を演じ切った、その俳優魂にまず敬意を表したい。 リリーが4回目の登場で花を添えたのも最終作に相応しい。 満男の煮え切らず情けない言動も本作でその頂点を迎えるが、リリーの後押しと、泉ちゃんの神対応のおかげでメデタシとなる展開もまた良し。 本作では、久々にとらや(くるまや)でマドンナを伴っての茶の間談議シーン(タコ社長とのからみ)が見られたのも嬉しかった。 いつものようにリリーと痴話喧嘩になり、リリーが1人で奄美まで帰ろうとした時、さくらの「お兄ちゃんと一緒になるのはリリーさんしかいないとずっと思っていた」との告白のおかげで(+サンペイの力走のおかげで)、リリーと一緒に帰ることができたシーンは、本シリーズにおける、さくらの寅さんに対するスタンスを如実に物語っていた名シーンだったと思う。 個人的に印象深かったのが、寅さんがコードレスホンの受話器でくるまやに電話するシーンで「あれ?コードはどこ?」と不思議がる場面。 昭和から平成に変わり、寅さんが親しんできたアナログな世界がもはや過去のものになりつつあったこの時代は、どこか寅さんも生きづらい時代に入っていたのかも知れない。 全作を観終わって思うのは、あの無責任で無鉄砲な渡世人「車寅次郎」が、困ったことが起きた時「寅さんなら何て言ってくれるかな…」と人々から頼られるキャラクタ-として親しまれた奇跡に感動を禁じ得ないことだ。 そして、今も日本のどこかで、あの名調子で啖呵売をしながら、悲喜こもごものドラマを巻き起こしていて欲しいと願わずにはいられない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-03-15 14:35:30)(良:1票) 《改行有》

83.  空母いぶき 《ネタバレ》 原作未読。 一言でいえば、現在の日本で他国による領土侵犯が行われ、これに即応する自衛隊が他国軍から攻撃を受けた場合、どんな事態が発生するか…… とのシュミレーションをとおし、現代の日本が抱える国防のあり方を観客に正面から問いかける硬派な作品となっている。 その分、ありがちな男女の恋愛描写が入るわけでもなく、主人公は格好よく敵をやっつけるヒーローでもない。 本作では相手国は「架空のならず者国家」となっているが、これは尖閣諸島における中国の台頭を明確に意識しており、リアルなシチュエーションを想定して描かれている。(本作を観ると海自が長年「軽空母」の導入を意図しているのもよくわかる) 特に現在の我が国での法制度のもとで、自衛隊が置かれている制約(相手の攻撃を受けてからでなければ反撃できない等)が、防衛の最前線でどれほど自衛隊員の命を危険に晒しているか、また相手国がいかにその制約を利用しうるのか、等も視覚化されている。 とりわけ自衛隊として初めてとなる「戦死者」と「防衛出動」を具体的に描くことにより、平和ボケしている国民の安全保障意識に一石を投じた意義は少なくない。 一方で、実際の作戦指揮においては、第五護衛艦隊だけではなく、海幕や統幕さらに米軍も当然絡んでいるはずだが、そこはあえて省略されていたり、ネット記者による動画が国際社会を動かし、最後は国連軍による仲裁による解決という、いささか現実離れした(理想ではあるが)展開が描かれてたりするが、そこは映画ということで了としたい。 時あたかもクリスマスの設定で、コンビニでの一コマを合間に挿入することで、自衛隊が「何を守ろうとしているのか」を暗に語っていたのではないだろうか。 そして、護衛艦や潜水艦、艦上戦闘機による戦闘描写もこれまでの邦画の域を超えていることも付記しておきたい。[インターネット(邦画)] 7点(2021-02-16 15:18:09)《改行有》

84.  #生きている 《ネタバレ》 近年は韓国のゾンビ映画のクォリティが高まっており、本作も期待を裏切らない出来だった。 本作の主人公はまさしく現代の若者らしく、スマホを駆使しネットゲームにハマっているような青年だ。 そんな彼が自宅でひとり目を覚ました時、外の世界では…… というゾンビものとしてはベタな導入から入るのは悪くない展開。 特に最初に遭遇した隣人が、主人公の目の前で転化するシーンは秀逸だった。 ところどころで挿入される、スマホを窓から出して電波を拾おうとするシーンや、ドローンの活用なども、実際にありそうで面白い。 もし、現代の集合団地でゾンビ感染が発生したらどうなるか…… テレビでののんきな報道や、スマホでの情報集め、やがて水道も止まり、食糧と水の確保が困難になる…… といったシミュレーションとしての楽しみ方もできる。 本作ではこの団地エリア外の状況はあえて映さず、ひたすら主人公達の焦りや恐怖を共有しやすくなっているところもいい。 この主人公は何度が生きることを諦めようとするが、たまたま向かいの棟に住む女性と知り合い、それ以降はバディものへと展開していく。 そして最後まで生きようと行動を起こす中で、予想外の出来事に出会いつつ、意外な形でハッピーエンドに繋がっていく…… そのきっかけがSNSでの投稿だったというところも現代風で面白い。 ゾンビ映画の新境地を開いたとは言えないまでも、ゾンビ映画ファンの心はしっかりつかめるレベルにはなっていると思います。[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-06 12:02:03)《改行有》

85.  TENET テネット ノーラン監督らしく、どの作品も既視感のない、つまり新しい映画体験をさせてくれるという意味では、 本作も期待どおり(以上)だった。 普通に考えたら、1回観てもよくわからないような難解な映画は興行的には成功しづらいところだが、 本作はコロナによる自粛明けということもあり、新作の娯楽大作に飢えている私たちのニーズにマッチしていたし、 ノーラン印がついているし、眼前に展開されるアクションはスリリングで楽しいわけだから、難解とはいえ苦痛ではない、 ということも相まって、日本ではヒットしているようだ。 かくいう私も脳みそをフル稼働しながら観ていたが、終始「わかったような、わからなかったような」感じで、 致命的だったのは、ラスト近くでついにお手洗いを我慢できず席を立ってしまい、戻ってきたらエンドロールになっていたという、 全く笑えない失態を犯してしまったため、最後の5分間の出来事を連れに聞くしかなかったという体たらく(汗) 仕方ないので、もう一度、せっかくなのでIMAXで鑑賞しようと思います。[映画館(字幕)] 7点(2020-10-12 15:38:22)《改行有》

86.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 《ネタバレ》 いつも思うのだが、寅さんは余所の人(特に困っている人)にはすごく優しいし、気を遣うのに、 とらやの面々を始めとした「身内」には手のひらを返したようにわがままだし、厳しく当たる人だ。 今作では、沖縄で療養中のリリーと半同居生活をすることになった寅さんが、ふとしたことから痴話げんかになり、 ついリリーに憎まれ口を叩き、リリーのちゃぶ台返しにあってしまう。 ここまで寅さんの「身内エリア」に入り、寅さんと対等にやりあったマドンナはリリーが初めてではないだろうか。 ここに至って、リリーは寅さんの「身内」になることの難しさを知り、終盤の寅さんのプロポーズを冗談と笑い飛ばしたのだ。 ※ちなみにこのシーンは前作「相合い傘」でのリリーが示した本音に対して寅さんが笑い飛ばしたのと対をなしている。 ラストシーンの爽やかさは、こうした二人のすれ違いを経て、一番いい距離感を表現していたからなのだろう。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-23 14:45:57)(良:2票) 《改行有》

87.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 原作未読。 観る前は、数学の天才が計算(資源や技術、物量など)によって日本の敗戦を証明し、戦争を未然に防ごうとする話だと勘違いしていた。(その方が面白かったかもしれない) 実際には、戦前期における次期建造艦をめぐる海軍内の主導権争いに、菅野演じる主人公が巻き込まれてしまう話であり、戦艦大和の建造をめぐる サイドストーリーとしては面白く鑑賞できた とはいえ巨大戦艦を建造することで、日本が戦争に突き進むことに直結する……だから、それを阻止することが平和に繋がる…… との仮想ロジックだけで、この主人公が周囲の無理解や困難を乗り越え、短期間で大和の建造費見積もりの虚偽を暴くというには、動機が弱すぎる印象を受けた。 一方で、主人公はお約束どおり困難を乗り越え、ギリギリのところで目的を達成する場面は痛快ではあるものの、本当の見せ場をその後に置いている ところに本作のユニークさがある。 結局は史実どおり大和は建造されてしまうわけだが、終盤の主人公はある意味で田中泯ではないかと思えるほど、本作の主題にかかわる重要な役割を演じている。 「なぜ大和は建造されなくてはならなかったのか……」全ては後付の論理であるものの、この終盤における田中の語りは現代に生きる私たちに訴えかけるものがある。 冒頭の大和沈没シーンは山崎監督らしく最新のVFXによりかつてない再現度を実現しているし、戦争映画の幅を広げた意味でも一定のクォリティをもった作品だと思う。[インターネット(邦画)] 7点(2020-09-23 11:36:44)《改行有》

88.  殺人の追憶 《ネタバレ》 「パラサイト」が面白かったので、ポン・ジュノ監督作に興味がわいて鑑賞。 田舎町で、次々に発生する女性猟奇殺人事件を追う、ソン・ガンホ演じる地元刑事と、ソウルから来たイケメン刑事。 ソン・ガンホと跳び蹴り刑事は状況証拠から容疑者を挙げると、拷問で自白をとる昔ながらのスタイル。 イケメン刑事は二人と距離を置きながら、科学的な捜査を重視する。 ここまではわかりやすい構図だ。 しかし、狡猾な犯人はなかなかしっぽを出さず、イケメン刑事がやっと有力な容疑者にたどり着くも、決定的な証拠を掴むことができない。 そして終盤、DNA鑑定によっても特定できないことが判明すると、このイケメン刑事は暴走してしまう。 「パラサイト」での展開の妙は今作でも同様で、次から次に展開するストーリーは、核心に近づくように見えて、また遠ざかる。 なかなか次の展開が読めないところが、人によっては高評価と低評価にはっきり分かれるところだ。 最後はどう決着をつけるのか、と考えながら観ていると、思いもかけない形で観客は放り出されるところも、評価が分かれるところ。 個人的には、連続殺人事件が発生しているにも関わらず、若い女性が夜に一人歩きをしているという、あまりの緊張感のなさで興冷めしてしまうが、 全体を流れる陰鬱でもの悲しい印象だけが、なぜか余韻として残り続ける不思議さをもつ作品だった。[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-17 16:32:13)《改行有》

89.  男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 《ネタバレ》 シリーズ中でも名作の呼び声が高い本作だが、まずプロット自体がいつもと少し違う特徴をもっている。 著名な日本画家を演じる宇野重吉は、マドンナ以外のプレーヤーとしては今回は重要な役どころで登場する。(本作では貴重な親子共演も果たしている) その演技は聞きしに勝る名演技だった。特に冒頭、飲み屋で無銭飲食をし、寅さんが「とらや」に連れてくる場面では、おばちゃんの言うとおり「ルンペン」にしか見えない立ち振る舞いだったが、故郷である播州・龍野で寅次郎と再会した時には、一流芸術家のオーラを身にまとっている……といった名優の変幻自在の演技ぶりを堪能できる。 この龍野で出会う芸者・ぼたんが今回のマドンナなのだが、通常は寅さんが一方的に意識をして舞い上がってしまうところ、今回は恋愛感情を感じさせるシーンは特段見られず、いつもの「困っている人を放っておけない」寅さんの気性が炸裂して、ラストの展開まで行ってしまうし、「お前と所帯を持とうと思って来たんだよ」と言いつつ、二人が今後どうなってしまうのかは(本作だけを観れば)オブラートに包んで大団円となっている。 つまり、シリーズ中の1作ではあるものの、本作については「単体の作品」として起承転結が成立しており、実力派俳優たちの名演と共に、人情味あふれる爽やかなラストで終わるため、評価が高いのだと思われる。 確かに、寅さんが本当に所帯を持つなら、ぼたんのような天真爛漫な女性か、リリーのような気が強い女性が相性がよいのでは……と思い始めた作品。[インターネット(邦画)] 7点(2020-08-03 14:24:44)《改行有》

90.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 シリーズ第7作は文字通り、空中でのミッションてんこ盛り。 冒頭のドゥエインとステイサムという2大ハゲらっちょによる肉弾戦にはテンションが上がった。 その後のストーリーはあってないようなもの。どうぞツッコんでくださいと言わんばかりの展開だ。 前作の「戦車チェイス」やレティの「空中キャッチ」を観た後では、もはやどんな無茶も受入可能になっている不思議な映画。 むしろ、そのハチャメチャをポップコーンを頬張りながら楽しむのが本作を観る作法のように思える。 とにかく普通の映画のクライマックスを3つ位放り込んで、これでどうだ!と言わんばかりの超絶アクションを理屈抜きで楽しめたのは事実。 劇中ドミニクが「俺たちはドライバーであって、殺人者ではない」と言っているとおり、どんな無茶なアクションでも、車から離れていないところが本作の矜持といえる。 弟の復讐に燃え、超人的な破壊力でドム達を追跡するステイサムだが、結局復讐を果たせたのはハンだけで(しかも第3作で既に終了している)、あとのメンバーは皆被害なしなのが面白い。 本作が遺作となったポール・ウォーカーだが、ラスト近くの浜辺のシーンはあきらかに代役だし、ラストの併走シーンはモロ違和感のあるCGだったのはすぐにわかった。 もしポールが生きていたら、どんなラストシーンだったのか……とも思った。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-01 15:23:15)《改行有》

91.  ワイルド・スピード/EURO MISSION 《ネタバレ》 1作目から順に鑑賞。 ドミニクファミリーとしては前作のまま終わっていたらメデタシなところ、ホブスが捜査協力を依頼するには「レティが生きていた?」くらいの動機付けは必要なわけで、そこはすんなり入れたし、最後まで観れば、やっぱり彼らもホームに帰りたかった、というのも理解できる。 そういう意味では、1作目から観ていないとイマイチ入り込めないストーリーかもしれない。(最後は3作目TOKYO DRIFTにもつながるし) それにしても、前作「MEGA MAX」から普通のハリウッドアクション娯楽大作になっちゃった感じの本シリーズだが、本作に至ってはほとんど「ミッションインポッシブル」なみのミッションとアクションが展開され、そもそもこの人たち単なる車好きの強盗集団だったよな……、なんて考えながら、国際犯罪組織のプロを相手にした格闘や銃撃戦を観ていると、そんなことどうでも良くなったし、ヴィン・ディーゼルがブルース・ウィリスに見えてきたのもご愛敬。 とはいえ、F1みたいな装甲車でどんどん車を跳ね上げたり、クライマックスではいよいよ戦車も登場してのカーアクションは新しい発想で見応えがあった。 また、ストリートレースというお約束も忘れずに挿入されている。 ラストには3人目のハゲも登場し、次回作への期待も高まった。 ここまで来たらハゲ3人による三つどもえが観たい。(さらにブルース・ウィリスが加わればパーフェクトだ) 気がつけば、シリーズのファンになっている自分に気づき、まんまとやられた感じがする作品だった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-17 11:20:21)《改行有》

92.  男はつらいよ 寅次郎忘れな草 《ネタバレ》 第1作から順に観てきて、初鑑賞となる第11作。 今回のマドンナ「リリー」はこれまでとは一線を画す異色のキャラクターだが、その分印象深い回となっている。 場末のキャバレーを巡業する歌手で、煙草も吸えば酒も飲む。 当時はこうした女性が世に増えてきた時代だったと思う。 網走の船着き場で寅さんと出会い、お互いの境遇を語り合う、その目の前では、母子が父の出漁を見送る。 自由奔放ながらそれぞれの寂しさを抱える二人が共鳴する名シーンだと思う。 また、リリーが実の母から金を無心され暴言を言い放つシーン、寅さんがリリーの住んでいたアパートを訪ねるシーンなど、多くを語らずとも情感を物語ってくれる名シーンが多い。 結局は歌手をやめ、新しく世帯をもった旦那にも「一番好きなのは寅さんだった」と言って憚らないリリー。それをとまどいながら聞くさくらの表情も印象的。 リリーは今後の回にも度々登場するようなので、楽しみにしたい。 全編通して自分自身が幼少期だったの頃の記憶と、ところどころに映る街の背景が重なり、なんともいえない懐かしさがこみ上げてくる作品だった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-06-15 14:01:20)《改行有》

93.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 ある日この世界が「ビートルズが存在しない世界」になっていたら… 大のビートルズファンで、ギター片手に少しくらいの曲なら弾き語りもできる自分としては、この上なく興味深い妄想だ。 それが実際に映画になるんだから、やっぱりビートルズってすごい存在なんだよね。 作品としては、イギリス風のコミカルなタッチで、主人公ジャックの挫折と成長、そしてエリーとの恋を描く王道ラブストーリー。 欲深な人はいるものの、いわゆる悪人は登場しないハートフルな物語である。 たびたび出てくる「ネット検索」シーンが現代風なポイントとしても効果的に使われている。 でも冷静に考えたら、ビートルズの楽曲がいかに素晴らしくても、ジャックが真似たくらいでここまでの大騒ぎになるかな…とも思ってしまう。 「あの時代」に「彼ら」が歌ったから、その後もずっと残る価値をもっているわけで… 最後に登場するあの方も「声」が全然違うので、少し拍子抜け。 とはいえ、そうした冷静な評価は抜きに、純粋にビートルズの名曲とそれに(いい意味で)振り回される人間模様を、主人公と一緒に経験するのが本作の楽しみ方なのだろう。 後半に登場する二人のビートルズファンが「彼らの名曲をこの世界に残してくれてありがとう」というセリフ、この言葉を入れたいがために作ったのではないかと思えるほど、ビートルズの素晴らしさを再確認できる作品。[インターネット(字幕)] 7点(2020-05-04 14:20:21)(良:1票) 《改行有》

94.  こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 《ネタバレ》 原作の舞台が札幌ということもあり、大泉洋がネイティブの北海道弁を駆使し体当たりの演技を見せているし、美咲を演じる高畑充希がチャーミングで、演技力も冴えた作品となっている。 原作を映画化するために、ボランティアの中に田中くんと美咲というキャラクターを設定し、二人の恋愛と人間的成長を主軸に鹿野さんの恋心も絡めて展開しているのは、キャスティングや興業的観点から理解できるが、その分、鹿野さんとボランティア達との生の人間的な関わりが少し美化された印象になってしまったのは残念な気がする。 実際には鹿野さんの隠そうともしない生活への欲求と、それを戸惑いながらも受け入れるボランティア達の葛藤と人間的成長が原作の主題だったと思うので。 しかし、個人的には美咲と鹿野さんのラブシーン?は邦画史に残る名シーンと思えるくらい情感あふれる印象的なシーンだ。 筋ジストロフィーという重度の障害を抱えながらも自立生活を貫き、福祉のあり方に一石を投じた主人公が実名で登場し、「有名人になる」という夢を果たした作品であるとも言える。 講演会で鹿野さんは「思い切って人の助けを借りる勇気も必要なんだよね」と語り、ボランティア達には「僕と君たちとは対等なんだよ」と言い放ち、そのボランティアは主治医に「鹿野ボラをナメないでください」と胸を張る。 人は「人を助けることによって助けられる」という真理を、ここまで視覚化して教えてくれる題材も少ないと思わせてくれる作品だった。[インターネット(邦画)] 7点(2020-05-04 13:13:17)《改行有》

95.  エンド・オブ・ステイツ 《ネタバレ》 ジェラルド・バトラーが腕利きのシークレットサービスを演じる「エンド・オブ~」3作目。 ジャンルとしてこういう「大統領を守る!」的な映画が好きなこともあり、どうしても観てしまう。 ストーリー自体はよくあるパターンを踏襲しており、鑑賞中に展開が読めてしまう点や、お決まりの「家族を取り戻す」的な展開も挿入される訳だが、それらを許容した上で、何度も窮地に陥りつつひたむきにターゲットを守り抜く主人公の凄腕さを楽しむ、というのが本作を観る正しい作法だろう。 その中でも、今回大統領を襲う「ドローン兵器」の威力は凄まじく、こうした最新テクノロジーの破壊描写は一見に値するし、トレーラーでのカーチェイスにも工夫が見られ、終盤のビルにおける攻防戦でも、カメラの位置やカット割りの効果で緊迫感と見応えのあるクライマックスになっている。 そして三作目ということもあり、大統領とバニングとの信頼関係も本作の見所となっている。 本作は「ダイハード」の続編のように、敵が代わるだけで、安定の味わいを提供してくれる作品と割り切って観ることをオススメしたい。[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-24 11:37:26)《改行有》

96.  JFK 《ネタバレ》 「JFK暗殺」という、オリバーストーン監督らしい着眼点と豪華な俳優陣で製作された本作。 確かに尺は長いが、暗殺現場と当日の社会情勢を取り混ぜながらギャリソン検事が真相(この場合は軍需産業と政府機関による陰謀説)に迫っていく過程をスリリングに描いており、長さを感じさせなかった。 特に終盤でケビン・コスナーが演じる法廷シーンは本作のクライマックスであり、それまで描かれた証言や状況証拠だけでは勝訴できないにも関わらず、少なくても「オズワルド単独犯説」は何者かによってでっち上げられた蓋然性の高さを訴えるに十分なシーンだったし、それこそが監督の狙いだったのだろう。 ここでのケビン・コスナーの長セリフは印象に残る名シーンになっている。 こうした深刻な社会問題をエンタテイメントとして、しかも関係者がまだ多数実在しているタイミングで製作できるオリバーストーンや、それを許す米国という国の懐の深さに感心すると共に、一筋縄には行かない国家の闇を見るようで、決して後味はよくなかった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-22 11:33:27)《改行有》

97.  Fukushima 50 《ネタバレ》 あの3.11から9回目の3月を迎えたタイミングでの公開。 10年目の方が区切りが良い気もしたが、現在のウィルス災害をふまえると意外にタイムリーだったかもしれない。 あの当時「1F」と呼称されていた「福島第一原発」の内部で、いったいどんなことが起こっていたのか、どんな戦いがあったのか…… 知られざるドラマが今回初めて映像化されたことに本作の意義がある。 そしてスクリーンに再現されるあの津波シーンには久しぶりに心が痛んだ。 本作は当事者への丹念な取材を行った原作にほぼ忠実に各シーンが再現されており「真実の物語」とのキャッチフレーズはあながち誇張ではないだろう。 セットの再現力や専門用語から作業員の動きまで、関係者によく取材していることが伝わってくる。 特に緊急時対策室(緊対)でのトイレの様子や、落ち着いた時に口にする備蓄食糧といった何気ないシーンも入れているところも好印象。 また俳優陣も豪華な顔ぶれで見応え十分。 本作では東電と政府、原発内部やその家族に避難民、さらには自衛隊や米軍など様々なドラマが展開されるが、はやり一番の見どころは、電源喪失後の中央制御室で、炉心溶融(メルトダウン)による放射線漏洩という最悪の事態を防ぐために、手動にてベント作業に挑むシーンだろう。 その意味では最後に残ったと言われるfukusima50「以前」のストーリーが実はヤマ場だった本作。タイトルは若干ミスリードだったかもしれない。 ともかく、あれだけの事故で被爆による犠牲者が出なかったことに改めて驚くと共に、あの時2号機の格納容器が破裂しなかった理由も未だに謎であるなど、今回改めて知ったことも多く、観て良かったといえる作品だった。[映画館(邦画)] 7点(2020-03-23 17:38:57)(良:1票) 《改行有》

98.  ザ・ウォール(2017) 《ネタバレ》 米軍兵士とイラク兵のスナイパーが崩れかけの壁を隔てて対峙する戦争サスペンス、という事前知識のみで鑑賞したが、なかなかどうして最後まで飽きずに観せる展開だった。 画面に登場する人物は(最後の救出シークエンスを除いては)米兵の2人のみ、という徹底ぶりで、プロットや展開の工夫によっては、それだけで90分のドラマを成立させることができるのかと感心した。 そもそも数百メートル先で動く兵士の「膝」や「水筒」まで正確に狙い撃てるスナイパーが、実際に存在しうるのかは甚だ疑問ではあるが、それを受け入れなければ本作は成立しないだろう。 本作のクライマックスで、スナイパーがなぜ「そこ」を狙ったのか、なぜ無線で米兵「自身」のこと聞き出そうとしたのか、その理由が(すなわち「ザ・ウォール」は「ザ・トラップ」だったと)分かるくだりがあるが、背筋が寒くなるような怖さを感じた。 また、米兵が被弾するシーンでは、まず弾が先に身体に当たり、少し遅れてから乾いた銃声が聞こえるという「当たり前」をきちんと再現していた。 そして終盤、スナイパーが自分の出自を告白したり、この壁が何の建物の一部だったかが語られるシーンがあるが、戦争という営みが、まともな人間を狂気に変えるという、まさに「プライベートライアン」のミラー大尉に通底する恐ろしさも本作が伝えたかったところだろう。 90分の作品ということもあり軽い気持ちで鑑賞したが、意外にも深みをもった戦争映画の佳作であり、その意味ではオススメできる作品だった。[インターネット(字幕)] 7点(2020-03-09 13:23:28)《改行有》

99.  激動の昭和史 沖縄決戦 《ネタバレ》 昭和の沖縄返還を前にして製作されただけあって、制作陣やキャスト等、相当な力を入れて制作された感がある。 あの沖縄戦とは何だったのか、そこでどんなことが起こっていたのかを、残存する資料をもとに真実に迫ろうとする制作陣の意欲が見て取れる。 大本営と第32軍司令部との思惑のずれや、参謀たちの葛藤、軍人と民間人の関係性、絶望的な戦況を前に迷走する戦争末期の沖縄を迫真の演技で再現しているところは秀逸。 その一方で、50年近く経った今となれば、(やむを得ないことではあるが)やはり撮影技術の限界がどうしても目についてしまう。 火薬を多用した戦場描写は迫力はあるものの、当時の特撮ヒーローものでもよく見られたレベルだし、特に爆発音や銃声は当時の円谷特撮(怪獣映画)のそれと同様で、どうしても子供だましに聞こえてしまう。 その他、唐突なシーン切り替え(※)や前時代的な音楽も相まって、現在の映画を見慣れた目には稚拙な印象が最後まで拭えなかった。 (※編集作業の中で相当なシーンをカットしたことが見て取れる) 近年、アメリカ側の視点で沖縄戦を描いた作品として「ハクソー・リッジ」があるが、戦争描写のレベルは天地雲泥の違いがある。 とは言え、戦後20年ほどしか経っていない当時だからこそ描ける空気感というものはある。沖縄で犠牲になった人々の様々な思いは十分伝わってきた。 特に民間人の集団自決の際、死に損なった者同士でとどめを差し合うシーン等は、他の戦争映画の追従を許さない衝撃があり、胸が痛んだ。 二度とこのような愚行を繰り返さないためにも、そして今なお、国土の僅か1%に満たない土地に、在日米軍基地の7割をかかえるという不条理に苦しむ沖縄を考える上でも、本作のような作品は観ておく必要があると感じた。[インターネット(邦画)] 7点(2020-02-12 10:34:10)(良:1票) 《改行有》

100.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 「良心的兵役拒否者」という戦争映画としては異色のテーマで、実話がベースになっている作品。 敬虔なクリスチャンで知られるメル・ギブソン監督らしい着眼点だ。 前半は主人公デズモンド・ドスの育った家庭(特に第一次大戦でのPTSDを抱えた父親との確執)や、後に結婚するに至る恋人とのエピソードを語り、 中盤ではデズモンドが愛国心から兵役を志願する一方で「決して銃に触れない」と宣言したことから惹起される上官や仲間からの迫害にも決して屈しない姿を描き、終盤では衛生兵としての戦場での大活躍が描かれるという安定した展開。 不謹慎の誹りを恐れずに言えば、監督得意のグロ描写に期待して鑑賞したのだが、リアルな戦場描写は期待通りだった。 ハクソー・リッジ(日本では前田高地と呼んでいたらしい)での上陸戦のシーンは、最前線での白兵戦の凄惨さを見事に再現している。 白煙で視界の悪い戦場で、いきなり機関銃の雨にさらされ、訳も分からないまま次々と死にゆく米兵たち。 鉄兜ごと頭を撃ち抜かれたり、爆発で手足をもぎ取られたり、その地獄絵図の中を駆け回る衛生兵はモルヒネを打つことくらいしかできないという凄惨なシーンがこれでもかと続く。 実際、極限状態に置かれた皇国・日本兵の捨て身の攻撃は、米兵にとって脅威であったに違いない。 劣勢のなか一度撤退を決めた米軍にあって、ただ一人戦場に残り「神様、どうかあともう1人助けさせてください」と、まだ敵の銃弾が飛び交う中、息のある兵士を次々と救出し続けるデズモンド。そうして(驚くべきことに日本兵も含め)数十人もの命を救ったデズモンドは、最後は真の英雄として讃えられる。 「戦争」という合法的な殺人を目的とする非人道的な場面にあって「汝殺すなかれ」とのキリスト教の教えをどう実践するべきなのか、という問いに対する一つの答えが本作なのだろう。 しかし、他のレビュアーも指摘しているとおり、主人公がなぜあれほどまでに頑なに信念を貫けたのか。多くは特定の信仰をもたない日本人にはなかなか理解しづらいだろう。 しかし本作は、人間にとって信仰とは、信念とは、本当の勇気とは、そして真の強さとは……と様々考えさせられる良作である。[インターネット(字幕)] 7点(2019-06-05 17:51:18)《改行有》

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