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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1521.  シャーロック・ホームズの冒険 ワトソン君の書いた未発表のホームズ譚。というより、内容的には「ボツネタ」という体裁ですね。だもんで、パロディ版のホームズもの、という印象です。ここでのホームズは天才探偵というよりは単なる変人みたいだし、ワトソン君もやたらホームズに噛みついて、これぞ凸凹コンビ。事件の顛末もトホホなものなのですが、ストーリーに関してはバカにしちゃいけない(バカなオハナシだけど)。途中の無駄に思えたエピソードが、無駄にキチンと真相につながっていく(ネッシー騒動まで)のは、なかなかお見事ではないでしょうか。 ところでどうでもいいことですが、硫酸と食塩水で、塩素ガスなんて発生したっけ???[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-05 10:45:45)《改行有》

1522.  フューリー(2014) ブラピ演じる軍曹は、「何か心に傷を負った人」なのか、それとも「単に無口な人」なのか。冒頭の方でタバコを吸いながら人知れず頭を抱えるような仕草をしているのを見ると、きっと前者なのだろうと思うのですが、さらに見ていくと、両方のような気がしてきて、クライマックスあたりにくると、もう後者のように思えてくる。どっちかというと、逆の流れの方がまだしも、と思うわけですが。彼の人物像を投影するようなエピソードが、中盤にもう少しうまく組み込まれていればなあ、と思います(せいぜい、「背中の傷」ぐらいだもんね)。そんでもって、本作の主人公というか、「目撃者」の役である新米兵士の方ですが、こちらはいやでも『プライベート・ライアン』のアパムを思い起こさせる存在で、やはりアパムほどの印象を残せていないのがこれまた残念。アパムが傍観者の立場を貫くことで存在感を示したのに比べると、彼は(途中、頑張って“抵抗”したのに)「戦闘シーンへ貢献するための兵士の一人」へと突然に変化して、映画に飲み込まれてしまったようにも感じてしまいます。 という訳で、登場人物の描き方の弱さがいささか物語を平板な印象としている点、残念なのですが、まあ結局は、戦場の恐ろしさを残酷描写によって伝えつつ(確かにさまざまなアイデアが凝らされています)、手に汗握る戦闘シーンで盛り上がる映画、ということになりましょうか。確かになかなかこれだけの戦車戦は、観られません。 ところでラスト、戦場となった十字路を上から撮影しているのは、これを十字架にでもなぞらえようとしたんですかね? と言っても正直あまり十字架っぽく見えないので、そんな意図はないのかも知れないし、それはそれで別に結構なんですけれども・・・。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-09-05 10:21:30)《改行有》

1523.  フライト・ゲーム 《ネタバレ》 この作品が目を離せないのが、真相がどこにあるのかということそのものよりも、複数の真相の可能性をうまく維持させている点でしょうね。「あの人が犯人じゃないか」説に、「いやいやこの人が」説、さらには「主人公多重人格」説まで、いくつもの可能性を匂わせ続ける、そのうまさ。ラストはそれなりにミステリとしての解決を提示するけれど、種明かしなんていわばオマケみたいなもの、中盤のサスペンスのモヤモヤ感を一気に吹き飛ばすような手に汗握るアクション、この盛り上がりに勝る「解決」は無いでしょう。スピード感とは、スピードそののものにではなく、加速する過程にこそある訳で、実に盛り上がります。 また、本作で発生する事件の不可思議さ、そこにあまり合理的な説明を求めようとすると、「無理がある」「偶然に頼り過ぎ」といった感想も出るのでしょうが、逆に、この事件の持つ自己完結性のようなもの、これは言い方を変えれば「伏線の回収」でもあります。不可思議そのものの面白さ。事件が偶然なだけじゃなくって、例えばあの、本筋とは関係のない少女との出会いやお守りのヒモのエピソード、これなんかも一種の偶然が織りなす「伏線」であり、かつ「ちょっとエエ話」として印象に残る訳ですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-08-30 08:59:56)《改行有》

1524.  暴力教室(1976) 今で言うところの学級崩壊状態、不良グループが牛耳る大荒れのクラス担任に、松田優作演じる、どこか影のある体育教師がやってくる。不良グループのリーダー役は誰かというと、「舘ひろし(新人)」。もちろん単車を乗り回します。もちろん悪事もし放題、その彼らに、松田優作が立ち向かう、というオナハシ、かと思いきや。それにとどまらず後半は学校全体を揺るがすとんでもない大事件に発展しますから、どうかお楽しみに。ラストなんか、凶器を振り回す敵のボスとの一騎打ち、外では大勢の大乱闘、こりゃまるで『燃えよドラゴン』(はっきり言えばパクリってやつですかな)、え?学園モノなのに?  しかしそれにしても、松田優作と舘ひろしの絡みが、スゴイんですね。彼らにとっての会話は、すなわち殴り合い。舘ひろしが松田優作の妹が入院する病院を訪れる場面、「オレはやってねえ」と一言いえば済むものを、彼は絶対にそれを言わず、ひたすら殴られる。その一言を、今に言うか今に言うかという我々の期待を裏切り、ただただ殴られ続けた挙句に彼は無言で立ち去った時、ようやく松田優作に真相が伝わるのだけど、この場面での2人のやりとりこそ、どんなセリフよりも説得力のある(現実味は無いけどね)、映画らしいコミュニケーションと言えるのではないでしょうか。 あと、どうでもいいことですが、テストの場面で、舘ひろしが松田優作に命じられて立ち上がる時、椅子を蹴飛ばして倒してしまうのですが、次のカットでそのまま椅子に座ろうとするので、観てて「あっ危ない!」と、ちょっと焦ってしまいました(もちろん、大丈夫でしたけどね)。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-08-25 22:40:38)《改行有》

1525.  リディック:ギャラクシー・バトル シリーズ第3作にあたるのでしょうけど、第2作を観ておく必要はまーったくありません、という新設設計。あのワケのわからん世界観から一転し、またヘンテコ生物がウヨウヨする惑星を舞台とする作品へと戻ってきてくれました。とりあえず一安心。さらにそこに、リディックを付け狙う連中がやってきて、と来ればもう、さぞかし盛り上がろうってなもんですが(ハイ、こういう持ち上げ方をするのは、この後、ケチをつけるための前フリですね)・・・なーんか、スカスカなのよね。これといって、心に引っかかるものもなく、サラサラと物語が進んでいく。リディックを狙う連中が登場したら、ヴィン・ディーゼル、姿を消してしまうし(きっとどこかで休憩でもしてるんでしょ)。最初の方でその凶暴さを垣間見せた変なサソリみたいな生物も、後半、ヤミクモに襲ってくるけど、ヤミクモに斃されていき、強いのやら弱いのやら。せっかく「立て籠もり」みたいなシチュエーションとなって盛り上がりかかっても、その緊張感が続かない。例えばあの、リディックが手なずけた生物(犬?みたいなヤツ)との関係くらいは、もう少し丁寧にエピソードを盛り込めなかったものかと。[DVD(字幕)] 5点(2015-08-24 22:07:11)

1526.  呪怨 -終わりの始まり- あ~なるほどそういうことね、と、なかなかよくまとまったオハナシだったのではないでしょうか。それがイイことなのかどうかは別ですが。ってか、もっと不条理でもいいと思うんですけどね。それに、同じようなコトばかりを繰り返してるなあ、というような印象もあり、いまいち恐怖感が広がりません(ああまた例の渦巻きね、などと、不条理よりも納得が先立ってしまったり)。それこそ、滑稽ですらある場合も。もっとも、そういったことを含めての、この「呪怨シリーズらしさ」なのかも知れませんけれどもね。ただやっぱり、申し訳ないけれど、佐々木希が主演というのが、「安心して怖がることができない」最大の要因かと。ちょっとキツかったなあ。[地上波(邦画)] 4点(2015-08-24 20:56:46)

1527.  呪怨 (2003) 「人を怖がらせるために作られる作品」ってなジャンルがあって、多分そこにおいては、怖ければ怖いほど「良い作品」ってことになるんでしょう。ただし、何度もの鑑賞に堪える作品か、という指標もあれば、「こんなコワイ作品、二度と観たくない」という感想もあるだろうから、受け止め方もさまざまですな。さて、ビデオ版(「2」は見てないけど)と、この劇場版、とりあえずどちらがより怖かったか、と言えば、うーん多分、ビデオ版かな、とは思う。オリジナリティの目でも、元祖というべきビデオ版には敬意を払います。そんじゃ何でビデオ版の方に低い点数つけてんだよ、と言われりゃ、もうゴメンナサイなんですけれども。内容のバラエティとか、あと田中要次さんの顔のコワさ(笑)、とかいったあたりの魅力ですかね。・・・とか言いつつ、この後、劇場版にケチつけようってんだから、私も相当にロクでもない訳ですね、本当にスミマセン。この呪怨という作品、都市生活とかその近郊の生活の中の孤独や不安を反映したような、いわば都市伝説の寄せ集めみたいなテイストが特徴ですよね(過去というものから断絶された都市生活における、プチ因縁話)。そこにはもはや、例えば「仏壇」みたいなアイテムの入り込む余地はない(そういう定番アイテムが入り込んだ時点で、ちょっと醒めてしまう)と思うのですけれども。[DVD(邦画)] 5点(2015-08-24 13:59:46)

1528.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 作品冒頭に大きく提示されるシーザーの顔と、ラストに再び登場する彼の顔。その2つの表情、何がどう違うのか、一度並べて見比べてみたいくらいに(笑)、まったく違う印象を受けるんですね。え、顔に何か塗ってるか塗ってないかの違いだろって? ああなるほど。じゃなくって、冒頭の彼の顔はどう見ても類人猿の顔である一方、ラストの彼の顔は、人間の顔として描かれている印象です。理性や知性を持っただけではなく、それらが持つ裏側(例えば仲間に対する裏切り)の存在を目撃した彼は、もはや無垢な存在には帰れない。その悲しみをも感じさせます。無論これは、中盤で描かれるさまざまなドラマや戦いがあってこその印象なんでしょうけれども。次作、はたして類人猿たちは、どのような表情でこの物語の続きを語ることになるのか。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-08-24 12:57:53)(良:1票)

1529.  コルドラへの道 ゲイリー・クーパー演じる少佐が、名誉勲章に推薦する下士官4人を引き連れ、コルドラ基地を目指し砂漠を行く。少佐は、リタ・ヘイワースの護送という任務も担っており、都合6名の行脚。勝気な彼女の存在が、何かとモメごとの元になり、敵襲あり、疫病あり、ゴタゴタ続きで、下士官たちと少佐との間は険悪なものとなっていく。ってな話ですが、かつて一度は臆病風に吹かれ戦いから逃げてしまった少佐が、この困難な任務を達成できるのか、がポイントになります。勇敢に戦った4人を無事にコルドラへ送り届け、勲章に推薦すること。しかし4人が本当に軍人として優れている訳でもないし、そもそも人間として優れている訳でもなく、過酷な旅路の中で、醜悪な本性をむき出しにしてくる。この逆境の中、もしも少佐が、崇高な目的を献身的に成し遂げよう遂しようとしてオハナシだったら、分かりやすいドラマになるところですが、本作ではそうは問屋が卸さない。下士官たちは皆、勲章なんか欲しくもないし、中にはそんなものもらった日には命を失いかねないヤツまでいる、という、超ありがた迷惑な状態。「それを無理やり勲章に推薦するのは、自分の名誉挽回のための、利己的な行為」と非難されてしまう、しかしこれって、まさに図星。という、まあ実に身も蓋もないオハナシなんですね。でも逆に言えば、少佐の方に、我々が文句なしに肩入れできる動機(理屈)が無いからこそ、彼がボロボロになりながらも任務を完遂しようとする姿(光景)そのものが、感動的なものとなってくる。大規模な戦闘シーンは最初の方のみで、その後はいささか地味な展開ではありますが、緊張感の方はしっかりと高まっていき、目が離せなくなっていきます。ただ、後半に向かうに従って、ちょっと歯の浮くようなセリフも多くなってきますが・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-23 10:09:20)

1530.  ジュラシック・ワールド 私も正直、恐竜大暴れパニック超大作の割には「驚きの乏しい映画」になっちゃってると思います。無難な作品に仕上がっていて、それなりに楽しく、しかし現時点でのシリーズ4作品中、最も意外性が無い。まず前半、少々テンポが悪くて気分が乗らないのですが、「この後きっと事故が起こります」という事をわざわざ説明し過ぎではないかと。クリス・プラットがラプトルを手なずけるシーンなんかは面白いんだから、これで十分。「説明だけの伏線」なんて要らないのです。今回目玉の新種恐竜(インド何とかレックス。名前覚えられずスミマセン)が暴れ始めたら、各登場人物たちの危機が並行して描かれ、テンポも持ち直して盛り上がってきます。1作目の遺跡(?)なども登場させ、これはシリーズのファンへのサービスかも知れませんが、まあちょっとだけ面白かったかな(笑)。それより、恐竜に襲われた主人公が車の下に隠れる場面(あるいは子ども達の乗った乗り物が襲われる場面なども)、1作目をいかにも彷彿とさせるパロディのようなシーンですけど、1作目のあのティラノ最初の襲撃場面の、これでもかという執拗さ、ああいう執拗さがここには無い。1作目は確かにコワイ映画であって、一方のこの4作目はコワくないんです。2作目には破綻寸前のバカバカしさがあり、3作目には冒険とユーモアがあり、ではこの4作目には何があるのか。そういった過去のシリーズ作の良さをちょっとずつ取り入れながら、最新のCG技術を披露してみせた(しかしあまり目新しくはない)、という無難さが、まずは目についてしまう。まあはっきり言ってしまえば、昨年のエドワーズ版『ゴジラ』の後では、こんな大人しい発想の「新種恐竜」や「恐竜バトル」では、驚きようもないんですけどね。ついでに言うと、翼竜の襲撃シーン、群衆パニックを描いて大いに盛り上がる(盛り上げねばならない)場面ですけど、ここも工夫があまり無く、さほど印象を残せていません。こういうシーンを観ると、ヒッチコックの『鳥』なんて、そりゃ特撮面では大いに劣るけど、工夫しまくり考えまくり(ちょっと考え過ぎなくらい)で撮られていたんだなあ、と改めて思ってしまいます。とまあ、イロイロ不満を書いてしまうのですが、これも期待が大きかったから。ジュラシックパークシリーズへの期待というより、恐竜映画そのもの、あるいはパニック映画そのものへの期待値の大きさですね。その大きすぎる期待は、本作において、完全には満たされなくとも、それなりに楽しませてくれてます。寡黙な男前クリス・プラットはカッコいいし、彼を前に変化を遂げるヒロイン(ロン・ハワードの娘ですね)のコミカルさも楽しい。シリーズすべてに子どもが登場するけれど、兄弟の絆の深まりを描いたのは本作だけでしょう。そして何より、改めて「恐竜って、カッコいいなあ」と思わせてくれる、そこがイイではないですか。[映画館(吹替)] 6点(2015-08-23 09:09:51)(良:2票)

1531.  センチュリオン 古代ローマ時代、敵の襲撃から生き残った数名の兵士の逃避行と、追手との戦いを描いた作品ですが、色々盛り込もうとしてかえって散漫に。もうちょっとうまく彼ら生き残り兵士たちの姿そのものを掘り下げる方向に力点を置けないものか、と思っちゃいます。古代=野蛮=残酷描写、といういささか単純な盛り上げ方も、工夫がないですね。その単純さが面白いっちゃあ、面白いのですけれども。[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-15 21:04:49)

1532.  獄門島(1977) 金田一さんのターザンロープ(?)あたりの悪乗りは楽しくって、私も子どもの頃から好きだったんですけどね。ただ、ミステリとしては正直、あまり面白くない。むしろ大人になってから原作を読んで、こんなにスゴイ推理小説だったのか、と。趣向を凝らしに凝らした、3重の見立て殺人。この映画、原作から一部変更を加えられており、例えば「謎の復員兵」の処理などは(原作より無理があるにしても)なかなか悪くないと思います。ただ、実行犯が少し変更されている点、変更すること自体は結構だとしても、そんなに面白い変更でもないし、そのせいで終盤をここまでダラダラ引っ張ってしまったのは、どうもいただけません。石坂金田一シリーズにおける金田一さんは、中盤アタフタしている一方(これは原作のテイストでもありますが)、ラストの真相解明の部分で、根拠もロクに示さず妙に何でも断言してしまう感があり、「オイオイなんでそんな突然強気になってるんだよ」と思いつつもそこが魅力であったりもするんですけどね、本作の終盤のダラダラ感はそんな魅力も打ち消してしまい、といって原作にない新たな魅力(ロマンスなり、それに伴う哀切なり)を盛り込めている訳でもなし。あと、原作の巧みなトリックも、あまり印象的には描かれておらず勿体ないですね。第一の殺人なんて、原作では犯人をうまく隠してますけど、この映画ではほとんどバレバレ寸前の描写になってしまっており、むしろこういう部分で原作を離れてみてもよかったんではないか、とも思います。それともう一つ、本作の医石坂金田一さん、過去2作よりもなーんか野暮ったい顔してますなあ。そこも惜しい。[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-15 20:43:33)

1533.  インサイド・ヘッド 人間の感情を擬人化して可視化してしまおうという、野心的というか無鉄砲というかヒネリ過ぎというか、とにかくぶっ飛んだ設定の作品。ということもあって、わかりにくくなってしまうことを恐れてか、「この作品の設定はカクカクシカジカなのです」ということを作中で何かと説明してしまう。これだけ得体の知れない設定の作品ではやむを得ない面もあるのかも知れないけれど、ちょっと勿体ないですね。視覚イメージとして十分に伝わるものはあるし、十分に楽しめるのにね。ここには「忘却」というものの残酷さもあり、だからこそ「思い出」の大切さというものを感じさせてもくれます。ただ、最後の「悲しい時は我慢せずに泣いたらいいんだよ」というメッセージが、ストレート過ぎる(必ずしも視覚イメージに昇華されていない)かな、とも。ところでもし本作同様に、私の頭の中を映像化しようとしたら、それはそれはもうエロい事だらけで、映像化不可能ということになるかと思います。[映画館(吹替)] 7点(2015-08-03 22:25:49)

1534.  刑事物語3 潮騒の詩 ずいぶん昔、どこで読んだか、武田鉄矢がインタビューで、“脚本を書く時はシーンから考える”みたいなことを語っていて、“感動の再会を果たす2人、その彼らのために、彼らが知らないところでボロボロになりながら片山刑事が戦っている場面”ってのを例として挙げていたのですが、要するにこの作品の事ですね。上記のインタビューが私にとって印象的だったほどには、実際の作品におけるこの場面は印象的に仕上がっていない気もするのですが(笑)。敵役は、アイスホッケーの面を被り矢で襲撃してくる刺客、これは13日の金曜日PART3の影響でしょうか、いやたぶん違うとは思いつつ。格闘の腕前も片山刑事以上、確かにこの格闘シーンは見どころではあるけれど、おそらくは『ヤングマスター 師弟出馬』を意識したであろうこの場面、やはりさすがにあそこまで凄まじい格闘とは比較できないにしても、「あそこまで凄まじい格闘をやってこその場面」でもあったかな。というのは贅沢な注文で、あくまでコミカル、しかしアクションは本格的。沢口靖子にしかできない演技も目にまぶしく(大根と言ってはいけない、彼女のオリジナリティと言おう)、楽しい作品です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-08-02 09:49:26)

1535.  サンダーボルト(1974) 若いジェフ・ブリッジスが義足を装うのはベトナム戦争「終結」(あくまでアメリカにとっての、だけど)直後という時期を反映しているのだろうし、さらには年長者たちが朝鮮戦争について言及しているところなんかからしても、この映画はその背景に、戦争という「日常からの逸脱」を抱えているんでしょう。でも別に、製作時の背景を気にせずとも、この映画自体に、退屈な日常への郷愁と、一攫千金の夢という非日常への憧れとが、満ちています。ボヤボヤっとした日常があり、そこに唐突に非日常が顔を出す面白さ。教会で説教を垂れるイーストウッドが、突然ジョージ・ケネディに襲撃され、さらにはたまたま通りかかったジェフ・ブリッジスのクルマにしがみついて逃亡する、というハチャメチャさ。労働に励むジェフ・ブリッジスが目を上げると、窓の向こうにはハダカのオネーチャン、ってのも、ちょっとした「非日常」の楽しさ。一方の黒ずくめの2人組、ジョージ・ケネディとジェフリー・ルイスは、日常においては明らかに異分子だけど、大金を手に入れるためなら、日常へも無理やり溶け込んでいく。そして彼ら4人が挑む、大金の強奪。4人の演技はどこか気ままで日常を感じさせるもの(ジョージ・ケネディが後ろに倒れこみ地面に座る場面、演技なのか本当につまずいたのか)で、そこで繰り広げられる日常と、ジェフ・ブリッジスの女装姿だとか金庫破りのための巨大な銃だとかいう荒唐無稽さとのギャップもまた楽しくって。しかし、彼らが目指した夢は簡単には手に入らず、意外なところからタナボタ式に手に入ってきた夢もまた、大きな喪失を伴うものだったりする。もはや本当の日常にも戻れないし、夢にも簡単にはたどり着けない、仮にたどり着いたとしても、そこには虚しさが漂う。という、コミカルなんだけどほろ苦い作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-08-02 09:11:47)

1536.  リディック 『ピッチブラック』の続編、って言ってもまあ、「変な星を舞台にしました」というくらいしか繋がりは無い、と言ってもよさそうな。だいぶ製作費は上がってそうにも思われますが、寒暖の差が激しい星、ってのはちと工夫が足りないかと。それ以外も、かなりワケがわからんというか、自由奔放な内容で、それはそれで悪くはないのだけど、どうせならもっとぶっ飛んで欲しいところ。いかにも「この先シリーズ化していきますので今回はこのあたりで」みたいな出し惜しみ感があって(イヤ本当にそんなつもりで作ったのかどうか知らんけど)、内容的にはこじんまりしてしまいました。それにしてもヴィン・ディーゼル、劇中で再三ゴーグルを外して見せるけど、何度も何度も外し過ぎでしょう。ここぞというシーンでカッチョよく外して見せればよいものを・・・[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-23 23:28:38)

1537.  リアル鬼ごっこ(2008) これは昔「ガキの使いやあらへんで」でやってた、24時間耐久鬼ごっことソックリですね、というかアチラの方が少しオモシロかったかも知れん(笑)。作品の途中で、まるで埋め草のようにセリフで設定を延々と説明するのは、勘弁してほしい。何しろこれは走る映画、なのである以上は、こんなことでスピード感を損ねないで欲しい。ラスト近くの主人公の走りを見るにつけても、そうそうコレコレ、こういうシーンこそをもっと描かないと、と思っちゃうのです。[地上波(邦画)] 4点(2015-07-23 22:51:42)

1538.  ガンマン大連合 一体どこが大連合なのやら、というのはさておいて、これは出色のマカロニウェスタン、シビれます。フランコ・ネロ演じる主人公ヨドは武器商人、彼がメキシコ革命軍のモンゴ将軍から受けた依頼は、トーマス・ミリアン演じるヴァスコとともに、サントス教授なる人物を連れ帰ってくること。このサントス教授という人、非暴力主義を唱えつつも、メキシコ革命において勢力の一角をなす人物で、シンパがいたりする。という訳で、ヨドとヴァスコのつかず離れずの関係に、さらに教授シンパのオネーチャンが絡み、そしてさらには、彼らを付け狙うジャック・パランスの、これでもかというくらいワルそうな顔。さまざまな人物が見事に個性と存在感を発揮し、いろいろなエピソードで映画を盛りあげてくれます。いやホント、みんな、いい顔してるんです。だから盛り上がる。なぜヨドがコインを自分にくれたのかヴァスコがこだわるのも、いくつかの伏線にもなってて(あるいは、大した意味は無いともいえる)、面白いところです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 22:39:18)

1539.  アウトレイジ(2010) 「悪人」をこれでもかと登場させ(と言っても、悪人かどうかはともかくとしてとりあえずコワイ人、ってのもいれば、怖そうじゃないけどとりあえず悪人、って人もいるけど)、その各人をこれだけ豊かに描き分けるってのは、やっぱりスゴいと思いますし、実際、登場人物それぞれが活き活きと存在感を示しているのが作品のオモシロさに直結しています。善人は一種類しかいないけど悪人は無数に存在する、ってなところでしょうか。ただ、登場人物が見事にバラエティに富んではいるのですが、基本的に活躍するのは「オッサン」が多くって、若いチンピラは彼らの引き立て役になっちゃってる感があります。もう少し若者にも存在感を与えて、世代間の対比なども入れられたら、とも思わないでもないのですが、とりあえず本作は「オッサン」の映画、昨今の企業でもよく見られるダメ組織の中の、「オッサン」たちの人間模様。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-07-14 21:27:57)

1540.  マジェスティック(1974) 要するに、農家をナメるな、という作品ですね。スイカ畑を経営するオヤジが、イザコザを起こして逮捕されるも、大物殺し屋の脱走騒ぎが発生。殺し屋とともにオヤジは逃亡するが・・・。という訳で、スイカ親父、殺し屋一味、警察の、三つ巴の争いというか何というか、↓ドラえもん様のおっしゃる、まさに郊外型アクション映画、どことも知れぬ田舎町で展開される銃撃戦とカーチェイスが、懐かしくも楽しい作品です。農場の軽トラが、飛んで跳ねて、まるでスーパーカーのように見えてくる。素性はよくわからぬながらもとにかく大物らしい殺し屋に対し、どうみても不釣り合いな、協力者としてつきそう謎の美女。このよくわからない関係が、とりあえず謎めいていて、イイんですな。そもそも主人公たるスイカ親父がナゼこんな強いのか、という謎は、「そういう敵も結構、謎ばかり」でこそ中和され、素朴にアクションを堪能できちゃうのです。と言う訳で、「♪スイカの名産地~」とか歌いながら、楽しんで観ましょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-12 08:39:57)

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