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バッド・ジーニアス 危険な天才たち - tottokoさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 バッド・ジーニアス 危険な天才たち
レビュワー tottokoさん
点数 8点
投稿日時 2020-10-09 23:13:37
変更日時 2020-10-09 23:13:37
レビュー内容
タイ映画と聞いて抱いた先入観を吹っ飛ばすほど垢ぬけていて、大変面白いので失礼ながらびっくりしました。
実話ベースとはいっても、そこから広げたカンニングのアイデアが秀逸で、目が真ん丸になるばかり。企みがバレそうになる、ギリギリの際のドキドキ感を煽る演出も巧い。STIC本番で独り荷を背負うことになったリンの汗だく&手の震え場面は観てるこっちも冷や汗をかきますし、本国で待機する鉛筆待ちのバイク集団の時間との闘いなんかは大仰なのだけど、観てる間は「そんな馬鹿な」という気持ちを忘れます。
単純に「カンニング大作戦!」的なコメディにするのではなく、格差社会の青春を生きる若者らのドラマに仕立てたのも味わいを深くしました。清廉だったクリーニング屋の息子が金銭欲に呑まれてしまうラストは苦く、リンの抱いたほのかな恋情の終わりでもあるので切なくもありました。
スピーディな展開、暴走する子へのストッパーとなるリンの父の存在といったキャラクター配置の巧みなこと等、一流の脚本であります。近年のアジア映画は凄い。日本はうすぼんやりしたアイドル主演の青春映画を作っている場合ではありません。
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