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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1880
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  キル・ユア・ダーリン 《ネタバレ》 自分の好きなものを葬り去れ!これまでの退屈な詩や小説なんか全て切り裂いてしまえ!その向こうにこそ新たな文学の地平が拓けるんだ――。1943年、偉大な詩人を父に持つ若き学生アラン・ギンズバーグは、旧時代の体制や芸術などに反抗的な目を向ける青年ルシアンと出合う。彼を取り巻く芸術家や作家志望の若者たちと、酒やドラッグに溺れる刹那的な日々へと身を投じるアラン。いつしか同性愛にも似た友情を育んでゆく2人だったが、ある日、突発的な悲劇が訪れるのだった……。実話を基に、戦後アメリカ文学の一翼を担うことになる作家たちの若かりし日の破滅的な友情と挫折をドラマティックに描いた青春群像劇。僕が今もっとも注目している若手俳優ディン・デハーン君と、大ヒット作であるハリポタシリーズも終わってただいまちょっぴり迷走気味(?)のラドクリフ君が競演ということで、今回鑑賞してみました。なんですが、いやー、つまんなかったですね~、これ。とにかく何がやりたいのかさっっっぱり分からない登場人物たちが繰り広げる、何が言いたいのかさっっっぱり分からないストーリーに終始睡魔が……。特に、図書館に忍び込むシーンの意味不明っぷりにはびっくりです。挙句、最後に表示される「彼らはこの後、こんなにも大活躍したのだよ」と言わんばかりのテロップを読んで僕は「知らんがな!!」と思わず叫びそうになっちゃいました(笑)。この作品に携わった全てのスタッフたちに一言忠告して差し上げたい、「既存の映画という枠組みを葬り去ってやる!と意気込むのもいいけど、その前にもっと映画作りの基本もちゃんと勉強してください!!」。野獣のように鋭い目つきのデハーン君の相変わらずの格好良さに免じて+1点![DVD(字幕)] 4点(2024-05-18 15:17:33)(良:1票) ★《更新》★

2.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 「ねえ、ママ、どうして生理のこと教えてくれなかったの?あたし、みんなに笑われたんだよ。それとママがいくら反対したって、あたし、絶対にプロムに行くわ。たとえ、どんな目に遭おうとも」――。狂信的なまでに保守的で厳格な母親に大事に大事に育てられた大人しい少女キャリー。クラスメイトとうまく打ち解けることが出来ない彼女は、周りからの理不尽なイジメにずっと耐える苦しい生活を強いられていた。だが、まだ誰も知らない。キャリーには人智を越えた恐ろしい力が備わっていたことを。プロムの夜、いじめっ子が軽い気持ちでやった些細ないたずらがキャリーを追い詰める。それが恐ろしい惨劇を招くことも知らずに……。スティーブン・キングのデビュー作をブライアン・デ・パルマが映画化した名作の誉れ高い作品を、人気若手女優クロエ・グレース・モレッツ主演で現代風にリメイクした青春モダンホラー。デパルマ版の過去作はずっと昔に観たという記憶はあるのだけど、僕の好みにいまいち嵌らなかったのか、その内容はほとんど憶えていない状態でこの度鑑賞。うーん、観終わってすぐの率直な感想を言わせてもらえば、「ザ・無難」という言葉に尽きると思います。ストーリーの盛り上げ方も、映像の見せ方もキャラクターの描き方も全てが予想の範囲内の及第点クラスなんですよね。だから、クライマックスのキャリーの暴走もカタルシスがあってけっこう見応えあるし青春ドラマとしてもなかなかセンスを感じるし決してつまらなくはないんだけど、こうもう一つ何かが足りないという印象。あのジュリアン・ムーア演じるお母さんがもっとぶっ壊れてて一度見たら忘れられないくらい強烈なキャラクターだったりだとか、クライマックスの惨劇ももっとやり過ぎなくらい血みどろグチャグチャにしちゃうとか、そんなデパルマ版を少しでも追い越そうというようなエッジの利いた演出があればもっと良かったと思うんですけどね。クロエちゃんも頑張っていましたが、彼女はもっと元気もりもりキャラを演じたほうがその魅力を発揮できると思います。という訳で、まあぼちぼち面白かったかなって感じですね。うん、6点![DVD(字幕)] 6点(2024-05-18 15:12:21)★《更新》★

3.  エンダーのゲーム 《ネタバレ》 「姉さんへ。僕はこれから敵の母星に程近い訓練基地に向かいます。そこで最終試験を受け、合格すれば、僕は侵攻艦隊を任されることになります。本当は嫌だけど、戦争は避けられないでしょう。姉さんの無事を祈っています。エンダーより」――。凶悪な異星生命体“フォーミック”の突然の襲撃により、滅亡の危機へと陥ってしまった未来の地球。人類は偉大な英雄の犠牲により、辛うじて敵を追い返すことに成功するのだった。だが、戦力を回復した敵の再襲撃が近いことは明白だった。人類は世界中から天才児を集め幼いころから英才教育を施し、彼らにすべての希望を託したのだった。その中の一人である聡明な少年エンダーは、訓練施設内で様々な葛藤を抱えながらも仲間たちと共に少しずつ成長してゆく。人類の未来を守るために……。数々の権威ある賞に輝くベストセラー小説を、ハリソン・フォード&ベン・キングスレー主演で映画化したごりごりのSF作品。徹底的に拘りぬいて創られたであろう、その美麗な映像は確かに見応えありました。冒頭の訓練施設内での、『フルメタルジャケット』のハートマン軍曹へのオマージュとも言える描写が象徴するように、SFの枠を借りながらも戦争がもたらす人間性の破壊とそれでも戦争を続けざるを得ない人間の宿命を寓意的に描き出す、その視線の鋭さには感服するものがあります。そして、この全編に横溢する半端じゃない緊張感にも圧倒されました。ただ…、あくまで個人的な好みなのだけど、僕はこういう登場人物誰一人として最後まで心の底から笑わず、ずっと眉間に皺を寄せて、延々とクソ真面目に任務を遂行するような超クソ真面目な作品って個人的に苦手なんですよね~。この子供たちっておならとかしないんですかね(笑)。それに、終盤辺りまで一向に敵と開戦しないものだから「あんたら何時まで訓練しとんねん!」と突っ込みそうになったら、最後に「実は…」という展開を見せるところも僕は「はぁ、マジで(怒)」って感じでした。そこのところを許容できるかどうかが、今作の評価の分かれ目でしょうね。でもまあ、通好みのハードSF作品として、「スタートレック」や「エヴァ」シリーズが好きな人は充分楽しめると思います。主人公エンダーを演じた少年の目力も凄かったですし。[DVD(字幕)] 6点(2024-05-18 14:50:18)★《更新》★

4.  ムード・インディゴ うたかたの日々 《ネタバレ》 フランス、パリ。蓄えられた豊富な財産で悠々自適な生活を送るコランの家には、不思議なものが溢れかえっていた。蛇口を捻ればは水の変わりにうなぎが飛び出し、呼び鈴を鳴らせばベルから足が生えて部屋中を這い回り、小さなネズミ人間がそこらじゅうを闊歩する……。でも、それはちっとも不思議なことじゃない。何故ならパリ全体がそんな摩訶不思議な現象で溢れているのだから――。ある日、そんなコランは友人のパーティーで出会った美しい女性クロエと瞬く間に恋に落ちるのだった。様々な困難を乗り越えてやがて結ばれる2人。だが、クロエの肺に睡蓮の種が迷い込んだことからそんな幸せいっぱいの彼らの生活に暗い影が忍び込む……。マジカルでポップ、独創的でシュール、そんな唯一無二の摩訶不思議な映像で描き出される、ストーリー自体はいたってシンプルなラブストーリー。僕のこよなく愛する『エターナル・サンシャイン』を撮ったミシェル・ゴンドリー監督が新たに挑んだのは、いかにも彼らしい冒険心に満ちた前衛的作品でありました。うーん、この監督の作品って観れば観るほどやっぱり「エターナル~」は奇跡の一品だったんじゃないかと思っていたのですが、本作を鑑賞して残念ながら僕の疑念は確信へと変わっちゃいました。何が駄目かって、この全編を彩るまるで監督が自分のセンスをひけらかすような映像の数々に必然性が一切感じられないこと。たとえば「エターナル~」では、そのシュールな世界観は脳内記憶消去というプロセスの中で主人公が見る観念的世界を映像化したという大前提があったからこそ素晴らしい作品となりえていたのです。ところが本作、その基本となる前提が成立していないから一向に作品世界に入り込めません。それに監督の独り善がりとも思える、意味不明な映像も多数あって僕はちょっぴりイライラさせられちゃいました。例えるならアリスの出てこない不思議の国の物語を延々と見せられただけ。観客が感情移入できる登場人物が一人も出てこない、なんとも締まりの悪い作品でありました。ミシェル・ゴンドリー監督、前衛的な作風へとアグレッシブに挑戦するのもいいけれど、今度はちゃんと中身のある充実した作品も撮ってもらいたいものです。あなたはかつて、『エターナル・サンシャイン』という傑作を創った人なのだから。[DVD(字幕)] 4点(2024-05-18 14:35:10)★《更新》★

5.  Smile スマイル(2022) 《ネタバレ》 都会の総合病院で精神的に不安定な患者のカウンセリングを担当する精神科医ローズ。ある日、彼女は救急で搬送されてきた若い女子大生ローラを診察することに。数日前、目の前で大学教授が自殺する姿を目撃してしまって以来、ローラはずっと不安定で病院へと運び込まれてきた時にはもはや錯乱状態だった。なんとか落ち着かせようと必死に言葉をかけるローズ。だが、ローラはそんな彼女の言葉もむなしく、目の前で自ら首を切って自殺してしまうのだった。しかも何故かその顔には満面の笑みがたたえられていた――。上司から強制的に一週間の休暇を言い渡されたローズ。同棲中の彼氏にも励まされなんとか元の生活を取り戻そうとするのだったが、そんな彼女に不穏な事態が襲い掛かってくる。飼っていた猫が居なくなったり、家の中に得体のしれない気配を感じたり。追い打ちをかけるように、ある患者がローズに暴言を吐きながら襲い掛かってくるのだった。そしてその顔にもまた満面の笑みがたたえられていた……。笑顔をテーマに、ある精神科医が体験する恐怖の一週間を濃密に描いたモダン・ホラー。まあ頑張ってるのは分かるんですが、圧倒的にセンスが不足しているせいでなんとも古臭い印象が否めないホラー映画でしたね、これ。全編通じて怖がらせ演出がとにかく古臭い!なんだか90年代に大量生産されたB級ホラーの総集編を観ているようでした。特に残念ポイントだったのは、こーゆー陰鬱な映画にはどこか息抜きとなる明るいキャラが一人は必要なのに、そんな魅力的なキャラが一人もいないところ。主人公も暗くて陰々滅々としているうえに情緒が不安定過ぎてまったく感情移入出来ません。主人公、まずあんたがカウンセリング受けろよ(笑)。あと、えらいこっちゃな出来事が起きたのに次の瞬間、これは霊が見せた幻覚でしたという反則ギリギリの演出が多発されるのも自分は少しイライラしちゃいました。唯一新しい点は、加害者がみな人を襲うときに張り付いたような満面の笑みを浮かべているところかな。ここはなかなか気持ちが悪くて大変グッド。ずっと笑顔でこちらを見つめてくる奴ってやぱ怖い。でも残念ながら、そんな魅力的な設定もいまいち上手く使いこなせていません。ここらへん、監督のセンスのあるなしが明確に浮き彫りになりますね。とは言え、ベタな設定ながらも基本に忠実に作られているせいで最後までそこそこ観ていられる出来にはなってました。人に憑りついた悪霊?が彼らを自殺させながら連鎖してゆくという設定はやはり不気味で怖い。途中までそんな呪いの存在を明らかにさせなかった演出もけっこう効いている。きっとこの監督はホラー映画が大好きなんだろうね。とにかく観客に怖がってもらおうというのは分かるだけに、なんとも惜しい印象でした。でも、これが長編デビュー作だということでそこら辺は次作で改善されるかも?期待を込めて、甘めに6点![インターネット(字幕)] 6点(2024-05-18 10:48:51)★《新規》★

6.  終わらない週末 《ネタバレ》 最近すっかり倦怠期に陥っているとある夫婦とその子供たち。少しでも気分転換を図ろうと彼らはこの週末、リゾート地の豪華な別荘に予約を入れるのだった。チェックインしたその別荘は大きなプールや広い寝室が備えられ、子供たちのテンションも自然に上がっていく。早速水着に着替え、近くの浜辺に海水浴へと出かける家族たち――。だが、彼らはすぐ異変に気づく。謎のサイバー攻撃により街は大規模な停電に見舞われ、ネットやテレビも全て遮断されてしまったのだ。さらには航行不能に陥った巨大タンカーが浜辺へと打ち寄せてきて、現場は大混乱に。すぐさま別荘へと逃げ帰ってきた家族にさらなる不穏な訪問者が。この別荘のオーナだという怪しい親子が、一晩この家に泊めてほしいとやって来たのだ。はたして何が起こっているのか?この訪問者は本当に別荘のオーナーなのか?そして、家族は無事に週明けを迎えることが出来るのか?まったく期待せずに観たらこれがめちゃ面白かったんですけど!何がいいかって、とにかくこの全体を覆ういや~~~~~な空気。ずっと気持ちが落ち着かないカメラワークに不穏な音楽、なにより登場人物全員が人を嫌な気持ちにさせる要素をちょっとずつ持ってるところ!常にヒステリックで情緒不安定なお母さんにそんな妻に嫌気を差しつつも無気力に引き摺られちゃうお父さん、隣のエロいおねーちゃんの水着を携帯見るふりして盗撮しちゃうお兄ちゃん、ドラマ『フレンズ』の最終回を観ることだけが生きがいの妹……。別に普通の家族なのになんでここまで人を不快にさせるんでしょうか。途中から登場する、この民泊のオーナーの黒人親子もヤバい。物腰は丁寧なのに絶対人を見下してるだろってことが丸わかりの父親、常に人を小馬鹿にするような皮肉ばかりのたまう娘。この映画、とにかく人を不快にさせる作りが抜群に巧い。監督、絶対性格悪いだろ(笑)。そんなどっかで勝手にやってくれと言わんばかりの家族に徐々に世界の終末が迫ってくるわけだけど、これも絶妙に不安感を煽るもので大変グッド。特にピンクのビラを大量に撒くドローンや急に歯がボロボロと抜けちゃうお兄ちゃんが強烈。父親が途中で出会う、スペイン語しか話せないおばちゃんが自分はすんごく嫌でした。困っているのは分かるけけど、ちょっと落ち着いてくれよっていう。思わず置き去りにしちゃったイーサン・ホークの気持ちも分かる(笑)。何気に自分の保身のために家に閉じこもってたケヴィン・ベーコン(懐かしい!)が一番まともに見えるという。そして、ここまで大風呂敷を拡げといてどーオチつけるのかと思ったら、まさかのラスト!いやー、妹ちゃん良かったね、願いが叶って(友情ってサイコーとか言ってられへんくらい世界はむちゃくちゃですけど…笑)。ここまで人を不快にさせる作品ってある意味凄い。なんだかアリ・アスターをも髣髴させるこの監督の才能は、これから要注目だわ。[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-18 09:44:07)★《更新》★

7.  REBEL MOON パート2 傷跡を刻む者 《ネタバレ》 宇宙の隅々まで支配する強大な銀河帝国マザーワールドに狙われ、存続の危機に立たされた辺境のとある小さな村。かつて帝国の忠実な兵士として戦った女剣士コラは、村のためにともに戦ってくれる英雄たちを求めて銀河へと旅立つのだった――。獰猛なグリフィンを手懐けたら解放するという約束を見事果たした奴隷戦士。子供をさらう異形の蜘蛛女と戦っているところをスカウトされた二刀流の女剣士。帝国軍から酷い裏切りを受けいまや酒浸りの荒んだ生活を送っていた元将軍。残虐非道な帝国軍といつ果てるともしれないゲリラ戦を続けているレジスタンスの一兵士。帝国軍に忠実に従うようプログラミングされたにも関わらずいつしか自我に目覚めてしまったアンドロイド。そして、コラとともに苦難の旅を続けてきた平凡な村人である若者……。強大な帝国軍を率いる冷酷無比なノーブル提督を一度は撃破した彼らだったが、クローン技術により復活した提督の魔の手が再び村へと忍び寄る。それまで平穏な暮らしを送っていた村人たちを訓練し、完全武装した帝国軍を迎え撃つ準備を着々と続けてゆくそんな7人の戦士たち。果たして彼らと村の運命は?ザック・スナイダー監督が贈る、『七人の侍』からインスパイアされたという壮大なスペースオペラ完結編。前作同様、独自の世界観を圧倒的な映像技術で表現したアクションシーンはやはり凄かった。何もない丘に一から造ったという村を舞台に繰り広げられる7人の戦士たちの闘いは凄まじい臨場感。ただ……、さすがに荒唐無稽が過ぎる!空中を浮遊する超ハイテク移動マシンを持ってるのに村人たち、稲刈りは人力で鍬ですんのかい。まず稲刈り機を購入しようよ(笑)。対する帝国軍もあんな強大な宇宙艦船を幾つも有していながら、こんなちっぽけな村の些末な穀物に拘るってなんでやねん。まぁ今回から帝国軍のお尋ね者であったコラを捕らえるという真の目的が出来てましたけど、はじめは穀物目当てだったよね。また、今回の見どころである7人の戦士たちのバトルもちょっと消化不良。それぞれの個性を活かした闘いが誰も彼も独自にやっていて、一つの目的のために戦ってるという一体感がいまいち感じられなかった。特にこれまでひたすら謎めいた存在であったアンドロイドのジミーがいまいち活躍しなかったのが残念。ここまで謎キャラで引っ張といて、いざ自らの意思で帝国軍に反旗を翻したのに結局、戦車一台壊しただけであっさり退場ってさすがに拍子抜けでした。もっと無茶苦茶に無双してほしかったぞ。まだ続くんかい!というオチもなんか蛇足感が強くて、もーええわってなっちゃいました。世界観は凄く好みだったし、映像も迫力満点で見応えあったけど、そー言った不満点も多くてなんか惜しい感じ。うーん、前作の方が面白かったかな。[インターネット(字幕)] 6点(2024-05-15 09:33:05)
《更新》


8.  ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語 《ネタバレ》 児童文学で有名なロアルド・ダールの短編小説を、独自の世界観で一部で熱狂的なファンを持つウェス・アンダーソン監督が映画化。ロアルド・ダールの小説は一遍も読んだことはないのですが、『チャーリーとチョコレート工場』や『魔女がいっぱい』など映画化された作品はどれも皮肉と毒が効いてて個人的には好きなんです。でも、監督であるウェス・アンダーソンは昔から合わない監督の1人。なんだかこの人の自分のセンスをやたらとひけらかすような作風が僕、個人的に嫌いなんです。で、好きな原作者と嫌いな監督のコラボレーションである本作、いったいどちらが勝つんだろうと今回鑑賞してみました。結果は……、嫌いが勝ちました(笑)。しかもかなり大勝。パステルカラーで撮られたいかにも「どうだい、俺ってセンスあるだろ」と言わんばかりのメルヘン世界観も好きになれないし、登場人物がカメラ目線でやたら早口で捲し立てるのも何言ってるか分かんないし、なんか説教されてるみたいで癪に障る。自分は終始イライラしながら観てました。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。ちなみに姉妹編である他3作(『白鳥』『ネズミ捕りの男』『毒』)も鑑賞済みで、この感想は4作纏めてのものです。[インターネット(字幕)] 4点(2024-05-11 08:59:08)

9.  オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 《ネタバレ》 「僕の名前はオッド・トーマス。何処にでも居る、いたって普通のフリーターだ。セレブでもないし、その子供や恋人ってわけでもない。でもここだけの話、僕の生活はほんの少し変わっているんだ」――。死者の霊が見えるという特殊能力を持った青年“オッド(奇妙な)・トーマス”。持ち前の正義感から、彼はそんな能力を活かして日々未解決殺人事件を解決へと導いたり、悪しき霊の仕業と思しき現象を封じ込めたりと人知れず世のため人のため尽力している。幼馴染みの超可愛い彼女ストーミーともラブラブ、とっても充実した毎日を過ごしていた。だがある日、彼は血の匂いに惹き寄せられる死神ボダッハが大量発生したことを知るのだった。きっとこれは大変なことが起ころうとしているに違いない!その日からオッドとストーミーは、死神たちが引き起こす恐ろしい大量殺人計画へと巻き込まれてゆく……。これまで肩の凝らない良質のエンタメ映画をいくつも撮ってきたスティーブン・ソマーズ監督が新たに挑んだのは、そんなシンプルなストーリーの青春ホラーアクションでした。冒頭から、この監督らしい小気味の良いスピーディーな展開と軽快でノリのいい音楽、死神や霊たちの適度なグロ描写、そして主人公オッドの青臭~いモノローグでぐいぐい引っ張る二転三転するストーリー等々なかなか面白かったですね、これ。まあ、ベタっちゃあベタですけど、この手の中2病的青春映画には珍しく主人公が初めから妄想力爆発なぐらい超リア充なとこはけっこう新鮮だったかも。特に、オッドの彼女ストーミーを演じた女の子が滅茶苦茶可愛いくてしかも性格もスタイルも抜群(そのホットパンツから覗くすらりと伸びた両脚なんてもう100点!!)で、そんな彼女とますますリア充爆発しちゃうクライマックスなんか観ていてちょっぴり(かなり?笑)腹立つくらいだったのだけど、最後の意表を突くラストシーンには完全にやられちゃいました。まさか、こうくるとは……。うーん、切ない!!というわけで、ちゃんとツボを押さえた楽しいアクション映画でありながら、最後は意外にも切ない余韻を残してくれる良質のエンタメ作品であったと思います。うん、7点![DVD(字幕)] 7点(2024-05-10 13:43:47)

10.  REBEL MOON パート1 炎の子 《ネタバレ》 ここは、強大な皇帝が宇宙の隅々まで支配する銀河帝国マザーワールド。だが、そんな帝国に不穏な空気が立ち込め始める。絶大な権力を有していた王家が軍の謀叛により皆殺しにされてしまったのだ。そんな混乱の隙をついてレジスタンスが各地で反乱を起こし、帝国は新たなる戦乱の時代に突入しつつあった――。辺境の小さな星で日々農業を営み、貧しいながらも平穏な暮らしを送っていたある村にも暗い影が忍び寄る。帝国の巨大な艦船が幾多の護衛艦を引き連れ、村の上空に現れたのだ。屈強な兵士を何人も従え村へと訪れたノーブル提督は、村長に村の穀物を帝国のために引き渡せという無茶な要求をしてくるのだった。「そんな、食料がなくなったら我々は餓死してしまう」。決死の思いでそう訴える村長を無情にも殺した提督は、10週間後までに村に備蓄してある食料の3倍の量を用意しておけと言い残し去ってゆく。一部始終を目撃した村の若い女性コラ。過去を捨て静かに暮らしていた彼女は、村を救うため広大な銀河へと旅立つ決意をするのだった。自分たちと一緒に戦ってくれる勇敢な英雄たちを求めて……。独創的な映像と唯一無二の世界観でハリウッドのエンタメ映画界を牽引するザック・スナイダー監督の最新作は、黒澤明の名作『七人の侍』からインスパイアされたというスペースオペラ大作でした。リアリティなんてはなから度外視、とにかく拘りに拘りぬいた映像を撮らせたら右に並ぶものがないこの監督の大ファンである自分としてはけっこう期待して今回鑑賞。いやー、これがもうまんま七人の侍で思わず笑っちゃったわ。貧しい村を救うために七人の戦士を求め主人公たちが馬を駆って旅をするシーンなんてそのまんまやし。でも、設定をSFに変えるだけでここまで変わるのかというくらい印象がからりと変わっちゃうのはやぱ面白かったですね。2部作ということで今回は7人の戦士たちを集めるために旅するというのがメインのお話になるのだけど、出会う戦士たちがどいつもこいつも中2病感溢れる個性が炸裂してて大変グッド。グリフィン使いの奴隷戦士や二刀流のクールな女剣士、今や酒浸りの元帝国軍将軍なんてめっちゃくちゃベタなメンバーだけど、やぱ彼らが徐々に集うシーンはテンション上がっちゃいますわ。対する悪役の帝国軍も負けず劣らずキャラ立ちしているのも良いですね~~。特におかっぱ頭で触手好き?なノーブル提督の気持ち悪さはもう振り切ってて素晴らしい!ここら辺、おたくでならしたザック・スナイダーの面目躍如って感じですね。クライマックス、宇宙船を舞台にした彼らのバトルは相変わらずのド迫力で素直にハラハラドキドキ。いやー、面白かった。村を守るためにいよいよ故郷の星へと帰ってきた七人の戦士たちの戦いは、完結編である次作に持ち越し。うん、楽しみにしとこ♪[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-10 08:15:37)

11.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 《ネタバレ》 毎度おなじみ不可能ミッション請負人のイーサン・ハントが世界狭しと大活躍する人気シリーズも今回でなんと7作目!いやー、まさかこんなに長寿シリーズになるとは思わなんだですな。ブライアン・デ・パルマが監督を務めた一作目からリアルタイムで観てきた自分としてはなかなか感慨深いものを感じながら今回鑑賞。相変わらず湯水のようにお金を掛けた&トム・クルーズのもはやドMなんじゃないかとも思える身体を張ったアクションは今回も凄かった!特にクライマックスの列車のシーンはベタだけど素直にハラハラドキドキ!なんであんたら、わざわざ列車の上に出て戦うねん(笑)。まぁ相変わらずストーリー自体はよー分かりませんでしたけど。取り敢えず鍵が2本あってそれを敵の手に渡すと世界が大変なことになりまんねんってことだったのかな?そこら辺がよー分からんうえに、さらには敵さんもいまいちキャラ立ちしてないとこがなんだか残念ポイントでした。パート1ということでそこら辺は2作目で明らかになるっぽい?でも、かなり強引なストーリー展開が良くも悪くも売りだった本シリーズで2部作にしたのは失敗だったような気がしなくもない。単純にこれ1本ですっきり終わってほしかったぞー!とはいえ単純にアクションシーンはどれも大迫力だったし、還暦近いのにトム・クルーズは相変わらずカッコ良かったし、エンタメ映画としては充分面白かった!続編も楽しみにしとこ♪[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-01 09:18:54)

12.  ザ・キラー 《ネタバレ》 闇社会に生きる凄腕の殺し屋。自らが決めたプロフェッショナルな哲学に忠実に従い常に完璧な仕事をこなしてきた彼だったが、パリでの任務遂行中に致命的なミスを犯してしまう。警察の目を逃れ飛行機へと乗り込み、何とかアジトがあるドミニカ共和国まで戻ってきた彼。だが、そこで待っていたのは組織によって半殺しの目に遭わされた愛する恋人の痛々しい姿だった。「彼女をこんな酷い目に遭わせた奴らを俺は絶対許さない」――。固くそう誓った彼は、単身アメリカへと渡ることに。自らのエージェントを皮切りに、恋人に酷い拷問を行った二人組、そしてクライアントである実業家らを追い詰めてゆく。果たして彼の復讐の旅路は成功するのか?サスペンス映画界を代表するベテラン、デビッド・フィンチャー監督の最新作は、そんな孤独な殺し屋の復讐劇をスタイリッシュに描いたクライム・サスペンスだ。彼がこれまでのキャリアで培ってきたテクニックを思う存分駆使して創られたであろう本作、これが小技の効いた演出の力が光る佳品に仕上がっておりました。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく2時間、このサスペンスフルな展開を楽しんでくれと言わんばかりの潔いまでの中身のなさはもはや清々しい。マイケル・ファスベンダー演じる主人公がひたすら語りまくるストイックなナレーションがあまりにナルシスチックでちょっと笑けてきちゃうのがポイント。ともすれば単調になりがちなこのお話に良いアクセントを与えてました。肝心のサスペンスシーンももはや匠の技と言っていいフィンチャー監督のテクニックが随所に冴えていて、冒頭からとにかくノンストップでハラハラドキドキ。アメリカでごみ清掃員を装いながらエージェントを襲うシーン、自動ロックが掛かるドアの閉まるまでの秒数を数えながらぎりぎりで足を挟むとことか単純にかっこいいし。人質にした秘書が「お願い、事故死に見せかけて。そしたら子供たちに保険金が下りるから」という訴えをちゃんと聞いちゃうなんて、なんと心憎い男なんだ!実行犯の一人である黒人の殺し屋を襲うシーンもけっこう反撃を喰らってる上に犬にだいぶ手こずってるとこも、なんかお茶目で好き。まぁさすがにストーリーが空気過ぎて、後半から若干ダレてしまった感があるのが玉に瑕でしたけど(特にティルダ・スウィントンの謎の熊のお話を延々とするディナーシーン!)。90分くらいで終わってくれたらもっと完成度の高い傑作になったかもしれないのにね。とはいえトレント・レズナーの不穏な音楽も作品世界に最高にマッチしてたし、フィンチャー監督の円熟の技が光るサスペンス映画の佳品でありました。7点![インターネット(字幕)] 7点(2024-05-01 08:52:58)

13.  バービー(2023) 《ネタバレ》 全世界で根強い人気を誇る老舗玩具バービー人形。もし彼女らが意識を持ち、彼女たちだけが暮らす夢のような世界があったら?本作は、そんな特異なアイデアを独創的な映像で描いた異世界ファンタジー。監督は、僕とはあまり相性の良くないグレタ・ガーウィグ。この人の映画を観るのはこれで三作目なのだけど、やっぱり今回も見事に嵌まりませんでした。この人のあからさまなフェミニズム思想ってなんかすんごく偏ってません?自分は男ですが、この社会に当然のようにはびこる男たちの傲慢さに昔から違和感を覚えていたタイプ。「男は社会に出て積極的にバリバリ働き、女は家庭を守り子供を育てる。それこそが人類共通の真の幸せな姿だ」なんて平気で信じ込んでる男たちに心底うんざりしてきました。そんな「女は頑張った自分へのご褒美だ」と本気で考えてるような男には絶対にならないでおこうと決めた僕でも、本作の根底に貫かれる極端なフェミニズム思想にはかなり拒絶反応が……。この映画のテーマって結局、「今まで男が女を支配してきたからこれからは女が男を支配してやりましょう、それができなければもう女たちだけで生きていこうよ」ってことですよね?それってどーなんですか。なんかすごい違和感を感じたのは僕だけなのかな。この社会の分断を招き男女間の対立をいたずらに煽っているだけのような。まぁそんな極端な考えに走るほど、女性がこれまで不当に虐げられてきたというのも分かるんですけどね。とはいえそーゆーのを抜きにしても、単純にファンタジー映画としてどうなんと思える部分も残念に感じました。バービーランドと人間社会の関係がかなり曖昧過ぎて物語の世界に全く入り込めなかったんですけど。どうしてバービーランドが出来たのか?この世界が最初にあってマテル社がその模倣としてバービー人形を作ったのか?あるいはその逆なのか?現実社会の持ち主の暗い思いがこの世界に悪影響を及ぼすならとっくにこのバービーランドは崩壊しているのではないか?そこら辺の設定の詰めが甘く、自分はもはや物語として破綻しているようにすら感じてしまいました。「マーゴット・ロビーが言っても説得力がない」なんて楽屋オチみたいなネタを突然出してきたときなんて完全にすべってたし。そんなわけで、自分はこの監督の感性&思想とはまったく合わないことを再確認してしまいました。マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングの豪華共演と、ピンクを基調とした映像の創り込みがさすがに半端なかったので、+1点!![DVD(字幕)] 5点(2024-05-01 08:20:06)

14.  ブラックアダム 《ネタバレ》 こーゆーヒーローごった煮映画ってマーベルで懲りたはずなのに、監督がわりかし好きなジャウマ・コレット=セラだったので今回鑑賞。やっぱりヒーローがごった煮で、なんか牛肉と豚肉と鶏肉しか入ってない水炊きを延々食べさせられた気分。白菜やえのきやマロニーみたいな心温まるエピソードやハラハラドキドキするサスペンスフルな展開も入れてほしいよー!まぁ映像はけっこうスタイリッシュで見応えあったんですけどねー。[DVD(字幕)] 5点(2024-04-21 18:32:45)

15.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 これを唯一無二の独創的なユーモアセンスだととるか、単なる悪趣味な悪ふざけだと捉えるかで大きく評価が分かれる作品。自分?完全に後者です。[DVD(字幕)] 3点(2024-04-20 09:47:37)

16.  すずめの戸締まり 《ネタバレ》 人々から忘れられ廃墟となった場所にはいつしかこの世とは違う世界へと通じる扉が開くという。災いをもたらす異形の存在ミミズがその扉から現れることによって、その地は地震に見舞われるのだ。古くから日本中を旅してそんな災いをもたらす扉を閉じる作業を人知れず続けているのは、閉じ師と呼ばれる一族。ある日、そんな閉じ師の末裔である草太と知り合った平凡な女子高生すずめは、災いを封じるための要石が猫に姿を変え日本列島を北上し始めたことを知るのだった。「このままでは未曽有の大災害が日本を襲い、また多くの人たちが死んでしまう」――。要石によって小さな椅子に変えられてしまった草太とともに、そんな猫を追って旅することになったすずめは、各地で様々な人々に出会い助けられながら北を目指して旅を続けててゆく……。日本映画界を牽引する稀代のヒットメイカー、新海誠の最新作は災害列島日本という国で人知れず人々を救ってきた閉じ師と平凡な女子高生の物語をファンタジックに描いたロードムービーでした。正直この人の映画ってイマイチ好きになれなくて(特に前作『天気の子』は酷かった!)、本作も別に観る気はなかったのだけど、今回地上波でノーカット放送されるということで鑑賞。そんな期待値ゼロで観始めたのが良かったのか、感想は「あれ、意外と悪くないじゃん」でした。いやむしろけっこう好きかも!冒頭からノンストップで描かれるすずめの旅はかなりテンポが良くて、ストーリーの強引さも気にならないくらい惹き込まれて観ている自分がいました。映像が美しいのはもはや言わずもがな、それより椅子に変えられた草太と要石猫との追いかけっこがアニメならではの躍動感に満ちていて率直に楽しい。いけ好かないキャラだった草太が、ちゃちな椅子に変えられてしまったことで逆に魅力的にさせてるとこなんてなかなかいいセンスしてるやん!今回は東日本大震災をテーマにしていることで、新海作品特有の童貞男子が夢見そうな青臭い妄想臭が幾分か抑えられていたことも大変グッド。椅子にチューしちゃう主人公をどーしても入れたかったのだろう監督の意地はご愛敬だけど(笑)。旅先で出会う人々がみんな良い人過ぎるのもどーかと思ったけど、後半叔母の心のどす黒い声が溢れ出してしまうシーンでちゃんと暗い現実も描いていて上手くバランスをとっていたと思う。311をエンタメとして扱うことにネットなどで賛否が分かれているのは知っています。確かにちょっと軽く描き過ぎとは思うけれど、自分は普通に受け入れられました。何故なら本作の根底には、震災のみならずすべての災害で亡くなった人々への祈りと鎮魂の物語があると思えたから。これまでの自らの世界観を踏襲しつつも新たな地平を築いた新海誠監督の秀作だと自分は思う。[地上波(邦画)] 7点(2024-04-12 14:38:15)

17.  月の満ち欠け 《ネタバレ》 生まれ変わりをテーマに、愛する人を求めて時を越えて生き続けるある男女を描いたラブストーリー。直木賞を受賞した原作は既読済み。原作を読み終わった自分の率直な感想は、「これって男の気持ち悪~い妄想をなんとも気持ち悪~~く描いた、いい意味で気持ちの悪~~~い小説だな」というものでした。ホント気持ち悪い読後感に包まれながら、でもこの気持ち悪さ、けっこう好きかもなんて思ったり。そう感じたのは自分だけなのかなと後日直木賞の選評を読んでみたら、選考委員の東野圭吾さんが「読みながら自分はずっと気味の悪い話としか思えなかったのだが、作者自身も恐らく気味の悪い小説を書こうとしてこうなったのだから、本作は成功しているのだろう」という趣旨のことを書いておられていたく共感した思い出が。で、そんな気持ちの悪い小説を映画化したという本作。これが原作通りの、男の気持ち悪~い妄想を気持ち悪~~く映像化したいい意味で気持ちの悪~~~い映画でありました。男なら、恋愛絶頂期に誰もが彼女や嫁に言われたことがあるだろうこんなセリフ、「生まれ変わってもまたあなたを探して一緒になるわ」「もし私が死んでもいつまでも私のこと忘れないでね」「あなたとのこの恋は運命だったのかも」。何気なく言っただろう女性のそんな言葉を、男はいつまでもずっと憶えていたりする哀しい生き物。女性からすれば「アホちゃう?冷静に考えたらもっとええ男探すわ」と失笑されそうな、そんな男のナルシズムを前面に押し出した物語はイタさ爆発だけど、ここまで徹底的にやられちゃうともはや究極の純愛に思えてしまう。複雑な時間軸や多岐にわたる人間関係、生まれ変わりという難しいテーマを数々の技巧を駆使してここまで破綻なく描いた情熱は特筆に値します。ただ、この監督、本気でこれを美談だと思って映像化してるんじゃないの?と思えるようなクサいシーンが多すぎて自分はちょっと冷めてしまったのが残念。あと、主役を演じた大泉洋が軽すぎてミスキャストのようにも思う。ここらへんは純粋に好みの問題だけど、まぁ良かったんじゃないでしょうか。以下ネタバレ。最後に再会を果たした明と瑠璃。一見、相思相愛の2人がようやく出会えたハッピーエンドのようだけど、現実は40越えたおっさんと9歳の女の子……。いや、これって完全なる犯罪だよね…(笑)。そこをあくまで幸せな結末のように描いた原作の気持ち悪さは最後まで徹底してました。興味ある方はぜひ御一読を。[DVD(邦画)] 6点(2024-04-12 07:58:04)

18.  フローズン・グラウンド 《ネタバレ》 「奴は、羊を狙う狼のように次の娘に迫っている。そして犯し、必ず殺す。娘たちには一刻の猶予もない。だから、部長、捜査令状をくれ、今すぐに」――。1983年、アラスカ州。何人もの娼婦が誘拐され残虐な方法で殺されて死体となって発見されるという猟奇殺人事件が多発していた。そんな中、監禁されていた17歳の少女シンディが自力で脱出し警察署に保護される。彼女の証言を元に、すぐに容疑者としてハンセンという男が浮かび上がるのだが、有力な証拠は見つからなかった。そんな困難な事件を担当することになった、正義感の強いハルコム刑事。捜査を進めていくうちにハンセンが犯人であるという確信を得ていく彼だったが、まるで蛇のように狡猾な犯人はするりするりとそんな捜査の手を潜り抜けてゆく。やがて、とうとうシンディの元にも再び犯人の魔の手が迫るのだった…。実際にあった事件を基に、刑事と猟奇殺人犯、そして社会から疎外され孤独に生きてきた娼婦の決死の攻防をスリリングに描いたサイコ・サスペンス。最近、あまりにもトホホな作品への出演が相次いでいるニコラス・ケイジ&ジョン・キューザックという二大トホホ俳優が競演といういうことで、あまり期待せずに観たのだけど、結果はやっぱり「トホホ…」でしたね、これ。実話を基にしたから仕方ないのかもしれませんが、とにかくストーリーが分かりづらい!容疑者であるハンセンが普段何をしている人で家族関係がどうで心にどんな闇を抱えているのかさっぱり分からないから、こういう猟奇殺人モノに不可欠な要素“身も凍るような恐怖”が一切感じられず不満爆発!事実を追うだけなら単にドキュメンタリーや再現VTRを見ればいいのだし、少なくとも映画という芸術表現でもって人様からお金を貰おうとするのなら、映画として最低限のクオリティは確保してほしい。最後に表示される、実際に殺された少女たちもこれでは浮かばれないでしょうね。[DVD(字幕)] 4点(2024-04-06 13:24:38)

19.  ハウス・バウンド 《ネタバレ》 ATM強盗中にへまを犯し、警察に捕まった不良少女カイリー。未成年ということもあり、更生のために実家で数か月の保護観察処分という判決を受けた彼女は、保護観察官と一緒に久しぶりに実家へと帰ってくる。義父とともに静かな余生を送っていた母親は、渋々ながらそんな娘を受け入れることに。いろいろ衝突しながらも久しぶりに家族水入らずの生活を送る親子。だが、しばらくすると不可解な現象が家の中で多発するようになる。家のものがいつの間にか動いていたり、使った覚えがないのに電気代が高騰していたり、地下室から不審な物音が聞こえてきたり……。そしてとうとうカイリーは、地下室で霊と思しき存在を目にしてしまう。そう、ここは過去に凄惨な殺人事件があったいわくつきの家だったのだ――。果たしてこれは全て幽霊の仕業なのか。足首につけられたGPSのせいで家から離れられないカイリーは、怪奇現象オタクだった保護観察官ともに真相を究明しようと動き出す……。かんなり低予算で撮られただろうそんな本作、魅力的な登場人物たちがつむぐテンポの良いストーリーは観やすくてなかなか面白かった。かなりはねっかえり娘だけどどこか憎めない主人公やぐちぐち言いながらも結局娘に引きずられちゃう母親、オカルト大好きないかつい保護観察官。彼らのコミカルなやり取りはベタではあるけれど終始微笑ましくて大変グッド。ただ、ストーリー自体は率直に言ってありがち。序盤ゴリゴリのオカルト押しではじめといて中盤で実は……という展開は途中で読めてしまうし、けっこう突っ込みどころも多い。特に途中で主人公が義父をハサミで刺しちゃう展開は重すぎるし、その後も実家で暮らし続けるとかどんなけ甘々な警察やねん(笑)。そこら辺はもう少し考えてほしかった。ただ、中盤で真相はこういうことだったのかと思わせといてでも実は違いましたという、さらなるどんでん返しを見せる終盤はちょっと新しかったですね。「そうくるか~」って感じで。全てが明らかとなった最後の最後、それでもこの共同生活続けてんのかい!と思わず突っ込んじゃうオチはさすがに笑っちゃったわ。と、そこいらへんのユーモア感覚やところどころのホラー描写にけっこうセンスを感じたのでボチボチ面白かったかな。監督はこの後、ハリウッドでスマッシュヒットを飛ばしたホラー『M3GAN ミーガン』を撮ることになるジェラルド・ジョンストン。自分はそちらは未見なので、本作からどれだけ成長したのか今度期待して観てみようと思います。[DVD(字幕)] 6点(2024-04-06 09:16:51)

20.  あのこと 《ネタバレ》 まだ中絶が違法とされていた1960年代フランスを舞台に、予期せぬ妊娠が発覚し、自らの将来を守るためにどうしても中絶しようともがくある女子大生の苦難の遍歴を淡々と綴ったヒューマン・ドラマ。まぁ確かに言いたいことは分かるし、これまで社会がいかに女性に厳しく無関心であったかを告発するという意義も分かるんですけど、一本の映画としてはちょっと微妙な印象。あまりにも淡々とストーリーが進行していくし、暗いだけで魅力に乏しい主人公にもいまいち感情移入できないし、何より全体的に画が薄暗くて見辛いところが自分の好みとしては致命的でした。数年前にカンヌでパルムドールを受賞した『4ヶ月、3週と2日』と同じく、訴えたいテーマには共感できるのだけど映画としてはいまいち面白くなかったというのが率直な感想です。最後に流産した胎児の映像を見せるのも不快感しか残らず、そこを敢えて映すところも似てます。この時代、女と言うだけでここまで不自由な生活を余儀なくされた多くの女性の人生に光を当てようというその思いには好感が持てるだけに、映画としてのクオリティももっと大事にしてほしかった。惜しい。[DVD(字幕)] 5点(2024-04-06 08:47:43)

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