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ひとりぼっちの二人だが - Tolbieさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ひとりぼっちの二人だが
レビュワー Tolbieさん
点数 8点
投稿日時 2013-04-16 18:16:51
変更日時 2013-04-16 18:16:51
レビュー内容
 このタイトルが実にいいと前から思っていた。ひとりぼっちが二人いたら、もうひとりぼっちじゃないんだという、実にあたりまえだけど、嬉しくなってくるようなタイトル。それに続く「だが」のもたらす希望。『明日に向かって撃て』級の良いタイトルだと思う。

 ’62年といえば、終戦後17年。戦災孤児と言うのが、そこそこ一人前の年齢になった頃か。こういう意味のひとりぼっちの人が、町にはたくさんいたんだろうか。いたんだろうな。
 そういった境遇の者が、苦しい社会を生きていくうちに昔の仲間と再会し、助け合い信じ合って生きてゆくようになる青春物語。

 身を売らされそうになる芸妓やら、戦災孤児やらが登場するが、決して暗くならずに見られるのは、坂本九のキャラクタのお蔭だろう。役柄と言うより「坂本九」というキャラクタにそのまま乗っかった感じである。彼の独り舞台シーンは、まあ今実際に笑いはしないが、当時は面白いシーンだったんだろうと思わせる。
 そして、まるで『ウエストサイドストーリー』の最後のシーンのように、若者たちが罪を悔いて共に歌い歩き出すシーンは、作り事めいてはいるがそれ故か、若者の歩く先の明るさを思わせる良いシーンだ。
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